過去ログ - 小林オペラ「この裁判…逆転してみせる!」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2016/04/12(火) 00:58:13.04 ID:f9jofQ9vO

『……………』

死体を引きずる白い髪の少女が一人、建物の狭間から覗く星の光を見ていた。

ロンドンはここ最近、曇り空が続いていたからか、今日の夜は特別のように思えたのだろう。

その光から漏れる煌きとほんのりと暖かい風を感じながら、白い髪の少女は上を見上げる。

上を見上げながら、死体を引きずる。

『……………』

月には女性の横顔が映っている。

その女性の目には、まるで私を見て恨み言を呟くの如く醜い目をしていた。

いや、きっと私が醜いからかもしれない。

その月だけは好きにはなれなかった。

曇り空が続くロンドンには珍しいこの月は、白い髪の少女はどうしても好きにはなれない。

月の周りに煌く星は、こんなにも美しく輝いているというのに。

そんな事を思いながら歩くと、引きずっていた死体の首が千切れた。

脊髄と背骨が一気に抜けたのか、殺した時にあばら骨が滅茶苦茶になったのか、首に繋がる脊髄がまるでアーサー王の剣のように伸びていた。

だが、引き抜いてしまうと背骨は情けなくしなっと垂れてしまう。

そのだらしない脊髄を見て、少女はクスリと笑い

再び死体を持ち直して、白い髪は輝きこの星空が煌く夜空の下で死体を引きずり続けた……。


第一話  「白黒つける」


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