ヒーローとその姉(オリジナル百合)
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8: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/12/13(火) 21:14:17.02 ID:JZ42mPM/O
私も、ひろ君も、ちあきさんもみんな成長した。
だから、あの時ちあきさんが叱った理由もちゃんと分かってる。
それでも、私はあれから年上の女性がダメになった。
今日ちあきさんが目の前に現れたことで改めて確信に変わった。
彼女のせいだと。
間違いなく。

次の日から、私は別ルートで高校に行くようにした。
暗がりの苦手なちあきさんが絶対通らないだろう道だ。
と、そんなひねりを入れて変に身構えるから、予想のしないことも起こる。

「あら、絵さん珍しい」

「こんにちわ、渚先生」

27歳。女。英語の教師。

「絵さん、こっち通らないでしょ? どうしたの」

「え、えっと、いつもの道でカラスに襲われて」

とっさに出た嘘が、口元をひきつらせる。

「まあ大変」

自転車を支えていた手を口元に当てる。
ベージュのスーツが、まさに年上感を際立たせる。
緊張してきた。
直視できなくて、私は先生を視界に入れないようにする。



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