過去ログ - 【ペルソナ5 奥村春SS】春のまにまに
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2016/10/24(月) 22:05:39.17 ID:Y3tzY7X6o
 それは、古い記憶の喫茶店。朗らかなお爺様と、穏やかにこだまする笑い声と、コーヒーの香り───。

「おはようございます。もう起きていらっしゃいますか?」

 部屋の外からの声にハッとなり、沈みかけた過去から現在に呼び戻された。今もなおこの家に残る、数少ない私以外の人のものだ。

「起きています、おはよう」

「朝食はいかがなさいますか?」

 返事を待たせたまま着替えを終えて部屋を出ると、普段と変わらずそこにいる彼女に感謝の気持ちを伝えた。

「頂きます。いつもありがとう」

 常々思っていたことだけれど、仕事とはいえ長年この家の世話をしてきてくれたことには頭が下がる思いだ。お父様と家族らしい会話が減ってきてからも、何一つ変わらぬ態度で接してくれる彼女に小さくない安らぎを与えてもらっていた。


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