過去ログ - 【艦これSS】提督「壊れた艦娘と過ごす日々」【安価】
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13: ◆oeBS4v7bwY[saga sage]
2015/01/10(土) 23:52:17.93 ID:OfdmEPE+o

 服を掴んでいた手を放す。代わりに、寒さに震えるようにして自分の肩を抱いた。

榛名「……榛名の仲間を食、襲ったばかりの深海棲艦は、まだ姿が安定していなかったみたいで」

 一瞬だけ食べた、と言い掛けてしかしそうは言わなかった。

 言えなかったのだろう。

 例えそれが実際に起こってしまった変えられない事でも、口に出すのだけは憚られたのだ。

榛名「ぐずぐすに崩れながら、上半身は仲間の姿、下半身と顔の一部が深海棲艦の姿をしていました」

 想像するだけでも顔を顰めたくなる。

 とはいえ、実際に対面した榛名と雪風の心情を考えると、それさえも出来なかった。

榛名「……深海棲艦は、榛名を襲ってきました」

 それはまるで大和たちと同じ内容だった。

 恐らく大和たちと榛名は、同じ深海棲艦に襲われたのだろう。

 思えば以前本部で聞いた北鎮守府の被害は、大和艦隊が襲われた日だったかもしれない。詳しくは、覚えていないが。

榛名「榛名は逃げました。ですが……」

 演習直後に資源を探索させられ、背後から仲間を模した深海棲艦に襲われた榛名。冷静に戦えというのが無理な話だった。

提督「……、だが、逃げ切れずに、応戦せざるを得なくなったんだな」

榛名「……はい」

 榛名の声が震える。

榛名「雨だったんです。周りを確かめる余裕はなくて、必死で……」

 榛名の続く言葉は、聞かなくても分かった。


 ……恐らく。

 その榛名の先に、大和達が居たのだろう。

 艦娘の姿を模した深海棲艦。

 それから逃れる術はなく、撃つしかなかった。

 そうして榛名が見た景色に、大和。


榛名「……、榛名が、大和さんを、榛名が、榛名が……!」

 壊れたテープの様に呻く。




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