4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/12/08(土) 21:39:54.37 ID:DGO9eBi1o
「はぁっ……! はっ……!」
ホームボタンを押して、画面を起動。
パスコードを打ち込んで、ロックを解除してLINEのグループを開く。
通話……は、やめとこ。
だって、
「GRRRRRRRUUUOOOOOO!!」
最期に二人に聞かせるアタシの声が、ひどいものなのは嫌だから。
「ふっ……! はぁっ……!」
アタシと化物の距離は、もう十メートルも無い。
化物も、アタシにはもう逃げ場が無いとわかってるんだろう。
唸り声を上げながら、ゆっくりとこちらに向かってきている。
どうせだったら、追う時もそのスピードだったら良かったのに。
「はぁ……はぁ……」
左手で、汗でおでこに張り付いた前髪を整える。
こんな時に何をと思われるかも知れないけど、気になるんだもん。
「はぁ……はぁ……」
打ち間違わないよう、ゆっくりと指を動かす。
どんなメッセージにしよう……なんて、迷ったりはしない。
二人に、最期に言いたい事。
――ありがと。
これで、オッケー。
「GRRRRRRUUUUOOOOOO!!」
ありがとう、じゃないのは……なんか、らしくないじゃん?
アタシは、最期までアタシで在り続けたい。
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