過去ログ - モバP「駄目な男と」佐藤心「駄目な女と」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:40:28.79 ID:69uGc5Zw0
アイドルマスターシンデレラガールズ、佐藤心さんのSSになります。

キャラがおかしいですが、お許しください。


注意点として、台詞内のPはプロデューサーの名前として解釈してください。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:41:19.12 ID:69uGc5Zw0
東京 事務所

モバP(以下P)「心さん……?」

心「P……?」
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:41:58.02 ID:69uGc5Zw0
ちひろ「お知り合いなんですか?」

 アシスタントについてくれているちひろさんが疑問を投げかけてくる。そりゃまだ初顔合わせで、名前すら名乗っていないのに、お互いの名前を呼び合えば当然だろう。

P「えぇ……長野に居た時の……」
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:42:39.74 ID:69uGc5Zw0
P「……いえ、気のせいでした。すみません。知り合いに良く似ていたもので」

 心さんがどういうつもりなのかは分からないが、彼女がそう言うのであれば俺は彼女の意見を尊重しよう。以前の人間関係をすっぱり切って新しい自分になったのだから。

P「すみませんが、自己紹介お願います」
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:43:16.78 ID:69uGc5Zw0
俺が止めに入ったのが意外だったのか心さんは困惑気味だった。しかし、今はそれどころではない。
 このしゅがーはぁとを名乗る女性は俺の知っている心さんではなかった。これは確かに他人の空似の可能性すら出てきた。

P「……えー、佐藤さん。いくつか質問させて頂いても?」

以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:44:00.82 ID:69uGc5Zw0
スタイルの良い身体をくねくねさせながらそんなことを言うしゅがーはぁとさんを見て俺はもうどんな顔をすれば良いのか分からない。ちひろさんに助けを求めて視線を送っているのだが、ちひろさんはちひろさんで笑顔のまま凍り付いている。

P「……ごめんなさい。では、気を取り直して……。しゅがーはぁとさんの年齢でアイドルをやっていこうとすると割と賭けになりますが、その辺りご了承頂けますか?」

心「だーいじょうぶ☆ はぁとは、失敗しても気にしなーい☆」
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:44:51.11 ID:69uGc5Zw0
P「佐藤さんの年齢でその残念なキャラでは一か八かも良いとこでして……」

心「はぁとは残念な子じゃないもん! もう、ぷーんぷん!」

 その反応からしてすでに残念な子でしかないのですが……。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:45:33.43 ID:69uGc5Zw0
P「あー……。大丈夫です。履歴書の番号で良いんですよね? 多分2〜3日の間に連絡入れれると思いますので、繋がる状態にしておいてください」

 ちひろさんから履歴書を受け取り、しゅがーはぁとさんの履歴書に目をやる。電話番号の欄には見慣れた電話番号が記されていた。

心「じゃあ、お願いしまーす♪ お疲れさまでしたー☆」
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2015/08/28(金) 22:46:06.03 ID:ZzvTqIXYo
期待


10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:46:21.24 ID:69uGc5Zw0
ちひろ「お知り合い、なんですね?」

 ちひろさんがいつの間にか淹れてくれたコーヒーを受け取り、お礼を言って一口飲む。

P「ええ、知り合いです。地元の」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:47:10.47 ID:69uGc5Zw0
心さんと出会ったのはそいつが、中学生の梅雨ですね。中3……だったと思います。

初めて出会ったのはそのくらいの歳ですね。学校嫌いだったそいつは時たま学校サボって駅前をふらふらしてたんです。

その日もそんな風に学校サボってふらふらしてたんですが、お昼頃でしたかね。ちょうど雨が降ってきまして。幸いにもそいつは傘を持ってたのでそこまで困る事はなかったんです。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:48:03.22 ID:69uGc5Zw0
え? サボるような奴は純真じゃない? まぁ、いいじゃないですか。

で、話しかけられたそいつは何でもないと言って立ち去ろうとしたんですが、運の悪いことに逃げられなかったんですよ。

『傘持ってるなら丁度良い、ファミレスまで入れてけ』って言われて半ば無理やり近所にあったファミレスまで連行されました。
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:48:57.44 ID:69uGc5Zw0
話が逸れましたね。で、心さんとそんなやりとりを続けているうちに、心さんもまともに学校に行っていない事を知ります。理由は学校が詰まらないだとか、そんな感じでした。『学校行くよりお前とこうしてた方が楽しい』って言われた時はなんだが嬉しくなったのを良く覚えています。

そうやって何度か会ってた後、そいつも進路を決める時期がきました。もちろんサボり気味なそいつの内申点が良いなんてことはありません。勉強もほどほどにしかできませんでしたし。

先生にも親にも進路どうするって散々言われた辟易してた学校の帰り道でした。その日は晴れてたんですが、なんとなく駅前に足を運んでみたんですよ。心さんと会うのは決まって雨の日だったので、ほんとうになんとなくだったんですが。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:49:45.05 ID:69uGc5Zw0
その短かった進路相談で心さんは『じゃあ私が通ってる学校来い。私は17だから1年しか一緒に通えないけど、一緒に登校しよう』、『それまで私も学校辞めずにお前の事待ってるから』って言ってくれたんです。何にも決まってなかったそいつに目標が出来た瞬間でした。

