このスレッドは製作速報VIP(クリエイター)の過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

【安価進行】幼馴染「ねえ、用事無いなら切るよ?」inGEP 〜その2〜 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/21(日) 19:00:24.11 ID:NnKaVuQo
VIPから引っ越してきました。
安価で進行する参加型恋愛シミュ風SSです。
遅筆なので投下ペースは遅い上不定期ですが、ぬるい目でお見守り下さい。
人物紹介等々があるので、掲載は少し↓からになります。
本文の掲載が始まるまで、レスはお控え下さい。

※深夜等の場合安価付きのレスを書き込む時間を予め告知する事もあります。
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、この製作速報VIP(クリエイター)板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

2 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/21(日) 19:08:30.26 ID:NnKaVuQo
前スレ
【安価進行】幼馴染「ねえ、用事無いなら切るよ?」inGEP
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4gep&key=1267876016&ls=50


【おやくそく】
まったり進行なので、皆さん殺伐としないでお待ちください。
安価は取られても泣かない。ヒロイン潰しもほどほどに……笑
このお話は皆さんの安価で成り立っています。
展開が困難になるような鬼畜安価は(なるべく)出さないようにしましょう。
でも出しちゃいたい時はガンガン出しちゃって下さい。
その辺のさじ加減は前スレ参照。どんな安価でもがんばるよ!


【そのほか】
雑談やヒロイン談議もどんどんやっちゃって下さい。
「ぼくのかんがえたさいきょうの○○ちゃん」イラストもどんどん投下して下さい。やる気が出ます。
ここはニュー速VIPではなく、「製作速報GEP」です。
創作や製作を見せるのに恥ずかしがる必要はありません。
なお、保守や定期的なageの必要もないので、肩の力を抜いてお待ち下さい。
後、「ゲーム化」の企画を立てましたが、スレが完結するまでは本格的に動く事はしません。
3 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/21(日) 19:11:16.01 ID:NnKaVuQo
【あらすじ】

家がお隣同士で、幼馴染の「サナミ」と「男」。

ずっと変わらないと思っていた”幼馴染”という二人の関係は、

突然の告白からゆっくりと確実に変わり始める。

そんな中、同級生で親友の元気なちびっこ「トミー」とも急接近。

更に更に、淑やかだが変わり者と評判の料理部部長「アマネ」ともあんな事に……・!?

揺れ動く気持ちに悩める「男」だが、一体彼は、彼女達はどうなってしまうのか。


作者さえも予測不能!

笑える?切ない?

ほんの短い間の、青春の1ページ。

〜貴方も安価、取ってみませんか?〜
4 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/21(日) 19:21:49.28 ID:NnKaVuQo
【登場人物紹介】

・男
このお話の主人公で、高校三年生。
少しだらしない所もあるが、ごく普通の青年。
時折閃光の様にとんでもないアイディアや馬鹿な行動を起こす癖がある。
人生初のモテ期(?)の到来で、迷える気持ちは何処へいくのか。

・サナミ
男の幼馴染で、さっぱりした性格の女の子。口癖は「ばか」
料理部に所属する等家庭的な一面もある。
カジュアルな服装が好きで、スタイルは良い。
男の姉であり妹であり、親友でもある彼女だが、
男の告白から、その気持ちが少しずつ変わり始める。

・トミー
学食をぶちまけた回数学内ナンバー1。
ころころ変わる口調と一人称が特徴的な、元気なちびっこ。
誰からも好かれる明るい性格。意外な事に部活は茶道部に所属している。
親友である男に対して、特別な気持ちを持っているようだが…?
可愛いポンポンがついたふわふわ帽子がお気に入り。

・アマネ
料理部部長で、独創的なスイーツ(?)発明家。
甘い物に目がないため、いつの間にかアマネが本名のようになってしまった。
そんな彼女の本名を覚えている人間は数少ない。
淑やかで美しい外見とは裏腹に、スイーツの事になると暴走してしまう。
男を毒見係のように扱うのだが、その裏には隠れた気持ちが……?
すらりと細い黒髪美人。近づき難いオーラだが、コアなファンも増殖中。

・母
男の母で、夫とは男が幼い頃に死別している。
仕事をしながら女手一つで男を育てた強い女性で、
男のバカな行動にも笑ってスルー出来る良い性格。
WEBデザイナーを職業としていて、基本はいつも家にいる。
あられもない薄着がデフォルトスタイル。
子持ちとは思えない容姿でスタイルも良いが、酒に弱いのがたまにキズ。

・ヤリダ先生
男の通う高校のゆるーい英語教師。
茶髪にリングとどう見ても教師には見えない風貌で、男によく絡んでくる。
時折真面目な顔を見せる事があるが、どちらが本当の顔かは判らない。
そして、彼がどうして教師になれたのかも、誰も判らない。
本名は「ヤリタ」だが、「やりたいだけだ」と女学生を中心に言われ続けたため、
ヤリダという不名誉なあだ名がついた。本人は気に入っているらしい。
しかしそんな風貌が原因か、教師になってから一度もバレンタインにチョコはもらえていない。
5 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/21(日) 19:26:43.09 ID:NnKaVuQo
――――テンプレここまで―――――

晩御飯後にまた再開しますので、まったりお待ち下さい。
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/21(日) 22:16:03.05 ID:sqcVowQo
サナミのターンが楽しみだ
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/21(日) 23:10:11.14 ID:kB0ygFA0
本命はサナミだがアマネのターンも楽しみだ
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/21(日) 23:42:38.11 ID:dMFYI.DO
ずっとサナミのターンでおk
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/21(日) 23:55:31.75 ID:1RfaggDO
毎度の如く長い晩飯
10 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 00:11:11.83 ID:2HKNAIQo
今戻りましたー。すいませんいつも遅くて……。
前スレも雑談に使ってくださいね。もったいないので。
頑張って書いてきます
11 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 00:51:50.97 ID:2HKNAIQo
トミー
「……うーそーだーよっ!ご飯は一緒にたべなきゃおいしくないもーん。いただきまーす!」

嘘で助かった。
冗談と本気の区別がかなり微妙な彼女なら、
それくらいの事は本当にやりかねない。
旨を撫で下ろして、俺はもう一度手を合わせご飯に手をつけた。


「……お…おいし」

トミー
「おーいーしーいー!!!」

感嘆の声を漏らそうとすると、数倍大きな声でかき消されてしまった。
しかし、柔らかくほぐれる鯖の身はよく味が染み込んでいて、たまらなく美味い。
小鉢に盛られたおかずの味付けも抜群だ。
ここならば母を連れてきてもきっとおいしいと言うだろう。


「美味い!ほんとに美味いな……」

おばちゃん
「そーかい?それなら作った甲斐があるよ!」

トミー
「うぅー…やっぱりとみの屋のご飯さいこーだよぉー…」

ご飯とお箸を両手に抱えて、大袈裟な泣き顔を浮かべるトミー。
満面の笑みでぱくぱくと食べる姿を見ているとこっちまで幸せになる。
俺達は暫くの間美味しいと何度も言いながら定食を口に運んだ。

おばちゃん
「トモちゃん、ゆっくり食べな?喉につまるよ。はいお茶」


「あ、ありがとうございます」

小さな口いっぱいに頬張って食べる彼女は、まるでハムスターだ。

トミー
「んっ……んっ。はぁ、ありがとーおばちゃん!」

定食のほとんどを平らげた所で、出されたお茶を飲みながら小休止する。


「ふー…。やっと落ち着いたよ」
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 00:53:46.88 ID:gUCeiIAO
トミーかわいいなぁ
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 00:57:51.21 ID:ch/vqsco
サナミのターンがきても・・・もう俺はトミー一筋と決めたんだ
トミー以外見えない
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/22(月) 01:09:19.65 ID:W2v1mgAO
携帯ぶっ壊れて2週間近く見れなかったが、やっと追いついた。

VIPの始めの頃からずっと楽しませて貰ってます。
普段はROMしてますが、今日は特別に…
これからも陰ながら応援してます!!

15 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 01:21:14.64 ID:2HKNAIQo
トミー
「こらー!おのこしはゆるしません!」


「食べるって…休憩だ休憩」

トミー
「む……みとめる!」

ほくほくとした顔で両手で湯のみを持つ彼女を見て、ある事に気がついた。


「…あれ?そういえばトミーエプロンつけっぱなしだぞ。別にいいんだけどさ」

あまりに自然すぎて気付かなかったが、
可愛らしいエプロン姿のまま食事をしていたようだ。

トミー
「これ……これがあったら……こぼれてもだいじょうぶ……」


「………そうか」

しょんぼりした顔だが恥ずかしいのか耳が少し赤くなった。
申し訳ない事をつっこんでしまったようだ。


「でもなんでここで働こうと思ったんだ?ちょっと遠くないか?」

俺達の住んでいる辺りにも高校生が出来るバイトならそれなりにある。
こんな所まで来るからにはそれなりの理由があるはずだった。

トミー
「トミーだから!!」


「え?」

トミー
「”トミーの”食堂だから!へへへー…」

そういう事か。
なんともトミーらしいというかなんというか。

おばちゃん
「トモちゃんが来てからお客がいっぱい増えたんだよー」

トミー
「えへへー…照れますなぁー!」
16 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 02:26:37.95 ID:2HKNAIQo

「その、こぼしたりとかは……」

一番疑問に思っていた事を聞いてみた。
彼女があんなにもきびきびと動けるとは夢にも思っていなかった。

トミー
「してないよ!ね!おばちゃん!」

おばちゃん
「…………………そうね」

トミー
「ほら!おばちゃんがしょうにんです」


「えらい間があったよな今」

トミー
「さー残りを食べてでかけよー!」

気になっていた事は予想通りの結果だったようだ。
まだ残っているおかず達を口に運びながら店を見回すと、もう数人の客しか残っていなかった。
食べるのと話すのに夢中で随分長い間居たらしい。
俺達はほぼ同時にボリューム満点だった定食を綺麗に食べ終えた。

トミー
「んー……!おなかいっぱい!」


「そんなちびっこい体の何処に入るんだろうな」

トミー
「……胃と腸だよ」


「いやそれはわかってる」

トミー
「てをあわせましょー!ほらほら!」

懐かしいフレーズに小学校の給食風景が思い浮かんだ。
もちろんそれは目の前にいる少女の姿のせいでもある。

トミー
「ごちそーさまでしたー!」


「ごちそうさまでした」
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 09:29:06.27 ID:yWF2JiQ0
トミーは副料理長だからなwww
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/22(月) 12:09:10.92 ID:imxm8v.0
とみーええのぉ
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 13:37:17.80 ID:to2Qq.SO
トミー口から虫だすもんな
20 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 15:49:23.17 ID:d2pnEsDO
だがそこがいい
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/22(月) 15:57:52.82 ID:imxm8v.0
ト○コですね分かります。
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 16:12:00.30 ID:/NVlYoDO
みんなトミーの虜です
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 16:13:45.12 ID:to2Qq.SO
>>22
うまいけどみんなはサナミのトリコだからな
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 16:22:21.50 ID:/BDe4EDO
出番の割りには信者の多いアマネさんは間違いなく有望株


ところでエロゲっぽいのにどこかエロゲっぽくないと思ったら親友ポジがいないのな
25 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 17:30:42.40 ID:7R849nk0
>>24
親友はトミーだろ
26 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 18:35:46.86 ID:Qm6kuQAO
男の、じゃね
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/22(月) 18:37:17.42 ID:MFB/nHw0
ヤリダがいるじゃないか
28 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 19:50:36.87 ID:2HKNAIQo
立ち上がるといくらかお腹が重い。
トミーはというと全く平気といった様子で食器を片付けている。
机を拭く姿もなかなか手際がいい。
俺は二人分の料金をおばちゃんに手渡した。

トミー
「ぼくの分だすよー?」


「いいよ、面白いもん見れたしな」

トミー
「わーい!ありがとぉー!」

おばちゃん
「はい丁度頂きます。ありがとうね!気風のいい男はモテるよあんた!」

トミー
「そうそう!もてちゃうよー?もてもてだよー?」


「もてもてか?あははは……」

二人して大袈裟に褒められる。
気恥ずかしいが定食一つでこんなに褒められるなら安いものだ。

おばちゃん
「トモちゃんいい彼氏つかまえたじゃないか!はっはっは!」

トミー
「かっ……!ちがう!そゆのじゃなくて…・で、弟子だよ!こいつは弟子!」


「弟子か……なんの弟子だよ」

いつかは言われるだろうなと思った一言だったが、言われると少しどきりとする。
照れているのか必死に否定するトミーの姿もまた愛らしい。

おばちゃん
「これから何処かいくのかい?」

トミー
「うん!バッティングセンター!弟子に野球のなんたるかをおしえてやらないと」


「痛い痛いあたってるあたってる」

”エアーバット”で素振りをするトミーの手が俺の腕に何度も当たる。
間違いなくわざとだ。
29 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 20:18:35.95 ID:1gkAWlI0
男が羨ましくて悔しい…
30 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 20:49:28.84 ID:2HKNAIQo

「トモちゃんがヤマーズに入ったら優勝間違いなしだな!」

トミー
「おぉ!おっちゃん判ってるねー!」

彼女を知らない人は居ないのではないかと思うほど、店の客は皆トミーと楽しげに言葉を交わす。
誰とでも気さくに話せる彼女は、本当にいい性格をしていると思う。

おばちゃん
「あんたあんた、うちの看板娘、大事にしてやっておくれよ?」


「……はい。頑張ります」

客と野球談議にふけるトミーを尻目に、俺はおばちゃんに釘を刺された。
頑張りますとは言ったものの、どうする事が彼女を大事にする事なのかはわからない。
もう一度礼を言ってから、俺はトミーを連れて店の外へ出た。
満腹でぼおっとした頭に風が気持ち良い。

トミー
「ふー…!いやぁながいごはんだったねー!」


「ははは…確かに結構長いこと居たな」

トミー
「でもでも、来てよかったでしょ?おいしかったでしょ?」


「美味しかった!それは間違いないな。”トモちゃん”も見れたしな」

普段とは違った一面見れたのは新鮮だった。
ある種の”ギャップ萌え”というやつだろうか、俺の中でトミーの株が少し上昇した。

トミー
「う……っ、なんかきみにそうよばれると……うえってなる」


「えっ!?それは酷い…」

トミー
「ちがうちがう!なんか……んー!ってなる!んー!って!わかれ!」


「あはははは…わかんねーよ」

伝わらないのがやきもきするのか、地団太を踏むトミー
それをなだめてから、俺達は当初の目的地へ足を向け直した。
31 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 22:43:39.78 ID:2HKNAIQo
歩くこと十分程、緑色のネットが見えると同時に、軽快な金属音が聞こえてきた。
比較的大型のバッティングセンターは、休日とあって駐車場はほぼ埋まっている。

トミー
「おぉー!今日も快音が響いてますなー!」

入り口に近づくにつれ大きくなる音に、それほどの野球好きという訳ではないがテンションがあがってくる。


「ちょっとわくわくしてくるな?」

トミー
「うん!たーだー!」


「ただ?」

トミー
「勝てるとはおもわないことだなこぞう」

そう言うと自信満々といった表情でこちらに指を突きつけてくる。
しかし俺は、実の所彼女に負けるつもりはない。


「………ふっ、受けて立とうじゃないか小娘」

トミー
「ふふふ……トミーちゃんをあまりなめないことだなっ!」


「あ、おいっ!」

捨て台詞を吐いてから彼女は入り口に向かって走り出す。
闘争心に火がついて、俺は急いで後を追いかけた。
入り口までは五十メートルほど、先を行くトミーの背中が小さくなる。


「う……っそだろ……!」

半ば本気で加速したつもりなのだが、全く追いつかないまま、
俺はにこにこと笑う彼女が待つゴールへとたどり着いた。

トミー
「はーいまず一勝だねー!」


「は……はははは…」

腕組みをしたまま俺に笑いかける彼女は、息切れ一つしていない。
32 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 23:06:33.99 ID:to2Qq.SO
さすがトミーロッド
33 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 23:15:32.64 ID:ch/vqsco
さすがロッドさん、非凡な才能があるのは確定的に明らか
34 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 23:16:25.23 ID:/NVlYoDO
居るよな短距離くそ速い女の子
なんか男に嫉妬するようになってきた
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/22(月) 23:23:13.75 ID:abOn/rUo
そろそろトミーにもデレてほしいな
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 23:26:10.48 ID:D8HlfsDO
しかしデレたとすると、これは何デレになるのかね
37 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/22(月) 23:38:46.41 ID:2HKNAIQo
こんな運動神経がありながら何故あちこちでこけまくるのか。
能ある鷹は爪を隠すというが、彼女にはあまりにも謎が多すぎる。

トミー
「へっへー競争なら得意だよ?おっさきー」

きっと思ったよりずっと先にいたから追いつけなかっただけだ。
それに自分は短距離よりも長距離に向いている。
焦りと運動で早い心臓を言い訳でなだめながら、俺は彼女に続いた。

トミー
「んー!いい音だー!」


「あれ、思ったより混んでないなぁ」

バッティングセンターの他にも飲食店等の施設が併設されているせいか、
想像していたよりも順番待ちをしている人は少なかった。
もっとも、混んでいる時でも打席の数がかなり多いここでは、そう待つ時間も長くない。


「で、どこでやるんだ?」

トミー
「んー……どこにしよっかなぁー……」

どこというのは、もちろん球速の事だ。
任意のスピードに変更出来る所もあるが、
大体のバッティングセンターは球速毎に打席が分けられている。


「下は80キロからあるな……」

八十キロといえばせいぜい小学生が投げる程度の速度だ。
見れば父親に連れられて未来の野球選手が懸命にバットを振っている。

トミー
「80なんて甘い甘い!ここは最速で170キロがあるんだよ!」


「ひゃっ……!うそだろ?」

トミー
「ほんとだよー!こっちこっち!」

トミーに引っ張られて連れて行かれた最も奥の打席。
そこには他とは違う色のプレートで大きく”世界最速”と書かれていた。
百七十キロで飛んでくるボールなんて、果たして見えるのだろうか。
打席には人はたっておらず、皆遠巻きに指差して話のネタにしていくだけだ。
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/22(月) 23:55:52.33 ID:bsEe0sAO
トミーはオロナミンCのCM出ていいと思う
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 01:22:29.14 ID:UUaW9xo0
現実の世界最速マシーンは200km越えてるもんな
おそろしやおそろしや
40 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 01:54:17.59 ID:Bl4qSNMo
トミー
「ふっふっふっ……どうだ!わが最終兵器に言葉もでないかね」


「驚いたけど……トミーのじゃないだろう」

トミー
「う……。でさでさ、どうするどうする?」


「そーだなー……」

周りを見てみればどの打席に入っている人もそれなりに快音を響かせている。
バッティングセンターには何度か来た事があるし、自信がないわけではない。
八十キロから十キロ刻みで百七十キロまでの打席があるが、
はっきりいってこの状況で百キロから下は少し恥ずかしい気もする。

トミー
「ほらー、子供だってあんなに打ってるよー?」


「あれは野球部の子だ、そうに違いない」

トミー
「じゃー考えといてね!ぼくちょっと準備してくるから」

そう言うとトミーは俺を残して何処かへ消えてしまった。
お手洗いだろうか、しかし準備とは一体なんの準備だろう。


「よーし……」

さんざん人のバッティングを眺めて、俺はどこの打席に入るか心を決めた。

>>45
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 01:56:25.79 ID:l4z6tIDO
kskst
42 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:00:46.04 ID:iAxq9Xoo
ksk
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:02:06.04 ID:yX49KGco
kskst
44 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 02:02:37.98 ID:v9uN6YSO
170`
45 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:03:09.97 ID:iAxq9Xoo
トミーのアナルに股間のバットでホーーーームランだぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!
46 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:04:39.65 ID:yX49KGco
>>45
やりやがったなこの野郎
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:05:40.45 ID:fliQeQDO
今年一番いらっとした
ねえ面白いと思ってんの?
48 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 02:06:43.24 ID:v9uN6YSO
トミデレマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
49 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:07:00.77 ID:rEesaMAO
>>45
早速鬼畜安価wwww
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:07:56.26 ID:fliQeQDO
鬼畜安価の意味履き違えてんじゃねえよゆとり脳
51 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:12:59.48 ID:UUaW9xo0
困らせたいだけのこまったちゃんだね
こんなのが直接通るわけないのにね
ササミちゃんの出番少し遠くなったぞ?
52 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:14:08.21 ID:pbwgpOko
つまらない鬼畜安価ほど無意味なものはない
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:14:19.82 ID:3FTOpYDO
なんかもうひどい。鬼畜とかそれ以前の問題だろ。
どっちに転がろうと構わんがもう少し>>1の事考えてレスしてやれよ。
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:14:22.17 ID:fliQeQDO
前スレで>>1嘆いてて泣いた
55 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:21:16.20 ID:l4z6tIDO
つまらん
半年ROMれ小学生

糞して寝ろゴミクズ
56 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:26:20.61 ID:KBI1kdAo
ていうかもう少し頑張って安価取れよwwww
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:26:32.58 ID:fliQeQDO
半年?来世の間違いだろ
>>45エンタ芸人の方がまだ笑えるわ[ピーーー]。氏ねじゃなくて[ピーーー]
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 02:26:49.12 ID:M6vIkUDO
こういう事書くとまた荒れるのかもしれんが言わせてくれ

もうこういうのは
再安価しても良いんじゃないか?

