6:名無しNIPPER[saga]
2016/08/17(水) 13:59:30.19 ID:LUIPtknHO
物心がつく頃、娘は商館の主人に教えられた。
自分は奴隷であり品物であると。
人の形をした道具だと、彼女は教わった。
そうして、娘は成長してから遂に売られた。
独り身のとある商人の元へ……
< ガタンッ!
奴隷「っ!」びくっ
馬車が不意に急停止して、衝撃に娘は驚いた。
外から何かを言い争う声が聞こえてくるのに、娘は聞き耳をたてる。
< 「……………何の真似だ、アンタ」
< 「ここより先は我が主の屋敷、ここで引き渡して頂きたい」
< 「無礼な、私に挨拶もなしか!?」
< 「その通りでございます」
< 「ルールが分かってない様だな、奴隷の売買は買主の住居で行う、これは奴隷の安全を俺達が見極める意味もある」
< 「おいそれとこんな所で引き渡す訳にはいかないんだよ」
< 「存じております、故にどうかこちらの金額でお願いします」
< ヂャラッ!
< 「……金貨、だと……それもこの枚数!」
< 「……」
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