過去ログ - 三船美優「許してくれる貴方へ」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/08(水) 20:41:51.54 ID:PVrO7amsO
 初めの数回は止められた。

 マイクのすぐ傍で服を脱ぐ私を、扉を閉めることもせずトイレへ入る私を、普段は決して口にできないような声や言葉を口走る私を、プロデューサーさんはその度止めていた。

 慌てた声で。わたわた、と。焦るその様子が見えていないのに分かるような、そんな声で。

 でもいつからか。

 毎夜続くそれに。毎夜、それを繰り返す私に。とうとうそれが故意のことなのだと気付いた……故意のことなのだと、そう納得せざるを得なくなったプロデューサーさんは、これを止めなくなった。

 止めずに……そして、切らずに。受け止めてくれるようになった。

 プロデューサーさんへの、普段は言えないような想い――まっすぐ純粋な眩い好意、粘つくように泡立つ際限ない愛欲、明るいものも暗いものも、そのすべてを吐き出せる。他の誰でも何でもないプロデューサーさんへ、それを、吐き出せる。

 それが、もう、たまらなくて。

 どうにもならないほど気持ちよくて。どうしようもないほど心地よくて。

 そしてそれを、受け止めてもらえる。

 受け入れてもらえるわけじゃない。でも……受け止めてもらえる。

 切らずに。聞いていてくれる。この夜の次の日には必ず、私と顔を合わせて、そして頬を赤く染めてくれる。

 それが、幸せで。

 私の大好きなプロデューサーさんが、私のことを受け止めて、そして私のことを意識してくれる。

 私のことを、一人の女として見てくれる。

 それが、もう、たまらなく幸せで。

 幸せで。幸せすぎて――だから、もう、止まれなくて。

 もっと聞いてほしい。もっと知ってほしい。もっと受け止めてほしい。

 もっと。もっと。もっと、プロデューサーさんを私で満たしたい。

 そう思ったらもう止まれなくて。

 だから、繰り返した。


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