【悪魔のリドル】兎角「一線を越える、ということ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:38:07.91 ID:u1xI7N2CO
 某所でリクを受けた『悪魔のリドル』のSSです。
 内容はとかはる、ちたひつ前提のとかちた、からのお仕置きとなってます。
 ここに投稿するのは初めてなので色々と見辛いかもしれませんがご容赦ください。


2:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:39:48.10 ID:u1xI7N2CO
「あー、楽しみだなー」

 ある日の休日の朝。一ノ瀬晴は寮のエントランスの椅子に腰かけていた。
 格好は普段よりも少しおしゃれな私服で楽しげに鼻唄を歌っている。そのすぐ横にはやはり珍しく私服を着た東兎角が立っていた。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:41:17.95 ID:u1xI7N2CO
 ミョウジョウ学園から映画館のあるショッピングモールに行くにはバスを使う必要がある。
 幸いにも目的のバスのバス停は学園のすぐ前にあり、晴達四人は同じくショッピングモールに行くのであろうミョウジョウ学園生複数名と共に目的のバスに乗った。
 バスに先客はほとんどおらず晴達四人は首尾よく最後列の五人席に並んで座れた。席順は右端窓側に千足、その隣に柩。真ん中に四人のバッグを置いて晴、そして左端窓側に兎角という並びであった。

『それでは発車します』
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:42:32.02 ID:u1xI7N2CO
「ふふっ。早速楽しんでるね、向こう」

 すぐ右隣の光景を楽しげに見つめる晴。
 そんな晴もまた左手では兎角の太ももを撫で、右手では箱形のスイッチを小刻みににオンオフしていた。

以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:44:53.44 ID:u1xI7N2CO
 話は四ヶ月ほど前までさかのぼる。

 当時兎角と千足は互いに共通の悩みを持っていた。それは端的に言えば欲求不満。性欲が満たされないという悩みであった。
 もちろん両者共に恋人はおり夜の営みもそれなりはしていた。しかし二人は性交渉においてはもっぱら攻める役になることが多かった。そのため必然触れられるよりも触れることの方が多くなり、結果腹の底の辺りに満たされないものが残る夜も多かった。
 これは兎角や千足が普段どちらかと言えば男側の役割を演じていることも関係していたが、それ以上に二人が相手に自分をさらけ出すことに恥ずかしさを感じていたためでもあった。
以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:46:49.42 ID:u1xI7N2CO
 一方で二人が一線を越えた日のことは二人ともはっきりと覚えている。それはある土曜の白昼のことであった。

 その日、というよりもその前日から千足は機嫌が悪かった。もちろん千足はそんなことなどおくびにも出さないように振る舞っていたが見る人が見ればどこかしらぎこちないところが見てとれた。しかしその理由までわかる人はいなかったであろう。普段から話を聞いていた兎角を除いては。

 土曜日の朝は雨であったがそれが千足の機嫌をさらに悪くさせた。こんな天気ではランニングもできない。千足は悶々としたものを抱えたままだった。
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:48:19.09 ID:u1xI7N2CO
 二人は一時間ほど走ったのち汗を流すために寮の共用のシャワールームに入った。
 シャワールームは一人用のシャワー室が八個あり、個々の個室の扉は上下に隙間はあるものの基本中の様子は見えないようになっていた。また兎角らが入ってきた時ここは無人であった。

 千足は何気無しに一番奥の部屋に入り扉を閉めようとした。しかしその扉を兎角が掴み中に押し入ってきた。
 当然慌てる千足。服は既に脱いであり体を隠すのは小さなタオル一枚しかなく、そしてそれは兎角も同じであった。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:49:33.38 ID:u1xI7N2CO
 脳の奥がしびれるような快感。全身の力が抜けるような快感。そして自分が密かに求めていた快感。
 千足は情けなくもその一撫でで一回目の絶頂を迎えた。
 そして兎角の指は今も優しく愛撫を続けている。
 頭が真っ白になり、幸福感に包まれる。
 しかし一方で微かに残っている理性がこの状況の異常さに警告をする。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:50:55.08 ID:u1xI7N2CO
「上映時間までまだ少しありますね。どうしましょうか、一ノ瀬さん」

「そうだねー……町まで出るの久しぶりだから色々見て回ろっか」

 今の自分達は回りの人達からどのように見られているのだろうか。兎角は楽しそうにはしゃぐ晴と柩をぼんやりと見ながらそう考えていた。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:52:46.26 ID:u1xI7N2CO
 四人は上映時間が来るまでアパレルショップ巡りをすることとなった。
 ただし目的は服を買うことではなく、晴と柩が兎角と千足に色々な服を着せて楽しむためであった。

