21:名無しNIPPER[saga]
2015/04/28(火) 13:30:35.35 ID:Lz0knW190
:
:
社長の家
346社長「…ちひろくん、今回の件は本当に助かったよ。もし、君の迅速な対応がなければどうなっていたことか」
ちひろ「いえ、それで彼は?」
346社長「すでに、わたしの手中にある。エナドリで、じっくり忘れてもらうことになるだろうな。それからどうなるかは彼次第だ」
ちひろ「アイドル達には彼が長期に出張に行ったと伝えてあります。…わたしは彼を始末すべきだとおもいます、余計な悔恨を残さないために」
346社長「大丈夫だよ、エナドリの力は絶対だ。プロデューサーのことは君が心配することじゃない」
ちひろ「失礼しました。」
346社長「それより、久しぶりに二人になったんだ。昔みたいにやってみようじゃないか」
ちひろ「えっ!?…社長、今日は彼の分の業務も残っていまして…それに私はこの年でそんな恥ずかしいことは」
346社長「いいから、いいから」
彼はおもむろに彼女を座らせると、扉を開けて出ていった。
残された彼女は茫然としてその扉を見つめていたが、やがてのろのろと台所へ移動した。
朝食の跡と思われる二枚しかない皿の片方を手に取り、水でゆすぐ。
そして、スポンジにマジックリ○を2滴ほど垂らして、泡が出るまでもむ。
慣れているはずの動作なのに、彼女のそれは手際が悪く、それでいて楽しそうであった。
数分後、扉の奥からノックする音が聞こえた。同時に
「ぴんぽーん」とチャイムがなる。
彼女はそれを聞くと勢いよく駆け出し、泡だらけの手にも関わらず、ドアノブを開けた。
「ただいま、ちひろ」
「おかえりなさい、パパ!」
『娘』は勢いよく、少し腹の出てきた『父』に抱き付いた。
『父』は自分を待ってくれた『娘』の頭をゆっくりと撫でる。
『父』と『娘』の顔には自然と笑顔が浮かんでいる。
それは紛れもなく、彼女らが求めて得られなかった、幻の家族であった。
シリアル終わり
小ネタを後に投下します
21Res/18.56 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。