過去ログ - 幸子「アイドルになった事に後悔なんてしていません」
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22:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:24:27.95 ID:EM5bJfah0
「……ない」

 スポーツバッグの中に、あるはずのモノがないのです。

 手袋もある、髪飾りもある、けれどありません。
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:26:42.16 ID:EM5bJfah0
 無意識の内に取り出した?

 それもあり得ません。

 なにしろそのブーツは、衣服の下に入れいました。
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:28:17.71 ID:EM5bJfah0
 いつ?

 ついさっきでしょう。

 ボクがスポーツバッグから離れたのは、先程化粧室に行った時だけです。
以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:29:51.73 ID:EM5bJfah0
 現在、室内にいるのは八人。

 化粧室に行く前、何人この部屋にいたのか、記憶していなかった事が悔やまれます。

 顔も覚えていれば、犯人を特定出来たかもしれないのに。
以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:32:56.28 ID:EM5bJfah0
 残された時間はあまり長くはありません。

 時計を見て現時刻を確認したあと、ボクはスポーツバッグの帯を肩にかけて、控室を出ます。

 と、すぐに立会人さんを見つけました。
以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:34:07.51 ID:EM5bJfah0
 立会人さんは、そんなボクを一瞥する事さえなく、ボクの後ろに向かって去っていきます。

 呼び止めないと。

 一緒に探して貰わないと。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:36:06.31 ID:EM5bJfah0
 いい学校に通わせてくれて、突然アイドルになるなんて言ったボクの言葉を了承してくれた両親に、これ以上迷惑をかける事だけは阻止しないといけません。

 ですが腕に力が入りません。

 足にもです。
以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:37:30.01 ID:EM5bJfah0
「だ、大丈夫か?」

 正面から声がしました。

 男の人の声です。
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:39:02.73 ID:EM5bJfah0
 男の人は少し間を開けて、もしかして、と言いました。

「ライブバトルで負けちゃったのか?」

 ボクはかぶりを振ります。
以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:40:02.53 ID:EM5bJfah0
 どうしたら伝わる?

 出来るだけ短い単語で。

「く……く、つ……」
以下略



32:名無しNIPPER[saga]
2015/01/06(火) 21:42:07.69 ID:EM5bJfah0
 次の瞬間、自分でも不思議なほど俊敏に体が動きました。

 男の人から奪うように紙袋を取り返して、抱きしめます。

「……よかった。本当によかった……」
以下略



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