過去ログ - 後輩「先輩、やっぱりここにいたんですね」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2014/11/09(日) 22:22:07.35 ID:Gwy6WD/L0
男「……」

後輩「なんでいっつも、この図書館にいるんですか?」

男「……」

後輩「その本、面白いですか?」

男「……」

後輩「私、小説ってどうも苦手で……あっ、でも先輩のおすすめなら頑張って読みますからね」

男「……」

後輩「……先輩、私退屈ですぅ」

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:25:01.60 ID:Gwy6WD/L0
男「……あのさ」

後輩「なんですか! 先輩の質問ならなんでも答えちゃいますよ!」

男「帰れば?」
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:26:25.25 ID:Gwy6WD/L0
後輩「……いい加減、泣いちゃいますよ?」

男「ご自由に」

後輩「大声で泣いちゃいますよ?」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:27:57.33 ID:Gwy6WD/L0
後輩「私、お芋好きですよ? カレーとか、肉じゃがとか、粉ふき芋とか、あとはグラタンとかも。他にもスイートポテトやポテトチップスもいいですね」

男「そうですか」

後輩「はい! なんなら、明日にでもお芋料理を作って来ましょうか? こう見えても料理は得意なんです」
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:29:40.14 ID:Gwy6WD/L0
男「どこかに誘われたんだよね? 行けば? むしろ行って下さい、一人で」

後輩「うぅ、敬語の上に、体言止めで一人を強調するなんて……わかりましたよぉ。今回は断れそうもない状況らしいので、行って来ます、一人で……」

男「そうして下さい」
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:31:03.41 ID:Gwy6WD/L0
翌日


後輩「ほら先輩、お口を開けて下さい」

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:32:00.48 ID:Gwy6WD/L0
男「……」

後輩「……え? 本当なんですか?」

男「嘘に決まってるじゃん。なんで信じてるの?」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:33:50.06 ID:Gwy6WD/L0
後輩「ちなみに、内容をお伺いしても……?」

男「身長百五十センチ弱くらいで、○○高校の制服を着ており、短い茶色の髪をうなじ辺りでうさぎの尻尾みたいに纏めている子が館内で飲食を――」

後輩「はい、片づけました! 蓋もバッチリ閉めましたし、巾着型のお弁当袋にも入れました! これでノーカン! ノーカン!」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:35:24.51 ID:Gwy6WD/L0
司書「元気なのは結構なんだがね、もうちっと、静かにしては貰えんかねぇ? こんな図書館でも、今も何人かは利用してくれているからね」

後輩「す、すみません! 本当にすみません! もう二度と騒ぎませんし、食べ物も出したりしませんので、どうか出禁だけは……っ!」

司書「はっはっは、今回の件では出禁になどせんよ。ただね、本当に何件も苦情が入ってしまったら、申し訳ないけど……」
以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:36:30.94 ID:Gwy6WD/L0
後輩「うぅ……怒られちゃいました。ケータイはお返しします」

男「あれで怒られた分類に入るのなら、君は本当に幸せな人生を歩んでいるんだと思うよ」

後輩「それはもう、毎日が幸せです」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:37:54.62 ID:Gwy6WD/L0
後輩「でもなにを読んだらいいのか……おすすめはありませんか?」

男「『ウォーリーをさがせ』」

後輩「そんな本があるんですね。行方不明になったウォーリーさんを見つける物語かなぁ? まぁいいや、とにかく探してきます」
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/11/09(日) 22:39:06.91 ID:YwsrSh+Vo
頑張れ後輩。実ってくれよ


13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:39:36.72 ID:Gwy6WD/L0
後輩「また叱られちゃいました……」

男「……」

後輩「先輩のせいですからね」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:41:58.95 ID:Gwy6WD/L0
閉館後



後輩「んー……久しぶりに本を読んだなぁ」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:44:06.43 ID:Gwy6WD/L0
翌日


後輩「私、悟りました。私に足りないものは癒しだと」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:45:34.92 ID:Gwy6WD/L0
後輩「見て下さい、この癒し具合。眺めているだけで心が安らぎませんか?」

男「そうかもね」

後輩「ぐぬぬ……本から一切目を逸らさないまま、適当に相槌を打って……とにかくですね、今日から友ちゃんにも付き合って貰う事にしました」
以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:46:38.24 ID:Gwy6WD/L0
友「ち、違うの。本当に違うからね? 嫌なんかじゃないんだよ? ただ……」

後輩「ただ?」

友「その、癒すって、なにをしたらいいのかわからないから……」
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:48:15.29 ID:Gwy6WD/L0
後輩「どうですか、先輩。友ちゃんが隣にいて癒されません? いい匂いがしません?」

友「に、匂いって……」

後輩「友ちゃん、クラスですごい人気者なんですから。ね? ドキドキするでしょう?」
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:51:52.55 ID:Gwy6WD/L0
後輩「読みたい本があるのなら持って来るけど、どうする?」

友「それじゃあ、浅田次郎さんって作家さんが書いた、壬生義士伝の下巻を……」

後輩「アサダジロウさんのミブギシデンの下巻だね。了解」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:53:02.17 ID:Gwy6WD/L0
男「……」

友「え、えっと……さっきは後輩ちゃんに文庫本の説明をして貰って、ありがとうございます」

男「……」
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/11/09(日) 22:54:33.20 ID:Gwy6WD/L0
男「……読んだ事があるから、なに?」

友「いえ、なんでもないです……。よく考えたら、ネタバレをしてしまうところでした。ミステリー小説なのに」

男「……」
以下略



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