まぁ、高校名聞いたら割と有名な進学校で、当時のそいつの学力じゃ逆立ちしたって入れなかったんですけどね。でもそれからのそいつは頑張りました。夏休み前の成績じゃ話にならなかったのを合格まで持っていくんですから。

受験勉強中はあんまり心さんとは会わなかったんですが、というか心さんもそいつもサボるのやめたんで会えなかったんですけど。
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:50:26.17 ID:69uGc5Zw0
心さんは高校卒業後短大に行くのが決まっていたんで、いつものファミレスで合格祝いと卒業祝いを兼ねて一緒にご飯食べてたんですよ。そこで心さんからあるものを貰いました。なんだかわかります? ボタンとかじゃないです。

 まぁ、分からないと思うので、答え言っちゃいますけど、鍵だったんです。ええ、鍵です。なんでも心さんは短大では一人暮らしをするらしく、その心さんの家の鍵を貰ったんです。『まぁ……これからもよろしく……』とか言いながら。

心さんとこんな風に毎日会えるのはその一年間だけだと思ってたので、思わぬプレゼントに大喜びですよ。そいつが高校卒業するまでほぼ毎日心さんの家に遊びに行ってましたね。毎日毎日晩飯作ってもらって、一緒に食べた後、そいつは帰宅って流れでした。
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:51:21.27 ID:69uGc5Zw0
泊まりはないです、と言えれば良かったんですが、一度だけ。サークルの新歓コンパで未成年のくせして酒飲まされてぐでんぐでんになったことがありまして、一人で歩けなくなっちゃった事があったんです。サークルの先輩達も酔いつぶれているそいつをどうするか悩んでたらしいんですが、タイミングよくそいつの携帯に着信が入りました。ええ、心さんからでした。

 新歓コンパが終わったら連絡するって約束してたんですが、日付変わっても連絡来なかったから心配になったそうです。

 酔ってまともに会話できなかったそいつに代わって先輩が電話に出て、心さんに状況を説明したらなんと心さんが迎えに来てくれたんです。その場に居た先輩も同輩も心さんを見て騒然となったらしいですが、詳しくは知らないです。
以下略



17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:52:23.27 ID:69uGc5Zw0
そうやって心さんとの生活が同期や先輩にバレたんですが、姉って誤魔化したおかげでそこまで大きな問題にはならず、そいつには超美人の姉が居るって程度でした。何度も心さんを紹介してくれって言われましたが、全部断ってました。面倒ですし。

 そんなこんな大学生活をなんとなく満喫してたある日です。四回生になったそいつがその年の新歓コンパに参加してた時です。新入生が無理して酒飲んじゃったんですよ。飲ませてなんかないですよ、もちろん。

 で、案の定酔いつぶれちまったのを、そいつの友人が見てあの時のお前にそっくりだよなって話を振ってきたんです。まぁ、そいつにはその時の記憶はほとんどないので、ああこんなんだったのかって程度でしたが。
以下略



18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:53:06.00 ID:69uGc5Zw0
『これが姉貴じゃなくて、彼女とか女友達の家で、とかだったらお前完全にヒモだよなー』という言葉に。ちひろさんはすでにそいつをヒモ認定してたと思いますが、本人はその時言われるまでまったく思ってなかったんです。まさかヒモだったなんて。

 ええ……軽蔑するのは仕方ないと思います。俺だってどうかしてると思いますから、そんな奴。

 ですが、その言葉を聞いたそいつはあの高校受験の時のようにやる気を出し始めました。まず、心さんの家に行く頻度を徐々にですが減らしたんです。急に来なくなったそいつに心さんは不思議に思ってたみたいですが、就活がって言ったら追求はしてきませんでした。
以下略



19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:53:45.39 ID:69uGc5Zw0
なかなか内定が出なくて苦しんでたそいつにとって内定が出た事は非常に喜ばしかったことです。思わず心さんに報告に向かいそうになってましたが、心さん離れをするって決めてなんとか半年頑張ったのにここで会いに行ったら意味がないなんて思っちゃったんですよ。

 だから電話での報告だけにしときました。どこに内定が出たかは言わず、東京で就職するってだけ伝えて。あの時の心さんがどんな事考えてたかは分かりませんが、喜んでくれていたと思います。

 そんなこんなで大学も卒業して、上京する日でした。駅に行くと不貞腐れた美人が立ってたんです。『私に挨拶も無しに行くのか』って出会った頃くらいの目つきの悪さで言うんですからそれはもう怖かったです。
以下略



20:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:54:47.66 ID:69uGc5Zw0
P「その後のそいつはヒモだった過去から逃れるように携帯を変え、地元とも連絡を絶って逃げるように生活してるらしいですよ」

P「こんなもんですね。長い割に面白くない話で申し訳ない」

 軽く頭を下げつつちひろさんを見やる。何か言いたげな雰囲気でマグカップをいじっているちひろさんがそこには居た。
以下略



21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/28(金) 22:55:40.58 ID:69uGc5Zw0
心「ふざっけんなよ!」

 そんな時怒号と共に心さんが部屋に入ってきた。怒り狂っているのは火を見るより明らかだ。

心「私がどんな気持ちでお前と一緒に居たかわかってんのか! 勝手な憶測で私を語るんじゃねぇ!」
以下略



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