2: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/07/15(水) 00:40:54.60 ID:9XTpaLhVo
その日は酷い土砂降りの雨だった。
川は氾濫し、彼が立ち寄った村は増水に伴い農作物は全て台無しとなったらしい。
酒屋「やれやれ、これで当分は王都からの仕入れに頼るしかありませんね」
客「全くだ。それでも収穫期の後だったのは幸いだよ」
酒屋「違いない。それよりもお客さん、勇者様たちのお話は知ってますか」
客「ああ、魔王城に辿り着いたらしいな!」
酒屋「ええ。以前に王都でお見かけした時から、使命を必ず果たされる方と確信しておりました」
客「かーっ! これから魔物もいなくなって平和な時代か来るんだな。なあ、アンタはどう思う?」
村の酒場では今日も勇者の話題で溢れていた。
客はケラケラと愉快そうに、一人離れた席に座っていた彼に声をかける。
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