過去ログ - 【艦これ】「君と聞きたいライトミュージック」【安価】
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/05(水) 17:24:06.74 ID:eenxulrU0

>>3



明るい声が聞こえる。
無邪気を纏う子どもの声が。

朗らかな声が聞こえる。
陽だまりを想起する声が。

優しい声が聞こえる。
とうの昔に忘れた母のような、赦しで包み込む穏やかな声が。


「……ーい、ねぇ。 司令官、司令官ってば!」

自分の横を見ると、何やら不安げな表情を浮かべる雷の姿があった。
どうやら何度も私を呼んでいたようだが、返事が無いので困っていたとの事だ。

少し考え事をしていた旨を告げると、彼女の唇は三日月を描き、うっすらと八重歯を覗かせる。

「何を悩んでいるかは分からないけれど、大丈夫。 安心して貴方は成すべき事を成せばいいのよ!」

見た目はまだ学徒隊にすら届かないであろう、年端もいかない少女の言葉に励ましを受けた。
しかもそれが存外頼もしくて、滑稽さを覚えた胸が私の表情につい現れたようだ。

「なによー、そんな顔して」

不服そうな雷を見るあたり、苦笑でもしていたのか。
なんでもないと声をかけ、彼女の柔らかい髪をくしゃりと軽く撫でてみる。
手の平の下にある顔は見えないが、あまり嫌な顔はされていないと思いたい。

手を離してみると、キラキラした目でえへんと胸を張るような仕草をしている雷が見えた。

「よかった。 ようやく笑ったわね」

冷血。鉄面皮。
そう言われてきた私の表情を、どうしてこの子は分かるのだろうか。


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