39:名無しNIPPER[saga]
2016/08/20(土) 12:20:47.94 ID:sJxFCBX50
< サァァア……
浴場に続いている扉を開くと、脱衣所に出た。
左側の銀で装飾された扉の向こうから聴こえる、水の流れる音。
そちらが浴場だろうと娘は頷いて、右手側の小さな扉がトイレであると理解して服を脱ぎ出した。
服とはいえ、ワンピース一枚を脱いだだけだったが。
久しぶりのお湯に浸かれる事を楽しみにして、娘は扉を開けた。
奴隷「暖かい……!」
寝起きで身体が冷えていたのもあり、顔や肌を撫でる湯気に背中をぞくぞくと震わせる。
奴隷である彼女にとって、こういった入浴の自由を与えられるのは何よりも嬉しい事だった。
屋敷に来る前までいた新しい商館の主人は、何が気に入らなかったのか事あるごとに娘を痛めつけては入浴もさせない事が多かったからである。
奴隷の娘は嬉々として夜風を浴びながらゆっくりと湯船に足を入れようとした。
< バタンッッ!!
その一瞬で背後の扉が閉まってしまうまでは。
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