過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』 第二幕
1- 20
4: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/09/24(水) 22:53:41.54 ID:5XhV8xEEo

溜め込んでいた重い息を吐き出しながら、若いレンジャーは歩みを止めた。


レンジャー「ふう」


一度立ち止まってしまうと、再び歩き出す気には、なかなかなれないものだ。

賑やかなポケモンセンターの中で、ぽつんと佇む。

これでも仕事中だった。

そのうち受付カウンターから声がかかるはずだ。

それまで時間を潰さなくてはならない。


仕方なく、目の前にあった簡素で年季の入ったソファに、どっかりと腰を下ろした。

数人が座れる幅のものを背中合わせに並べた、どこにでもある待ち合い用のソファだ。


外と違い、センターの中は空調がよく効いている。

にも関わらず、無意識に帽子を脱いで顔を扇ぐ。

エアコンの風では抑えられない、いやな汗をかいていたからだ。


検査が終わったのは、ほんの少し前のことだった。

最後の手続きが終われば、コマタナを返してもらえるはずだ。


予定していたよりずいぶんと日数も時間もかかったが、それは誰に原因があるわけでもない。

コマタナにとって何がストレスとなるのか、はっきりしていなかったのだ。

医師相手だとしても、人前に連れ出していい状態なのか判断は難しい。

せめてもの救いとして、自分には慣れてきてくれている、という程度だった。


結局、あくまで近場へ遊びに行くような調子で検査に連れ出し、疲れたら切り上げることにした。

だがこれでようやく、コマタナを連中の元に帰らせることができる。

放送で声がかかるまでは、おとなしくここで待つことにしよう。


レンジャー(結局、ピンチヒッターも頼まずに済んじゃったしな)


周囲には、ざわざわとした雑多な音が満ちている。

行き交う足音。

ポケモンの鳴き声。

人間の話し声。

その中に混じって響く、事務的な呼び出しの声。

どれも、ポケモンセンターではごく普通のものばかりだ。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
434Res/424.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice