過去ログ - モバP「眼鏡という単語が出たら突如終了するSS」
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◆zOmEgane2k
[sage saga]
2017/05/10(水) 02:01:54.02 ID:y2czvAxeo
o-o、
アルバムを見ながら色々な話をした。
けど、ここでは、あまり語りたくはない。
「君の笑顔がいい」
「君の寝顔がかわいい」
「君の涙がキレイ」
「君の……」
彼は、ひたすら、私自身の良さについて説明してくれた。
多分彼は、怒っているのかもしれない。
きっとそうだ。
だからこんな、嫌がらせのような、あてつけのような、
褒め殺しを……。
頬が熱い。
顔から湯気が出て、レンズが曇っているんじゃないだろうか。
はしたない。
今すぐ顔ごと取り外して、超音波洗浄機で洗いたい気分だった。
「僕はアイドルじゃないけど、周りにいる何人かの人くらいは、どうにか笑顔にできる。できるはずだと思って生きてきた」
「……はい」
「君は、もっと多くの人を笑顔にできる。僕はそれが羨ましかった。だから、アイドルになってほしかった。このブルーナポレオンの衣装を着ていたとき、君には何が見えた?」
私は、初めてのライブを思い出す。
皆の笑顔を思い出す。
私に向けられた表情は、私自身に向けられたもので、私だけのもの。
それが、アイドルの絶対特権かもしれない。
遠くに行ってしまったと思っていたものが、こんな簡単に、すぐそばにあるように思えた。
「もっともっと、君が笑顔にできる世界を広げて行きたいんだ。君ならそれができる。どうか、自信を持って」
「はい……はい」
私は何も言えなくなって、ずっと頷いていた。
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