過去ログ - 女騎士「戦車前へ！」 -SS速報VIP

過去ログ - 女騎士「戦車前へ！」

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1:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 00:56:00.10 ID:e4qmfCiY0
昔、あるところに幼い少女がいた。

彼女は、いつも騎士たちの英雄譚を読んでいた。

そして憧れた。

死線を潜り抜け王の為に団結し戦う戦記。

数々の困難を乗り越え人の限界に挑戦する冒険譚。

そして、騎士と騎士が愛した女性によるラブロマンス。

少女はとにかく憧れた。

自分も騎士になりたいと思った。

しかし、時代は剣と魔法を使った戦いから、銃と爆弾の戦争へと移り変わり、

少女が大きくなるころには戦場を科学による殺戮が支配するようになった。

それでも、少女は騎士となった。

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2:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 01:06:14.96 ID:e4qmfCiY0
「……どうしやした？ぼうっとして。あんたらしくないですぜ」

「……いや、すこし昔のことを思い出してただけだ」

「そうですかい。それより、コーヒーでもどうです、女騎士殿？」

3:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 01:14:43.32 ID:e4qmfCiY0
女騎士「無線機の調子は？」

通信手「ようやく魔力子管があったまってきたところです……はい、つながったはずです」

女騎士「貸してくれ……白騎士01より本部へ。命令はまだか」

4:名無しNIPPER[sage]
2015/12/06(日) 01:15:22.74 ID:lr2sKVBXo
戦争は変わった
魔法ものばっかだから期待

5:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 01:21:00.02 ID:e4qmfCiY0
女騎士はぼんやりと昔のことを思い出していた。

父の死、革命、そして先の戦争。

女が軍隊に入るのには様々な制限があったが、皮肉なことに国を挙げての戦争がそれを取り払ってくれた。

6:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 01:29:23.68 ID:e4qmfCiY0
キューポラから頭だけを出すと、ゆっくりと空が白んできているのが見えた。

地平線近くの雲がオレンジに照らされる。

女騎士「日の出だ。全車エンジン始動」

7:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 01:39:59.02 ID:e4qmfCiY0
敵、魔王軍の陣地は一見して簡単に突破できそうに見えた。しかし、2重の壕が張り巡らされ対戦車砲が隠されている。

女騎士「よく注意して進め」

戦場は雪原だ。女騎士の乗る戦車も白塗りされていた。遠くからだと目視では確認しづらい。

8:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 01:51:15.74 ID:e4qmfCiY0
しばらく進むと、一面の白い大地がピカリと光り、次いで爆音と振動が車体を襲った。対戦車砲だ。

女騎士「気づかれた！戦闘用意！」

女騎士は冷静に思考した。第二射は必ず精度を高めてくる。そうすると直撃の危険性も高い。

9:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 02:00:06.44 ID:e4qmfCiY0
1号車は命令どうりに前進し、停車。そして発砲する。ほかの戦車も同様に発砲し、それぞれ敵の砲撃を黙らせた。

派手な爆音とともに榴弾は砲を直撃し、やがて陣地には不気味な沈黙が訪れた。

女騎士は本当に不気味に思った。これで奴らが終わるはずがない。

10:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 02:13:47.15 ID:e4qmfCiY0
その瞬間はやってきた。ある程度前進すると背後から叫び声にも似た声と共にキャタピラ音。

敵の軽戦車と歩兵だった。さらに前方の陣地からも砲撃が再開される。誘い込まれたのだ。

女騎士「古民家の中に隠していたのか！全車対戦車戦の用意を！！」

11:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 02:36:14.15 ID:e4qmfCiY0
敵軽戦車がこちらに迫ってくる。300ｍ、250ｍ、そして200ｍ。

1号車の砲塔の旋回が間に合わない。

女騎士「！！」

12:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 03:07:37.96 ID:e4qmfCiY0
とりあえずここまで
登場人物&兵器紹介

女騎士　優秀な下級騎士(この国では士官のこと。中尉あたり)であり、英雄譚にあこがれ騎士となった。が、先の魔王軍との大戦で戦車や毒ガスにより地獄を見る。
その後新設された機甲師団に自ら志願する。年頃の乙女であるが筋骨隆々である。剣技も優秀。

13:名無しNIPPER[sage]
2015/12/06(日) 03:27:29.44 ID:aNB9Vf4AO
乙
騎士の指揮する戦車部隊とか完全に死亡フラグだよな

14:名無しNIPPER[sage]
2015/12/06(日) 06:43:19.63 ID:8YK91UIio
保身なき零距離射撃を敢行するオークが出てくる的なあれかと

15:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 06:43:30.67 ID:e4qmfCiY0
uproda11.2ch-library.com
最近絵をつけるのが流行っているみたいなので便乗してみる(ひらめアップローダは不調のようなので別所から)

16:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 06:47:02.48 ID:e4qmfCiY0
今日は昼からやれると思います
戦災復興はしません(無慈悲)

17:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 14:23:16.92 ID:OVb7On1WO
出先なのでIDが一時的に変わります。ご了承を

女騎士「うまいな、このサラミ」ﾓｼｬﾓｼｬ

18:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 14:39:03.34 ID:OVb7On1WO
◆◆◆

魔王軍機甲師団の団長はオークであった。

彼はとても優秀な士官であったが、人一倍選民思想が強く、事ある事に自らと同じ種族であるオークを重要な役職に就けたがった。

19:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 14:52:39.02 ID:OVb7On1WO
「で、先行した第３中隊はどうだ？我々の陣地は？」

「それが…中将閣下……」

「どうした。早く言え」

20:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 15:08:57.07 ID:OVb7On1WO
「魔王閣下命令第279号！前進せよ！」

魔王軍機甲師団第２中隊は中戦車を用意し終え、歩兵と共に攻勢準備地を出発しようとした。

「どうした三号車四号車？前進せよ！」

21:名無しNIPPER[saga]
2015/12/06(日) 15:28:26.52 ID:OVb7On1WO
魔王軍機甲師団第２中隊は陣地の前にまで進撃していた。
それを待ち構えるのは白騎士隊と陣地の野砲である。けたたましい砲撃音が鳴り響く。

「奴等、俺らの陣地にふんぞり返ってやがる。引きずり下ろしてやろう」

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