鬼畜安価でもなんでもないし
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:34:20.10 ID:l4z6tIDO
何か再安価しない>>1の根性をいいことにいい気になってるなんちゃってVIPPER()がわいてるな

お前はネットでも現実でもつまんねえ奴だからな勘違いちゃんwwwwwwww(^Д^)9m
60 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:35:18.30 ID:fliQeQDO
ただの選択肢でどんな頭があったらこんな腐ったの思いつくんだよ
>>1が止めたら間違いなくこいつのせい
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:41:14.28 ID:UUaW9xo0
再安価は>>1が決めることだろお前ら
難しければ再安価しちゃってもいいぞ?
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:48:18.91 ID:l4z6tIDO
ねえねえお前のせいで面白いものがつまらなくなるかもしれないんだけどどんな気分?

お前のせいでお前のつまらない人生がまた少しつまらなくなるんだけどどんな気分?ねえねえ?

ネットでも孤立するお前は早く死んだ方がいいよ、生きる才能ないよお前
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:51:18.94 ID:HS4y0xIo
いい加減静かにしてくれ
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 02:52:32.33 ID:pPwufKIo
悲しいことでもあったのか
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:54:33.01 ID:uYBUt8U0
バッティングしてるトミーのケツにムラッと欲情する安価が出たと聞いt
なんだい…ちがうのかい…?

個人的に、トミーはホットパンツだと思ってる
バッティングセンターだしな、スカートはけないイベントだからな
ロングパーカーとホットパンツの組み合わせ、これね!
66 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:55:29.74 ID:fliQeQDO
>>45は論外だが>>1ってよく安価でこんな話かけるよな
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:55:39.38 ID:yX49KGco
>>65
ですよねー
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 02:59:31.99 ID:l4z6tIDO
なんか前に糞安価取った奴と同じ臭いがしてイライラが倍増した、二度目ともなるとな

自重するわ正直スマンカッタ
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 03:06:45.33 ID:uYBUt8U0
>>68
お前のトミーへの愛は伝わった
とりあえず俺は>>45でも「さんとーへー、なにいってるのかなぁ?このおばかっ」(ジト目)まで妄想できた
君なりの妄想ワールドを繰り広げて心をおちつけるんだ
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 03:48:12.67 ID:fliQeQDO
>>65
それだな。元気で良い
サナミは前絵師があげてた設定みたいなやつかなりよかった
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 04:18:40.79 ID:uYBUt8U0
>>70
なんだ、その、照れる、さんきゅぅ
皆投下してくれるかなーと思ってたが、案外絵描きは来ないんだな
なんか寂しいから投下しよう、そうしよう
サナミじゃないですサーセン
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org751045.jpg
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 04:19:41.68 ID:mIQ7Kwoo
>>71
中立だったがトミーに目覚めそうだ
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 04:22:45.73 ID:fliQeQDO
>>71
まさかの本人でワロタ
トミーぶっちぎり説浮上だな
いつまでも待ってるから無理せず頑張れ
74 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 06:24:16.24 ID:KSvyUlI0
>>71素晴らしいと思います
さっさとサナミとアマネも描kいや描いてくださいお願いします
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 07:10:33.37 ID:dSRUvUIo
>>71
多才だなぁ
バットがすげぇ長く感じるwwww
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 09:19:48.50 ID:rtp1gXso
>>59
元々VIPから始まったスレなのに何言ってんだ?

鬼畜安価だけど、安価スレってそういうもんだと思うけどなぁ
それでも文句言うなら>>1が選択肢出してそれを選んでもらう形式にすればいいじゃん
ゲーム化()するんだろ?wwwwwwwwwwww
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 09:37:43.72 ID:pbwgpOko
>>76
でもここはVIPじゃないからな

>>45はVIPPERやりたいならVIPに帰りなさいって感じ
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 10:10:27.72 ID:fliQeQDO
>>76
何で突然煽ってんのかも意味不明だけどな
どう考えても>>1はある程度の選択肢絞って書いてるだろ
それすらくみ取らないのは鬼畜安価とは違うただの馬鹿
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 10:12:21.23 ID:3FTOpYDO
>>76
VIPでも空気ぐらい読むだろ。
意味不明なレスは叩かれてんじゃん。
スレ立て後すぐならいざ知らず、今更これは無い。
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 10:17:23.42 ID:uUDudZQ0
伸びてると思ったら全く進んでなかったでござる
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 10:35:11.96 ID:UUaW9xo0
トミーが打ってる時ならなんとかなりそうだけど
せめてトミーがいるならなんとかなりそうだけど
一人で打席選んでる時に>>45って無理がある
どうすりゃいいんだ
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 11:00:50.78 ID:73OH3UDO
>>1の腕を信じて落ち着こうぜ
空気読めないのはほっとこうぜ
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 11:04:13.23 ID:l4z6tIDO
パイロットスーツ

━━━━━越えられない壁━━━━━━━━━━━━
お城をラブホ(ry
トミーの(ry


まあ簡単に言えばこう言うことだな
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 11:20:25.68 ID:0j1aJIDO
________
  <○√  <しまった、ここはトミースレだ!
    ‖      オレが止めているうちに逃げろ!
   くく     早く!早く!サナミ派のオレに構わず逃げろ!
85 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 11:26:11.65 ID:J.Ls.xco
>>45は確かに糞安価だが30秒も安価取らなかったお前らが悪い
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 11:32:38.28 ID:bi/Labg0
今起きたらものすごい勢いで安価取ったヤツ叩かれててワロタ
まぁ仕方ないな、鬼畜というより下品だし
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 11:48:30.53 ID:x4vPbq20
寝て起きたらまだ荒れてるフいた
そんな時はラクガキでもしてろってばっちゃがいってた
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org751405.jpg
88 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 11:52:58.19 ID:v9uN6YSO
>>1なら上手く回避してくれると願ってる

トミデレマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
89 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 12:11:48.74 ID:rEesaMAO
あれから荒れたのか…
なんでみんな怒ってるんだ?安価だからしょうがないのに…
俺は>>1を信じるけどな
90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 13:22:26.34 ID:76mot/Io
>>45は今までで一番酷いな

ID:fliQeQDOのマジギレっぷりわろたwwwwwwww
91 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 14:10:20.09 ID:pbwgpOko
>>87
なんか胸がキュンとする…
この気持ちはなんだ…
92 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 14:43:15.38 ID:ZILLCTg0
>>87
サナミ派の俺を揺らす気か

だがそんなものは効k……うっ
なんだろう…胸が熱くなるな
93 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 14:43:24.83 ID:JRcp1AAO
30秒も、ていうか、なんで>>1
自分から深夜に人がいるか聞いて、そのときに12時前がいいかもとか
何人かからアドバイスもらってたのに
あの時間に安価出したのかがわからないなあ
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 14:54:42.41 ID:FH7pK2Qo
>>93
>>1だって24時間フリーなわけじゃないだろ
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 15:09:04.43 ID:l4z6tIDO
むしろ時間指定+レス番で安価出した方がいいのかもな、こういう場合は

このままだと安価取り合戦起こらないし、連レスで安価取りたくないし

96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 15:22:08.29 ID:JRcp1AAO
>>94
ちょっとなに言ってるかわからないんだけど、
次の日にすればいいんだよ^^
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 16:37:15.42 ID:fliQeQDO
あんた簡単な選択肢であんなの出るとおもわなかったからだろ
98 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 16:52:35.33 ID:Bl4qSNMo
自分の出した安価でこれだけ波が立ってほんとに申し訳ない……。
再安価は一度やっちゃうと今まで頑張ったのが崩れる気がするので、なんとか頑張ります。
きちんと使えないかもしれないけどその辺は多少目を瞑っていただけたら嬉しいです

>>71 >>87
やっぱり貴方に頼んで正解でした。
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 16:55:37.18 ID:v9uN6YSO
がんばれ
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 17:19:21.53 ID:76mot/Io
>>96
お前その文わかんないとか頭大丈夫?
 
書き溜められるなら次の日でもいいけど安価だから書き溜められないんだぞ
0時すぎたから次の日、なんて言ってたら中々進まないだろ
アドバイスは貰ってもそれは参考にするだけで強制じゃないしな。意味を履き違えるなよ
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 17:27:59.57 ID:0j1aJIDO
まあ締め切りがある訳でもないし急がんでもいいでしょ
皆気持ち良く楽しめるなら遅くなってもいいと思うぜ
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 17:37:16.46 ID:XRHV7gAO
>>1がこんな落ち着いてんのにお前らときたら
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 17:40:36.30 ID:dSRUvUIo
鬼畜だろうがなんだろうが>>1の手にかかればトミーマジックに変わる事に違いはない
104 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 17:43:45.68 ID:Bl4qSNMo
流石に最速は冗談にしかならないのが目にみえている。
俺は間をとって百二十キロの打席に入る事にした。
誰も使用していない打席の前のベンチでトミーを待つ。


「………おそいな……」

時間的にはそう長くは経っていないのだろうが、
賑やかで家族連れやカップルが多い場所だけにどうにも手持ち無沙汰だ。
それに、先ほどからずっと気になっているのが、少し離れた所に座っている男女だ。


「………バカップルめ…」

思わず呆れる声が口に出てしまった。
隙間も無いほどに身体を密着させ、お互いの色々な部分を触りあっている男女は、完全に二人の世界だ。
一応申し訳程度に周りは気にしているようだが、何の意味もない。
健康的なスポーツに興じる場所で、一体何をやっているのか。
何よりも悔しいのが、恨めしい気持ちよりも羨ましい気持ちの方が強い事だ。


「おい…おい…あれ…すげーいい尻してるよなー…」


「半端ねえな……俺もあんな尻さわりてェー……」

俺はつい俺も、俺も、と相槌を打ちそうになった。
通り過ぎる男性の言葉通り、傍目で見てもわかるほどの美しい形なのだ。
女の尻を男のイヤらしい手が撫でる度に、彼女の身体は艶かしくくねる。


「………………」

全く、羨ましくなど無い。
俺はしがみ付こうとする視線を無理矢理振りほどいて、バッティング風景に向けた。
不健全なイメージは、健全な物を見てかき消すのが一番だ。
小さな穴から飛び出す白球を、心地よい快音と共に硬いバットで打ち返す。


「穴………バット…………心地よい………」

頭に浮かんだ言葉をうわ言のように呟いてしまった。
とてもではないが言葉に出来ないような低俗な妄想が脳裏をよぎったせいだ。
頭を悩ませた時は頻繁に思考のベクトルがあらぬ方向へ向いてしまう。
ため息混じりに自分で自分を笑っていると、少しだけ周りの空気がざわついたような気がした。
顔を上げてみれば、周りの客の視線がある一点に向かって伸びている事に気がついた。


「………?なんだ?」
105 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 17:47:08.17 ID:Bl4qSNMo
トミー
「おーい!!」

人込みの奥から、抜けるようなトミーの声が聞こえてきた。
小さくて姿は見えにくいが、彼女の声があればどんな混雑でも合流は難しくないだろう。
人影の隙間からちらちらと姿が見え隠れする。
しかし不思議な事に、人々の視線はどうも彼女に注がれているように見える。
確かにちんまりとしてちょこまか動く彼女はよく色々な意味で注目されるが、それにしても集めすぎだ。
不思議に思いながら声の方を見ていると、小走りでトミーが俺の前に現れた。
そして俺は、同時に彼女が注目されていた理由がすぐに判った。

トミー
「おっまたせー!」


「え、ええ……?トミー……その服って…」

トミー
「ふぇ?これ?ゆにふぉーむだよ?ゆにふぉーむ!」


「……………」

よくわからない笑いが喉の奥から漏れる。
彼女が注目されていた理由とは、その服装にあった。
上着を脱いで私服の上から羽織っているのは、
黒と黄色のストライプが入った、彼女が敬愛する”ヤママヤーズ”のユニフォームだった。

トミー
「へっへー、おどろくのはまだはやい!これが目にはいらぬかー!」


「おぉ……すごいな……」

くるりと背を向けた彼女の背中には、大きく黄色い文字で「TOMMY」と刺繍が入っている。
その下に記された背番号は「1」だ。
少し、というよりかなり大きめのユニフォームは、萌える服装の定番として名高い、
”男物のワイシャツを借りている”姿にも見えなくは無い。
漏れた笑いの正体が、今になって彼女の愛くるしい姿からくるものだと判った。


「なんで……それを?」

トミー
「ん?やるからにはどうせならーと思ったんだけど……へ、へんかな!?」


「いや……その……すっごく……かわいいと思う」
106 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 17:49:54.37 ID:Bl4qSNMo
トミー
「ほんと?えへへへへ……て、照れるからみるなぁ!」


「着てきといて見るなはおかしいだろ」

女の子がこういうコスプレじみた格好をしていれば、可愛いに決まっている。
いわば今の彼女は”反則球”だ。

トミー
「でもねでもね、実はまだ完成じゃないのだ!」


「ん?まだ何かあるのか?」

しゃがみ込んで鞄をごそごそと漁るトミー。
通りすがる人は当然彼女の姿をまじまじと見ていく。
デートの割りに鞄が少し大きいような気がしていたが、
まさかこんなものが入っているとは思いもしなかった。

トミー
「あった!ちょっときみきみ、ぼくがいいよーって言うまで目をつぶりたまえ」


「目?わ、わかった……」

言われるままに目を瞑るが、何が行われるのか不安で仕方が無い。
少しでも開けたい気持ちを押さえ込むように強く瞼を下ろす。

トミー
「こーれーをー……しゃきーん!いいよー!」

怪しげな擬音が気になったが、彼女の声に少しずつ目を開く。


「…………耳……」

トミー
「へっへー!マスコットのピカニャーの耳だよ?がおー!」


「はは…ははは……猫耳か……」

トミー
「ちーがーうー!ピカニャーはイリオモテヤマネコだよ?だから、イリオモテヤマネコミミ!」

帽子を取った彼女の頭の上に、先端の丸い耳が生えていた。
手を丸めて猫の真似をする彼女の姿に、笑いしか出てこない。
周りからはあちこちで可愛い、可愛い、という声が口々に聞こえてくる。
107 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 17:51:10.48 ID:Bl4qSNMo
気恥ずかしくはあったが、その声に俺は彼女を連れている事に少し鼻が高い気もした。
ちらりと先ほどの男女の方を見ると、男の方がトミーを見ているのに気付いて俺は心の中で小さな勝利をかみ締めた。

トミー
「これでせんとーじゅんびは完了しました!」


「なぁ、その格好はいつもしてるのか?」

トミー
「へ?これは応援に行く時しか着たことない!今日はバッティングセンター初でびゅーです」


「そ、そうか……」

流石に普段からというわけではなさそうだ。
俺と一緒の時にしかこんな事はしないのかと思うと、何か優越感に似たものがこみ上げてくる。

トミー
「で、どれでやるか決まった?」


「あぁそうだった、完全に目的を忘れかけてたよ」

トミー
「ほーぉ、わらわの姿にみとれておったな?」

うす開きの眼で妖艶な空気を出そうとしているのだろうが、この格好では説得力がまるでない。
彼女が一つアクションを起こす毎に、何処からともなく可愛いという声が聞こえてくる。


「色んな意味でな。とりあえず軽く百二十くらいからいこうぜ」

あくまでももっと早くても大丈夫だけれど、といった空気を醸し出す。

トミー
「ふーん……」


「な、なに?」

トミー
「……無難な男よのう」


「や、やかましい!」

余裕ぶった俺の演技は、しっかりと裏目に出てしまった。
にやにやと笑うトミーを尻目に、俺は何度か軽く身体を伸ばした。
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 17:51:24.37 ID:v9uN6YSO
スルーオーライ!!!
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 18:22:41.15 ID:fliQeQDO
痛い痛い可愛すぎて心臓痛い
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 19:36:55.89 ID:pbwgpOko
ぼくのトミーはやっぱりかわいいなぁ!!
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 20:44:14.73 ID:x4vPbq20
なにこれ可愛くて鼻血出そう
いりおもてやまねこみみwwwwwwwwwwwwwwいりおもてやまねこみみwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 20:48:27.06 ID:dSRUvUIo
>>111
はやくいりおもてやまねこみみつけたとみーかいてー
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 21:16:06.33 ID:x4vPbq20
>>112
そんな急に描けるわけがウボァー
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org753081.jpg
黒と黄色のストライプを可愛く見せようとしたが、限界があった
俺にできるかぎりの、野球ユニフォームの、だぼだぼ
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 21:29:47.35 ID:fliQeQDO
>>113
鼻血とまんねえあんたやっぱすごいな

俺はホットパンツにこういうの羽織ってるイメージだった。色は黒で
http://vivi619.img.jugem.jp/20090716_743602.jpg
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 21:36:21.49 ID:dSRUvUIo
>>113
あーだめもうだめ
トミーがいないと生きていけない
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 21:46:55.34 ID:x4vPbq20
>>114
色無くてごめん、気付かなかった!そうだよ応援に着てくって言ったらコッチだな
ありがとう、ありがとう!
色ないけどttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org753179.jpg
117 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/23(火) 22:04:39.27 ID:Bl4qSNMo
完璧すぎて何も言うことないんですが……
貴方のトミーが活きるように頑張ります
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 22:06:40.19 ID:VFa2rBg0
>>116
これはやばい・・。可愛過ぎてキュンとくる・・
119 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 22:27:22.50 ID:Bl4qSNMo

「さて、どっちからやる?」

トミー
「じゃんけん!じゃんけんで決める!」


「いいけど…何やってんの?」

トミー
「んー……こうやるとなにを出すかみえる」

腕をひねって手を組み、その隙間からこちらを覗いている。

トミー
「見えた!いっくよー…さーいしょーはグー!」


「じゃんけん…!」

トミー
「ぽんっ!!!」

すらりと伸びる細い指が二本、俺の大きく開いた手の先にある。

トミー
「ほらー!ちょきちょきちょきちょき……きれましたーきみの負けー!」

俺の平手をトミーのハサミが横断していく。
細い指の感触がくすぐったい。
原理不明のジンクスに負けてしまった事が非常に悔しい。


「く……負けた……。でどっちが先なんだ?」

トミー
「ほらほら、背中をみたまえ!トップバッター背番号いち!トミーちゃんだよー」


「へいへい…じゃお手並み拝見といこうかな」

トミー
「よーくみておけ!あと、ぼくが終わるまでまばたき禁止ね。ちゃんとみてるから」


「そ、それはきつい……」

トミー
「よーっし!やるぜやるぜー!ちょーやるぜー!」
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 22:34:37.97 ID:dS2aRUDO
みの…りん…?
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 22:43:03.61 ID:l4z6tIDO
むしろミラだろ
122 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 22:46:10.59 ID:v9uN6YSO
やはりみのりんだったか
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 22:47:21.32 ID:UUaW9xo0
絵って凄いんだね
もうササミには戻れない気がする
124 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 23:00:26.19 ID:Bl4qSNMo
勢いよく扉を開けて打席に入っていくトミー。
ここは打席内に待機場所があるため、安全な所から隣で見る事が出来る。
俺は未だ注目の的になっている彼女の後ろに続いて入り、ドアを閉めた。

トミー
「とりあえず二十球かなー」

バットを選びながら鼻歌まじりの彼女だが、どう見ても異常にバットが長く見える。
遠近感がおかしくなりそうだ。


「ボールにあたんなよー?」

トミー
「ふっふっふ……ボールはぼくのバットに当たる!こぉーい!」

硬貨を投入してボタンを押すと同時に、長いバットを構えて遠くを睨む。
縮尺はおかしく思えるが、そのフォームはなかなかさまになっている。
透明のガラスの向こうには、数人が彼女の打撃を興味津々といった様子で眺めていた。
固唾を呑んで見守る。彼女の実力が判らない分、実際かなり緊張していた。
短いブザー音と同時に、緊張の第一球が放たれた。

トミー
「ふっ!」

小さい声と共にバットが鋭い軌跡を描いて振れた。

―――カーン!


