過去ログ - 榛名「艦プラビルドファイターズV」
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10:≫1[saga]
2015/11/28(土) 03:06:02.26 ID:qtj352Nx0
side-リタ-『トラウマの機体』
リタ「…」
私は真紅に染められた、瑞鳳が乗っていたMSを見上げる。他の三人が機体に乗り込む中、私だけが乗り込めずに居た。
そう… その機体は、『AMX- 107R リバウ』はかつて私が死んだ時に戦っていた機体だ。
陽炎「リタ、さっさと乗りなさい!」
リタ「駄目… 体が…」
野分「どうしたの!」
リタ「体が竦んで…」
ハシラジマに居た頃、機体を見るのは良かった。でもいざ乗り込もうとすると体が、心が拒絶している。
フェネクスが原因とは言え私が死ぬ原因の一端となった事には変わり無い。そしてこの機体は敵の乗っていた機体、それに乗り込むなんて私には…
舞風「まさか、『リバウ』が怖いの…?」
リタ「うん…」
陽炎「怖いって…」
野分「私達が知る『リタ・ベルナル』の死因はフェネクスの暴走、その前に交戦していたのは『リバウ』…」
陽炎「ならトラウマを持っててもおかしく無いわね… 仕方無い、私達だけで出るわよ」
そう言って3機のMSは私を置いて戦場へと向かう。それを私は立ち尽くしてみているしかなかった。
百式でもデルタプラスでも良かった、何ならアマクサでも良かったのだ。でも何で私は『リバウ』なのだろうか…
400『リタ、何故リバウに乗らないのですか』
リタ「だって…」
400『榛名さんも戦っている、今は機体を選んでいる場合ではありません。でも戦力差は大きく不利、こちらの援護だって充分では無い…
それでも彼女は、本来の乗機では無いザクで『クィン・マンサ』を相手に戦っています。彼女の援護が出来るのは、娘でありニュータイプである貴女だけなんですよ!』
リタ「でも…!」
400『貴女にもう一度の生を与えたのは彼女でしょう! 母親であり、今の貴女が最も大切な存在を助けたくは無いのですか!
貴女が彼女の娘であると言うのなら、貴女の中にも『勇気』がある筈です!』
今の私の母が常に言っている言葉『勇気』、それで彼女は自身の生まれもトラウマも全て乗り越えた。
その力が、私にも流れているとすれば…
リタ「リバウ… 今この時だけで良い、私に『勇気』を貸して!」
私はコックピットに乗り込み、機体を起動させた。
所詮MSは器、私と言う魂が無ければ動かせない… そしてリバウのモノアイが輝き、真紅の機体が立ち上がる
リタ「ママ、今行くよ! リタ・ベルナル、『AMX-107R リバウ』行きます!」
そして青いバーニアの噴射光が、少女の勇気を乗せ戦場へ向かって空を切り向かう。
その光景を艦内のモニターで見ながら少女の教育担当だった彼女は呟く。
400「単純で良かった… でも、私にもう教える事は無いようですね」
彼女の笑みは、母親のような優しい微笑みだった。
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