24:名無しNIPPER[saga]
2019/01/16(水) 02:14:21.57 ID:AQjaemd70
――その頃、テレビ局
テレビ局員「765プロダクションさんですね。その節は大変お世話になりました」
P「いえ。改めて本日はよろしくお願いいたします」
テレビ局員「こちらこそ。早速ですが、資料を拝見させていただきました。中谷育ちゃん、快活そうな可愛らしい子ですね」
P「ありがとうございます。こちらも台本を確認の上検討し、中谷が最も適任と考え推薦させていただきました」
テレビ局員「殺人犯として疑われた女性の心の拠り所となる存在、という役どころですね。確かに役のイメージにぴったりではあるんですが…」
テレビ局員「765さん、申し訳ないんですがこの役、周防桃子ちゃんに引き受けてもらえませんでしょうかね」
P「え? ええ。スケジュールさえこちらで調整すれば可能ですが……差し出がましいようですが、何か周防をご指名いただく理由があるのでしょうか?」
テレビ局員「いえね、765さんにお声掛けしているとスポンサーに伝えたところ、ならぜひ周防桃子ちゃんを起用して欲しいとの意見が出ましてね」
P「なるほど、そうでしたか」
テレビ局員「『屋根裏の道化師』私も拝見させてもらいましたよ。いやあ彼女の演技は実に見事でした。さすが子役としてキャリアを積んでいただけはある」
テレビ局員「クールな印象の子ですがあの演技力ならこういう明るい役もしっかり演じきってくれることでしょう。いかがですか? 引き受けてくださいますか?」
P(どうやら先方の意思は堅そうだ。これ以上強引に育を推す理由もないし、指名のオファーを逃す手もない。ここは受け入れよう)
P「かしこまりました。それでは周防桃子をそちらの二時間ドラマに起用させていただくということで、よろしくお願いいたします」
テレビ局員「ありがとうございます! いやあ良かった。オーディションの手間が一枠省けるとなると、スタッフも大助かりですよ」
P(刑事ドラマの主な客層は主婦と高齢者……『トゥインクルリズム』の客層と合致しない。宣伝材料としては乏しかったか)
P(とはいえ最近の桃子の評判は目覚ましいな。うちに来るまでは業界でも悪名高かったなんて嘘みたい。後で何かご褒美をあげなくちゃ)
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