「おおっ!!」

快音が響き渡り、真っ直ぐに伸びた白球が遥か遠くのネットを揺らした。
俺は思わず興奮の声を漏らしたが……


「お……おぉ?」

足元に転がってくるボール。
華麗なバッティングは隣の打席からのものだった。


「…………」

トミー
「……うるさいしずかに!きがちる!」

何も言っていないのに怒られた。
俺は拾ったボールを転がして、次の一打に期待した。
125 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 23:19:10.56 ID:v9uN6YSO
トミーィィィィ!!!!11111
うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!












ふぅ
126 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/23(火) 23:20:37.21 ID:Bl4qSNMo
こんなにも真剣な表情のトミーを見るのは初めてかもしれない。
呼吸を整えているのか、ゆっくりと頭の上の”イリオモテヤマネコミミ”が揺れている。
何処かから彼女を応援する声も聞こえてくる。

トミー
「………」

放たれる二球目。

トミー
「ふっ!」

―――カーン!

さっきよりも数段鋭いスイングが空気を振るわせた。
今度は確実に彼女のバットが白球を捉え、ライナー性の打球が一番奥のネットに突き刺さった。


「おぉ……すげえ!」

トミー
「どぉだー!せんとー打者ほーむらん!がおー!」

こちらを向き自慢げな顔で一吠えすると、笑顔でバットを構え直す。
周りからもざわつきに似た驚きの声。
ウェイトの載った突きといい、あの足の速さといい、彼女の運動能力の底が見えない。
俺はもしかしたら負けるかもしれないという焦りを覚えながら、その後のスイングを見守った。

―――数分後


「お疲れ様!」

トミー
「あっはっはー……ぜんぜんだめだぁー」


「いや、すげーよかったとおも…」

トミー
「……このバット」


「バットが!?」

やり遂げた顔でバットを元に戻しながら、俺の隣に座るトミー。
結局、二球目の期待に反して結果は二十球中、十球のヒット性の当たりで終わった。
女の子としては十分すぎる程の打撃センスだ。
一打放つ度に驚きの声があがるのに、一緒に居る俺が少し気恥ずかしかった。
127 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/23(火) 23:25:59.00 ID:Bl4qSNMo
ご飯休憩してきます。
みのりんって検索したら皆が言ってる意味わかりました……かぶった……
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/23(火) 23:33:06.22 ID:nVY7E7c0
>トミー
>「よーっし!やるぜやるぜー!ちょーやるぜー!」

これ狙ってなかったのかww
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/23(火) 23:35:30.07 ID:fliQeQDO
トミーは唯一無二だからきにすんな
トミーの破壊力半端ねーな……
130 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 00:56:26.16 ID:Gd1uoYSO
なんかもう男はトミーと付き合えばいいよ…。
サナミの相手は俺がするからさ
131 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 01:03:49.79 ID:Jk81kkAO
では、ロッドはオレがもらっていきますね
132 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 01:09:50.81 ID:ffId2xoo
                 l  _ - ´    `丶 、     !
                 | / _, -┬r - __    \   |
                / ∠二≧|ム::V ,>、___ ィ::::\ j
               L /t「 /辷jリ ヽ! 辷j_` 「|::::|:i::::{
                |:::::l L___ノ!  ヽ---- ' |:i::l::|:l::|   僕はいつでもフリーだよ!
                |l:::ハ    、       |从ハV
                  ヘ l   ____   ″  ノ
     ,....、    ____   ヽ!  ∨    У   ,ィ7/
     /   ヽ..._/二二二ト、 r‐ュ\  ` 二 ´  _ - |イ'
    / r┴┴‐┼──‐弋三三マヽヽ ___ /  , l
  j   ̄>──┴─ 、:.:.:.|─‐9|<7|l        /  ヽ、
  f'  7´ ´¨`ヽ`ヽヽ:::::::__ヽ|}}─ j|^:|Yl      /    ィ::::| `ヽ、___
 j  、l::;′   Y:::::l:::l::::{ ヾ!|!ュ:.:.:l|:::V       ′ /:|:::::l: : :/
 l  l:::|     ||:::::|:::|::ハ  \_:.:.:ト、::ト、____ ィ´. : : |:::::l: /
 l  `ヽヽ __ノ/.::/::/:::::/ヽ    ̄ヽヽ: : : : : : /: : : : : |::::l:/
  '  / マ=∠∠∠∠ -'"        ∨__/. : : : : : : j::::l:′
  '     ハ::::「 -r 、               ∨}} }: : : : : : : : :|::::l !
   }   ハ::::∨  ヽ           ヽV: : : : : : : : : |::::l |
  /    ヽ:::ヽ  ヽ           \: : : : : : : : :|::::l:ハ
133 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/24(水) 01:27:51.52 ID:QdJ0Y0Mo
トミー
「今日は手加減!手加減したんだよどうせきみだめだから」


「そうか……なんか申し訳ないな。なら遠慮なく勝たせてもらう」

トミー
「お、おとなげないぞ!ばかもの!」

負け犬、いや負けイリオモテヤマネコの遠吠えを聞き流しながら、俺は立ち上がった。
大小様々な種類のバットを慎重に選ぶ。
ここでの選択を誤ったら命取りだ。

トミー
「………こーぼーはふでをえらばず」


「……くっ!」

早くも精神面で攻めてくるとは相手はなかなかのやり手だ。
しかし俺は動じることなく鈍い光を放つバットを握り締めた。
硬貨を投入する手が緊張で少し震えた。

トミー
「ばったーびびってるーへいへいへい!」


「それを言うならピッチャー相手だろ!」

とんでもない応援団がついたものだ。
にこにこと俺を見つめる彼女の眼は、何故か勝利を確信しているようにも見えた。
負ける訳にはいかない。
男としての威厳を示すいいチャンスだ。
白球が出てくる黒い穴を見つめて、深く息を吸い込んで吐き出す。
そこで短いブザーを聞いた。


「……っ!」

―――ズバンッ!

当てにいくつもりで振ったバットは、何の感触もなく空を切った。


「……あれ?」

トミー
「………ぼくにきをつかわなくてもいいんだよ?」
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 01:54:49.87 ID:Jk81kkAO
>>132
フリー=flea、つまり僕はいつでもノミだと…

>>133
支援
135 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 01:57:09.92 ID:4orf1ADO
確かにもうトミーでいいんじゃねーかと思ってきた
ていうか男が違う人と付き合ったらこういう子に限って死んじゃいそう
136 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:11:52.18 ID:lodoBYAO
みのりんとよつばを適当にまぜたようなオリジナリティのかけらもない
この狙いまくりキャラのどこがいいんだお前ら

そうおもっていた時期がぼくにもありました
137 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/24(水) 02:35:32.49 ID:QdJ0Y0Mo
特に当たり障りない安価が入ったんですが、今出すのはちょっと怖いですね……
困った
138 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:46:21.60 ID:ExK0aRUo
いいよ出しちゃいな
139 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:48:02.43 ID:4orf1ADO
選択肢きっちり絞れば?潜伏してる奴以外と多いからかまわんだろ
140 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/24(水) 02:49:03.05 ID:QdJ0Y0Mo

「そ、そう?いや一球目はそういう流れかなーと思ってさ」

トミー
「…………」

薄笑いを浮かべ、黙ったままじっとりとした目でこちらを見つめるトミー。
”すごい猫の子の連れ”という視線を感じながら、当てにいっておいて外した事が猛烈に恥ずかしい。
何よりもこのままでは威厳も何もなくなってしまう。


「っしゃー!こーい!!」

奮い立たせるように声を出して構え直す。
ボールの速度は大体わかった。
次こそは当てねば。

トミー
「ほーむらん!ほーむらん!」

外野からプレッシャーがかかる。
短く持って確実に当てにいけば恐らく当たる。
しかし、しっかりヒットを打つ女の子の手前、男としてそれでいいのだろうか。
思い切り振りにいって空振るのも格好が悪いが……

>>144
141 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:50:16.21 ID:czmINNco
kskst
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:50:34.48 ID:.5zRXpg0
全部スカって慰められる
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:50:58.01 ID:2DeZRIDO
ここでまさかのバント
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:51:35.73 ID:4orf1ADO
全力!
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:52:20.40 ID:czmINNco
>>144
何だろう
まともな安価を久しぶりに見た気がするんだ
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:58:00.68 ID:ExK0aRUo
>>145
ああ、久しぶりに生きた心地がしたぜ
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 02:58:05.95 ID:.5zRXpg0
>>144GJ

人いないなイキナリだったからかな
148 : ◆vzyXO.Rw6Q [ほっとした…]:2010/03/24(水) 03:05:30.33 ID:QdJ0Y0Mo
生唾を飲み込むと、心臓が一度どくりと動いた。
決めた、男ならばやはり全力で振り抜くのみ。


「……みてろよ」

トミー
「え?」

短いブザー音。
俺は長めに持ったバットを硬く握り締める。
全身の力を溜めて、ゆっくりゆっくり弓を引き絞った。


「…っく!!」

―――カァン!

全身に響く金属の振動と同時に、手元で快音が響いた。

トミー
「おぉおおおー!!」


「よっしゃぁ!!」

打球は斜め四十五度の綺麗な角度でまっすぐに飛んだ。
ホームランと書かれた小さめのプレートにあわや直撃する所だ。
自分でも想像以上の好打撃に思わずガッツポーズが出る。

トミー
「すごいすごい!!もっかい!もっかい!」


「おぉ、まかしとけ!」

子供のようにはしゃぐトミーから難しいリクエストが飛んでくるが、
俺は今ならかなりの打率で打てる気がしていた。
調子に乗ってバットの先端を高らかに突き出す。


「次もホームランだな」

トミー
「……さるもきからおちる」


「応援したいのか邪魔したいのかどっちだ!」
149 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/24(水) 03:26:21.43 ID:QdJ0Y0Mo
―――数分後

トミー
「…………ぶー…」


「あ、あれ?楽しくなさそうですね?」

トミー
「……おとなげないもん」


「す、すまん……」

勝負だったはずが、何故か俺が謝るはめになっている。
全力で振りにいったのが功を奏してか、俺の成績は十五球がヒットだった。
うち二球目も含めてホームラン級の当たりは三本飛び出した。
負けた事が悔しいのか、口をとがらせてふてくされるトミー。
イリオモテヤマネコミミもどこか垂れ下がっているようにも見える。


「ほ、ほら、でも女の子であんなに打てるのはすごいと思うぞ?」

トミー
「………ほんと?」

ぴくりと耳が動いた。ような気がするだけだが。


「ほんとほんと、あんだけ打てればほんとに選手になれるんじゃないかなぁ……」

またぴくりと耳が動く。ような気がする。
あまりにもマッチしていて本当に生えているようにさえ見えてくるから不思議だ。

トミー
「えへへ……じゃー負けをみとめるということだなこぞう!」


「え、えぇ?なんでそうなるんだ……」

勝ちは勝ちだろうと反論してやろうかとも思ったが、
いつも通りのご機嫌な明るい笑顔に戻った彼女の顔を見ていると、
そんな事はもうどうでもよかった。

トミー
「ま、今のはあくまでもれんしゅーだよれんしゅー。つぎが本番!」


「へいへい……。ま、次も勝たせてもらうけどな」
150 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/24(水) 03:32:08.59 ID:uIxkG.DO
やっと追い付いた…

トミーかわいすぎだろ
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 03:46:00.02 ID:EgThpgAO
トミーの慰める姿も見てみたかったな
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 04:09:37.64 ID:4orf1ADO
なんだろう
絵+想像しやすい文章で既に存在するアニメのSS読んでる気分になってきた
なんで俺にはこんな才能なかったんだろう
153 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 08:50:48.72 ID:e12QaASO
サナミかわいすぎるよ、サナミ…
154 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 11:18:39.75 ID:BBtmjgDO
それでも俺はサナミ派
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 11:52:05.63 ID:gid62sAO
トミーは友達としていたい
彼女にするならサナミ
姉ならアマネ
156 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 12:45:27.23 ID:EgThpgAO
>>155
すげーわかる
ただ俺はトミーは妹がいいな
157 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 13:04:13.74 ID:e12QaASO
彼女サナミ
姉アマネ
妹トミー
最強
158 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 13:09:20.52 ID:LD5042DO
最強すぎて文句の付け所が見つからない
159 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 13:28:56.66 ID:a.QL5ADO
妹は爆発するからダメだ
160 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 13:31:16.72 ID:Gd1uoYSO
やっぱりサナミって人気なんだな
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/24(水) 14:12:24.27 ID:9FvPnlY0
スレタイを見ろ
つまりそういう事だ
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 15:42:28.66 ID:4orf1ADO
アマネはデレてる真希波マリだな
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 15:44:14.97 ID:roX4B0Qo
よかった、サナミ派は隠れてただけだったんだな
164 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/24(水) 18:38:11.93 ID:QdJ0Y0Mo
帰ってきたばかりでまた出掛けるので更新はまた深夜になります……申し訳ない
どうぞお楽しみに
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 19:20:37.59 ID:Gd1uoYSO
>>164
楽しみにしてる
いってらっしゃ〜い
お気をつけて
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 20:21:11.86 ID:4orf1ADO
もし今>>1がサナミやトミーみたいな子と遊んでいて、
この話が実話を基にしているとしたら……


うわああああああ
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 20:28:38.86 ID:lFd1quko
ただの女ったらしじゃねぇかwwwwwwwwww
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 20:42:42.56 ID:J.Ci8ASO
トミーみたいな子と遊べるなら女たらしでもなんでもいい
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 20:55:01.33 ID:4orf1ADO
まさかの>>1女たらし説浮上wwwwww
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 22:21:43.61 ID:6/g/36DO
結局バレンタインどうなったの?
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/24(水) 22:26:59.86 ID:fLZ3xBAo
>>170
まだバレンタイン前
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/24(水) 23:24:27.81 ID:uIxkG.DO
wktk
173 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 01:24:05.26 ID:FTb.ZNAo
トミー
「あー!ぼくがほんきになったら負けるわけがない!」

勝ち負け等俺自信はどうでもよかったのだが、
売り言葉に買い言葉、俺は彼女の挑発に思わず乗ってしまう。


「お、言ったな?じゃあなんか賭けようぜ」

トミー
「む……望むところだ!」


「何がいい?ジュースか?お菓子?」

流石にお金を賭けるわけにはいかない。
トミーには食べ物が一番いいだろう。

トミー
「まぁーったくー…きみは子供だなぁー?」

大袈裟に首を振ると、耳がぴこぴこと揺れた。


「な、なんだよ……」

トミー
「これだ!!」

腰に手を当て、こちらに向かって人差し指を一本上向けて突き出した。


「え……指?そんなヤクザな……」

トミー
「ちっがーーーう!いっこ!負けたらいっこ、ゆーこと聞く!」

彼女の眼には闘志の炎がめらめらと燃えたぎっている。


「それは……いいのか?俺勝っちゃうぞ?」

トミー
「う……練習!何回か練習してから!いまはかんがにぶっておる」


「ふっふっふ……よーし乗った!覚悟しとけよ?」

何をお願いするかはまだおいおい考えるとして、俺は彼女の提案に乗ることにした。
174 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/25(木) 01:35:37.31 ID:DrCs6hc0
きたきたきた

正直もっと鬼畜安価がみたい
>>1はかわすだけじゃなくてうまくからめてたから
そんなに大事大事する必要性を感じない
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 01:48:54.65 ID:l9R1OToo
いや流石に>>45みたいなのは…
176 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/25(木) 02:23:13.32 ID:Wn3lZYSO
来てタ━━━(゜∀゜)━━━!!
177 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 02:40:44.40 ID:YVqkQGwo
ていうか今までちゃんと安価消化してたのにね
安価消化できないようなら書くのやめればいいのに
安価ありきのお話なんだから

まあこの先消化してもらうのを楽しみに待っていよう
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 03:20:13.22 ID:qXZG6wDO
>>177
頑張ってる奴に書くなはちょっと酷くないか?
嫌なら読むなって言われかねんぞ

鬼畜安価の意味を履き違えるなって話だろ。
まぁ、この話題は荒れる原因になるから控えようぜ
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 03:44:00.06 ID:khiZikAO
どれだけ鬼畜でも見てるぶんには構わないんだけど、
脈絡もクソもないと面白くもなんともないね
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 03:51:12.61 ID:qXZG6wDO
無理難題な安価でも再安価なしでなんとか書いてんのにつまらんは酷いだろ
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 05:32:06.95 ID:U4T8P860
いつだったか時空を超えて鬼畜安価防いだときなかったっけ?
そんくらいの意気込みで皆で防げばいいじゃん
182 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/25(木) 08:50:46.96 ID:FTb.ZNAo
安価の件は重々承知してます……なんとかちゃんと消化出来るように頑張ります。
ただ今ちょっと展開に悩んでまして……全然下書きが埋まらない……もう少しお待ちください。
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 08:53:30.62 ID:ulImNoDO
まあガンガレ超ガンガレ
184 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 09:34:01.09 ID:FTb.ZNAo
俺達はその後、十キロずつ球速をあげて練習試合を繰り返した。
本気を出すという言葉通り、トミーのバッティングは驚くべき打率をたたき出した。

トミー
「ふふーん、こーんなにファンを集めちゃうぼくに勝てるのかなー?」

俺達の打撃スペースの後ろには、気がつけば少なくとも五人以上の見物人が立っていた。
百キロ超えの球を打ち返す猫耳少女の姿は、確かにそうそう見れるものではない。
バッティングを終え、アピールするかのようにバットを高らかに上げるトミー。
しかし、運動神経なら俺だって負けていないはずだ。


「俺だってやる時はやる男だ!」

何度もバットを振るうちに、段々と感覚が掴めて来た。
休憩しながら俺を見るトミーに見せ付けるように、俺は次々とボールを打ち返す。

トミー
「うー……けっこうやるな!こぞう!」


「野球部の勘が戻ってきたぜ!」

トミー
「え!?野球部だったの!?」


「うーそ!ははははは!」

勝負に勝ちたいという気持ちもないわけではないが、今はただ真剣に”楽しんでいる”自分が居た。

――― 一時間後

トミー
「よーし!練習おわりっ!!」


「先輩、俺練習だけで結構疲れたんですけど……」

途中でレンタルのグローブを借りたものの、手のひらが少し痛むのと、握力が少し弱っている気もする。
しかし猫耳少女は俄然元気だ。


「で、本番はどれでやるんだ?まぁ百三十くらいが一番……」

トミー
「ふっふっふ……勝負はあれでつける!!」
185 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 10:19:08.76 ID:FTb.ZNAo
彼女が指刺した先には、あの”最速”の二文字が。


「まっ……まじか?」

トミー
「あっれえー?もしかしてびびっちゃったのかなー?」

不敵な笑みの挑発。
練習では一度も最速の打席を使う事はなかった。
二人とも百五十キロでさえ半分も当たらなかっただけあって、勝負になるかさえ判らない。
しかし、ここで引いては男がすたる。


「そんな訳ないだろ!……いいぞやってやろうじゃないか」

トミー
「おー!じゃあいざじんじょーに勝負だ!」

相変わらず数人が遠巻きに眺める最速の打席の前に、俺達は立った。
まだ立っただけだと言うのに、既に何人かはまさか、と言った様子でこちらに視線を向けてくる。
背中に注目を感じながら、二人でドアをくぐった。
緑色の空間が広がる奥、小さなあの穴から想像も出来ないような球速の球が飛んでくると思うと、身体が強張った。

トミー
「すー…はー…すー…はー…」

胸に手を当て、下を向いて呼吸を整えているトミー。
さながら、九回裏、満塁逆転のチャンスで代打に入るバッターの様だ。
その姿を見ているだけで、こちらまで呼吸が荒くなる。

トミー
「……よし!勝負はれんしゅーと同じ二十球!ヒットの数で勝負!」


「わかった。あの……気をつけてな」

トミー
「へへへ……ありがと。でも……、ぼく負けないから」

すっと笑顔が消え、瞳に強い光が宿った。
たかがバッティングセンターで興じる遊びのはずなのに、その真剣な目に、少し圧倒されてしまう。
ゆっくりと硬貨を投入して、彼女は力強くボタンを押した。
縮尺のおかしなバットを構え、一点に集中している。
幾人もの人が見守る中、短いブザーが聞こえた。

トミー
「………っ!!」
186 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 10:36:37.76 ID:FTb.ZNAo
―――バンッ…!

