21:欠落 3/4[sage]
2014/09/22(月) 00:36:36.16 ID:oaz7O2EqO
学校に登校せずに過ごす日々が続いた。
本当は私まで付き合って休むことはないのだけれど。
それでも姉をひとりにしてはいけないような気がして、二人で時間の許す限り、様々な場所へと出掛けた。
私の前でだけは、年相応に笑みを浮かべる姉。私はそれが嬉しい反面、どうしようもなく不憫に思えて仕方がなかった。
笑顔すら忘れてしまうような、そんな機械仕掛けの姉であれば。
私だって姉のことを諦めて。そしていつかは忘れることさえ出来ていたかもしれないのに。
「先生、手術をしてください」
結局、私は姉を亡くして生きていけるほど強くはなかったということだろう。
「……また、君達か」
憐憫の色を浮かべた瞳に射抜かれるのは、初めてではないような気がした。
けれど、それが何時の事であったかは思い出せないまま、数週間後、私は姉と共に深い───本当に深い眠りに落ちていくのでした。
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