1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2014/12/01(月) 21:11:17.99 ID:Ai8ua3e50
勇者侵攻の知らせを受けたときは驚いた。
人間界に攻め入り早12年、反抗勢力が魔界にまで来るなど、一度としてなかったことだ。
勇者誕生自体はこれまでも何度かあった。
だが彼らはせいぜい人間界の拠点を1つ2つ落とす程度。
半数以上は大した戦果もなく消えている。
我々四天王に届く情報は全て討ち取った事後報告、要するに取るに足らない存在。
そんな勇者観を覆す強烈な出来事だったのだ。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/01(月) 21:12:37.74 ID:Ai8ua3e50
火や風は全く意に介していなかった。
どうせ野たれ死ぬだろう、仮に攻め込んできたとしても高が知れている、と。
何の対策を講ずる気もないようだ。
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:13:59.52 ID:Ai8ua3e50
とんでもない結果になった。
水が派遣した部隊は全滅。
それどころか私が派遣した斥候も半数が命を落とした。
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:15:41.54 ID:Ai8ua3e50
勇者一行は4人で構成されていた。
勇者、戦士、魔法使い、僧侶だ。
戦士は剣術と体術で戦う軽装の男。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:18:16.66 ID:Ai8ua3e50
この報告を受けてなお、火と風は楽観していた。
水の部隊の訓練不足だと嘲っていた。
そんな次元の話ではない。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:49:50.90 ID:Ai8ua3e50
予想は悪い方向にばかり良く当たる。
火は戦死した。
陛下には報せを出した。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:51:01.40 ID:Ai8ua3e50
陛下からの返答と水の戦況報告が重なった。
可能な限り敵勢力を消耗させた後、撤兵せよ。
水、戦死。部隊も壊滅的な打撃を受け敗走。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/01(月) 21:52:22.11 ID:Ai8ua3e50
案の定、弔い合戦を考えていたようだ。
奇しくも反発していた水と同じ末路を辿った。
同志達の仇は取りたいが、それでは犠牲者が増えるだけだ。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:55:04.32 ID:Ai8ua3e50
大半の兵は我が居城を脱出した。
城が影となり、その逃走は勇者一行からは見えまい。
後は彼らの逃げる時間を稼ぐのみ。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:56:33.76 ID:Ai8ua3e50
側近「…ここで終わっていますね」
魔王「そうだな…くくく、流石我が腹心よ、余と同じことを考えていたようだ」
側近「そうですね。そして、奇しくも、状況まで同じですね…」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/12/01(月) 21:57:56.11 ID:Ai8ua3e50
側近「何なりと」
魔王「余と土の手記を持っていけ。そして、それぞれ最後に加筆して欲しい」
側近「どのように?」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/12/01(月) 21:58:39.68 ID:Ai8ua3e50
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