過去ログ - 結衣「明日があるさ」
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5:名無しNIPPER[saga]
2015/11/27(金) 21:52:32.04 ID:502Rn/Vk0

そう言えばあかりはどうしているのだろう。
ちなつちゃんは日直の仕事が長引いている、と言っていたが流石にもう終わっているだろうと思い、あかりを探してみる。

ごらく部に来ていなかったのでまだ学内にいると思ったが、下駄箱に靴がなかった。
準備の良いあかりのことだから、きっと折り畳み傘でも持ってきていたのだろう。

そう思って私も帰ろうとした時、学校の入口に赤いお団子が見えた。

「あかり…まだ残ってたのか…」
誰に言うでも無く呟く。
あかりの手に、傘は握られていなかった。
あかりはまだ私に気付いていない。

声をかけ、自分の傘に入るように言えば相合傘で帰ることが出来る。
そんな事を考えると、傘を持つ手に自然と力が入る。
心臓がうるさい、それになんだかじんわりと汗ばんできた。

心を落ち着かせ、あかりの元へ行こうとした時。
「あれ?あかりちゃんどしたの?」
「赤座さんも傘をお忘れでしたの?」

私はなぜか隠れていた。
あの2人は確かあかりのクラスメイトで生徒会の大室さんと古谷さん…だったか。

「あ、櫻子ちゃんに向日葵ちゃん。そうなんだよぉ、今朝は晴れてたし天気予報でもお日様マークがあったから…」

「じゃあ私の傘貸してあげる!」
「ええ!?櫻子ちゃんはどうやって帰るの!?」
「私が傘を持ってますから、心配無用ですわ」

「そっかぁ。それじゃあ、悪いけど傘借りるね。ありがとう櫻子ちゃん」

そこまで聞いて、私は走り出し、敗北感を味わいながら家に帰った。
大室さんが羨ましかった。
同時に恨めしかった。
あのタイミングで出てこなければ、なんて考えてしまう私自身も許せなかった。

「はぁ…」
また次がある。
だけど、次の雨の日は、絶対。




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