過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
↓ 1- 覧 板 20
22:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:32:11.65 ID:jVBRPo/YO
返す言葉を見失った俺は、目下のイベントに話題をシフトさせることにした。
「それで、今日は何をするつもりだ?」
23:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:35:24.10 ID:jVBRPo/YO
佐々木は少し頬を染めながら、物分かりの悪い生徒に対するような調子でこう言った。
「いいかい、僕にとっては異性と二人で遠方まで買い物に行く、というのは経験に乏しいことである訳だ」
24:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:38:04.22 ID:jVBRPo/YO
こんな出だしでどうなることかと思っていたのだが、案外とお目当ての品はすぐに見つかり、
「どうせ部費がおりるんだし、パッと見て問題は無さそうだからこれで良いだろう」
25:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:40:28.61 ID:jVBRPo/YO
「なあ佐々木、ここにしないか?」
「まさかとは思うがこのラーメン屋かい?」
26:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:43:06.84 ID:jVBRPo/YO
何故だろう、どうしてもラーメンを食いたくなってしまった俺に新手のレーダーが備わったらしい。
しばらく適当に歩くとまたもやラーメン屋を見つけた。新しい店構えで客も若い野郎が多い。完璧だ。
27:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:45:55.42 ID:jVBRPo/YO
スパゲッティ(パスタと言うべきか)を一気にかっこんで、ゆっくりとスープで飲み下しながら、
佐々木がデザート(スイーツと言うべきか)を満足そうに頬張る姿を見てようやく人心地着いた気分だ。
28:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:50:26.02 ID:jVBRPo/YO
佐々木は目を丸くして黙り込み、何となく気まずい沈黙が二人の間に訪れる。
あーあ、何余計なこと言ってんだ俺は。
29:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:52:35.02 ID:jVBRPo/YO
明くる週、どう顔を突き合わせたもんかなんて考えながら教室に入ると、いつもの如く既に佐々木は居た。
「よう。パソコン、持ってきたぜ」
30:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:56:29.83 ID:jVBRPo/YO
というわけで部活動から一時的に文芸部要素が抜け落ち、俺たちは勉強会に勤しんだ。
これが功を奏して、俺の試験結果は過去最高に良いものだった。お袋も喜びの涙を流すってもんさ。
31:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:58:42.22 ID:jVBRPo/YO
ターニングポイントというのはあっさりやってくるもので、それは期末試験を終えた後のことだった。
その日は七夕であったが、俺と佐々木は部室の中からしとしとと降り始めた雨を眺めていた。
32:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:02:53.58 ID:jVBRPo/YO
「しかしよく考えて欲しい、僕たちと彼らには決定的に違うものが有る」
「ああ、確かに俺達は星じゃなくてただの人間だ」
182Res/144.40 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。