11:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/08(土) 23:15:11.02 ID:DGO9eBi1o
「GRRRRRUUUOOOOOOO!!」
化物の咆哮が、アタシの鼓膜をビリビリと震わせる。
思わず、凛と奈緒を抱き締め返す腕に力が入る。
今になって、ようやく恐怖が湧き上がってきたのかも。
でも、きっと……もう、大丈夫。
「……」
怪物とアタシ達の間には――あの人が、立っているから。
「……すみません、あまり大声を出さないで頂けますか?」
右手を首筋にやりながら、プロデューサーは言った。
あの人が困った時にする、いつもの癖。
たまに、凛が真似して、アタシ達はそれで笑ったりしてる。
あ、本人には内緒だけどね?
「アイドルの方の笑顔が、強張ってしまいますから」
…………。
「……ぷっ!」
理由が、それ?
何それ、今みたいな状況でも……笑顔なの?
「ちょっ、ちょっと加蓮!?」
「わ、笑うこと無いだろ!?」
「だ、だって……ふ、ふふふふっ!」
笑える状況じゃないのに、笑いが止まらない。
「か、加蓮、ちょっと……ふ、ふふっ!」
「おい! り、凛まで……は、はははっ!」
ついさっきまで、こうやって三人で笑うことは無いって思ってたけど。
こんなにもすぐに、笑い合う機会が来るなんて。
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