16:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:13:44.69 ID:BVZ5thB50
バツが悪そうにして前を向く。
えー、めちゃくちゃ気になりますよー。とぼやくいずるに頭を下げた。
三年となれば、卒業後の進路選択を迫られる。
17:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:14:36.07 ID:BVZ5thB50
俺、里志、伊原は三人とも志望校は違うが、私立大学狙いなのは共通している。
古典部で最も学力的に問題があるのは里志だが、それはもう過去の話だ。
留年スレスレの低空飛行だった成績は、夏休み明け頃から急上昇し教師連中の腰を抜かせた。
18:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:15:16.75 ID:BVZ5thB50
が、同時に古典部の活動も終わる。浪費といっても良い日々。けれどそれなりに楽しんでいる。
いつからか、この放課後の地学講義室に居心地の良さを感じるようになっていた。
「あの、折木さん? なにか?」
19:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:16:27.48 ID:BVZ5thB50
それからどれくらい経っただろうか。読んでいた本が中ごろに入った時、伊原がやってきた。
無造作なショートカットだった髪型は
これも千反田と同じくして三年に上がった頃、変わった。
20:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:17:04.65 ID:BVZ5thB50
「ちーちゃん、どんな提案?」
千反田から改めて切り出されると、伊原が先に発言した。
いずるは待ってましたと言わんばかりに体が前のめっている。
21:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:18:21.07 ID:BVZ5thB50
伊原式あだ名命名法に従えば仙道をもじって、せんちゃんとなるはずだが
こといずるに限っては名前をもじる。
というのも、せんちゃんって仙人みたいで嫌です、と口をとがらせたからだ。
22:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:19:06.02 ID:BVZ5thB50
「あのですね」
長い沈黙の末、渦中の人物が口を開く。
「いずるさんの歓迎会もしていないですし、それに私たち、卒業したらは慣れ離れなわけです」
23:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:20:10.22 ID:BVZ5thB50
「何度か、皆で土日に出かけただろう」
豪華とはいえないものの、メシを五人で食べに行ったことだってある。
「あれは部活動としてです。 今回はパーティーです」
24:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:21:06.58 ID:BVZ5thB50
いずるの反応に千反田が気遣わしげに言う。
「もうすぐ受験勉強が本格的に始まりますので…なるべく早いほうがよろしいのかと…
あの、でも必ずやりたいという訳ではありません。支障があるのならまたの機会にということでもいいんですが…」
25:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:22:02.73 ID:BVZ5thB50
「ではそれで」
「せんぱーい。場所はどこですかー?」
聞かれて、千反田が大きく両腕を広げる。
26:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:22:50.56 ID:BVZ5thB50
「すみません。どこでやるか、私一人が決めてしまっては良くないと思ったので」
ここは言い出しっぺの千反田の家でやるのが筋だろう。が、伊原が余計な気を回す。
「ちーちゃんの家は文化祭の打ち上げでおじゃましたし、悪いわよね」
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