過去ログ - 高峯のあ「115mmの憧れ」
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1: ◆Ava4NvYPnY
2016/07/26(火) 23:28:58.18 ID:BS+DXwC20
モバマスSSです。
地の文・少しの独自解釈あります
Pとの絡みは薄いです
口調等おかしいかもしれませんが、見逃してください


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2: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:32:33.08 ID:BS+DXwC20
私は、夜が好きだった。

星や月が好きなわけではない。夜が好きだった。

東京の夜は、私が十八だったころまで住んでいた故郷のそれよりもずっと明るい。
以下略



3: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:35:39.43 ID:BS+DXwC20
――――

――

私が《アイドル》という職業に就いて一か月。時間は驚くほど緩慢に進んでいた。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2016/07/26(火) 23:36:03.83 ID:yeu327Qx0
期待


5: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:37:34.00 ID:BS+DXwC20
ちひろ「覚えてくれていたんですね、のあちゃん。ありがとうございます」

ちひろ「レッスンの休憩中ですが、すこしお願いしたいことがあって来たんです。一か月前、契約の書類と一緒に、HP掲載用のプロフィールの記入をお願いしたと思うんですけど、そろそろいただけないかと思ってまして」

プロフィール――何かを書けばいいか考えているうちに次第に埋もれてしまったあの書類のことを、今久々に思い出した。
以下略



6: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:40:10.19 ID:BS+DXwC20
のあ「仕事……」

ちひろ「それの放送が再来週なので、それまでにはHPにのあちゃんの詳細なプロフィールを出しておきたいんです。目標とか、趣味とか」

のあ「……善処するわ」
以下略



7: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:41:36.33 ID:BS+DXwC20
――――
―――
――

あてがわれた寮の部屋で、私は提出を求められたプロフィールの紙の前に座っていた。
以下略



8: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:43:11.79 ID:BS+DXwC20
――
―――
――――

卯月「島村卯月です! よろしくお願いします!」
以下略



9: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:45:16.08 ID:BS+DXwC20
ちひろ「今日は、プロデューサーさんはうちの事務所で会議ですので、送迎はわたしが行いますね。のあちゃんの初仕事をきちんと見届けるよう仰せつかっておりますので、のあちゃんは今日、お仕事の間はずっとわたしと一緒です」

のあ「……そう」

……この事務員のことは、ほんの少し苦手だった。
以下略



10: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:46:53.95 ID:BS+DXwC20
卯月「私も初めのうちはいっぱい噛んじゃったんですけど、パーソナリティが高垣楓さんで、段々とリラックスできて――って、自分でハードル上げちゃダメですよねっ」

ちひろ「のあちゃんにも説明したけど、今日の収録は生放送じゃないですから、カットとかもできるので落ち着いてやってくださいね」

そう卯月に話しかけた彼女は、車のドアを開けて私達を乗せる。
以下略



11: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:48:47.35 ID:BS+DXwC20
――収録現場に着いて、一通りの挨拶が済んだあと、早速収録の準備が始まった。

マイクの二本ある狭い部屋に、卯月と二人きり。ガラスの向こうでは、ちひろとスタッフの人が話していた。

のあ「もっと、緊張すると思っていたわ」
以下略



12: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:50:03.12 ID:BS+DXwC20
のあ「貴女には、貴女の魅力があるわ。安心して」

落ち着いているわけじゃない。

これは、もっと酷くあさましい何か。
以下略



13: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:52:16.20 ID:BS+DXwC20
卯月が番組名を告げて、新しいアイドルが入ったことを告げる。

私の名前や基本的な情報を読んでから、彼女はもう一度私に紹介を求めた。

のあ「のあ……高峯のあよ」
以下略



14: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:53:27.03 ID:BS+DXwC20

のあ「……ええ、これは生まれつき」

卯月「神秘的なオーラがあって、ミステリアスな仲間が増えました。では、さっそく質問の方、してもいいですか?」

以下略



15: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:54:52.69 ID:BS+DXwC20
のあ「趣味――」

ふと、視界の隅に事務員の彼女を捉えた。会話が弾んでいないことを快く思っていないのか、いつもの笑顔は見えない。

のあ「趣味は――」
以下略



16: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:55:55.91 ID:BS+DXwC20

卯月「では、最後の質問です――」

卯月「――のあさんがアイドルになった理由は何ですか?」

以下略



17: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:56:32.17 ID:BS+DXwC20




のあ「何かが、変わる気がして」
以下略



18: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:58:12.17 ID:BS+DXwC20

この答えは、どうなのだろう。『正解』なのだろうか。

私は間違えなかったのだろうか。

以下略



19: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/26(火) 23:59:29.00 ID:BS+DXwC20

――収録が終わり、私と卯月は車の中に戻った。

ちひろは現場のスタッフと簡単な打ち合わせをしているらしく、しばらくは卯月と二人きりだ。

以下略



20: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:00:32.18 ID:JY7Hx0GQ0

彼女は一度迷ったように視線を彷徨わせたあと、身を乗り出して私に言葉をかけた。

卯月「そ、そんなことないですよ! 私だって、他のみんなみたいに何か才能とか、そういうのがあるわけじゃないですし……」

以下略



21: ◆Ava4NvYPnY[saga]
2016/07/27(水) 00:01:34.54 ID:JY7Hx0GQ0

私にはできない、そんな笑顔。

それがあるだけで、卯月はこんなにも輝いていられる。そのことが、なぜだか酷く寂しい。

以下略



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