過去ログ - 【五月病】ここだけ世界の境界線★19【パンデミック】
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21:ジョシュア・アーリントン【ソルダート・フトゥーロ】[sage]
2017/05/15(月) 00:44:37.33 ID:0YdFNVTFo
>>19
オンモの悪あがきを避ける形でジョシュアはカバーに隠れた。
周囲に散布されたスモーク、視界は不良、注意力を欠いた現在、影を捉えることすらままならない。
それが逆に彼の命を救ったともとっていいだろう。

「……往生際の悪りィ……」
「(追いつめられてるな…ボーダーブレイカーが無くなった今……[ピーーー]なら今しかないな)」

鮮やかな澄んだ金打の音色。ジョシュアの意識にそれは捉えられた。α-12の言葉もだ。
再びオンモと引き離され、明瞭になりゆく意識の中で、ジョシュアは己のうちに秘められた熱が失われてゆくのを感じ、そして恐れていた。
彼女は言った。守護者は要らない、ニアはきっと庇護を求めていないと。だというなら、そうだというのなら。

「ハハ……オンセ!!、お前がそのつもりなら俺にだって考えがあるぜ…!!」
「俺の命と引き換えだ!お前を[ピーーー]!!」

もし本当にそうだと言うのなら、何を躊躇う理由があるだろう。
自分の身が自分で守れると主張するのであれば、守ってもらおう。
投石を避ける為に隠れていたカバーから身を乗り出し、そうして自らの身体を瓦礫の雨に晒す。

兵士は人類が生き残る活路を切り拓くものだ。捨て石、犠牲、そこに感傷的なものは伴わない。
現にジョシュアだって、大切な存在を守る為なら命だって投げ出して構わないという気概を持っていた。
それが彼に遺された、病的なまでの執着を伴う唯一の使命なのだから。

そして、今がその時だ。

「……うわ」

両手を開いて、真っ黒に染まった掌を見る。
ジョシュアの身体に瓦礫がめり込み、そうしてその身体を貫通する頃には、小さな砂粒程までに削り取られていた。
ああ、なんという事だろう。ジョシュアは、彼はついにナノマシンがヒトに擬態していたというその正体を現してしまったのだ。
全身をキラースウォームで覆い尽くしたその形態は、暴走などではない。彼の身体の整合性が失われた証。

味方の位置を一瞥、確認し次第、ジョシュアは全身をありったけのスウォームへと変異させ辺り一帯を芝刈り機の如く舐めまわし始めた。
まるで蠅の大群が屍肉を求めて彷徨うように、施設を削り尽くしながら総当たり的にオンモを襲う。


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