アルビノの女「……いくらですか」黒髪の娼婦「お気に召すまま」
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15: ◆aUbK72/AnA[sage]
2016/06/29(水) 22:54:06.82 ID:0PPGCbq30

三河島は、古くは西暦から続く由緒正しきラーメンの名所だった。中華系統の大衆料理店から、このご時世で天然素材に拘る本格的な日本料理店まで。
しかし薄汚いほど小綺麗な駅を一歩出れば、やはりそこは何処に行っても変わり映えのしない新都市東京の街並み。
安いネオンと饐えたアルコールの匂いが混ざった、人混みの吐息に満たされる猥雑な大路である。
汚れた黒いコートの女は、雑踏の中に溶け込んでいった。その俗悪な空気から逃れるために、彼女は物々しいマスクを通して息をするのかもしれない。


女「………………ええっと」

女「…………『龍味 三河島支店』でしたっけ」

女「……道順、どうだったかな」


女「……使ってみますかね。この間インストールした、30日間の試用ナビゲーターソフト」


金に輝く女の瞳孔に、先ずは視界を埋め尽くすような広告が映し出された。女が疎ましい顔を浮かべれば、煩い色彩はすぐに消える。
そのまま、女は独りで何度か舌打ちをした。出来の悪いUIは、例え内蔵品でなくとも頭痛を生みかねないものだ。


女「……GPS認識までズレてるじゃないですか。ちゃんと辿り着けるといいんですけど」

女「……やっぱり、いつもの『天網』がいいですね、これ」


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