目の前を何かが一瞬で通り過ぎた。
直後、その何かはバッターの後ろ、衝撃吸収材に当たってもなお、強烈な音を響かせた。


「……はっ……はええ……!」

トミー
「…………」

完全な振り遅れ。
というより、バットは動いてさえもいなかった。
今までのものとは比べ物にならない速さの球は、とても打てるとは思えない。
初めて稼動している所を見るのか、後ろではざわつく声が聞こえている。


「だ、大丈夫か?」

あまりの速さに、危険さえ感じて俺はトミーを心配した。
しかし彼女は、真っ直ぐと前を見たまま言った。

トミー
「……いける!……ぼく、見えた」


「見えたって……!」

いくら彼女の底知れぬ能力を持ってしても、あんな速度の物、見えるわけがない。
しかし、大して口を挟む間もなく、二球目が放たれる。

トミー
「……ふっ!!」

―――カンッ…!


「う…そ………!」

跳ねるような機械音が鳴った直後に、ボールは手元までやってくる。
しかし二球目は衝撃吸収材ではなく、彼女のバットを掠めていった。
勢いよく跳ねたボールが、俺のすぐ近くにぽとりと落ちる。

トミー
「この勝負……負けないから!」

湧く声に混じって、俺はただ彼女の打撃を息を飲み見守るだけだった。
187 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/25(木) 11:18:04.15 ID:cW/2V6SO
VIPの頃に比べて、話が大きく変わるような安価を>>1が出さなくなったと感じるのは俺だけ?
やっぱり>>1がストーリーをある程度考えているからなのか?
鬼畜安価とかあるししかたないのかもしれないけど、ちょっと寂しい…
188 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 11:19:41.96 ID:9.ogCfso
>>187
まぁそこはしょうがないんじゃないか?
 
今現在は起承転結のどのあたりなのか教えてほしす
189 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 11:24:51.55 ID:3qvfd.go
バレンタインの2日前くらいだから終盤に入りかかってるんじゃないかな

俺としてはトミーがかわいければなんでもいいや
190 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 13:03:20.82 ID:xOAM0IAO
>>189
バレンタインがゴールなの?
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 15:16:34.58 ID:qXZG6wDO
トミーの身体能力すげぇ
普通に考えりゃ卒業じゃね
192 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/25(木) 15:20:45.03 ID:vLP2SoAO
俺野球部だったけど150kmなんて当たる気しない
それどころか130kmの球も当たるか怪しいのに
男とトミーすげぇwwwwwwww
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 15:59:15.39 ID:dehI0Z60
副料理長だからな
194 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 17:09:10.76 ID:kFGKh9Y0
>>187お前だけ。[ピーーー]
195 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 17:26:55.88 ID:Izia0fk0
速い球でも慣れると打てるらしい
テレビで小学生が200km打つの見て衝撃を受けたよ
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 17:40:50.15 ID:qXZG6wDO
正確に同じ速度、場所に飛んでくるなら当てる事はできんじゃね
トミデレはまだかなー
197 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 18:00:21.84 ID:8GvImgYo
>>196
トミー「僕の餌にしてやろう///」
198 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/25(木) 18:01:16.25 ID:FTb.ZNAo
さて更新頑張ります。ライフワークと化してます。
起承転結で言えば今のところ転にさしかかる所ぐらいでしょうか。
もう少し続きますが、お付き合いしてもらえたら幸いです。
199 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 18:32:58.53 ID:FTb.ZNAo
―――数分後


「その…なんだ……すげーなトミー」

トミー
「ふふん、ぼくをだれだとおもってるの?」

悪戯小僧のようにバットを肩に乗せて、満足そうに微笑むトミー。
結果は、数度のチップボールと、文句なしのヒットが一発だった。
長打が飛び出した時は、俺を含めて大きな歓声が上がった。
ヒットは一発だったとはいえ、それは十分すぎる程の結果だ。
彼女が二十球目を振り終えた時、後ろでは拍手さえ聞こえたほどだった。

トミー
「でもー……つっかれたぁー……!」

どさりと俺の隣に腰掛ける。
ぶつかる小さな肩と甘い香りに少女らしさを感じる。
こんなか細い彼女でさえ一本打ったのだから、いよいよ負けられない。
対決を知ってか知らずか、見物人はさきほどよりも増えていた。


「うっし……じゃあやるか!」

膝をきつめに叩いて立ち上がって、俺はグローブをはめ直す。

トミー
「てかげんはむよーだぞ!」


「手加減して打てるような球じゃないだろ、これ」

俺は二番手で、先に球の速度を横で見ていた。
初球から振っていける。
深く息を吸い込んでから、硬貨を入れ、ボタンを押す。
バットを構える。

トミー
「がんばれわかぞー!」


「頼もしい応援団だな」

そして短いブザーが聞こえた。
200 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 18:45:25.64 ID:0SlqNUDO
さぁて、男は何本当ててくれるやら。
201 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/25(木) 19:31:33.30 ID:qttPGMAO
打っても腕痛いだろな
202 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 19:43:39.16 ID:FTb.ZNAo
―――十八球目


「はっ……はっ…」

速い。余りにも速い。
とても目で追えるようなスピードではなく、感覚だけが頼りだ。
ここまでの成績は数度のチップのみ。
掠らせるだけで精一杯だ。
これを打ち返したのだから、それだけで彼女の勝ちにも思えてきた。

トミー
「あーとにーきゅう!あーとにーきゅう!」

外野から口撃が飛ぶ。
残すはあと二球。連続でヒットを当てなければ俺の負けだ。
せめて引き分けには持ち込みたい。
正に背水の陣といった状況だったが、俺には光明が見えていた。
球速の速さ故か、かなり正確な位置にボールが飛んできている事に気付いたのだ。
振り遅れる事だけに気をつければ、ヒットは必ず打てる。

トミー
「……ぼくにかっこいいところみせなくていいの?」


「なっ……」

そんな事を言われたら、頑張らないわけにはいかないだろう。
何度も何度も頭の中でコースとバットの軌跡をシミュレートする。
呼吸を合わせ、タイミングを見計らって俺は早めにモーションに入った。


「……っ!!」

―――カァン…!

手首に強烈な振動が伝わる。

トミー
「いったぁ!!!」


「当たった……!」

思わず興奮の並が押し寄せてくる。
渋い当たりではあったが、確実にヒット性の当たりだった。
手の痺れがそれを物語っている。
これで勝負は負け無しが確定した。背水の陣から一転、俺へと風が吹き出した。
203 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/25(木) 20:07:42.13 ID:FTb.ZNAo
勝てば一つ、言う事を聞かなければならない。
最後の一球を前に、トミーの台詞がフラッシュバックする。
ベンチでは複雑な表情で俺を見る彼女の姿。

トミー
「うぅー……」

手が隠れる長い袖で、口元を覆っている。
このいたいけな少女に、言う事を一つ聞かせる事が出来る。
きっとそれは現実的に考えて、ごく簡単な事しか言えないだろうが、
俺の頭の中では様々な事が巡っては消えていった。
駄目だ、こんな雑念にまみれたままでは球を捉えられない。
俺はバットをきつく握って精神を研ぎ澄ませる。


「……打つ…絶対打つ…!」

息を吸い込み、モーションに入った。

トミー
「…………あっ!」


「えっ…!」

突然の声。
バットは既に振り下ろされた。
204 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/25(木) 20:08:28.80 ID:FTb.ZNAo
まさか野球のくだりがこんなに伸びるとは思わなかった…。
少し間延びしましたがご飯後にやっとデート後編です。トミデレもあるかも。
205 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 20:14:46.49 ID:qXZG6wDO
トミデレがくーるー!期待せざるを得ない

男勝っててくれ頼む
206 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 20:36:56.80 ID:HtmG9oDO
いやトミーが勝つべきだろ
207 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 20:45:43.25 ID:xOAM0IAO
>>206
もう男の同点以上だよ
208 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 21:23:09.72 ID:kFGKh9Y0
男の命令安価来るかもしれないから、トミー隊がんばれよww
209 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 21:25:18.36 ID:HtmG9oDO
>>207
そうだった…どうすりゃいいんだ…
210 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 21:36:41.02 ID:0SlqNUDO
>>209
引き分けてしまえばいいジャマイカ
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 21:41:17.42 ID:qXZG6wDO
出番ないけど>>1格闘描写うまそう
212 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/25(木) 22:22:33.69 ID:xOAM0IAO
気がついたらこの話始まってからもう一ヶ月過ぎたんだな・・・
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/25(木) 23:35:56.14 ID:qttPGMAO
最近数ヶ月に及ぶ長編SS多くて嬉しい
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 00:10:17.19 ID:4jAVX.DO
>>212
胸が熱くなるな…
215 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 02:00:09.01 ID:9i8DTbYo
とみーかわいい
216 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 02:14:01.90 ID:IrwSQv2o
―――試合終了後

トミー
「んっ……んっ……ぷはぁー!」

ペットボトルのお茶を両手で持ち、半分ほど一気に流し込む。
彼女が持っているとペットボトルさえも大きく見える。


「………」

トミー
「ん?どったの?のむ?」

今まさに彼女の唇から離れたばかりの飲み口が、キラキラと光っている。
何気ない一言にどきりとする自分のうぶさが恥ずかしい。


「いや、いらないけどさ……あれは……」

トミー
「あっはっはー!いやーおしかったねー?ちゅんっ!って!かすった!」


「……気が散ったんだよ気が」

最後のボール、何度思い返してもバットは素晴らしい軌跡を描いていた。
何事も無く振りぬけば確実にヒットを狙えただろう。
しかし、突然のトミーの声に驚いて力が抜けてしまった。
高速の白球はバットの上部を掠めて、俺の後ろで大きな音を立て転がった。
つまり、結果は一対一で引き分けで終わった。
はしゃぐトミーと、どうにも納得がいかない俺は、
打席を出た後、見物客から拍手を受け、少しだけ有名人の様な気分を味わえた。

トミー
「ふふーん、あの程度で気がちるようではまだまだだなぁー」

大袈裟な仕草で微笑む。
あの大声はわざとだったに違いない。


「この猫耳……」

トミー
「イリオモテヤマネコミミだってば!」


「まぁ、いいや……せめて引き分けで終われてよかったよ」
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 03:07:48.26 ID:Rl2LBoAO
支援
それにしても>>1の書き込み時間すげーなww
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 03:13:41.94 ID:4vH2ewAO
>>216
なんだろう
最初トミーがエロい声出してんのかと思ってしまった
寝よう
219 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 03:22:08.50 ID:IrwSQv2o
トミー
「へ?ひきわけ?」

彼女は本当に驚いた顔でこちらを見つめてきた。


「ひ、引き分けだろ……?一対一なんだから……」

トミー
「ふーん……お・ん・な・の・こ・と!引き分けたらたいしたもんだよねー……」


「ぐっ……!」

天使のような外見とは裏腹に、女という生き物は恐ろしい。
じっとりとした目でこちらを見るトミーに、俺の心は負けを宣言した。


「……わかった。確かにすごいよ。俺の負けだ」

トミー
「ほんと?ほんと!?やったー!!!」

全身で喜びを爆発させるトミー。
結果はどうあれ、確かに楽しかったのは事実だ。
言う事の一つくらい聞いてやろう。

トミー
「やーいやーいまけたーまけたーやーい!」


「………………」

トミー
「まぁ?トミーちゃんが本気だしたらこんなもんかなー?」


「……………………やっぱ引き分けにしようか?」

トミー
「あーんうそだってばー!ごめんごめん!おこるなよーおとなげないなーまったく」

俺も大人げないかもしれないが、トミーが子供すぎるのも間違いない。
ともかく、俺はこの満面の笑みで嬉しがる少女のお願いを一つ聞くことになった。


「ではご主人様、お願い事とはなんでございましょうか」

何をお願いされるのか、今更ながら少し不安になる。
220 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 04:29:36.57 ID:IrwSQv2o
トミー
「んー……なんでもいい?」

よく動く瞳で、俺を見上げる。
ふさふさとした耳が揺れている。


「んー……出来る範囲でなら、な」

トミー
「じゃあー……」

顎に指をあて、なにやら悩んでいる。
無理難題でなければいいのだが。


「じゃあ……?」

トミー
「一緒に……」


「一緒に……?」

トミー
「…………思い出をつくろう!!」


「お……思い出?」

指を突きつけられても、一体何をするのかわからない。
俺は不意に先日見たメロドラマのワンシーンを思い出してしまう。
思い出になりたいという女が、自らの身体を……というシーンなのだが、
彼女に限って、そんな意味ではないだろう。
俺はあらぬ妄想を頭を振ってかき消した。

トミー
「うん!だめ?」


「だ、駄目じゃないけど……どういう事?」

トミー
「へへへー……こっちこっち!!」


「お、おいおい引っ張るな引っ張るな……」

細い指で腕を掴まれ、俺はずるずると引っ張られていった。
221 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 09:02:36.57 ID:jz.7XMSO
ごくり…
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 09:04:08.90 ID:NpLQ3eo0
今沖田支援
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 11:17:22.27 ID:MUXID2I0
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 11:30:02.19 ID:s7twPIDO
まさか…ここまで春が…!?
225 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 11:35:16.90 ID:fVN.Y/6o
またゆとりVIPPERか
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 11:55:13.45 ID:20D0qUDO
>>222-223
ちゃんと>>1から読め。
ここはVIPと違って落ちないからそういうレス不要
227 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 12:10:12.05 ID:IrwSQv2o
トミー
「とうちゃーく!」


「随分近かったな」

何処に連れて行かれるのかと、期待と不安が入り混じっていたのだが、
連れてこられた場所は、隣接するゲームセンターだった。
未だ猫耳少女のままのトミーに、あらゆる方向から視線が集まる。
もちろん、そんな事はとうに慣れてしまっていたが。


「なんだ、ゲームがしたかったのか?」

トミー
「んー…それもしたいけどー……」

きょろきょろと辺りを見回して、何かを探している。
最新のものから定番のものまで、様々なゲーム機が並ぶゲームセンターには、
家族連れやカップルで随分と賑わっている。

トミー
「あっ、あった!ほらほらいくよっ!」


「わかったわかった……」

彼女の後ろをついていくと、明らかに女性の姿が多い場所に着いた。
他の場所とははっきりと区切られていて、赤やピンクで彩られたコーナー。
最近は何処のゲームセンターでも必ずこういった場所がある。


「これは……プリクラ?」

トミー
「うんっ!そうですプリクラです!」


「だよなぁ……」

恐らく俺を含めて、男は皆こういう場所が苦手だろう。
なんというか、実際に紛れた事はないが、女子高の中に紛れてしまったらこんな風な違和感を感じるのだろう。
小さいくせに妙に目立つトミーを連れているというのに、今日の彼女は輪をかけて目立つ。
彼女の姿に気付いた女性達が、あちこちでこちらを指差している。

トミー
「そいえば、撮ったこと、ないでしょ?」

トミーと撮った事がないどころか、プリクラなど自分には永遠に無縁だと思っていた。
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 12:28:00.61 ID:lm3Ij2Yo
>>222-223
これはひどい
2chは全部VIPかなんかと勘違いしてるのかね
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 12:29:38.83 ID:.d6HDsso
>>228
230 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 12:31:33.42 ID:IrwSQv2o

「俺写真って苦手なんだけどなぁ……」

トミー
「さーどれにしよっかなぁー?あ…これあたらしいやつかなー…」

機種選びに夢中の彼女に、俺の言葉は届かなかった。
ちょこまかと動き回る彼女の姿を、順番待ちをしている女性達が注目している。


「ねえあの子みてー!ちょーかわいー」


「ほんとだ、やばくない?」


「やばいやばい!」

何がやばいのかは判らないが、俺の居心地の悪さは確かに、やばい。
ああでもないこうでもないと一生懸命選んでいるトミーに、
俺は心の中で早く決めてくれと懇願した。

トミー
「きめたー!これにしよー!」


「おぉ、決まったか!じゃあそれだそれにしよう」

トミー
「何か急いでるの?へんなやつー」

行列が出来ている機種も多い中、幸運にもトミーが選んだものには誰も並んでいなかった。
俺は彼女に続いてビニール製のカーテンをくぐった。


「おぉ……こんなんになってんのか……」

カメラスタジオの様に一面白い壁紙が貼られ、眩しいほどに明るい。
二、三人が腰掛けられるほどの大きさのソファーも設置されている。
俺が想像していた以上の凝り具合に思わずため息が漏れた。

トミー
「あっれえー?はいったことないのー?」


「俺が一体誰と撮るんだ?はいったことないよ」

トミー
「ふーん……いがいだ」
231 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 12:32:56.52 ID:20D0qUDO
>>228
ここは2chですらないんだけどね

