4: ◆JfOiQcbfj2[saga]
2017/05/07(日) 01:03:58.28 ID:upUN87ha0
今すぐにでももう一度交わりたい。とは沙紀の本心であった。しかし、先程無理をさせてしまった事実もあり、それが彼女の理性を働かせ性的衝動を何とか抑制させてくれていた。
「少しだけなら激しくても……その、大丈夫ですから」
しかし、元々弱くなっていた理性という壁は彼女の言葉にあっさりと打ち崩された。
「んんっ!」
先程の接吻とは違う。重くて苦しいながらも愛と情を求めたものが響子に注ぎ込まれていた。
「ん、ふぁっ、んむっ……!」
ちゅく、チュク、と淫らな音がお互いの脳に響く。唇を貪る様な接吻はお互いともの精神を快楽に近い形で染め上げていくのはあっという間だった。
「響子、ちゃん。唇、少し開けて……」
「ふぁ、は、ぃ……」
響子は沙紀にそう言われると閉じていた唇をゆっくりと少しだけ開けた。決して意味を知らないわけではない。その後何をされるかということもわかっている。
「んんっ……!ちゅっ、んぁっ……!」
沙紀はもう止まれなかった。理性という言葉はとっくの昔に砕け散っていたし、何より響子を欲する自身の情欲に囚われていたからだ。
それは舌の動きに顕著に表れていた。響子の口の中に侵入したそれは、征服せんとばかりに彼女の舌を弄ぶように絡めとったり口内を味わうように舐めていく。
そんな沙紀の舌に刺激されるたびに響子の身体にはビリビリと弱い電撃が走りまわる。息苦しさは先程よりもひどいし、お互いの距離は近いし、どちらともわからない涎が交じり合うで混乱の極みに近い。しかし、そうありながらも
(気持ちいいなぁ……)
お互いにその感情を抱いていた。沙紀の背中に回っていた響子の腕にはいつの間にか本人も知らない内に力が入り込んでいる。
「ん、あぁっ……」
そして、一体何分口付けをしていたのか。永遠にも長い様に感じたその時間も漸くお互いともに限界がきたのか終わりを告げた。
「ぷ、はっ、ぁ……」
「はぁ、はぁ……」
沙紀も響子も荒い呼吸を繰り返しながらゆっくりと唇を離していく。唇同士を銀色の橋が繋いでいたが、それもやがてぷっつりと切れてしまう。
「…………」
「…………」
無言が空間を支配する。しかし、そこに気まずい雰囲気はなく、いまだに覚めぬ熱狂の渦中にあった。
「もう、止まらないっすよ……?」
最後の警告に近いものだった。既に手遅れに近いといえば沙紀は否定できないが、それでもこれ以上は本当に一線を越えることを響子に暗に示唆していたのだ。
それを告げられた響子は一度目を閉じてゆっくりと呼吸を整えた。そしていまだに情欲の籠った瞳を潤ませたままゆっくりと頷いた。
「……沙紀さんになら、いいです、よ」
響子の身体に勢いよく沙紀が覆いかぶさるのは当然の結果だった。
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