過去ログ - 京介「別れよう」 あやせ「え……」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/05/22(金) 00:23:29.74 ID:VWWrYmzqo

玄関の隅にあやせを追い詰め、ジッと目を見つめ、そっとその頬に手をかける。優しく、優しく。

あやせ「な……な……」

口をパクパクさせるあやせさん可愛い。
そのまま顎に手を移し、軽く持ち上げる。あくまで優しく。

京介「あやせ」

あやせ「え……や……」

ゆっくりと唇を近付ける。大丈夫、食事のあとちゃんと歯を磨いたので口臭対策は万全だ。

あやせ「嫌っ!!」

唇と唇の距離があとちょっと、という所でバチンッと強烈な音が響いた。遅れてジンとした痛みが頬に広がる。
見ると、羞恥か怒りか、恐らく両方だろう。顔を真っ赤にしたあやせが俺を涙目で睨んでいた。

京介「あやせ……」

あやせ「なん、で、こんな。ダメって言ったじゃないですかぁっ!」

京介「すまない」

あやせ「謝るくらいなら最初からしないでくださいっ。わた、わたし、ダメだって言ったじゃないですかぁ」

ポロポロと涙を流すあやせ。泣かせてしまった罪悪感に囚われる。
どうすればいい。抱きしめて泣き止むまで待てばいいのか?
いや、手を繋ぐことさえ慣れていない俺たちだ、拒否されそうな気がする。

京介「すまない。俺が悪かった」

結局謝ることしかできず、玄関にはしばらく静かな泣き声だけが響いた。

あやせ「……帰ります」

送って行くよ、と言える雰囲気であるはずも無く、あやせは泣きながら出て行った。

京介「何やってんだろうな俺は……」

後で謝罪のメールを送っておこう。あやせは優しいから許してくれるだろうけど、でも……。



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