過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「オミヤゲ」 -SS速報VIP

過去ログ - 万里花を愛でるニセコイSS「オミヤゲ」

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1:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:19:33.03 ID:P2RgFWvG0
万里花を看病するお見舞い話、というリクエストをいただいたので。
南国帰り、正月明けの設定です。

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2:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:21:01.47 ID:P2RgFWvG0
「はい……どちらさまでしょう……？」
「おう、橘、大丈夫か？」

バタン、と大きな音を立てて玄関のドアが閉まった。

以下略

3:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:26:00.46 ID:P2RgFWvG0

「お待たせしました、楽様。ささ、どうぞこちらへ」
すっかり身支度を整えた万里花は来客を自分の部屋へと案内する。

「いやいや、どうぞじゃなくて。寝てなきゃダメなんじゃねえのか？　顔色悪いぞ」

以下略

4:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:29:01.88 ID:P2RgFWvG0
「そういえば、本田さん……だっけ？　あの人はいないのか？」
「ええ、実は父の仕事の都合で、今日はどうしても出かけなかったらしくて……。代わりに機動隊の一個大隊を家の周辺に配備しようとしたのでさすがに断りましたわ」
「心配なのはわかるが何から守ろうとしてんだよ……」

かくいう自分も万里花のことを心配してやってきたわけだけど、あの島で倒れ伏していた時のことを思えば今の万里花はまだ随分と楽そうだった。

以下略

5:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:30:47.47 ID:P2RgFWvG0
「わー、万里花ちゃん、真っ白だねー。お肌キレイー」

「ぐぬぬ……鶇といいアンタといい、ど、どうしてこう胸が……」

「ちょ、ちょっと、どこを触ってるんですか！」

以下略

6:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:32:40.29 ID:P2RgFWvG0
二人掛かりでどうにか万里花服を着せた後、バトンタッチとばかりに千棘と小咲は看病を楽に任せて出て行った。
突然二人きりの空間に取り残されて楽は戸惑いを隠せない。
何しろ脳裏にはさっき見たばかりの光景が焼き付いて――。

「ふふふ」

以下略

7:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:35:19.01 ID:P2RgFWvG0
「ほら、熱いから気をつけて食べろよ」

ふうふうと唇を尖らせて、楽はレンゲにすくったお粥を冷ますと万里花の口元に運ぶ。
同じくふうふうと息を吹きかけてから、ちょうど食べごろの温度になったお粥を口に含み、万里花は至福の表情を浮かべていた。

以下略

8:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:40:16.14 ID:P2RgFWvG0
あーんと最後の一口を万里花の口に収め終え、ふとした拍子にベッドの脇に目をやると、そこにはまるで金魚鉢のようなガラスの器が置かれていた。
その向こうの壁には何やらヘンテコな家が描かれた絵が掛かっている。
他の壁には一面万里花の写真が飾られているだけに、なかなか異質だった。

よくよく見ると、ガラスの器に入っているのは何百枚もの封筒と、お札と、小銭。

以下略

9:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:41:27.84 ID:P2RgFWvG0
今日は万里花のことを心配してお見舞いに来たはずなのに。

それなのに、俺は万里花のことを何も気遣ってやれていなかったのではないだろうか。

こんなにも一途に。健気に。

以下略

10:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:43:36.19 ID:P2RgFWvG0
力を込めた拳を開くと、俯いたままの万里花の頭に手を置いた。

「……橘、そろそろ寝た方がいいと思うぞ」
「……そう、ですわね。ありがとうございます、楽様」

以下略

11:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:45:30.30 ID:P2RgFWvG0
「やっぱり、おかしいと思われてしまったのでしょうか……」

薄闇の中、誰に聞くともなく万里花が呟いた。

自分にとっては楽との思い出がいっぱい詰まった宝物でも、端から見ればただのガラクタ。

以下略

12:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:48:35.76 ID:P2RgFWvG0
・
・
・
「う……ん……」

以下略

13:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:55:26.63 ID:P2RgFWvG0
「こ、これは……」

箱の中には、木の実と貝殻を加工して作られた、南国風の装飾が可愛いネックレスが入っていた。

「楽様……これを私に？」

以下略

14:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:57:20.59 ID:P2RgFWvG0
「……それとな」

ごそごそとポケットを探り、楽はもう一つ木の実と貝殻の飾りを取り出した。ネックレスよりは随分と短い。

「今度は俺もちゃんと大事に持ってるからさ。こっちは携帯ストラップだけど……な、マリー。」

以下略

15:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 03:59:38.88 ID:P2RgFWvG0
・
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・
「らっくん……らっくん……」
「お、おい、そろそろ泣き止めよ、橘……」

以下略

16:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 04:00:58.89 ID:P2RgFWvG0
寒空の下駆け回ったので、この後楽が熱を出すような気がします。

17:名無しNIPPER
2015/06/14(日) 09:05:52.88 ID:LP5OAwmV0
乙です。リクエストに応えていただきありがとうございます。
最高ですわ。
こういうのが見たかった。満足しました。

18:名無しNIPPER
2015/07/10(金) 16:12:10.53 ID:XBHAZKGt0
よかった
もう>>1が原作描けばいいと思うよ

19:名無しNIPPER[sage]
2015/07/10(金) 23:35:33.64 ID:Hrim/b61O
マリーほんっっっっっっっっっっっっとすこ

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