過去ログ - 奉太郎「高く高く、空に昇れば」
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20:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:17:04.65 ID:BVZ5thB50
「ちーちゃん、どんな提案?」

千反田から改めて切り出されると、伊原が先に発言した。

いずるは待ってましたと言わんばかりに体が前のめっている。
以下略



21:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:18:21.07 ID:BVZ5thB50
伊原式あだ名命名法に従えば仙道をもじって、せんちゃんとなるはずだが

こといずるに限っては名前をもじる。

というのも、せんちゃんって仙人みたいで嫌です、と口をとがらせたからだ。
以下略



22:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:19:06.02 ID:BVZ5thB50
「あのですね」

長い沈黙の末、渦中の人物が口を開く。

「いずるさんの歓迎会もしていないですし、それに私たち、卒業したらは慣れ離れなわけです」
以下略



23:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:20:10.22 ID:BVZ5thB50
「何度か、皆で土日に出かけただろう」

豪華とはいえないものの、メシを五人で食べに行ったことだってある。

「あれは部活動としてです。 今回はパーティーです」
以下略



24:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:21:06.58 ID:BVZ5thB50
いずるの反応に千反田が気遣わしげに言う。

「もうすぐ受験勉強が本格的に始まりますので…なるべく早いほうがよろしいのかと…

あの、でも必ずやりたいという訳ではありません。支障があるのならまたの機会にということでもいいんですが…」
以下略



25:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:22:02.73 ID:BVZ5thB50
「ではそれで」

「せんぱーい。場所はどこですかー?」

聞かれて、千反田が大きく両腕を広げる。
以下略



26:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:22:50.56 ID:BVZ5thB50
「すみません。どこでやるか、私一人が決めてしまっては良くないと思ったので」

ここは言い出しっぺの千反田の家でやるのが筋だろう。が、伊原が余計な気を回す。

「ちーちゃんの家は文化祭の打ち上げでおじゃましたし、悪いわよね」
以下略



27:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:23:49.48 ID:BVZ5thB50
俺は首を横に振る。嘘ではない。その日は親父が家にいて何人か来客があるらしい。

そんな環境で宴など、とても落ち着かない。

「部員の家じゃなくてもいいだろう。どっかのカフェか茶店か」
以下略



28:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:25:04.57 ID:BVZ5thB50
「じゃあどなたか良い喫茶店かカフェを知っている人は?」

千反田の問いに一本だけ腕が上がった。全員がいずるを注視する。

「あたしにまかして下さい」
以下略



29:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:26:48.84 ID:BVZ5thB50
宵っ張りなたちなのだが、めずらしく昨夜は早寝した。

8時前にはベッドから這い出た。と言っても寝ざめは良くない。

いつもの土曜の朝ならまだ夢の中にいる時間帯だ。休日の早起きに体は慣れていないのだ。
以下略



30:名無しNIPPER
2015/06/29(月) 10:27:58.68 ID:BVZ5thB50
俺が三年にあがって変わったことといえば携帯電話を持つようになったことだ。

俺だけじゃない。千反田も今では持っているし、いずるの場合入学前から所有済みだ。

テレビでも観ようかとリモコンを手にとった時、間の悪いことに手中にある黄緑の携帯が震えだす。
以下略



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