過去ログ - キョン「お前、ハルヒにじゃんけんで勝てるか?」
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1: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/26(金) 23:55:08.11 ID:zn/va825o
キョン「お前、ハルヒにじゃんけんで勝てるか?」

古泉「どうでしょうか。やってみたことがないので答えようがありませんが……」

キョン「では質問を変える。ハルヒとじゃんけんして勝てる気がするか?」

古泉「そうですね……。あまり、というか勝てる気はしませんね」

キョン「そうだろう。俺もそう思う。あいつはきっとじゃんけんが強いんじゃないかと思う」

    「それも何かをかけての勝負だった場合、常軌を逸して強いと思う」

古泉「涼宮さんらしくていいじゃありませんか。それがどうかしたんですか?」

キョン「何もかけない状況で俺がハルヒにじゃんけんで勝てると思うか?」

古泉「どうなんでしょうか……。そもそもあなたはじゃんけんが強いのですか?」

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2: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/26(金) 23:56:26.52 ID:zn/va825o
キョン「俺は絶望的に弱いと自負している。ここぞという場面ではことごとく負けてきた。勝った記憶があまりないほどだ」

古泉「では無理なのではないでしょうか。蟻が象に挑むより無謀ですよ」

キョン「だが、確率の話で言えば平等なはずだろ? 精神的要素が影響しているはずだ」
以下略



3: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/26(金) 23:57:30.40 ID:zn/va825o
キョン「昨日な、ふとしたことで谷口とじゃんけんをしたんだ。化学の宿題を見せるとか見せないかとかそんな理由だ」

キョン「谷口はじゃんけんが強かった。腕を振りながら『これは負けたな』と思うくらいだった」

古泉「負けたのですか。谷口さんは自分が有利な場面でのじゃんけんは強そうなイメージがあります」
以下略



4: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/26(金) 23:58:17.65 ID:zn/va825o
キョン「鶴屋さんはどう思う?」

古泉「あの方は強そうですね。何度あいこになっても最終的に勝ちそうです」

キョン「俺もおおよそそんなイメージだ。長門は正直読めん。というかあいつはじゃんけんとか知ってるのか?」
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5: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/26(金) 23:59:10.22 ID:zn/va825o
キョン「何ってじゃんけん前の儀式だろ。お前のとこは違うのか? こうやって伸ばした腕を交差させてだな……」

古泉「いや、やり方は結構ですよ。それは何を見ているのですか?」

キョン「覗いてみて何となく手を決めるんだ。おっ、これでいくか!」
以下略



6: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/26(金) 23:59:52.54 ID:zn/va825o
「――最初はグー、じゃん、けん、ぽん!」

キョン「負けた……」

古泉「予想通りの結果でしたね」
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7: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:00:40.42 ID:tEcKC4fjo
キョン「まあいい。その推察を俺みたいな人間が使ったとして、どの程度の勝率が出せるんだ?」

長門「95%」

キョン「俄かには信じられんな」
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8: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:01:55.36 ID:tEcKC4fjo
キョン「もうダメだ……。勝つ前に心が折れちまう……。……長門、ありがとな」

長門「いい」

古泉「思ったより長くもちましたね」
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9: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:02:27.18 ID:tEcKC4fjo
キョン「長門が相手じゃ分が悪すぎたな」

古泉「確かにあまり参考にならないデータかもしれませんね」

キョン「俺は今日に限れば世界中で一番じゃんけんに負けただろうな……」
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10: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:03:07.60 ID:tEcKC4fjo
「――最初はグー、じゃん、けん、ぽん!」

キョン(このふわふわした声でじゃあん、けえんと言われるとつい口元が緩んでしまうな)

    (しかもそれなりに勝てる。これは嬉しい。長門戦での疲労が回復していくようだ)
以下略



11: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:03:43.66 ID:tEcKC4fjo
みくる「じゃあ、あたしはお茶入れますね」

キョン「どうもありがとうございました」

古泉「……」
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12: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:04:30.59 ID:tEcKC4fjo
キョン「そういえばお前はどうなんだ? 強いのか?」

古泉「特に強くも弱くもないと思います。ありきたりな表現ですが、普通と言えると思います」

キョン「10回勝負でやってみよう」
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13: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:05:20.30 ID:tEcKC4fjo
「――最初はグー、じゃん、けん、ぽん!」

キョン「男と放課後に連続でじゃんけんをするのっていうのは画的にどうなんだろうな」

古泉「どうなのでしょうか。あまり望まれる画ではないことは確かですね」
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14: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:06:40.92 ID:tEcKC4fjo
古泉「今から朝比奈さんと三回勝負してみてください。負けたら僕にジュースでも奢ってくれませんか?」

キョン「なんでお前に奢らにゃならんのだ?」

古泉「僕と飲み物を賭けて勝負したとしても、追い込まれ度は同等です。考えようによってはフェアといえます」
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15: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:07:31.08 ID:tEcKC4fjo
キョン「……負けた」

古泉「どうやら本当に何かを賭けると弱いようですね。ストレート負けとは」

キョン「さっきの長門戦がフラッシュバックした。『最初は』と言ってる段階で負けるビジョンが見えちまった」
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16: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:08:34.71 ID:tEcKC4fjo
古泉「……」

キョン「……勝つっていうのは一体どういうことなんだろうな」

    「そもそも争いってやつはは不毛なことだし、これでいいんだ。これで」
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17: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:09:37.24 ID:tEcKC4fjo
キョン「じゃんけんってやつはどうやれば勝てるんだ?」

古泉「振り出しに戻ってきていますよね?」

キョン「精神的な補強というのは間違ってないと思うんだ。なんせ、負けるビジョンが見えたときは確実に負けている」
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18: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:10:55.83 ID:tEcKC4fjo
古泉「涼宮さんは普段傍若無人に振舞っていますが、中身は歳相応の繊細な高校生です」

   「精神的な揺さぶりに弱いことはあなたもご存知でしょう?」

キョン「お前、繊細って言葉の意味を間違えてないか……? 俺にはそうは思えんが……」
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19: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:11:39.18 ID:tEcKC4fjo
古泉「僕は声を出さずにやってみますので、あなたは力の限り叫んで臨んでください」

キョン「端から見てると俺だけ馬鹿みたいじゃねえか……」

古泉「涼宮さんに勝つためですよ」
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20: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:12:27.16 ID:tEcKC4fjo
キョン「大声を出すと勝率が若干上がったような気もするな」

古泉「極わずかですが、勢いとイメージは大事なようですね」

キョン「それだけわかっただけでも収穫といえるだろう。なんせ相手はハルヒだ」
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21: ◆DefgSpEO2U[saga]
2014/12/27(土) 00:13:32.12 ID:tEcKC4fjo
キョン「どうやってだよ」

古泉「涼宮さんが乗りたくなるような勝負を演出すればいいのです」

   「例えばあなたが負けた場合、涼宮さんの犬になるとか……」
以下略



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