過去ログ - 和久井留美「キスを貰えるかしら」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:22:34.92 ID:yYuywfKCO
 プロデューサーくんが欲しいわ。

 ……ええそう。プロデューサーくんが、貴方が……貴方の、貴方からのキスを貰いたいの。

 それはもちろん悩ましいわ。

 プロデューサーくんを望むのは揺るぎないこととして……けれど、いったいプロデューサーくんの何を求めるのか。

 プロデューサーくんの身体、その内のどの部分を欲しいと願うべきなのか。

 それはとても難しい……とても、とても、難しい問題。

 プロデューサーくんの身体は、存在は、すべては私にとってかけがえのない尊いもの。

 何一つ余さず、只一つの例外さえなく、心の奥底から至上だと認められるような唯一のもの。

 だから……そんなプロデューサーくんだから。その内のいったい何を私は願えばいいのか、願うべきなのか。……それを選んで決めるのは簡単じゃない。

 一本一本が確かな感触を伝え、幾重にも重なりながら私へ絡まってきてくれる髪。

 甘く温かな吐息を伴って、艶やかに輝く柔い肌の繊細な触感を晒す顔。

 呼吸のために上下しては熱っぽく体温を高め、濃密で濃厚な愛おしい汗の味を纏う首元。

 引き締まりながらも柔らかな、弾力のある素敵な噛み心地を備えた二の腕。

 お腹のぷにぷにと爪のすべすべ、まったく異なる二つの舌触りを叶えてくれる指の先。

 気持ちよく心地のよい鼓動を刻んで、溺れてしまいそうなほどの穏やかな安心を感じさせてくれる胸。

 包み込むように抱き留めて、どこまでも深くどこまでだって優しく許して受け入れてくれるお腹。

 広くて大きくて、男らしく少しごつごつとした硬さを持ちながら私を迎えてくれる温い背中。

 身体を犯し尽くし心を壊して蕩けさせてしまうような、噎せ返るほどの深い官能を贈り注いでくれる秘所。

 五臓六腑から脳髄までもを強く激しく痺れさせて、その痺れに焼かれる私を厚い肉の感触を以って招き入れてくれる臀部。

 腕と同じく引き締まりながらも柔らかな、けれどそれよりも更に広く多様な心地を届けてくれる脚。

 首元のような味の濃さと併せて手のような舌触りも叶える、触れる私へ背徳的な想いを送ってくれる足の先。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:24:02.39 ID:yYuywfKCO
 そのどれもが魅力的で魅惑的で、どうしようもなく私を誘うもの。どうにもならないほど私を惑わせてしまうもの。私を誘惑する、何よりのものだから。

 だから当然迷うわ。盛大に存分に、迷ったの。

 ……だけど、そう。やっぱりそれがいいのよ。
以下略



3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:25:05.83 ID:yYuywfKCO
 確かにこれは……プロデューサーくんとのキスは、もう既に幾度となく繰り返してきたこと。

 啄むようなそれも、貪るようなそれも、ありとあらゆる形を以って繰り返して……積んで、重ねて、何度も何度も交わし合ってきたこと。

 だけど、やっぱりこれが欲しいのよ。
以下略



4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:25:45.68 ID:yYuywfKCO
「……」

「…………」

「………………え、っと。留美さん」
以下略



5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:26:36.98 ID:yYuywfKCO
「いやー……うん、残念ながらそうでもなかったみたい、というか」

「…………ああ。……ああ、なるほど」

「……留美さん?」
以下略



6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:27:30.01 ID:yYuywfKCO
「……と、それじゃあ早速」

「はい?」

「プロデューサーくん、キスを。……事を急く女は好きでないと知ってはいるけれど、とはいえそれでも貴方とのこと。……正直あまり長く抑えてはおけそうにないの。だから、ほら……」
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:28:13.91 ID:yYuywfKCO
「どうしても何も……言ってくれたじゃない。今回のライブを成功させたご褒美として、望みのものをプロデューサーくんから贈ってくれるって」

「望みのものというか……食べたいもの、だったはずなんですけどね」

「似たようなものよ。大した差異はないわ。……それに、食べたいもの、というそれでも間違いではないし」
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:29:17.87 ID:yYuywfKCO
「…………ん?」

「どうかした?」

「いやまぁあの、いろいろとあるにはあるんですけど……まずその、初めから気になっていたこととして」
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:30:07.60 ID:yYuywfKCO
「……え、っと」

