9: ◆zPnN5fOydI
2016/10/30(日) 14:42:58.93 ID:JntGMmXe0
「あっ、それより・・・朝潮型のみんなのことですが・・・
きっといつか、噛み合わない話に不信感を抱き、再び、提督の下にやってくると思います。
そうしたら、提督はどうするのですか?
ごまかしは長く続くわけありません。悲しい真実だとしても、本当のことを伝えるべきだと、私は思うのです」
明石の言葉に、提督は黙って耳を傾ける。明石は話し続ける。
「提督は以前、私達は、朝潮ちゃんが望むような生き方をすべきだと言いました。
人への思いやりを持ち、本当の意味で相手のことを考えるべきだと。
しかし、人を騙すことは、本当にその人のためなのでしょうか?
悲しい真実、受け入れがたい過去を事実としてそのまま受け入れ、自分でそれを消化する。
これができるようになることが成長でしょう。私達の、本当に相手のことを考えた行動とは、
結局、大潮ちゃんたちにありのままの真実を話し、それを受け入れてもらうことなのではないでしょうか?」
明石の語気が、次第に高まり、声はカフェ全体に響いていた。
提督はしばらく俯き、黙りこむ。そして、声を発する。
「過去の人は、もういいのか?」
「・・・分かりません。でも、朝潮ちゃんに固執して、別の姉妹を犠牲にするとは・・・」
「・・・朝潮の願ったことは、自分の死による罪を、妹に被せないこと。
死後までの責任は取れない。よって、死後に余韻を残さないようにするべきであるということだろう。
結果、俺達二人にのみ被害が及んだに過ぎず、他には及ばない。
しかし今になって、ボロが出そうになってきた。
そして、朝潮の願ったことそれ自体が、妹の成長を妨げる、妹のためにならないのだと、お前は主張している
何であろうと事実は事実。ありのままに伝えるべきだと・・・」
提督はコーヒーで喉を潤し、無感情な目で、明石を見つめる。
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