過去ログ - 十時愛梨「いつもの特訓」
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13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/06/11(日) 21:49:08.48 ID:vxDSk+pvO
「ぎゅー!」


 だから、暑くなって脱いでしまったらそこで終わり。その日のこれは、そこまでで終わり。そういう決まり。

 もうどうしようもなく、もうどうにもならないくらい暑くても……暑くて脱ぎたくても。でも駄目。脱いだら駄目。この時間を、終わらせたら駄目。


「ふふ……」


 抱き締める力を緩めずに強くする私のことを、プロデューサーさんが撫でてくれる。頭を撫でて、ほっぺを撫でて、背中を撫でて。優しく、私のことを撫でてくれる。

 それにまた暑くなって、ついまた服を上へ捲ってしまいそうになるのを我慢する。

 我慢して、ぎゅっとして。ぎゅむぎゅむ、すりすり、プロデューサーさんへ押し付いて擦り付く。


「ん……それじゃあ、愛梨」


 そうしていると上から声。

 優しく撫でるのはそのままに続けながら、プロデューサーさんが私へ向けて声を降らす。


「はいー……?」

「少し落ち着いたみたいだし、そろそろね。……ほら、次はどうするの?」

「次。……次は、えっと」


 なんでも応えてあげるから。

 そんなふうに言いながら私のことを撫で続けて、受け止め続けてくれているプロデューサーさんを感じながら、考える。

 一瞬。一瞬だけ考えて、そしてすぐ、答えを返す。


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