げんきいっぱい5年3組 (オリジナル百合)
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3: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/05/29(日) 14:29:13.36 ID:4yJ+Tv6jO
よく、子どもの頃の自分が今の自分を見たらなんてこと言われるけど、
きっとこの子は何も考えてはいないんだろうな。
そして何も答えられない。
その時その時で、いつも精一杯だったから。
過去のことや未来のことなんて二の次。
それは、今も変わらない。

思い出せば、思い出すほど、幸せな記憶よりも苦味のあるエピソードばかり浮かんでくる。
子どものように我がままになり切れず、大人のように何かを捨てて最良の選択を選ぶわけでもない。
みやちゃんとだって喧嘩したこともあったし。
あれ、そう言えば、なんで喧嘩したっけ。どうやって解決したっけ。まあいいか。
女子同士のいざこざだってあった。グループがどうとか、なんだかそういうの。
そういう、めんどくさいもの。そんなことに気を取られてしまって。でも、やんわりと逃げてしまったような気がする。
だから、私たちの関係は永遠にはなれなかった。必死に繋ぎ止めようともしなかった。
その結果が、今だ。3人の幼馴染みはばらばらになってしまった。
今は、ほとんど連絡を取っていない。
あの頃、あんなに好きだったのに。
今だって、写真を見返してあの頃の3人に戻りたいと思うのに。

でも、あれ以上深く交わることができなかった。
視線をもう一人の幼馴染――『やすは』に向ける。
写真は背の低い順で並んでいるから、やすはは私とみやちゃんから少し離れた後ろの列にいた。
色白で、少しくせのある髪。小首を傾げて可愛らしく笑っている。
やすはとは、今でも少し連絡をとることがある。
それは、みやちゃんよりも家が近所だったから。
みやちゃんより、少し仲が良かったから。
帰り道は一緒で、クラブ活動も一緒。

そして、私は、この頃から彼女のことが好きだった。


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