3:いかやき ◆J9pjHtW.ylNB[saga sage]
2014/08/06(水) 01:50:45.51 ID:aCpzcjHAO
もしそこに事情を知らない者がいれば、慄然としたかも知れない
メイドの娘は確かにその犬の娘を、魔王様、と呼んだのだ
犬娘「冷たいお茶飲みたい〜」
メイド剣士「……用意してます」
犬娘の不意の要求にも、メイドの娘は完璧に応える
そうでなくてはいけないと考えている
ふと、メイドの娘は犬娘の腕に目をやる
主人の体に傷があるのを見つける度にメイド娘の小さな胸が痛む
自分は彼女を守ることをヤマナミ王直々に任命されたのだ
それなのに彼女は私を庇い、生傷を増やす
…………
――ヤマナミの国――
ヤマナミ王家は二百年前の先祖からの同盟関係である魔王軍との関係を更に深め、今やその国には多くの亜人や魔人が住み着いている
犬の娘がその国に現れたのは、勇者の国オリファンの、春の月の勇者祭りが終わった頃であろうか
国王は誰にでも平等に接するため、週に一度、町民や冒険者の接見を許していた
犬娘もその接見を求める群集の中の、一人であった
汚らしい貧民の男や暗殺者のような男、屈強なオーガや竜人に紛れ、一際小さな犬娘は列の先頭を覗き込むように眺めていた
果たして今日中に接見出来るのであろうか?
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