「とても良い時間だったわ。……ふふ、まるで褪せない興奮と身を焦がすような恍惚に、今でも震わされてしまうくらい」

「……おかしいなぁ、。一応あの時、仮眠室には鍵を掛けていたはずなんですけど……」
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:30:52.14 ID:yYuywfKCO
「しっかり深く考えてくれているようで一瞬感謝しかけましたけど、やっぱりそういうことじゃないですからね。もっとそれ以前に問題としなければならない点が山のように積まれていますからね、それ」

「ああ。けれどもちろん、私にとってはプロデューサーくんの想いこそが何よりのもの。もしそれでも私を求めてくれるというのなら、私は今この瞬間にそこへ至ってしまっても構わないけれど」

「あーもう、聞いてないし。……というか、あの、留美さん」
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:34:49.57 ID:yYuywfKCO
「え、っと……うぅん?」


12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:36:42.25 ID:yYuywfKCO
「すべての想いを言葉に。改めて口にするのは少々気恥ずかしくもあるけれど……ええ、言いましょう。私は貴方が、プロデューサーくんのことが好きよ。好きで好きで好きで、もうどうにもならずどうしようもないほどに大好きなの。とりどりな色に光り輝いて、そのどれもで私の心を魅了する貴方の表情が好き。私を震わせ痺れさせる、甘くて柔らかな声が好き。身体の芯まで染み込んで脳髄まで犯し溶かしてしまうような、その刺激的で蠱惑的な匂いや味が好き。柔らかで優しげで、けれど途方もないほどの安心感を与えてくれる貴方の胸が好き。どこまでも温かく私を受け入れ抱き締めてくれる、思いやりに満ち大きな愛情に溢れた心が好き。語り尽くせなどできないほど、限りもなく終わりさえもないほど、湧いて溢れ出てしまうのが抑え留められないほど、プロデューサーくんのことが好き。大好き。大好きなの。貴方の傍に居る、ただそれだけで心臓の高鳴りを止めることができなくなる。貴方を想う、そうしているだけで幾千もの夜を越えられてしまう。貴方に触れる、指先でのほんのわずかな接触のその度にすら毎回全身を焼け落としてしまわんばかりに身体を火照らせ紅に塗ってしまう。どうすることもできないのよ。貴方とのこと……ただそうあるだけで、たとえそれがどんなに小さくどんなに細かで、周囲から見ればまるで何も特筆するべきでないようなどうでもよいとすら言われてしまうであろうものであったとしても、それが貴方とのことであるならそれだけで、プロデューサーくんとのことであるならただそれだけで感極まって、壊れてしまいそうなほどの絶頂へと至ってしまう。プロデューサーくんと関係しない事では決して感じることのできない幸せを全身で、全霊で感じられてしまうほど、それほど貴方のことが大好きなの。


13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:37:13.14 ID:yYuywfKCO
貴方のアイドルとして、貴方のパートナーとして、貴方の女として……こうして、私が今こうして在れるのはプロデューサーくんのおかげ。貴方のおかげで歩みを進めていられる。貴方のおかげで高みを目指していられる。貴方のおかげでより良くより素晴らしい私であろうと努力していられる。プロデューサーくんがいて、立って、在っているおかげで、私はこうして私として生きていられる。プロデューサーくんは私のすべて。すべてなの。比喩なんかじゃないわ。そのまま、言葉のまま。本当に比喩なんかではなくて、真実貴方は私のすべてなの。そう言えるほど、偽りなくそう思えて、間違いなくそう確信できてしまうほど、プロデューサーくんは私にとって大切な存在なのよ。大切で……重要で肝要で、失ってしまったらもう生きていくこともできなくなってしまうほど、それほど大きな存在なの。好きよ。大好き。慕っているわ。貴方を、プロデューサーくんを、私は……ありとあらゆる他のどんなすべてより、愛しているの」

「…………」

「プロデューサーくん?」
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:38:45.74 ID:yYuywfKCO
「あ、いや、それはいいですからっ」

「……? そう……?」

「はい、いいですからっ。……うん。そう。うん」
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:39:22.41 ID:yYuywfKCO
以上になります。
お目汚し失礼しました。


16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/29(水) 20:47:01.38 ID:yYuywfKCO
高垣楓「特別な貴方との、特別で普通な日常」
ex14.vip2ch.com

速水奏「触れないキスを」
ex14.vip2ch.com
以下略



17:名無しNIPPER[sage]
2017/03/29(水) 23:00:15.32 ID:r9A0HZiLo
ヒエッ


18:名無しNIPPER[sage]
2017/03/30(木) 03:52:10.24 ID:TpDFuUdPO
貴方の描く美優と留美ほんとすきもっと頼む


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