トミーかわいすぎておなかいたい
232 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 12:46:45.51 ID:aT1MM3g0
イイヨイイヨー
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 12:58:17.39 ID:hTbW8Vw0
冷静にトミー性格悪くね?
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 13:00:45.51 ID:ZRBEdys0
うん
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 13:03:25.98 ID:vVaMOsSO
安価進行なんだからもっと安価出してくれよwwwwwwww
この流れじゃトミー√で決まりじゃないか…orz
早くサナミやアマネにデートの申し込みしようぜ
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 13:14:00.53 ID:ZfroFcDO
>>235
お前さん今まで何を見ていたんだ?
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 13:15:24.65 ID:fVN.Y/6o
今日はどうしたんだ…
238 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 13:16:45.76 ID:20D0qUDO
>>1今日はやけに仕事してるなwwwwww
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 13:25:16.30 ID:vVaMOsSO
>>236
どうなるか最後までわからないってのはわかってるけど、サナミとは距離が縮まらないしアマネとはあまり進展ないし
なにか行動を起こしたいのだよ
240 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 13:29:55.95 ID:20D0qUDO
流れを読めよ
お前は小説の最後だけ読むのか?
241 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 13:41:36.43 ID:IrwSQv2o

「意外って?」

トミー
「……んーん、なんでもない!さー思い出をつくろー!」

一瞬、笑顔に陰りが見えた気がした。
硬貨を入れるとスピーカーからよく耳にするポップスが流れてきた。
手馴れた手つきで画面をタッチする後姿を見ながら、俺はソファーに座る。
すわり心地は少し堅い。


「うわっ……これ、もう撮ってるの?」

トミーの姿を見ていたせいで気付かなかったが、正面の画面には俺の姿が映っている。
彼女が画面に触れる度に、軽い効果音と共にソファーの周りの景色がころころと変わる。

トミー
「まだだよー?んー……これでいいかな?ほらほらつめてつめて!」


「ん…詰めなくても座れるだろ?ちびっこいんだから」

トミー
「……おまえはこころがちびっこいやつだな」


「………」

俺の隣に座るなり、身体を寄せてくるトミー。
頬に当たる耳がくすぐったくて、恥ずかしい。
画面にはその様子が映し出されていて、俺の心臓は早くなる。

トミー
「ほらほら、もっとくっつかないと写んないよ?」

確かに画面を見れば二人が大きく映し出されていて、近づかなければ見切れてしまいそうだった。
どうやらアップで撮るように設定したらしい。


「あー駄目だなんかすっごい恥ずかしいぞこれ」

女の子と密着して座っている自分をまじまじと見て、恥ずかしくないわけがない。

トミー
「ふふふーかわいいやつじゃのー!ぼくが撮るよーって言ったら、押すからね?」


「わ、わかった」
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 14:05:04.68 ID:eJyu/jwo
>>239
たしかにトミーとのデートになってから安価が少なくなった気はする
だけど今はトミーのターンなんだから少し黙ってろ
サナミ派の俺だって我慢してんだよ
243 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 14:17:08.87 ID:bqpY2kAO
お前らアカネの料理喰って落ち着こうぜ
244 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 14:24:46.50 ID:Rl2LBoAO
支援と保守は意味合いが違うと思うが?
245 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 14:52:43.38 ID:vFouXMDO
>>244
ダメだこいつ早くなんとかしないと……
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 15:14:34.08 ID:s7twPIDO
>>244
おとなしくしとけ!
247 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 15:41:44.59 ID:bqpY2kAO
キミたち、せっかく>>1を応援してくれてる人を責めちゃあいけないよ

ってトミーならいうだろな
248 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 15:47:22.20 ID:gvaXfADO
確かに
こころのちびっこいやつだなって言われそうだな
249 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 15:52:00.92 ID:20D0qUDO
文章云々はさておいて、
キャラの台詞回しと間の作り方が上手いよなぁ
感心するわ

ぼくにはとてもできない
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 17:08:54.31 ID:P7fbVW60
よくわかんないけど安価がどうのこうの言ってる人は今デート中なのにサナミに電話とか、させたいの?
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 17:14:21.37 ID:a4CL9UDO
>>250
でも今日の遊ぶ約束ってサナミとのデート中にメール送ったとこからはじまったよな。
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 17:54:32.61 ID:3/QcklMo
もう一気にまとめて安価だしてもらえばいいと思う
253 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 18:51:02.25 ID:IrwSQv2o
気に入らなければ何度も撮り直しが出来るタイプのものだったので、
俺とトミーは結局かなりの数の写真を撮った。
中には近づきすぎて二人とも顔が写ってないものや、とても写真には残せないような顔のものもあった。
最初こそぎこちない笑顔だった俺も、何度もシャッターを切るうちに自然に笑えるようになっていた。
それどころか、最後の方は笑いすぎて二人とも呼吸さえままならない状態だった。

トミー
「もー……ぼくわらいすぎておなかいたい…」


「俺は殴られすぎて身体が痛いよ」

息も絶え絶えに外へ出て、写真が出来上がるのを待つ。
プリクラ一つでこれほど笑えるとは、全く廃れる事がない理由が少しわかった気がした。
現像には暫くかかるのかと思っていたが、ものの一分もしないうちに受け取り口にひらりと落ちてきた。

トミー
「おー!できたー!」

待ってましたとばかりに写真を受け取ると、食い入るように見つめて、トミーは肩を震わせている。


「な、なに、どうした」

トミー
「ぷっ……あはっ、あはははは!」


「そ、そんなにか?そんなに酷いのか?」

袖で口を押さえて笑いを噛み殺している彼女の横から、プリクラを覗き込む。
数種類のカットが一枚の台紙にプリントされていて、そのどれもが、
”笑っている”か、”すごく笑っている”か、”とてつもなく笑っている”かだった。
その中でも、俺の鳩尾に綺麗なストレートが決まっているカットは、自分でも見ても思わず笑いがこみ上げる。


「ははははは!こりゃひどいなー。でもいいじゃん、楽しそうで」

トミー
「うんっ!でもぼく、プリクラでこんなに笑ったの初めてだよー」

プリクラの台紙は一枚ずつ分かれておらず、自分で切り離さなければならない。
トミーはコーナーに設置された専用台で、手馴れた手つきで綺麗にカットしていく。

トミー
「はい!これはきみの、こっちはぼくー」


「ん、サンキュ。携帯にも送ったんだろ?」
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 18:56:55.51 ID:qTunskAO
さるもDAT落ちもないからたしかに支援も保守もいらないんだけど、
いちいちつっかかる必要もないんじゃないかな
レス数を気にする必要だってないんだし
保守も支援も批判も無茶な要望も、ぜんぶひっくるめて
見てるひとがこれだけいるんだってことなんだしさ

わざわざ冷たくあしらったり嫌味をいって無駄に殺伐とさせるほうが
よっぽどマイナスだとおもうよ、いろんな意味で
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 18:57:49.74 ID:NEY01cAo
このプリクラをトミーが学校で見せびらかしてそれをサナミも見てしまい
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 19:00:40.74 ID:20D0qUDO
悪かったからとりあえず落ち着けよ

>>255
nice boat.
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 19:02:23.45 ID:qTunskAO
あーデートしてー青春してー
土手を自転車ふたり乗りしたりプリクラ撮ったり遊園地でおべんとうたべたりしてー
258 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/26(金) 19:15:16.50 ID:IrwSQv2o
トミー
「うんっ!トミーちゃんにぬかりはない!二人ともに送っといたよ?」

最近のプリクラというのは、撮ってすぐに携帯電話に画像データを送れるそうだ。
言っているしりから、ポケットで携帯が震える。
二人同時に携帯を開くと、同じタイミングでまた笑いが漏れた。


「よりにもよって、なんでこれ?」

トミー
「だって、これがいちばんおもしろい顔してるんだもん!あははは!」

ストレートを食らう決定的瞬間が、携帯の画面に大きく表示されている。

トミー
「うん……うんっ!これはいいきねんだ!」

満面の笑みで携帯と切り離したプリクラを眺めるトミー。
情けないといえば情けないが、確かにいい写真なのは間違いない。


「それじゃ、思い出作りは成功か?」

トミー
「んー……ごわりくらい……」


「ご、五割か……。案外少ないな」

トミー
「おうちに帰るまでが思い出作りです!気をぬかないように!」


「へいへい…。じゃあ、結構いい時間になってきたけど、そろそろ帰るか?」

時刻は既に夕方過ぎ。
感覚的にはまだ一、二時間ほどしか経っていないようにも思える。
楽しい時間は早く感じるとは、人間の脳とは理不尽に出来ているものだ。

トミー
「ピカニャー!」


「え、ええ?ピカニャーがどうした?」

トミー
「さっき見つけたのでぴかにゃーのぬいぐるみだけチャレンジしなければならないのです」
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 19:22:57.09 ID:vFouXMDO
この二股野郎が…と思ったがよく考えると二股じゃなかった
あれ?やっぱり二股なのか?
あれ?
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 19:33:04.26 ID:a4CL9UDO
>>259
あれ?サナミ、トミー、アマネ、ヤリダの四股じゃないの?
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 19:46:28.35 ID:s7twPIDO
なるほど…シコ野郎か…
許すまじ!
262 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/26(金) 20:00:39.86 ID:20D0qUDO
>>260

薄着ほろ酔い女を忘れてませんか
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/26(金) 20:14:20.33 ID:jz.7XMSO
お母さんは私のですのでカウントされません^^
264 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 00:22:50.61 ID:aRl.1VEo
続きが気になるな
265 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/27(土) 00:31:15.46 ID:AwnMqrIo
最悪だ……下書き不注意で消した……
…………すいませんもうちょっとまってください
266 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 00:42:49.69 ID:.fp6pMDO
な、なんですとー!
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 00:44:45.75 ID:DTRudQDO
これはドンマイとしか言いようがない

ドンマイって死語化
268 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/27(土) 00:48:05.05 ID:AwnMqrIo
レスウィンドウ複数出して下書き→コピペ→清書して投下っていつもやってるんですけど……
寝ぼけて書き溜めのほうも消してしまった……本当にもう……今頑張ってます……ごめんなさい
269 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 01:02:19.29 ID:fJ4l6OA0
>>1がんばれ
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 01:07:15.78 ID:TbP.OcSO
>>1かわいいな
もう>>1がヒロインやれよ
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 01:13:47.07 ID:N4klNsSO
プリクラは撮った後で別のモニタ前に移動して
数分間ラクガキタイム→プリントアウトだったような

まぁその辺はどうでもいいけど
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 01:17:20.27 ID:qANlikDO
>>1時々可愛いから困る

>>271
中で全部終わらすやつもあるよー。ほんとどうでもいい論議だけどwwwwww
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 01:21:32.40 ID:N4klNsSO
>>272
それは知らんかった
274 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 01:44:42.95 ID:AwnMqrIo

「じゃー……ピカニャー救出しにいくか!」

トミー
「うんっ!はやく!はやくいかないと!」

その後俺達は、想定の倍ほどの時間と金銭的な労力で、ピカニャーを救出した。
八割がた俺の努力の結果だったが、これほど喜んでもらえるなら安いものだ。


「よかったな?」

トミー
「はー……このもふもふはいいものだなぁ……。ありがとう…っ!けっこううれしいぞ?」


「結構?」

トミー
「うーそ!ちょーうれしい!ぎゅうううー……!」

俺が持っても多少大きなぬいぐるみだが、嬉しそうに抱くトミーは殆どぬいぐるみに埋もれていて、
どっちが抱かれているのだか判らない。


「大丈夫か?埋もれてるぞ?」

トミー
「ダイジョーブダニャー。トミーチャンツヨイニャー」

ぬいぐるみの後ろで、腹話術のように手足を操る。
そもそも彼女の姿が隠れて見えないので、本当にピカニャーが喋っているようにも見える。


「んじゃ、そろそろ帰ろうか?」

トミー
「おー!んじゃ、ぼく着替えてくるから、ちょっとピカリンをよろしく」

手触りの心地よいぬいぐるみを俺に手渡すと、トミーは何処かへ走り去っていった。


「……ふー…。もう名前もらったのかお前。大事にしてもらえよ?」

ベンチに腰掛けて彼女を待つ。
母親に手を引かれて歩く小さな子供が、きらきらした瞳でピカリンを見つめていた。
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 01:51:50.17 ID:qANlikDO
またスレ専属絵師が描いてくれそうなシチュを…………
想像しただけで萌え死ぬ
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 02:20:09.65 ID:JLblosk0
トミー・・・・・・ウッ・・・フゥ・・・
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 02:41:11.36 ID:i3g2YUAO
あずまきよひこ大好きなのは分かるが・・・なあ
初期のトミーはそれでもかわいかったんだが
278 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 04:01:46.16 ID:AwnMqrIo

「……結構疲れたなー…」

トミー
「うー…それは薄々かんづいてたよ…」

ゴトンゴトンと一定の間隔で身体が揺れる。
流れる景色はすっかり黒く彩られ、窓にはぼんやりと、二人と一匹の影が映る。
帰り道の電車は、俺達に心地よい疲労感を与えていた。


「思い出作りに貢献できたかな、俺」

トミー
「うーん……ふふ…できたかなぁー…?」


「しかしでっかいぬいぐるみ……ん?トミー?」

右肩に重みを感じる。
横目で彼女を見ると、ぬいぐるみを抱えたまま小さな寝息を立てていた。
よほど疲れたのか、少し肩を動かしても起きる気配が無い。


「………子供か」

全力で遊んで、全力で眠る。
俺にもたれかかって眠る姿は、本当に子供のようだ。
俺を救ってくれた彼女に、こうして安心を与えられている。
肩に感じる重さが、心地よかった。
長い睫毛が、時折ぴくりと揺れるのを、俺は暫く見つめていた。
暖かい空気にまどろんでいると、特徴のある車掌の声が聞こえてきた。


「んー……トミー?そろそろ着くぞー」

幸せそうに眠り彼女を起こすのは忍びなかったが、軽く身体を揺すって起こす。

トミー
「……んー……ん?あ、あれ?もしかして……ぼく寝てた?」


「それはもう気持よさそうにな。俺も寝てたけど」

トミー
「ふぁぁ……電車ってなんでねむくなるんだろーね?」


「俺が隣に居たからじゃないか?」
279 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 05:11:12.08 ID:AwnMqrIo
トミー
「……そーかも」


「え?」

甲高い音を立てて電車は駅に到着した。
開く扉からは尖るような空気が流れ込んでくる。

トミー
「ほら!おりなきゃおりなきゃ!」

この手の冗談には、いつも何かしらのリアクションがあるはずなのだが、
ただ小さく一言返すだけで、彼女は足早に電車を降りた。
後を追うように改札を出る。
後から改札を抜けてくる人々が皆、大きなピカリンを横目で見ていった。


「トミーの家って、こっからどれくらいだっけ?」

トミー
「んーとー……二十分くらいかな?」


「はー…結構あるなぁ……。じゃ、行くか」

トミー
「ふぇ?行くって……」


「トミーの家だよ。送ってく」

まださほど遅くないとはいえ、やはり夜道を一人で歩かせるのは心苦しい。
というのは言い訳で、もう少し彼女と話していたかっただけかもしれない。
一人で大丈夫だと彼女は言ったが、俺が何度か言葉を返すと、ぬいぐるみに顔を隠して、頭を下げた。

トミー
「……ふつつかものですがお願いします」


「ははは……んじゃ行こうぜ」

月がゆるやかに輝きだした夜道を、俺達は歩き出した。
まだ冷たい風が二人の距離を自然と近づける。
トミーの前でふらふらと猫耳が揺れている。
なんだかぬいぐるみと歩いているようにも感じてしまう。

トミー
「今日はー…ちょっとだけ、楽しかった!ほめてつかわす」
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 05:28:36.25 ID:hgC71EDO
あぁもう可愛いなぁちくしょう
281 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 05:28:40.73 ID:AwnMqrIo

「そーだなー、俺もほんのちょーーーっとだけ、楽しかったかな」

トミー
「素直じゃないおとこはきらわれるよ?」


「そりゃ困るなぁ…。実はすっげー楽しかった!」

トミー
「へへへー…じつはぼくもすっげーたのしかった!」

彼女の声に、こっちも笑顔になる。
駅から少し歩くと、もう随分と静かな道に出た。
落ち着いた夜の空気に、自然と俺達の言葉も小さくなっていた。

トミー
「卒業……しちゃうねー」

止まってしまいそうなほどゆっくりと歩きながら、トミーが言う。


「……そだなぁ。トミーは進路、結局どうするんだ?」

トミー
「え!?あー……皆と……いっしょだよー?」


「やっぱりそうかー、楽でいいよなーうちはさ」

随分早くからエスカレーターに乗る事を決めていた俺と違って、
トミーはかなり遅くまで進路について悩んでいたらしい。
元気だけが取り得の様な子にも思えるが、成績はクラスでもかなり上の方で、
違う大学、それも高いレベルの所を受ける事も十分に出来たからだ。

トミー
「……卒業しちゃうからさ…・、ぼく、いっぱい思い出作っておきたいんだー」

ふと隣を見れば、ぬいぐるみの影で、夜の風に流されそうな声を出すトミー。
何故かは判らないが、その横顔は本当に切なげに見える。


「何だ、急に寂しそうな声出して……。卒業したって、時間はいっぱいあるだろ?」

トミー
「あはは……そう…だよね!じかんはむげんだー!」


「びっくりするから急にでかい声だすなって…ははは……」
282 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 05:44:03.87 ID:AwnMqrIo
色んな事……というほど何かあった訳ではないが、もうすぐ俺の平和だった高校生活も終わる。
大学に行っても、サナミや、トミーとこうして仲良くしていられる事が、素直に嬉しいと思った。
だけど、俺は臆病だ。
いつか、この均衡が壊れてしまう事が怖い。
そしてそのきっかけを、自分で作ろうとしている事も。

トミー
「ねえねえ」


「ん?」

トミー
「大学に行っても、ぼくたちって、こんなかんじなのかなー?」


「どーだろうなぁ…。変わらないと思うけどなぁ」

それは、変わらないでいて欲しいという俺の勝手な希望でもある。


「トミーの背は伸びてるかもな?」

トミー
「もー!今でも伸びてるもん!ほらほら」

膨れ面で爪先立ちをしてみせる。
もっとも、そうした所で彼女の場合大して大きくはなっていないが。



―――――――――――――――

※次回レスで安価有ります※
書き込み予定時間13:00

―――――――――――――――
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 07:36:19.85 ID:Kf4fsYAO
は!バイト中に安価!
ナイスな安価期待
284 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 08:00:16.88 ID:eGrnS9E0
サナミ派の俺が揺らされている…だと…
285 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 08:02:35.65 ID:.fp6pMDO
アマネはだいぶ遅れをとりましたね
286 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 09:38:59.38 ID:DTRudQDO
アマネのターンになったとたんアマネ信者と化すお前らが目に浮かぶ
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 09:52:46.77 ID:TbP.OcSO
俺はずっとサナミ派だぜ
浮気するやつなんかほっといて俺のとこ来いよサナミ
288 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 10:05:04.81 ID:AwnMqrIo
彼女に付き添って歩く事十分程、俺達は人通りの殆どない道を歩いていた。

トミー
「……ねえねえ」

急に立ち止まって、また俺を呼びかける。


「ん?今度はなんだ?」

トミー
「…………ぼくがいなかったらー……さみしい?」

いつもとは明らかに違う空気で、彼女は言った。
ぬいぐるみで顔を隠してはいるが、その声に冗談っぽさは無い。
唐突に変わったトーンに、俺の心臓はどくりと一度脈打った。
何故そんな事を聞くのか判らなかったが、
俺は暫く考えて、大きなぬいぐるみに向かって答えた。




