過去ログ - 【ごちうさ】チノ「ハッピー・シュガー・ライフ」
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1: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:19:50.05 ID:Nlo6ISTLo
タイトル通り、とある作品をリスペクトしたSSです。
ダーク百合です。クロスではありません。

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2: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:25:46.59 ID:Nlo6ISTLo

「好きです! お姉ちゃんとしてじゃなくて、恋人として……チノちゃんと一緒にいさせてください!」

お風呂上がりのおしゃべりは、私にとって最もリラックスできる時間です。
いつもより早いペースでカップを空にしたココアさんは、いつになく真剣な顔をしていました。
以下略



3: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:33:53.90 ID:Nlo6ISTLo
「ココアさんの、鈍感っ」

「チノちゃぁああん!」

テーブルがひっくり返る勢いで抱きついてくるココアさん。私も同じくらいの気持ち、です。……うまく、言葉に、できない、けど。
以下略



4: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:36:31.30 ID:Nlo6ISTLo
―――

木組みの町に、春が訪れました。
緑が萌え、色とりどりの花が咲き乱れる、華やぎの季節。
でも桜より、たんぽぽより、菜の花より、私の心を惹きつけて止まないものがあります。
以下略



5: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:40:08.12 ID:Nlo6ISTLo
ココアさんの手が私の手をとって、胸元へ引き寄せます。これが、合図。

「……ん」

私は顔を近づけて、ココアさんを待ちます。このドキドキする時間もたまりません。
以下略



6: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:46:05.02 ID:Nlo6ISTLo
―――

「これがデート、ですか……はぁ……」

「あ、あはは……」
以下略



7: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:49:10.76 ID:Nlo6ISTLo
「……ちょっと、かも、です」

「オッケー、あの二人の気は引いとくから、その内に二人ははぐれちゃった、ってことにしましょ」

さすがシャロさん。頭が回って空気の読める素敵な人です。
以下略



8: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:55:29.89 ID:Nlo6ISTLo
――私達の関係は、秘密。
だって、二人だけの秘密なんて、素敵だと思いませんか? ココアさん。

でも勘のいいシャロさんは気づきました。その時にちょっぴり、誇らしげに思ったのは確かです。
良いんです。二人の関係がみんなの知るところとなって、認められて。それもひとつの幸せの形ですから。
以下略



9: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 20:59:54.81 ID:Nlo6ISTLo
「ふあぁー、今日は疲れたけど楽しかったね! チノちゃん」

「ええ、とっても」

木の小物屋さん、食器屋さん、帽子屋さん。
以下略



10: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:03:51.86 ID:Nlo6ISTLo
――私達の関係は、秘密。

私達は、女同士。
世の中にはそれに理解のある人もいれば、理解のない人もいます。
心無い言葉を、軽はずみに使う人も。
以下略



11: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:06:05.52 ID:Nlo6ISTLo
―――

ココアさんと私が付き合って、もう三ヶ月が経ちます。ココアさんと過ごした時間は長く、濃密で。しかし、振り返ればあっという間の出来事のようにも思えます。

私は最近、時々不安になるんです。この世界は都合の良い夢ではないのか、本当の私は、ただのココアさんの友人でしかなくて……。
以下略



12: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:07:32.15 ID:Nlo6ISTLo
―――

時間は待ってはくれません。
青々と茂った木々さえも、その葉は鮮やかさを失い、土へと還ります。
半袖では少し寒さを感じるようになった頃。
以下略



13: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:10:06.23 ID:Nlo6ISTLo
「んー、まー、そーなるよね、無難に」

「私も進学かなー……マヤちゃんと同じ学校、行きたいなっ」

「え、えー? 私も、だけど……メグとは頭の差が……」
以下略



14: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:15:40.19 ID:Nlo6ISTLo
―――

「おっ、何書いてんだチノ?」

「進路調査です」
以下略



15: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:20:31.37 ID:Nlo6ISTLo
「休憩にしましょう……ココアさん、一緒にコーヒーいかがですか」

「わーい! チノちゃんのコーヒーだ!」

「……ちょっと、飲みながら聞いてください」
以下略



16: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:23:27.79 ID:Nlo6ISTLo
「その、私は」

引かれ、ないかな。

「早く一人前になりたい……お店を出せるくらいに。そしっ、そし、たら……あなっ、たをっ……」
以下略



17: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:27:43.99 ID:Nlo6ISTLo
―――

「よし、こんな感じですか」

お風呂上がりにばばっと書き上げた進路調査。
以下略



18: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:34:38.23 ID:Nlo6ISTLo

万年筆を片手に、進路調査に目を通すお父さん。
その目が、少し、険しくなります。

「チノ、どういうことかな? 第一希望『就職』と書いてあるが」
以下略



19: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:41:22.79 ID:Nlo6ISTLo
「今チノの選ぼうとしている道はあまりに険しい。焦る余り、若く無謀な考えを押し通そうとしている。親として、愛しい娘がそんな選択をするのを黙って見ているわけにはいかないんだ」

「……チノを焦らせ、向こう見ずにしているのはココア君だ」

「――っ、ココアさんは、関係……」
以下略



20: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:44:22.82 ID:Nlo6ISTLo

ダメ。
その先は、わたし。ききたくない。


以下略



21: ◆FRtTimAs0A[saga]
2016/03/25(金) 21:46:35.17 ID:Nlo6ISTLo
ガスッ!

「ぐあぁぁあっ! ぐっ!?」

気づけば、殴っていました。
以下略



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