過去ログ - 真「ずっとヒーローに憧れてたんだ」
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1:1[saga]
2015/03/01(日) 22:22:29.36 ID:t/xbdCsgO
・アイマスSSです。
・地の文あります。
・原作改変してます。

では、よろしくお願いします。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:1[saga]
2015/03/01(日) 22:22:53.19 ID:t/xbdCsgO

幼い頃、ヒーローに憧れた。

毎週何曜日だったか、夕方に放送される男の子向けアニメ。

以下略



3:1[saga]
2015/03/01(日) 22:23:22.11 ID:t/xbdCsgO

僕は、そのヒーローに憧れてたんだ。

僕もそんなヒーローになりたい。
誰かを助けられるような、そんなヒーローに。
以下略



4:1[saga]
2015/03/01(日) 22:24:10.43 ID:t/xbdCsgO

自分より歳や体の大きな子達が凄まじい気迫で組み手をしていて、
僕と同じ、または小さいくらいの子達は皆、統制の取れた動きで型を習っていた。
道場内にこだまする張り裂けるような掛け声は、「凄い」よりも先に、「怖い」を付き纏わせた。

以下略



5:1[saga]
2015/03/01(日) 22:24:46.54 ID:t/xbdCsgO

そんなある日、同年代で組み手をするというプログラムが新しく入った。
退屈を感じさせていた空手にも、ようやく次の刺激が入ってきたかと、胸を躍らせた。

組み手の中にも、「約束組み手」とか、「組み手試合」とか色々あるけど、
以下略



6:1[saga]
2015/03/01(日) 22:25:13.82 ID:t/xbdCsgO

一方的に技を掛けてはいけない、なんてルールなんて無いけれど、
これはあまりにも暴力的なワンサイドゲームだった。

それから四、五発拳を打ち込まれた後、審判の上級生からの制止が入った。
以下略



7:1[saga]
2015/03/01(日) 22:25:42.65 ID:t/xbdCsgO

車の中でも、特に父さんは何も言わなかった、多分何も言えなかったんだと思う。
今思えば、父さんは不器用で僕に掛ける言葉が無かっただけなんだ。
けど、その時の僕は「心配してもらえなかった」っていう、酷く自己中心的な悲しみ方をした。

以下略



8:1[saga]
2015/03/01(日) 22:26:24.55 ID:t/xbdCsgO

そして、あまりにも理不尽だった自由組み手。
でも、今思えば、相手の行動は理不尽ではあっても不思議では無かった。
もしあの組み手の状況が逆だったなら、きっと僕も手加減なんてしていなかっただろう。

以下略



9:1[saga]
2015/03/01(日) 22:27:00.83 ID:t/xbdCsgO


それから、僕の中のヒーローは居なくなった。


以下略



10:1[saga]
2015/03/01(日) 22:27:28.50 ID:t/xbdCsgO

いつしか僕は、空手ばかりに時間を割くようになった。
あそこは女の子は少ないし、例え居たとしても黄色い声を送るような子なんて居ない。
楽しいワケじゃなかったけど、消去法で一番快適な空間が道場だった。

以下略



11:1[saga]
2015/03/01(日) 22:28:04.28 ID:t/xbdCsgO

黒帯を取れた事は嬉しかった。 本当に嬉しかったんだ。
周りの人も喜んでくれたし祝ってくれた。
けれど、何故かその喜びは長く続かなかった。

以下略



12:1[saga]
2015/03/01(日) 22:28:38.23 ID:t/xbdCsgO

「アイドル専門の養成事務所、765プロで活躍する人を募集しています!!
 いつもTVで見てるあの番組に出れるかもしれません!
 アイドルに興味があって、やる気に溢れた子は是非、765プロへご応募してください!!」

以下略



13:1[saga]
2015/03/01(日) 22:29:23.17 ID:t/xbdCsgO


居なくなった僕の中のヒーローは、変わらず居ないままだった。


以下略



14:1[saga]
2015/03/01(日) 22:29:56.89 ID:t/xbdCsgO

765プロに居るアイドルの数は僕を入れて11人、直に2人増えたんだけど。
みんな個性的な子たちばっかりで、僕とは比べ物にならない程輝いてた。
輝いてた、と言っても物凄い有名なアイドルって訳では無いんだけど。
なんていうか、夢に向かってるって感じで凄いキラキラしてたんだ。
以下略



15:1[saga]
2015/03/01(日) 22:30:38.85 ID:t/xbdCsgO

同じ境遇もあって、僕たちはすぐに打ち解けた。
雪歩は犬や男性の人が苦手で、そんな自分を変える為にアイドルを目指したらしい。
十分立派な動機じゃないかって言うのは少し気が引けた。

以下略



16:1[saga]
2015/03/01(日) 22:31:32.39 ID:t/xbdCsgO

次第に僕は、色を取り戻したかのように女の子としてのあり方に興味を持ち始めた。
かわいいグッズを集めたり、ファッション誌を読んで、色んな勉強をした。

けれど、反比例して空手に注ぐ時間はどんどんと減っていった。
以下略



17:1[saga]
2015/03/01(日) 22:32:53.67 ID:t/xbdCsgO

順風満帆なアイドル生活だったけど、唯一無くてはならない物が欠けていた。

それは、仕事だった。

以下略



18:1[saga]
2015/03/01(日) 22:33:47.76 ID:t/xbdCsgO

・ ・ ・ ・ ・

「う〜ん…………、暇だなぁ」

以下略



19:1[saga]
2015/03/01(日) 22:34:26.26 ID:t/xbdCsgO

「…………そんなに、暇がいや?」

「うーん、そうじゃ無いけど。 なんていうのかな、アイドルしたいっていうか」

以下略



20:1[saga]
2015/03/01(日) 22:35:04.89 ID:t/xbdCsgO

「出してやろうか」

「ぴぃっ!?」

以下略



21:1[saga]
2015/03/01(日) 22:35:49.59 ID:t/xbdCsgO

「実は、丁度お前らに仕事が回ってきて、どうかと思ってな」

「ホントですか!! やるやるっ、やります!」

以下略



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