過去ログ - 誠子「釣れないなぁ…」京太郎「お隣宜しいですか?」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2015/03/22(日) 19:10:00.57 ID:27cxWrl80
誠子「!?」
寒風が、肌に痛かった。
まだまだ寒い盛の時期である。
京太郎「俺にはわかるんですよ、恐らくこの間行方知れずになった新コーチじゃないですかね?」
亦野は出来るだけ気取られないように注意して周囲を見渡した。
およそ人の影は見えない。
その時の亦野の脳裏には以前には思いも拠らなかったであろう、この男を始末する、という考えが浮んで来た。
それだけ、あの日の殺人は亦野を自他の生死に大胆な生き物へと変貌せしめたのであった。
亦野には、あの日以来妙な自信がついていた。
人殺しについて、彼女はあのたった一度で馴れ切ってしまっていた、なるほど人は存外に簡単に死ぬものだと、あの日悟ったのである。
亦野にとって殺しとは、得意とする麻雀や趣味の釣りなんかよりも、よほど天性だとも考えてしまっていた。
それに、自分だけの問題ではない。
殺人の隠蔽には、渋谷まで片棒を担がせてしまったのだ。
それは明らかに自分の責任だと、亦野は考えている。
だから亦野は殺人をどんな犠牲を払っても隠し通す気でいた。
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