―――――――――――――――

※次のレスで安価のみ出します※
私用で少し離れるので、時間変更します。
レスの内容を考えてお待ち下さい。
書き込み予定時間16:00

―――――――――――――――
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 11:33:03.03 ID:6l6sFoAO
かなり早めに安価が来たと思ったら16時に変更とは……
私には残念ですが、トミー派にはもっとでしょう……
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 12:10:07.09 ID:aRl.1VEo
これはくる
291 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 12:35:17.49 ID:jYwA3zUo
トミーのターンも終わりかと思うと悲しい
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 12:44:07.28 ID:roXh0KY0
やさしくだが確実にトミーを潰してやる!
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 14:21:06.62 ID:Nz51wxE0
トミーENDじゃなくてもいい
彼女が幸せになってさえくれればな
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 15:54:34.37 ID:u4SMsUSO
安価待機
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:01:47.27 ID:SK.k7.I0
安価待ち
296 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:04:34.44 ID:roXh0KY0
安価狙い
297 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:06:23.93 ID:TbP.OcSO
どんだけ人いるか気になるわwwwwwwww
kskst
298 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:12:21.25 ID:6l6sFoAO
俺もいるぜ!
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:12:46.34 ID:Nz51wxE0
kskst
300 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 16:13:30.97 ID:AwnMqrIo
―――――――――――――――

>>310

―――――――――――――――
301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:13:39.74 ID:D15Dk.I0
サナミ派の俺もいるぞ
安価なら下
302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:13:49.31 ID:.fp6pMDO
当たり前だろ。櫛枝。
303 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:14:33.23 ID:6l6sFoAO
質問に質問で返す
304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:14:39.98 ID:Nz51wxE0
当たり前だろ!
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:14:58.51 ID:u4SMsUSO
kskst
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:16:02.51 ID:u4SMsUSO
優しく抱きしめる
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:16:34.04 ID:6l6sFoAO
その時男に電流走る
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:17:50.82 ID:roXh0KY0
抱きしめてごめんと言う
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:18:14.65 ID:qANlikDO
さみしくてしぬかな
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:18:17.42 ID:nsgbqCEo
真面目に考えてみるとサナミがいるし、アマネもいるし別に気にならないかな
311 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:18:17.47 ID:T0NeALso
トミーがいなくなるのはさみしい
だからずっと友達でいてくれ
それ以上でもそれ以下でもない
トミーは大切な友達なんだ
312 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:18:18.94 ID:D15Dk.I0
「ちょっとだけな…」と言って手をつなぐ
313 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:18:21.17 ID:T5KWZ6SO
寂しいよ
トミーは妹みたいなもんだから
例え俺が誰かと結婚してもお前はずっと俺の妹だ
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:18:20.70 ID:8OXCeX2o
……そりゃあ、当然だろ?
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:18:49.24 ID:u4SMsUSO
優しく抱きしめるて耳に息を吹き掛ける
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:18:52.26 ID:u4SMsUSO
優しく抱きしめて耳に息を吹き掛ける
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:19:03.80 ID:6l6sFoAO
トミー派カワイソス
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:19:08.01 ID:.fp6pMDO
>>310
[ピーーー]
マジで[ピーーー]
319 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:19:38.84 ID:u4SMsUSO
ちくしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
320 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:20:02.83 ID:8OXCeX2o
ほぼ同時刻に数人が書き込んでいるにもかかわらず、その中からあえて>>310が選ばれるのは
やはりこの作品の宿命なのだろうか
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:20:17.01 ID:6l6sFoAO
お前ら>>1を信じるんだ
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:20:40.14 ID:D15Dk.I0
>>310
ふざけんなあああああああ!!!
323 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:21:10.37 ID:Nz51wxE0
おい
サナミでもササミでもなんでもいいが
悲しませることだけはやめろと言っただろうが
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 16:24:49.53 ID:.fp6pMDO
ちくしょおー!!!!
>>310めぇー!!!!!
[ピーーー]ーうんこやろー[ピーーー]!!!
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:27:55.18 ID:Kf4fsYAO
>>1なら!>>1なら!
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:29:18.28 ID:qANlikDO
…………\(^o^)/
327 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:36:17.19 ID:DTRudQDO
なんでよりによって

いや、しかしこれなら運命と諦めるしかないか……シモヘイへはサナミ派だったか……(´;ω;)ウッ
328 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:49:29.70 ID:qv9g6ooo
>>310
ざけんな[ピーーー]
329 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:57:34.01 ID:A/.GvwAO
これはこれでかえっていい気がする

他の安価もヤバそうなのがちらほらあるしwwww
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 16:58:05.53 ID:aRl.1VEo
>>310
糞[ピーーー]ええええええ
絶対許さない!
せっかくトミー派になったのになんてことしやがる[ピーーー]!
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 17:10:16.29 ID:T0NeALso
あの安価だとまだトミー√は消えない気がする
むしろトミーに近づきそうな展開に持って行かれそう
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 17:16:18.46 ID:TbP.OcSO
>>1頼むから「冗談だよ」ってオチだけはやめてくれよ
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 17:24:48.33 ID:T5KWZ6SO
>>332
今回もそんな感じだろうけどな
334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 18:12:53.30 ID:dZ5GPwo0
ちょっと見ない間に急展開て困る
いいぞもっとやれ
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:19:06.05 ID:qANlikDO
>>332
この状況で本気でそう思ったんなら人として終わってないかwwwwww
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:28:00.00 ID:jYwA3zUo
あぁなんということだ
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:29:26.00 ID:T5KWZ6SO
>>335
こんなことで、人として終わってないか、なんて言っちゃうお前の方が終わってる
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:34:36.14 ID:DTRudQDO
阿鼻叫喚だがここはあえてwktkして待つ俺カコイイ(キリッ
339 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 18:40:02.22 ID:AwnMqrIo

「そーだな……」

トミー
「……なに?」


「ま、真面目に考えてみるとサナミがいるし、アマネもいるし別に気にならないかな」

真剣な目に抵抗するように、努めてごく軽い調子を持ったまま言う。
二人の名前を出した途端に、締め付けられるように胸が痛かったが、
いつもならこんな言葉など、微笑んだ彼女の、鋭い拳が飛んできて終わるはずだった。
それで、終わるはずだった。
予想に反して、突き刺さるような空気が、二人の間に流れていく。
長い長い沈黙と、コミカルなぬいぐるみの表情が不気味な緊張感を生んだ。

トミー
「…………じゃあ……あんしんだね…」

背を向けて、消え入るような声でトミーが口を開いた。
その声に、俺は自分の答えが間違っていた事を悟った。
どんな事を言っても、笑って流される。
そんな関係の緩さに、俺は甘んじていたのかもしれない。

トミー
「……ぼく……、こっからは一人でかえるね……ばいばい」


「あっ……トミー!」

小さな声で別れを告げると、彼女は暗い歩道を走り出した。
揺れるぬいぐるみの手が、寂しげに揺れていた。
340 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:42:05.17 ID:qANlikDO
>>337
冗談でもなかったら男酷すぎるだろって話な
すまんまったりまとうず
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:44:29.19 ID:aRl.1VEo
おわったあああぎゃああああああああああvgbqvqlgんくぇのqyぬいもlp@;「
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:45:48.04 ID:IenAHoDO
せつないな
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 18:47:59.73 ID:ctj0YQso
頼む>>1・・・!
トミーにだけは悲しい思いをしてほしくないんですマジで
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 18:53:16.75 ID:TbP.OcSO
>>340
おれは気にしてないから大丈夫

>>341
悲しいけど、これ安価進行なのよね
345 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 18:54:18.39 ID:dZ5GPwo0
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org764288.jpg
ラクガキしてる間になにがあったギャボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
ラブラブ展開期待した結果がコレだよ!!!!!!
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 19:00:27.42 ID:u4SMsUSO
これは最後の最後でトミー逆転フラグ…!
347 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 19:01:23.14 ID:ctj0YQso
>>345
かわえええええええ!!!
でも切ねええええええええええええええ!!
348 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 19:01:42.76 ID:qANlikDO
>>345
トミー可愛すぎるだろおい……

他のヒロインのキャラデザはどうなってるんですかwwwwww
>>1とは連絡とったりしてんの?
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 19:09:20.78 ID:dZ5GPwo0
>346
期待するしか無いな…

>348
今は俺はただのスーパー通りすがり傍観者状態
つまり>>1さんにはストーリーに専念していただき
なおかつ妄想が形になったらラクガキとして投下していよう、そうしよう
という感じ
一応一通りラクガキして見せたりしました

ピカニャーがんばって描いてたらドアラに似てきた…どうしたらいいの…
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 19:22:01.26 ID:T0NeALso
>>346
男が>>310を冗談で言ったことにされるとしたら安価進行でやる意味がない気がするのだが・・・
351 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 19:27:06.73 ID:AwnMqrIo

「……っ!」

このままではいけない。
俺は無意識のうちに両足に力を込めて、動き出していた。
徐々に小さくなる背中を追いかける。
早くなる鼓動が耳の奥でどくりどくりと音を立てている。
静かな夜に、二つの足音が響く。

トミー
「くるな…!くるな!ばか!!」


「待ってくれ!」

逃げる女に、追う男。
これではまるでドラマか何かだ。
ぬいぐるみが邪魔なのか、昼間とは違い俺はすぐに彼女に追いつく。

トミー
「くるなってばー!」

彼女の隣に並びかけた時、トミーは走りながら首だけを動かして俺を見た。

トミー
「なんでくるの!?なんで……あっ…!」

その途端、彼女の身体がぐらりと揺れた。


「あぶね……!!」

トミーの身体が倒れるのが、ゆっくりに見える。
右足に力を籠めて、俺は飛んだ。

―――ドサッ…!

トミー
「あいててて………」


「……セーフ……」

間に合った。胸の上に感じる重み。
咄嗟に手では支えられないと思った俺は、身体を滑り込ませるようにして彼女のクッションになった。
堅くて冷たいアスファルトが、背中に染みる。

トミー
「……うわっ!だ、だいじょうぶ!?」
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 19:28:41.02 ID:6l6sFoAO
うらやましい
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 19:30:33.56 ID:qANlikDO
>>350
ストーリーが破綻してないだけでもすごいんだから、この際あんまりとやかく言わないでおこうぜ
その論議はまた荒れるし

書き方見ると本気ではないけど冗談ってわけでもなさそうだ
354 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 19:44:49.13 ID:.fp6pMDO
夢のトミデレ
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 19:46:15.43 ID:T0NeALso
>>353
おk、すまんかった
ストーリー変えたいなら自分が安価とればよかったわけだし

>>1応援してるから頑張れ
356 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 20:24:59.89 ID:Nz51wxE0
そうだぞ
これはこれで>>1がなんとかしてくれる
あんまり焦らず騒がず見守ろう

でもあまりに酷い仕打ちしたら許さんぜよ
357 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 22:23:53.60 ID:AwnMqrIo
心配そうに俺の顔を覗き込むトミーの表情は、今にも泣き出しそうだ。


「俺は大丈夫だけど……トミーは平気か?」

トミー
「ぼくは……あっ!」

俺の胸の上に乗っかっている事にやっと気がついたのか、慌てて俺から離れた。
すると彼女は少しよろけて、壁に手をつきながら、顔をしかめる。

トミー
「いてっ……!あいてて……足、挫いちゃったみたい…」

立ち上がって服についた汚れを払うと、空しく地面に寝ているピカリンを拾い上げて、
片足でしょんぼりと俯くトミーのもとに歩み寄った。


「大丈夫か?ほら、ピカリン」

トミー
「…………」

壁にもたれたまま受け取ると、抱きしめたまま押し黙る。
気まずい沈黙に、少し擦りむいた手のひらが痛んだ。


「…………」

トミー
「…………っひくっ…」


「トミー……」

短く、息を吸う音。
小刻みに肩が揺れる。

トミー
「かえってよっ……っ…ぼく…いなくてもっ……いいん…でしょ…?」


「それはっ…!」

トミー
「いい!……もういいよ……」

よろつく足を痛々しげに庇いながら、彼女は俺に背を向けた。
しかし、痛みからか、数歩も歩かないうちに、トミーは地面にしゃがみ込んでしまった。
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 22:27:10.96 ID:ctj0YQso
トミー・・・
359 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:28:54.18 ID:hN5aSyEo
もっと安価出せよ
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:32:12.57 ID:b./HkK6o
切ないな・・・

中立としては全キャラにいい安価が来るのを祈りたい
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:33:23.09 ID:jYwA3zUo
トミーがあぁぁ…
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:36:25.01 ID:zY9F5Y.o
終わった…
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:39:41.78 ID:UEVqQEDO
むしろトミーリーチだと思った俺は異端。
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:41:26.29 ID:IenAHoDO
>>363
よう俺
365 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:42:45.64 ID:AsURKkAO
サナミ派の俺は>>351の行動に腹が立ってしょうがない
あんな安価だったんだからトミー終わりでいいだろ
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:42:47.29 ID:nsgbqCE0
>>363
いやお前は普通だ
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:45:41.95 ID:qANlikDO
終わらせろ終わらせろ言う奴よくいるけどいきなりはいオワリ状態にしたいの?
男は確かに優柔不断すぎるけどリアリティがあるじゃないか
368 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:50:06.06 ID:aRl.1VEo
安価だせ安価だせうるせえよ
どのタイミングで出そうが>>1の勝手だろ
少し黙ってろ
 
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 22:52:49.42 ID:ctj0YQso
>>365
サナミのときにいきなり終わったら嫌だろ?
仲良く>>1を待とうぜ
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 22:53:47.18 ID:b./HkK6o
自分がこんな状況になったら男より優柔不断になる
371 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/27(土) 22:54:21.85 ID:AwnMqrIo
あの、安価もちゃんと使って話も綺麗にまとまるように頑張りますからどうかまったりで……
展開が難しくなってきたのでちょっと休憩します
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 23:18:45.99 ID:jYwA3zUo
こんなかわいい友達ができたら俺なら泣いて喜ぶわ
>>1がんばってください
373 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 23:21:01.33 ID:Nz51wxE0
>>365
そんなこと言い出したら雌豚と言ったり
デート中にトミーにメールしてるの見られた時点で
サナミも終わってただろうに・・・
それでも続いてるのは>>1の腕がいいということで
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/27(土) 23:21:19.75 ID:TbP.OcSO
俺サナミ派だけど、やっぱり雑な物語は見たくない
トミー√終わらせたいなら>>1が綺麗に終わらせれるような安価を取るべきだった

>>1は頑張ってるよ
まったり待とうず
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 23:22:12.19 ID:A/.GvwAO
>>370
まったくだな、オレはこんな状況になったら逃走したい
>>371
把握、まったりしてるよ>>1も根を詰めすぎないようにしてください
376 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 23:31:01.32 ID:AwnMqrIo

「トミー……大丈夫か?」

トミー
「……ひっ…く……いた…いよぉ……」

うずくまる小さな背中と、細く伸びる影が胸を締め付ける。
胸を抑えながら、声を漏らすトミー。
初めて見る彼女の本当の涙に、俺は自分の言葉を後悔した。
あれは、行き過ぎそうになる自分の気持ちへの強がりのつもりだった。
彼女を傷つけるとも気付かず、俺は自分を守る事だけを考えていた。


「…・…」

小刻みな呼吸が次第に落ち着くのを聞いてから、
俺はメッセンジャーバッグを胸の方に回してから、背を向けて彼女の前にしゃがみ込んだ。

トミー
「………なに…?」


「……歩けないだろ?おぶってやるよ」

トミー
「……いいよ……一人でかえれる……」


「……俺の文句なら……後で聞く。ずっとここに座ってるわけにもいかないだろ?」

トミー
「……ぼくおもいから」

女の子なら誰でも気にする事だろうが、トミーが言うと冗談にしか聞こえない。
張り詰めた糸が、少しだけ緩んだような気がした。


「トミーが重かったら、バットも持てねーよ。ほら」

トミー
「…………うん」

俺の背にもたれかかると、細い腕が両肩の上に乗った。
アスファルトで冷えた背中が、彼女の温もりで温まる。


「立つけど、ちゃんと掴まっててな」

バランスを崩さないように気をつけて立ち上がる。案の定、全くに苦になる重さではなかった。
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 23:34:33.22 ID:zY9F5Y.o
よし、その調子だ
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/27(土) 23:41:44.95 ID:qANlikDO
なんという………
優柔不断のくせに男かっこよすぎて濡れちゃう
379 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/27(土) 23:57:54.24 ID:AwnMqrIo
ピカリンといえば、鞄に挟むようにしてトミーの背の上に載っている。
傍からみれば、なかなかに面白い光景だろうなと思った。

トミー
「……おもくない?」


「ん、全然大丈夫。ピカリン落とすなよ」

トミー
「……うん…」


「……ここ右?」

トミー
「……ひだり」

不思議なほど人の居ない道を、俺達は歩く。
会話らしい会話は、あまりなかった。
いっそ大きな声で文句の一つでも言われたほうが、気が楽かもしれない。
密着した二人の距離とは裏腹に、静かに話す彼女の心が遠くに離れていってしまったように感じる。

トミー
「……ぼくが…」

沈黙のまま歩いていると、耳元で囁くような声が聞こえた。
首筋に感じる吐息が、暖かかった。


「……ん?」

トミー
「自分のこと…”ぼく”って呼ぶ理由……わかるかな」

唐突な質問に、俺は思わず立ち止まる。


「……理由、あったんだな」

トミー
「……うん。ぼくね…がさつだし、うるさいから……小さい頃は、自分の事男の子だとおもってたんだー…」


「……うん」

思い出すように話す彼女。そんな話を聞くのは初めてだった。
トミーが自分の事を”ぼく”と呼ぶのは、アニメか何かの影響で、あまり意味はないのだと思っていた。
俺は一度彼女をおぶりなおすと、ごくゆっくりと歩きながら、言葉に耳を傾けた。
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 00:00:14.22 ID:u3rDxIIo
深い意味があったんだな
381 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/28(日) 00:48:17.68 ID:oZm0dNco
トミー
「パパとママが女の子なんだよって言っても……嘘だーっておもってた」


「その時の癖ってやつか…」

トミー
「えへへ……そう。今でもたまーに、そうなのかなっておもうよ?」

小さな声だったが、確かにトミーは笑った。耳元で聞く彼女の笑い声で、遠ざかった距離が少しだけ縮まった。
俺は久しぶりに灯った暖かな炎を消さないように言う。


「ははは……未だにまな板だしな?」

実際、身体は密着しているというのに、ほとんどその感触を感じなかった。

トミー
「そ、そんなとこみるな!へんたい!ふしんしゃ!」

密着している事が急に恥ずかしくなったのか、背から少し身体を離して平手が飛ぶ。


「いってえー…いつも自分で言ってるくせに……至近距離はきくな……」

やっと彼女の口から出た大きな声と、頭に感じる痛みに、俺は不思議と心が落ち着いた。

トミー
「……でも……ほんとに男の子の方がよかったかな…」


「……なんで?」

トミー
「……さっき……すっごく…すっごく胸がいたくて…くるしくてしんじゃいそうだった…」

俺の服をきゅっと握って、一言一言をゆっくり話すトミー。
自分の言葉を思い返して、俺は思わず俯いた。

トミー
「………ぼくが男の子なら……こんなに辛くなかったのかな……」


「…………」

後頭部に、とんと彼女の額が触れた。そしてそれはため息のように、彼女は言った。

トミー
「……ぼく……きみのこと、すきだよ」
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 00:52:27.51 ID:D2/tAYEo
=| 害 お ど . |\|  ゲ 稀  ト
―l 虫 前 の ト、| ス に  ミ
二| だ が 虫 |ノ |  野 見  |
/|!! 1   よ |  |  郎 る ロ
/∧    番  り |/|  だ    ッ
丁7ト、      _ノl| ∧ な    ド
ヽ {|/>-<//ノ/ ト-、____
 ヘニニ_\:::::::\/ 厶彡ィTト、 |
 气 ̄弋ッミ、:::/ /::/__ レ|l l|
   `' ー==彡ミ 〈_ヾツ_≫イ 川
           ヽ\ 三/彡'
              〉 `ハ
           ‐ /   l/
          ー    l |
      t‐==ニ≧   ∧|
        -―=ィ  ∧ ト、
 \           ハ}ノ
.   \     「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 l    丶    | :  し 確
  l     ` ー┤ :  て 実
  l      \::::|!!や に
   ',     }:::|   ろ 駆
\  ヽ     /.:::|   う  除
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 00:58:50.30 ID:PZjBx.DO
切なすぎ泣いた
これはトミデレが羨ましすぎて鬱になれるレベル
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 00:58:57.51 ID:Q7Do2cko
告白ktkrあばばばばばばばばば
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 01:00:40.71 ID:yG169kA0
とみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!
かわいいよおおおおおおおお!!!!!
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 01:04:52.64 ID:eMGWsgDO
やべえええええええええええ!!!!!!これはやべええええええ!!!!!!ついにきたああああえああああああああ!
ぎゃああああああああああああああああああ
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 01:09:03.40 ID:Vni7CMAO
ん?
まさか追い付いた…?
388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 01:18:24.69 ID:.Q3fEgko
ああもうハーレムでいいからあぁ
トミーを泣かせないでえぇぇぇ
389 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 01:30:00.53 ID:kjohzo.0
ほんとだよぉぉぉ
誰と結ばれてもいいからもうトミーを泣かせないでくれぇぇぇ
390 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 01:30:55.95 ID:Q7Do2cko
>>389
トミーが泣き止むには男が必要だ
391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 01:36:02.38 ID:kjohzo.0
つまりサナミ派の安価を阻止するしかないってことなのか
しかし俺はあまり安価には慣れてない
どうすりゃいいんだクソッ
392 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 01:37:02.57 ID:u3rDxIIo
キモイんだけど
393 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 01:53:25.40 ID:eMGWsgDO
やけにあれだと思ったら尿のやつから来てんだなおそらく
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 02:14:22.82 ID:nFl1scSO
あぁあの春厨スレね
395 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 04:51:03.06 ID:AFbApsg0
とみぃぃぃぃいいいいいいいいいいい‼‼‼
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 07:03:43.04 ID:3hzYmTQo
とみいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 07:15:20.49 ID:zzKeELI0
トミー普通に可愛いなおいww
男が何て答えるか見物だな。
398 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/28(日) 07:40:18.24 ID:oZm0dNco
背中に感じる体温と、きつく絡みつく腕、吐息。
全てが俺の鼓動を加速させていく。

