過去ログ - 【ミリマスSS】田中琴葉「君たちとの明日を願うから」
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1: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:08:36.09 ID:VK681qOT0

少し気温も暖かくなって、窓の外には少しづつ花が咲く様子がみえます。

自室のベッドの上で、少し遠い場所を思います。今頃、きっと36人の大事な仲間たちがたくさんのファンの前に並んでいることでしょう。

たくさんの歓声と、笑顔と、涙と。でもそこに私はいない。無力感と罪悪感と何より悔しさが頭の中でぐちゃぐちゃとこんがらがります。

ただ私にできることは、無事に公演が終わったことを祈ること。

37個目の花の中心に綴った言葉だけが、私が届けられる精一杯の思いでした。


 

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2: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:09:51.60 ID:VK681qOT0
############

翌日、夕方に一人親友がお見舞いに来てくれました。

親友はベッドのそばに椅子を持って来て、へにゃへにゃーっと上半身をベッドに投げ出してリラックスしています。
以下略



3: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:11:06.88 ID:VK681qOT0

恵美「そういやさー、琴葉にお土産があるんだ」

琴葉「お土産?」

以下略



4: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:11:45.91 ID:VK681qOT0

恵美「えーっと、ちょっと待ってねー。確かファイルはここに」

タブレット端末を操作しながら、恵美は私にくっつきます。

以下略



5: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:13:58.84 ID:VK681qOT0

タブレットに映し出されたのは、私の知らないステージに灼熱少女の4人が立っている姿でした。

琴葉「恵美...これって...」

以下略



6: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:14:44.18 ID:VK681qOT0

恵美「...なんでそんなこと言うの?」



以下略



7: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:16:54.71 ID:VK681qOT0

私は言われるがままに動画を見ます。灼熱少女の4人は熱く激しく歌って踊っています。お客さんのコールも最高潮。広々とステージを使って、どの席のお客さんにも熱気を伝えています。

あれ?ステージを広く使っているのですが、何か違和感が...。

以下略



8: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:17:58.94 ID:VK681qOT0

...そうだったんだ...だから恵美は怒ったんだ...。

恵美の方をそっと見ると、恵美はまっすぐ私の目を見た後、優しくふっと微笑みました。

以下略



9: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:19:00.74 ID:VK681qOT0

ゆっくりと優しく話す恵美。このひとつひとつの言葉にたくさんの思いが詰まっているんだってわかります。

恵美「あとね、4人がジレハきちんとできたのは『琴葉のため』って目標があったからだよ」

以下略



10: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:20:17.18 ID:VK681qOT0

ずっと不安でした。シアターは私がいなくてもきちんと回っていて、それはイコール私なんて必要ないってことなんじゃないかって。

でもそんな不安、恵美の言葉が全部拭い去ってくれた気がします。

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11: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:21:58.88 ID:VK681qOT0

志保「エレナさん!琴葉さんはまだ体調が戻っていないんですから、乱暴にしちゃダメって言ったじゃないですか!!」

そう言って次に部屋に入って来たのは志保ちゃん。私と目が合うと「すみません、お邪魔します」と律儀に挨拶をしてくれました。

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12: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:23:59.35 ID:VK681qOT0

そうこうしていると、また三つの声が入り口から響きます。

環「もーいいー?環も琴葉とおしゃべりしたい!」

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13: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:24:55.47 ID:VK681qOT0

恵美「他のみんなもお見舞いに行きたいって言ってたんだけどね、さすがに家に入りきらないから選抜メンバーで来たんだ」

恵美「それでもパンパンになっちゃったね、ごめんごめん。あとで琴葉ママに謝っとかないとねー」

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14: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:26:38.90 ID:VK681qOT0

すると恵美のスマホの着信がなりました。

恵美「おっとごめんよ、メッセージ来たみたい」

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15: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:27:38.35 ID:VK681qOT0

恵美がアチャーっと顔をしかめたのち、窓を開けて駐車場に話しかけます。

恵美「ちょっと!?きちゃダメって言ったじゃん!?よりによって全員で来る!?」

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16: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:31:10.92 ID:VK681qOT0

未来「琴葉ちゃーん!!次は琴葉ちゃんも一緒だよー!!」

翼「絶対に戻ってきてくださいねー!!約束ですよ!!」

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17: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:33:27.28 ID:VK681qOT0

歩「ダンス大会のDVD持ってきたからさ、イメージトレーニングに使ってよ!」

杏奈「オススメのゲームもある…よ…楽しいから遊んでみて…ほしいな」

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18: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:34:53.15 ID:VK681qOT0

いつもどおりバラバラの個性だけど、みんながキラキラ輝いていて。一人一人の言葉が私に勇気をくれます。

恵美「あれ?静香がまだだよね?しずかー!?早くしないとみんな帰っちゃうよー!」

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19: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:37:02.26 ID:VK681qOT0

恵美に促されて、静香ちゃんはそっと部屋に入ってきました。私の手をとって,まっすぐ私をみつめて言葉を紡ぎます。

静香「諦めなければ、走り続けていれば、絶対にリベンジの機会はおとずれます。その時を信じて、どうか焦らないでください」

以下略



20: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:38:13.24 ID:VK681qOT0

恵美「まったく。765プロはみんなそろいもそろってお節介やきなんだから・・・困ったもんだね」

恵美がそうぼやくと,一斉に部屋の中のみんなも私も笑ってしまいました。

以下略



21: ◆uYNNmHkuwIgM[saga]
2017/03/13(月) 22:39:08.76 ID:VK681qOT0

#############

みんなが帰ってしまった後,シーンという音が耳に響くような静かな時間がおとずれました。

以下略



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