過去ログ - 前川みく「みくは自分を曲げないもん!」
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11:名無しNIPPER[saga]
2015/05/01(金) 06:04:37.28 ID:Q4mOaklu0
「それ、どういう意味」

怒りをぶつけられ、一瞬だけプロデューサーの視線が泳ぐ。
しかしすぐに視線をみくに戻し、ゆっくりとした口調で応答する。

「表向きの話です」

やはり、仕事上でしかないのかと落胆すると同時に全身から力が抜けていくのをみくは感じた。
失望? 怒り? ああもうなんでもいいや、と全てが投げやりになってしまう脱力感。
変わったと思ったのに、これじゃあ私たちが勝手に期待して、ああ、そうか。期待しちゃったんだ。
あんなんだったのに、見て取れるような距離の空き方だったのに、なんで近づいたのだろう。
もう話したくもない。みくがその考えに至るのはとても自然で、そして、

「そういう言い方、ないんじゃないの」

そんな言葉が、口から出た。

何を言ってるのだ自分は、とみくは自嘲する。
これじゃあまるであの時の自分を見ているようではないか、と。
あの子に「期待を裏切られた」みたいな目で見られたあの時の自分を。
希望も羨望も嫉妬も憎悪も全部引っ括めて、親しい中に期待をして、それでお互いに磨きあえる環境にいて、最後に裏切られてはいおしまい。
人と人との繋がりなんてそうなってしまうものなのだろう。


――もう、期待なんてしたくないよ。



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