トミー
「……ほんとは……好きになんてなりたくなかったのに……」


「……」

霞む声を聞き逃さないように耳を澄ませる。
さりさりと鳴る足音さえも、邪魔になる。

トミー
「ぼくが男の子で……ずっと……”友達”だったら……こんなに……」

ふっと耳に触れた、冷たい髪。
俺を抱く腕に、更に力が篭もる。

トミー
「……きみの…せいだよ………」

鼓膜の奥で、どくりどくりと流れる鼓動の音と、時折吹く風の音だけがあった。


「………俺…」

トミー
「いい!……いいよ……何もいわなくていい。ぼくが……勝手に思ってるだけだから…」


「………」

遮られ、何も言えないまま、ただ温もりを背中に感じながら、歩いた。


「……足、大丈夫か?」

トミー
「んー……うん。ちょっと痛いけど……思ってたより、だいじょぶそうだよ」

地面にそっと何度か足をつきながら、顔を少ししかめるトミー。
家の前に到着したのは、駅から歩き出してとうに一時間近くが経過した頃だった。
ぎこちなくはあるが、彼女の表情には笑顔が戻っている。
オレンジ色の街灯に照らされる表情には、少女らしい温かみが感じられた。


「そっか……よかった」

言葉が続かない。二人の視線だけがぶつかっていた。
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 08:13:23.72 ID:ewDdH2SO
サナミかわいいよサナミ
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 08:31:28.63 ID:PZjBx.DO
なにこれ可愛いしんじゃう
トミーでいいよ……トミーを選んであげて……
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 08:52:46.69 ID:vDRbaQSO
普段とは違うおとなしいトミーかわいい
ギャップの破壊力ってやべーな

それでもおれはサナミ派だが
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 09:39:21.52 ID:H9OGGD2o
尿のやつってなんだ
403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 14:43:55.58 ID:3ETmEADO
アマネのターンが早く見たいです
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 14:52:53.63 ID:sjDDigAO
トミーにこんなこと言われたら
その瞬間に降ろして抱きしめて俺も好きだ!!!!!!!!って叫ぶよ
そんくらいかわいい
中立だったけどトミー派になりました
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:25:51.00 ID:.Q3fEgko
サナミもいいな…トミーと二択だなんてそんな殺生な
406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:32:52.02 ID:pbh7A76o
最初はサナミだったがもうトミー以外考えられないな
2択は難しい
407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:36:41.30 ID:PZjBx.DO
アマネ空気すぎワロエナイ……
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 16:38:54.93 ID:.0WasMAO
サナミとトミーがフュージョンしてサトミに
409 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/28(日) 16:40:06.65 ID:oZm0dNco
トミー
「んーっ……!はぁ……きんちょーした!」

背をいっぱいに伸ばして大きく息を吐くと、トミーは言った。

トミー
「しずかなのは……やっぱり、ぼくには向いてないや…えへへ…」

笑顔の裏で、何かを押し殺しているのが判る。


「たまには……いいんじゃないか?そういうトミーも…」

トミー
「そお……かなぁ」

また訪れる沈黙と、押し潰されそうな時間。
何を言っていいか判らない。
俺は逃げるように、切り出した。


「じゃあ……そろそろ俺行くよ。足、ちゃんと休めろよ」

トミー
「……うん…」


「それじゃ……」

未だ俯いたままのトミーに背を向ける。
今夜はいつもより、ずっと暗い。

トミー
「まって!」

歩き出そうと一歩踏み出した時、トミーの声に引き止められる。
振り返ると、彼女は顔を上げ、その大きな瞳でまっすぐこちらを見ていた。
落ち着きを取り戻したはずの胸がまた動き出す。


「ん?どした…?」

トミー
「ちょっと……こっちきてしゃがんでください」


「……う、うん…」

言われるままに、トミーの前まで歩み寄ると、ひざまずくように背を低くした。
410 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:47:12.98 ID:SMlhKbI0
わっふるわっふる
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:48:29.10 ID:jQjusjIo
されちゃうのか・・・!?
されちゃうのか・・・・・・!?
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:56:50.43 ID:.Q3fEgko
うわああああああああ
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 17:07:20.18 ID:Q7Do2cko
叫ぶ準備はできてるぜ
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:08:36.75 ID:pbh7A76o
おk、心の準備はできた!
いつでもいいぞ!
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 17:15:53.92 ID:.0WasMAO
えんだあああああああああああああ
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:17:47.35 ID:PZjBx.DO
ちょっと静かにしてもらえませんかね。
そういう空気じゃないですみてわかりませんかニコ厨さん
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:18:30.71 ID:jQjusjIo
>>416
荒らす気まんまんですね
418 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:18:33.60 ID:SDdfGjY0
ちょっと先に叫んどく
あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:21:21.49 ID:UEJ4vNE0
ニコニコが好きでなにが悪い
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 17:22:55.77 ID:nFl1scSO
これが春厨……!
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:26:41.12 ID:fPLMfUDO
取り敢えずサナミはもらっていきますね
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:30:29.21 ID:PZjBx.DO
この調子じゃ次の安価も終わったな
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:42:00.72 ID:H9OGGD2o
さすが春
ひどいもんだ
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 17:51:22.12 ID:.0WasMAO
何でもかんでも春のせいにされちゃあ春が可哀想だよ

ってトミーならいうだろな
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 18:55:10.77 ID:chF62yMo
あのな。春厨が居るのは確かかもしれないが、それをわざわざ騒ぎ立てると>>1に迷惑
まあ、俺は以後気にしないことにする。自重さえ覚えれば何にも文句は言わん
ねちねち人を批判して火に油を注ぐ春だなぁ厨の方達も、もうちょっと穏やかに行こうとは思わんのかな
はっきり言わせて貰うが、VIP発祥ってだけでここはVIPじゃない。気に入らないなら片っ端からNGで済むだろ
俺だって我慢してるんだよ。一番辛いのはどんな空気でも、どんな安価でも
ノーと言えない>>1だ。そこが本当に健気であーもう
嫁さんにしたいわホント
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 19:00:57.51 ID:c2mfuAAo
/ ̄\
           |    |
           \_/
             | __
            ┴´   ``ヽ   
          /::::::::::|::::::    `ヽ       ん?キレた?キレた?殴ってもいいよ?早く?早く?
         /:::\::::::::<● >   `ヽ  
    ((   / <●>::::::::::⌒      )   
        |  ⌒(_人__)       ノ | |  
        ヽ    )vvノ:      / ノノ
          ヽ (__ン       人
         人           \
        /
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 19:05:28.63 ID:PZjBx.DO
>>1が健気で可愛いのは確定的に明らか
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 19:07:23.64 ID:i.h1zoAO
トミー「ながい!
    …え? たてよみ…? り、りろんは しってる!」
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 19:08:04.68 ID:t62o81Yo
>>426
これだからけいt……あれ?
430 :幼馴染 ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/28(日) 19:33:32.32 ID:oZm0dNc0
随分お待たせして申し訳ないです……。もう少しで更新します。

なんだかいろんな人が居て居心地悪く思う人もいるかもしれませんが、
それだけ色んな人に見てもらえてるという事なので、自分としては嬉しく思ってます。
だから、2chらしい煽りも、まったりな空気もひっくるめて、まったりしてもらえるともっと嬉しいです。
431 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 19:37:36.96 ID:eMGWsgDO
頑張ったらいいと思うよ
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 19:39:26.90 ID:JyapXAU0
がんばれ
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 20:19:08.74 ID:PZjBx.DO
荒れそうになる度に毎度律儀に謝る>>1であった
434 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 21:36:21.19 ID:.Q3fEgko
幼馴染wwww

まったり待つよ
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 22:32:28.02 ID:tBNMEbI0
抽出 ID:PZjBx.DO (7回) 必死チェッカーで検索
383 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 00:58:50.30 ID:PZjBx.DO
切なすぎ泣いた
これはトミデレが羨ましすぎて鬱になれるレベル
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 08:31:28.63 ID:PZjBx.DO
なにこれ可愛いしんじゃう
トミーでいいよ……トミーを選んであげて……
407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 16:36:41.30 ID:PZjBx.DO
アマネ空気すぎワロエナイ……
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:17:47.35 ID:PZjBx.DO
ちょっと静かにしてもらえませんかね。
そういう空気じゃないですみてわかりませんかニコ厨さん
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 17:30:29.21 ID:PZjBx.DO
この調子じゃ次の安価も終わったな
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 19:05:28.63 ID:PZjBx.DO
>>1が健気で可愛いのは確定的に明らか
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 20:19:08.74 ID:PZjBx.DO
荒れそうになる度に毎度律儀に謝る>>1であった
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/28(日) 23:08:06.52 ID:eMGWsgDO
>>435
やめてやれ
437 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/28(日) 23:46:15.69 ID:oZm0dNco

「…こうか?」

トミー
「……あっち……あっち向いてください」

細い指が、人気のない通りを指差す。


「ん……」

頬に当たる空気の冷たさに、自分の火照りを感じる。
どくりどくりと、心臓が居場所を主張する。

トミー
「それで……目を……とじて」


「…………」

ゆっくりと瞼を下ろと、そこには鼓動しか居なかった。
そして……

トミー
「………んっ…」


「……!!」

ふっと触れる、柔らかい温もり。
俺の予想は的中し、トミーは、俺の頬に小さくキスをした。
それは熱い物に触れて、即座に手を離すような、そんな短いものだったが、
じんわりと頬に残る感触は、例えようも無いほどにくすぐったかった。

トミー
「……こっ、これはっ…!」

目を開けて立ち上がると、袖に隠れた両手で顔を覆うトミーが居た。
顔は隠れてはいるものの、その耳は真っ赤だ。
もちろん、俺も今彼女と同じ状態である事が、鏡を見なくても判った。。

トミー
「お、お……おれいだよ…!今日の……あーもー……はずかしー……」


「その……なんだ……、俺も、恥ずかしい」

顔全体に血流が流れ、湯気でも出そうなほど耳が熱い。
唇が触れた部分に指を伸ばすと、背中がさぁっとあわ立った。
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 23:54:06.32 ID:nFl1scSO
ついに天根のターンか
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/28(日) 23:54:27.19 ID:HfOtOYDO
しゃああああああ
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 00:13:49.06 ID:gWP1tQDO
 (Д´ヽ) .  フ
  (`Д´ヽ  ル
 ヽ(`Д´)ノ   ボ
  .ヽ`Д´)   ッ
  (ヽ`Д).  キ
  (  ヽ`)   ア
  (   ヽ   ゲ
 ヽ(   )ノ.  ス
  .ヽ   )  ペ
  (ヽ  )   シ
  (Д´ヽ) .  ャ
  (`Д´ヽ  ル
 ヽ(`Д´)ノ   ト
  .ヽ`Д´)   ル
  (ヽ`Д).  ネ
  (  ヽ`)   l
  (   ヽ   ド
 ヽ(   )ノ.  サ
  .ヽ   )  イ
  (ヽ  )   ク
  (Д´ヽ) .  ロ
  (`Д´ヽ  ン
 ヽ(`Д´)ノ   ! !
441 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/29(月) 00:40:40.45 ID:6TLCaJUo
トミー
「おわりっ!思い出作りは……これでおしまい!えへへ……」

後ろ手を組んで唇を噛むトミーの笑顔に、眩しささえ覚えた。

トミー
「きみのおかげで思い出がたーくさんできました!」

首筋がくすぐったいような、よくわからない恥ずかしさで、俺は自分の頭を掻いた。


「……足は挫いちゃったけどな」

トミー
「あはは……思い出はさ……、痛いことのほうが、忘れないんだよ…」

大きな瞳が、すうと細くなり、彼女は俯いた。
痛み。
その言葉に俺の奥底で何かがずきりと疼いた。

トミー
「じゃあ……ぼくおうち入るね」

玄関先に座らせたぬいぐるみを抱き上げながら言う。


「……おう。今日は……楽しかった」

トミー
「えへへ……ぼくもだよ」


「…………」

お互いの視線を絡ませたまま、俺は動けない。
すると、トミーは一度瞳を閉じて、大きく深呼吸をした。

トミー
「…………これからも…」


「ん?」

トミー
「……これからも……ぼくと……ずーっと……”トモダチ”で居てね」

もう一度まっすぐに俺を見つめ直すと、彼女は言った。
その瞳には、確かな力強さと、意思が宿っていた。
442 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 00:44:03.92 ID:.FEYQwAO
俺、泣いていいかな…?
443 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 00:49:17.50 ID:BkiOy6DO
サナミ派だけど苦しいです
444 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 00:53:22.86 ID:ZE0Nicwo
これ完璧にトミー√なくなったじゃねーか・・・
泣きたくなってきた。てゆーか泣いた
445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 00:59:08.10 ID:xXbH0pEo
サナミ派の俺だけど、うれしいのか悲しいのかわからんです
446 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/29(月) 01:11:06.83 ID:6TLCaJUo

「………おう」

思考が回らない。
俺はただ一言、返事をするだけで精一杯だった。

トミー
「えへへ……ありがと…。それじゃっ!おやすみっ!」

抱えたぬいぐるみと一緒に腕をいっぱいに振るトミー。


「ん……おやすみ」

頼りなく手を振り返すと、彼女は一度もこちらを見る事なく、鍵を開け白い扉の向こうへ消えていった。
俺は焦点を合わせようとしない目で、ただ呆然と帰り道を歩いた。
頭の中には、玄関に振り返る瞬間の、トミーの食いしばるように歪んだ口元だけが浮かんでいた。

―――自宅


「……ただいまー」

敷居を跨ぐと、体中に重い疲れが一気に圧し掛かってきた。
へたり込むように玄関に座り込んで、だらしなく靴を脱ぐ。
ごちゃごちゃと色んな事が頭の中で回っていた。
暫く座り込んでいると、俺は自分の影の上に、一回り大きく影が被っている事に気がついた。
途端、背中に走る悪寒。


「………お・か・え・り・な・さ・い」

低い声にゆっくりと振り返ると、白い足が見えた。


「か……かあさ……」

―――ゴンッ!


「いってええええ!!!」

俺の頭頂部に雷が直撃した。
考えていたごちゃごちゃが、目から火花となって舞い散った。


「遅い!!遅くなるなら連絡いれてって言ってたでしょ!!」

うっすらと涙で歪む目をこすって時計を見れば、もう九時を回っていた。
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 01:23:02.25 ID:A.N67xQo
>>444
今後の安価次第では、まだトミーエンドもありえるだろ
まぁ俺はサナミ派だけどさ

サナミ派もトミー派もアマネ派もヤリダ派も母派も全力で安価取りに行こうず


448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 01:32:21.89 ID:1yRBDsco
てっきりトミーの素直じゃないおとこはなんとやらって前の台詞をもってきてなんやかんやする展開になるんだろうと思って安心してたら…
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 01:41:40.33 ID:PKRgF2DO
盗んだバイクで走り出してください男さん
450 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 01:47:43.33 ID:KZMpeQSO
母ちゃんのターン
451 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/29(月) 02:03:28.95 ID:6TLCaJUo
高校生にもなって、と言われるかもしれないが、
うちは必ず遅くなるようなら連絡を入れるのが家庭のルールだ。
一度だけ、子供じゃないと反論したことがある。
その時母は、涙混じりに突然連絡が途絶えるのはもう嫌なのだと言った。


「ご、ごめんって……ちょっとそれどころじゃなくて……」

―――ゴンッ!


