過去ログ - 電「お姉ちゃん達はズルいのです」
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16: ◆00ZRE1DaEk
2015/01/23(金) 08:39:20.97 ID:BVtekGLi0
「綺麗なお姉さんなのです」
「あぁ、そうだな」
「電もあんな大人の人になりたいのです」
恐らく彼女は、見た感じ大学生のアルバイトだろう。どうでもいいことなので流したが。
「電は顔が整っているから、将来絶対に美人になるよ」
顔をみるみる赤くしていく彼女は実に初々しい。今の言葉は本心だが、彼女をいじるのは楽しい。
「あ、ありがとうございますなのです」
「本心だけどな」
「はわわ!か、からかうのはやめて欲しいのです!」
彼女は頑なに否定する。お世辞と思っているようだ。
彼女はどうしてここまで自分に自信が無いのか。数年もすれば周りが羨むような美少女になっているはずなのに。
「いや、本当に本心だ。私が電と同級生だったなら告白していたはずだぞ」
笑いながらそんな夢物語を口にする。
しかし学生か……
今軍で働く艦娘達が解雇され、学生になるなんていうのは、私にとって何よりも平和の象徴に思えた。
「……あの、司令官さん」
「ん?どうしたんだ?」
先程と打ってかわって静かに俺を呼んだ電はまた俯いていた。
「さっきのがお世辞じゃないって言うのが本当でしたら……」
「だったらなんだ?」
「あの……私――」
「司令官!」
突然呼ばれて思わず店の入り口を見た。電の声を遮ってテーブルに近づいて来たのは、電の姉の一人である雷だった。
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