過去ログ - 扶桑「私たちに、沈めとおっしゃるのですか?」 提督「そうだ」
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220: ◆bBUdJHUgklsz[saga]
2015/08/30(日) 17:06:12.20 ID:rBv8ugvw0



「……そうか。……そうか。……あぁ、ご苦労。引き続き頼む」
「……どう、だった?」

 提督が受話器を置くと同時に時雨が静かに聞く。
 南方海域から、翔鶴・瑞鶴を中心とする支援艦隊が到着したとの報が入ったのが15分ほど前。
 その報を聞いても歓声は上がらず、ただ間に合っていてくれ、と皆が祈っていた。
 もし、到着が遅く、すでに第四諸島までが敵の手に渡っていたのならば、意味のないものだ。
 それは、扶桑たちが作戦に失敗したという意味でもある。

 扶桑たちのことは信じていた。絶対に勝つと、信じると誓った。
 しかし、それでもそれはある種の強がりでもあり、不安が全くないということはない。
 到着の報が入るまでの数時間もの間、西村艦隊の面々は誰一人指令室から出ようとはしなかった。
 いくら提督が、休め、と言おうが誰も言うことを聞かず、ただただ待ち続けた。 
 せめて、こうやって祈ることで、ともに戦っていると言っているかのように。


 彼女らの表情を見渡す。
 疲れ切った表情で、それでも必死で。
 不安で仕方がないことだっただろう。
 いまでも、その色は消えることはない。
 提督は、ゆっくりと口を開いた。


「間に合ったよ。支援艦隊は、第四諸島陥落前に深海棲艦の撃滅に成功。
 金剛・比叡を中心とする北方からの支援艦隊と合流次第、他諸島の奪還作戦へと移行する」
「それじゃあ……」

 ああ、力強く頷く。

「扶桑と山城は、勝ったんだよ」




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