過去ログ - 卯月「総選挙50位以内に入れないアイドルはクビ…ですか?」
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13:名無しNIPPER[saga]
2015/04/16(木) 14:49:24.39 ID:AC0SMIbio
「ソウセンキョ、ですか」

「……はい」


 ちひろさんが差し出してくれた紅茶の湯気をぼんやり見つめながらその言葉の意味を考えました。
 そうせんきょ。ソウセンキョ。総選挙。あ、人気投票のことですね。
 他のプロダクションさんの人気アイドルグループが行っている、テレビで大々的に特集されるアレ。
 私のライバル……ううん、立つ舞台は違っても、きっと私と同じ夢を見たアイドルのみんな。
 順位が発表された瞬間に、おもいっきり泣いたり、笑ったりしているのを見ていると、私もテレビの前で胸をぎゅっと握って良かったね、頑張ったねと応援していたのを思い出します。


 それが346プロでも行われるんですね……。


 まず思ったことが、頑張らなきゃ、ということ。1に努力、島村卯月です!
 その次に感じたのが、素直な喜び。まだまだ活動して日の浅い私が、ネオンが沸き立つあの晴れ舞台に立てる、なんて夢にも思ってもないけれど……。
 ごめんなさい!
 やっぱりちょっと、思っちゃいます。夢を見るだけならタダ、ですもんね。叶えるのは、努力です!2にも努力、島村卯月です!

「えっと……」

 さいごに、胸の奥底で少しだけ広がった感情が、不安。
 346プロのアイドル部署の入り口に貼られているポスター。


 そこには……


 『ひとりひとりが輝ける原石。シンデレラへの階段は今は見えないだけで、貴方の前にいつでも開かれています』

 ──と書かれていました。



 全員が、シンデレラになれる。
 アイドルは競争相手ではなく、大切な仲間。 

 古今東西のアイドルの卵をスカウトしては、たとえお仕事がこなくても、どんなフォローもケアもしてくれて、しっかりと個性を伸ばす。
 その育成方法は海外のメディアからも賞賛されていてるそうです。「巨額の資本に身を任せた分の悪いギャンブルだ」と評されることもあるそうですが……。

 だけど、ひとりひとりに真摯に向き合ってくれて、決して優劣で比べたりせず、大切にしてくれる346プロが、プロデューサーが私は大好きです。

 以前に人気投票を無断で企画してアイドル格付け票を作ろうとした出版社に、差し止めを行ったことがある、という話も聞いたことがあります。
 

 だから総選挙のアイディアはなんだか、346プロを根っこから覆すような、そんな漠然とした気掛かりを感じました。




 
 それに、不安の原因は何よりも……。


「プロデューサーさん……具合悪いんですか?」

「……」

 目の前にいるプロデューサーさんがあまりに苦しそうな顔をしていたことにありました。


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