 兎角にしても千足にしてもあまり服に頓着しない性格なため普段のデートでは薦められた服を一着二着試着する程度で、後はそれぞれの相方のファッションショーの観客役になっていた。
 しかし口には出していなかったが不満だったのだろう、晴も柩も好機とばかりに兎角と千足を着せ替え人形にして楽しんだ。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:54:57.68 ID:u1xI7N2CO
 映画館自体には十分程度で着いた。
 大きく横に長いショーウィンドウには上映中の映画のポスターが並んでいる。
 今人気なのはCMもバンバン流れているハリウッドのアクションものと少女マンガを原作とした青春恋愛ものだ。
 しかし四人が選んだのは公開から既に大分日の経った、あまりぱっとしない国内のアクションものの映画であった。

以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 21:57:30.43 ID:u1xI7N2CO
 二回目は『あの日』から四日後の朝で場所は同じくシャワー室であった。
 ただし二回目は千足が兎角の個室に押し入る形であった。

 その日明らかに兎角は不満げであった。
 兎角の機嫌が悪いのは珍しいことではないがその理由まで明らかなことはあまりない。
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:01:13.10 ID:u1xI7N2CO
 その日から兎角と千足の秘密の逢瀬が始まった。

 場所は朝のシャワー室。条件はどちらかが欲求不満で且つ他に人がいないときのみ。
 初めの数回こそ互いに遠慮して週に一回もない逢瀬であったが、回数を重ねる内に慣れてきて週に三回四回を越えることも珍しくなくなった。

以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:02:34.51 ID:u1xI7N2CO
 初めての日から二ヶ月ほど経った頃、兎角と千足の二人は互いの異変に気付いていた。
 ほとんど毎日のように処理をしているにも関わらず、高まる性欲が一向に静まってくれないということに。

 皮肉な話であるが行為を重ねることで二人の未成熟だった性感が開発され一回十分程度の処理では、もしくは晴や柩との穏やかなセックスでは満足できない体になってしまったのだ。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:03:37.81 ID:u1xI7N2CO
 あえて二人の言い分を尊重するなら、それは決して愛情からの行動ではなく、友情の延長線上の行為であった。

 互いに性生活に悩みを抱えており、しかしだからといってそれを理由に今の恋人と別れるつもりも傷つけるつもりもない。
 そんな行き場のない悩みを友人として解決してやり、そしてそのお返しとしてこちらの悩みも解決してもらっているのだ。
 だから二人はキスはしない。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:05:52.79 ID:u1xI7N2CO
 運命の日は10号室を使うようになってから一月ほどした頃に訪れた。

 その日も兎角と千足の二人は互いに快楽をむさぼりあっていた。
 開始から既に二十分ほど経過しており体は流れる汗で満遍なく濡れていた。小さなもしくは中ほどの絶頂回数は二人合わせて十は越えていたが大きな絶頂は今日はまだなかった。

以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:16:45.13 ID:u1xI7N2CO
 兎角と千足は全身が麻痺してしまったかのように動けなくなり、首だけで壊れた人形のように声のした方を向いた。
 部屋に照明はなく光源は窓から差し込む外の夜間灯の光しかない。
 それでも薄暗がりの中立っているのは見間違いようもなく晴と柩であった。

 二人は呆然と立ち尽くしていた。表情に力はなく、瞳に街灯の光が写っているのは涙を湛えているからだろうか。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:17:44.93 ID:u1xI7N2CO
 それは言い訳のしようのない状況だった。
 使われていない空き部屋で、互いに一糸纏わぬ姿で、肌を上気させ、抱き合い、互いの秘部をもてあそびあう。

 それでも何か行動をと思った兎角は慌てて晴に手を伸ばした。

以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:18:37.98 ID:u1xI7N2CO
 一方の千足と柩も兎角達の行動を見て少しは我に返ったようであった。
 柩は晴のように立ち去ろうとはしなかった。
 ただ立ち尽くしたまま、いつもの熊のぬいぐるみを抱き締めて声を圧し殺すようにして泣いていた。

「ん、……グッ、ウウ……、ウウッ…………」
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:21:41.92 ID:u1xI7N2CO
 短慮な行動の代償は大きかった。

 翌日晴と柩は学校を休んだ。そもそも二人は昨晩自室にすら帰っていなかった。

 気付けば1号室に帰ってきていた兎角は一晩晴を待ったが帰ってこず、そのまま夜が明けた。やがて登校時間になったがそれでも晴は帰ってこなかった。
以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/21(月) 22:23:50.87 ID:u1xI7N2CO
 ようやく兎角が晴と会えたのはさらにその翌日の六日目、月曜日の教室でのことであった。

 この日も兎角は朝から晴を探してから教室に来たがその時はまだ晴も柩も来ていなかった。
 今日もまた会えないのかと半ば諦めながら席についていた兎角であったが、授業が始まろうかという頃急に扉が開いて二つの人影が入ってきた。
 兎角は思わず立ち上がった。その人影こそが晴と柩だったからだ。
以下略 AAS



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