「いてえ!!」

言ってもどうにもならない事は判っていたのに、言い訳が口をつく。
そしてニ発目の雷が落ちる。
これも判っていたのに防御が間に合わない。


「言い訳はしない!ご飯はっ!」


「食べる食べます食べさせて下さい」


「なら手を洗う!うがい!座る!」


「はいやりますやりますって……!」

追い立てられるように洗面所に向かって、顔を洗った。
さっきまであんなにもセンチメンタルな気分だったはずなのに、
母の一撃で完全に現実に引き戻された。
しかし、逆にもやもやしたものが晴れて、冷静に考えられるようにもなった気がする。
もしかしたら、そんな俺を察して、あえてあんな風に接してくれたのかもしれない。


「ほっ……よっ…!」


「…………」


「な……なによ」

居間に戻ると、母は青いバランスボールの上でふよふよと浮かんでいた。
相変わらず真夏のような格好で。
あの拳骨は、どうやら俺が考えていたような理由ではなさそうだ。
ため息をつきながら、俺は並べられた夕食の前に座った。
452 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 02:41:28.16 ID:YiKkAo2o
切ないので雪道走ってくる!
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 02:51:52.35 ID:a4kYPoAO
――それが、彼の遺した最後の言葉だった。
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 02:53:54.83 ID:ceWhQFc0
トミー派ざまああああああああああああwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

サナミは俺の嫁
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 02:57:59.44 ID:xdhqC6DO
チラ裏ですまんが
これ母じゃなくて
実姉or従姉妹とか
兄嫁だったらな〜
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 03:26:45.13 ID:j0xjZ.AO
まだだ!!
まだ男は告白に対してなにも発言していない!!
トミー√はまだ終わってはいないんだ!!
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 03:29:52.86 ID:ceWhQFc0
>>456
>トミー
「……これからも……ぼくと……ずーっと……”トモダチ”で居てね」

もう一度まっすぐに俺を見つめ直すと、彼女は言った。
その瞳には、確かな力強さと、意思が宿っていた。


現実見ろよ^^
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 03:37:27.46 ID:PrWWbsDO
>>457
安価次第でどうにかなるんじゃね?
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 03:58:32.48 ID:a4kYPoAO
安価で傷つけて、安価で“選んでやる”のか

とんだけ上から目線やねんと思ったけど
これって安価SSなのよね
460 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/29(月) 04:09:05.96 ID:6TLCaJUo
食卓には相変わらず手の込んだ料理が並んでいる。
母曰くこの程度すぐに出来るらしいが、俺には到底楽に作れるものには思えない。
もう冷えてしまった料理を温めてから、俺と母は遅めの夕食を食べ始めた。


「あんた料理部なんでしょ。たまにはご飯つくりなさいよ」


「うちの部はお菓子専門だよ」


「じゃあケーキでいいわ。苺のやつね」


「買ったほうが美味い」

なんでもない会話をしながら食事を続ける。
母との緩い空気は歳を取るにつれくすぐったいが、やはり何も考えなくて良い分気が楽だ。
しかし、お浸しを口にした時に、ふと昼間にトミーと食べた定食を思い出した。
それを引き金に、一旦引き出しにしまっておいた記憶があふれ出す。


「なぁ……」


「ん?お茶?」


「いや、違うけど……。あのさ、”男女の友情”ってあると思う?」

普段なら母とはこんな話殆どしないが、また心にもやがかかり出した俺は、
頭に浮かんだ疑問を母に投げつけた。


「ぶっ……なによいきなりねぇー…。サナミちゃんの話?」


「い、いや……まぁ……それもある…」

視界の外からサナミという名前が現れて、言葉が喉に引っかかった。


「んー……あるとは思うわねー」

箸の先を唇に置いたまま、どこか遠くを見ながら母は言った。


「何悩んでんのよ。ま、大体はわかるけど」
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 04:22:19.63 ID:hoEK5FI0
オモシロイなぁー畜生www
462 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/29(月) 04:34:19.36 ID:6TLCaJUo
一缶だけだからと言って取り出したビールを一口飲んで、漬物を口に放り投げる。


「……あいつも元々はずーっと友達だったわねー……」

気だるく首をかしげるをした母の目が、また俺を通り越して、遠くを見つめている。


「あいつって?」


「……”おとーさん”よ。あんたの」


「父……さん」

母の口から父の話を聞くのは随分久しぶりな気がした。
顔は笑ってこそいたが、どこか寂しげだった。


「あいつさー……いーっつも一緒に居たのよ。親友っていうか……腐れ縁かしらね」


「そうなんだ……」


「お互いに恋人が居た時もあったし、一生こいつとは”友達”なんだろうなーなんて思ってたんだけどさ」

言葉の所々に、ため息を挟みながら話す母の調子に飲まれ、
俺は箸を置き、心の中では正座でもしているかのような心持ちで耳を傾ける。


「なーんか判んないけど…あいつ突然好きだーなんて言い出したのよ」

頭の中に、鮮明に一つのイメージが浮かんだ。
あの日、あの場所で俺が想いを告げた日の事が。


「それで…母さんはどうしたの」


「笑った。もう爆笑よ爆笑。たぶん人生で一番笑ったわ」

なんとも母らしい答えだ。
思い出してしまったのか、口元を押さえて小刻みに震えている。
そんな思い出を笑える強さが、俺には不思議でもあり、母を尊敬する理由の一つだった。


「はぁー…。でもねー、不思議なもんでさー、言われたが最後、ちょっとおかしくなっちゃったのよね」
463 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/29(月) 04:35:42.87 ID:6TLCaJUo
駄目だ眠さが限界を迎えました……。
今日中に連休二日目は必ず終わらせて、三日目に入ります。
なんだか火花が散っている所もありますが、まったりしてお待ち下さい……。
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/29(月) 04:43:33.19 ID:g7Vl1cDO
>>1
これはトミー敗者復活フラグか
いろいろ期待
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 09:38:49.93 ID:YjuiO2go
俺トミー派だけどサナミ√にフラグたってるよねこれ
466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 09:54:23.78 ID:16zjl160
ここからアマネ、ヤリダ派が覆すのは無理があるな
467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 10:01:34.67 ID:BkiOy6DO
実に良い展開である
468 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 10:30:11.55 ID:7CweLo.0
ここからアマネ√は厳しいぞwwwwww
サナミENDかトミーENDしか考えられないwwww

ヤリダ?なにそれ
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 11:17:02.14 ID:srfSoMAO
むしろ、一人√になりそうな予感
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 12:17:46.96 ID:uAK1FYSO
お前ら、まだ気付かないのか。
誰も安価出してないくせに母フラグが立ちかけてるんだぞ?
そろそろ一人に絞らないと母√に突入しかねない

という訳でサナミ支援w
471 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 12:31:57.10 ID:facD9TYo
   l            ,'
  /. __          /
  "´   ` ヽ、     i′
         ヽ  ,__ノ ヘ-‐''、,.ニ= 、
          ヽ i_,' /(●)  (●) \
            'v´ r ´,  ヽ     ヽ  も、もうレイプしないでぇ
            ヽ `l´` f‐'    ∪  i   マジで・・・!アナルが裂けて痔になってるんだから・・・
        __    ヽ  ̄´       . l ./^^^^i
        `lヽ    ヽ  _       //    /
        / ,ヽ    ヽ   ` -‐- 、_ ノ_ゝ-、ノ
        //  \    ̄ ̄  ー- 、',´   `i
       /     \            __  /
       /       `ー── ァ‐ 、  ̄   `l´
      /             /    \   丿
472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 15:09:05.57 ID:5RZdbUDO
母かわいいよ母……
473 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 16:07:19.08 ID:hoEK5FI0
あばばばばばば
474 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/29(月) 19:14:33.01 ID:Fxxdgnoo

「おかしくって?」


「絶対無いと思ってたのにさー……気付いたらあんたが生まれてましたとさ」


「な…、展開が速すぎるだろ…」

飲み込む直前のお茶が逆流しそうになる。


「はしょったのよ。面倒くさいでしょ聞くほうも」

また一口ビールを含むと、細い首がこくりと動いた。
俺の事を気遣ったような言い方だが、どう見ても話すのに飽きた顔をしている。


「……つまり……どゆこと?」


「だーかーらー……友情も愛情も一緒なのよ。結局」


「一緒?」


「そ、一緒。どっちも心の中にはあるんだけど、気付かないし気付けないし、気付こうとしないのよ」

話す言葉の一つ一つが、不思議な説得力を持っている。
黙って聞いていると、組み替える足が机の下で脛に当たった。


「もし気付いちゃったら、後はそれを受け入れて、飲み込むかどうかってだけの話。口に含んだビールみたいなもんよ」

そう言うと、残り少ないビールを一気に飲み干した。


「……でも……飲み込んでも、吐き出しても……もうコップには何も残らないだろ」

空になった硝子に、一筋の水滴が流れ落ちていく。


「そーねー……。なら、また少しずつでもいいから、入れていけばいいのよ。お茶とって」


「え……?あぁ……はい」

透き通った液体が、乾き始めたコップに注がれていく。硝子には、活き活きとした輝きが戻っていた。
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 19:17:02.30 ID:D//9lNQo
>友情も愛情も一緒
イイハナシダナー
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 19:33:21.56 ID:OiVfM6DO
母が良いキャラすぎる
バランスボールにやられた
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 19:37:17.00 ID:I4W7bKUo
>飲み込んでも、吐き出しても……もうコップには何も残らないだろ
 
すげえな俺には考えられん
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 19:44:04.20 ID:5RZdbUDO
コップに戻すって意味じゃないよなwwwwww
なにこの親子会話がかっこいいんだけど
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 20:50:31.94 ID:uAK1FYSO
コップに吐き出すのはナシ・・・ですよね
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 21:11:28.41 ID:YjuiO2go
空になったら新しく入れればいいってすごくいいな
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 22:35:51.63 ID:PKRgF2DO
>>479
なんだろうエロスを感じる
482 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 23:01:39.72 ID:icqPR2AO
コップに戻しても元の液体には戻れないってことでしょ?
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 23:02:26.91 ID:0Cgx6Hgo
誰かに口移しで与えると言うのはどうだろう
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/29(月) 23:13:21.74 ID:5RZdbUDO
話が迷走しすぎワロタwwwwww
コップの中の何かを友情に例えてるんだろ
485 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 00:13:27.36 ID:G1GTodYo

「んー……!ふぁぁ……」

背を伸ばした母の大きなあくびが、話が終わる合図だった。
俺は残ったご飯を急いで口にかきこんで、後片付けを手伝った。
先ほどまでの会話等何も無かったように、また他愛ない話をしながら食器を片付けて、
母にソファーで寝ないように釘を刺してから、自分の部屋へと戻った。


「あー……疲れた……」

わざと窓には目を向けないで、ベッドに倒れこむ。
じんわりとした全身の疲れが舞い降りてきた。
冷たい枕に頬をつけると、トミーの唇が触れた部分だけが熱を持っている。
一度無くなったら、もう何も残らないし、元には戻らない。
俺にはそれだけが怖かった。
だから、俺はトミーが言った友達という言葉の意味が、痛いほど判った。
このまま永遠に、この関係が続いていけばいいのに。
そう思う気持ちが。
サナミとの友情も、トミーとの友情も、もうきっと元には戻らない。

―――少しずつでも、入れていけばいいの

母の言葉を、俺は何度も反芻した。
この言葉が本当に理解出来るまでには、俺にはまだまだかかりそうだ。
携帯と取り出して、何度かボタンを押すと、眩しい液晶に写る俺とトミーの姿。
画面の中で微笑む彼女と、去り際の顔が交差する。


「……風呂……はいんなきゃ……」

服も着替えていないし、風呂にも入っていない。
だが天井に浮かぶ蛍光灯の光が、段々と曇ってきた。
落ちていくような眠気の中で、俺はただ、何も考えたくは無いと、考えていた。
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 00:43:50.67 ID:CEtyVXs0
ktkr
487 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 01:27:05.53 ID:e4ge7USO
ここからどーやって天根とデートする方向に持って行くんだ?
488 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 01:40:08.61 ID:G1GTodYo
―――三連休、三日目

全く予定のない日。
無意識の目覚めは、ゆっくりと昼を越えてからだった。


「……ん……あえ……?」

丸々半日眠っていたというのに、眠気で声が声にならない。
鉛のような頭を持ち上げて布団を退けると、見覚えのある昨日着ていた服のままだった。
ベッドの下に散らばった二足の靴下に、全く覚えは無い。
こきりと音の鳴る背を伸ばし立ち上がって、俺はカーテンを開いた。
まだぼやける眼球に、空の真ん中から降る白い日光が突き刺さって痛い。
向かい側に見えるサナミの部屋のカーテンは開いているが、誰も居なかった。


「……………」

がりがりと頭を掻いて、勝手に開く口から大量の酸素を取り込んだ。
何かを考えようとするのだが、脳が完全に眠っていて、何も出来ない。
俺は着替えを取り出して、階段を降りた。


「うーん……」


「…………なにやってんの?」


「あ、おはよ。あんた昨日お風呂はいんなかったでしょ」


「うん……入ってないけど……だから何やってんの?珍しく服なんか着て」

玄関の前の姿見の前で、数着の洋服を手にくるくると回っていた。


「珍しくってなによ、いつも裸じゃあるまいし。ね、これってオバサンくさい?」

その中の一枚、淡い色のスーツを体の前にあてがって、俺の方に向き直る。
まだ睡眠中の脳をフル稼働させて考える。
ファッションには疎い俺だが、形は悪くないとしても、はっきりしない色は余り好きではない。


「年中裸みたいなもんじゃん……ちょっと悪いかな、色が」


「よねー?ていうかスーツは堅いかー…ナシ!次!」
489 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 01:51:01.90 ID:e4ge7USO
三日目は母…だと
490 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 01:59:06.70 ID:G1GTodYo
あれこれと一人ファッションショーを展開する姿はまるでデート前の女学生だ。
しかし自分が出掛ける前の事を思い出して、俺は彼女が母なのだな、と思った。


「…………風呂……」

何のために服を選んでいるのか聞こうかとも思ったが、
どうせ今何を聞いても服の事しか返ってこないだろう。
俺はあれでもないこれでもないと回り続ける母を放って、風呂へと足を向ける。


「あーーー!私も入りたいから早く出てよ」

昼間にこれほど活気がある母を見るのは久しぶりだ。


「………努力します」

本当はゆっくりと湯船に浸かりたかったが、それは諦めた。
さっさと服を脱いで洗濯籠に放り投げる。
風呂場の空気はよく冷えていて、体中に突き刺さった。


「………ひっ……!!!!」

頭から唐突に冷水を浴びて、俺は飛び上がった。
寝ぼけて蛇口を捻る方向を間違えたらしい。
体温が急激に下がって震えが止まらない。
お湯が出るまでの時間が永遠にも思える。
しかしおかげで水の滴る寝ぼけた頭は、すっきりと目覚めた。
こういう場合、怪我の功名という言葉は当てはまるのだろうか。
やっと立ち上り始めた湯気の中で、俺は深くため息を吐いた。

―――三十分後


「………おい」


「え?なによ」


「……まだやってんの?」


「決まらないんだもんしょうがないじゃない」

ほくほくと湯気を立たせて風呂から上がると、廊下ではショーがまだ続行中だった。
言葉を失ってしまう。纏めた母の髪が揺れた。
491 :多少書式変えます。違和感あったら指摘ください ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 03:09:25.18 ID:G1GTodYo
――――――


「打ち上げかぁ…」

口元から一滴、牛乳が垂れた。


「そうそう、大手のクライアントが開いてくれるらしいのよ。店借り切って」

乾いた音を立てて、程よく焼けたトーストにバターを塗りながら母は言った。
どうやらファッションショーは一時中断したらしい。


「担当は私じゃないんだけどね。タダって言うし」

そう言うと、溶け出したバターが光るトーストをかじる。
俺のでは無かった事に肩すかしを食らった。
口の中は既にほんのりのパンの香りさえしてきたというのに。


「タダか……飲み…」


「判ってる。判ってるわよ」

飲みすぎるなと注意しようとしたが、毎度の事なので先に制された。
自宅で呑んでいる時とは違い、外で酔った母は何故か家までは平気な顔をして帰ってくる。
帰ってくるのだが、そこからが酷いのだ。
ある程度の量ならすぐに寝てしまうのだが、所謂”へべれけ”にまでなると、
妙な覚醒状態に入るのか、全く眠らずに延々と俺に絡み続ける。
俺を父と間違えた時は、正直どうなるかと思ったものだ。


「遅くなんの?」


「それは今日は長くなりそうなメンバーなのよ…。だから、晩御飯は適当にお願いね。お金おいとくから」


「ん……まぁ、気をつけていってきてよ」


「はーい。ナンパには気をつけるわ。お風呂はいろっと」


「…………」

口元にパン屑をつけたままコーヒーを飲み干すと、母は食器を片付けて、風呂へと向かった。
492 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 03:16:01.06 ID:A1wAeO20
なんだ母フラグはもう終わりか
493 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 03:59:19.91 ID:9Ww4N0U0
父に間違えられる・・・だと・・・ゴクリ
494 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 04:14:33.95 ID:G1GTodYo
暖かな光と生活を感じる音は、現実感と夢の両方を感じる。
垂れ流しのニュースを眺めながら、俺は一人パンをかじる。
焦げた耳が歯茎に刺さった。

TV
『次は芸能ニュースです!なんとあの俳優の……が一般人の……』

テレビには世間の仇でもあるように、ぼかしのかかった女性が写る。
顔の下にはありきたりな仮名と、略歴。
誰と誰が手を繋いで、誰と誰がキスをして、誰と誰が……
恋愛さえプライベートが無く、自分の立場を考えて動かなければならない。
中には打算的な”恋愛”もあるだろうし、友人さえもまともに作れない。
目深な帽子で顔を隠す画面の中の彼に比べれば、俺は幾らかマシなのかもしれない。


「あ……これ……」

次々に色んな映像が写りこむテレビ画面。
俺はザッピングする手を、新作のゲームソフトのCMが流れて止めた。
王道とは違う、所謂”色物系”のRPGだが、そういえばこれを、トミーが一生懸命に説明していた事を思い出す。
トミーや、サナミの顔がふっと頭に浮かんだが、俺はそこまでで思考を止めた。
考えても考えても、答えは判らない。


「……ごちそうさま」

味と水分の無くなったパンを牛乳で押し流して、俺はアナウンサーの顔を消した。

――――――

向かいの窓にサナミの姿は無い。
カーテンも閉まっている所からすると、何処かに出かけたのだろうか。
今日は本当に全く、何一つ予定が無い。


「はー……ゲームでもやるかなぁ…・」

進んで外に出ようなどという、至極開放的な性格でも無い俺にとって、予定のない休日は慣れっこだ。
しかし、色んな事で頭がざわつく今は、この何もしない時間が疎ましい。
時計を見れば三時過ぎ。
遠くから聞こえる子供の声が、寝転がる俺の気だるさを増した。
買い物、ゲーセン、散歩に漫画喫茶。
今ひとつ実行に移す気の無い行動が浮かんでは消えていく。
こんな時、健全な男子は自慰にでもふけるのだろうか。
まどろみながら下半身に手を伸ばしても、そんな気は起こらなかった。


「……何……しようかなぁ……」
495 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/30(火) 04:18:08.00 ID:G1GTodYo
―――――――――――――――

※次回レスで安価だけ出します※
書き込み予定時間14:00
レスを考えながらお待ち下さい

―――――――――――――――
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 04:40:43.35 ID:gXjlTIso
よし寝よう
どうすればサナミルートに持っていけるんだろか
497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 04:44:05.22 ID:sdmSgdco
へべれけの意味知らなかったのは俺だけじゃないはず
またひとつ学んだ
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 05:01:12.06 ID:jZtm6coo
ゆとりかよ
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 05:27:36.08 ID:sdmSgdco
>>498
言うと思ったwwwwwwwwwwwwwwwwww
500 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 05:28:25.05 ID:5lQiTUDO
ゆとりすぎワロタwwwwww
三日目やけに描写力入ってんなー
しかしなぜ男は父に間違えられた日を回想しなかったのか…!
501 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 05:48:01.98 ID:sdmSgdco
ごめんなさい、ゆとりでごめんなさい
空気を悪くするつもりはないんだけど癇に障ったなら謝ります
次からは書き込みの内容に気をつけます
すみませんでした
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 05:55:46.14 ID:5lQiTUDO
恐縮しすぎワロタwwwwww
いろんな人がいっから気にすんなってばっちゃ…>>1がいってた
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 05:56:14.47 ID:h76y6PYo
あー、何つーかね。だから自重さえ覚えてくれれば俺としてはどうでもいいんだわ
真面目に謝ってるって言うのは一応伝わってきたし
根っからの馬鹿じゃないってことだけは理解したよ
ハットリ君
俺も鬼じゃないから今回は許そう
のんびりしてると春休みも終わっちまうぞ、学生諸君
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 06:01:03.92 ID:OxqPlVco
>>503
途中で飽きただろwwwwwwwwww
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 08:57:35.19 ID:JmWVa6oo
よし、待機するか
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 08:59:10.75 ID:Lxa8DwDO
>>503
なぜもう一行頑張れなかった
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 10:14:44.59 ID:9IIcaf6o
>>503
ハットリ君はもっと何とかなるだろwwwwwwwwww
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 10:56:29.73 ID:9Ww4N0U0
>>503飽きるなwww
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 12:37:53.54 ID:e4ge7USO
ここで安価天根出なかったら、ヒロイン脱落だろ…

おまえら分かってるよな
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 12:50:37.29 ID:R0QU7F20
>>509
サナミ派の俺でも空気読まなきゃいけない気がしてきた
511 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 13:22:13.00 ID:4Yg1uKko
でも三日目ってバレンタイン前日だろ?
普通なら買い出しとかチョコ作りとかで、遊んでる暇ないんじゃね?
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 13:24:06.78 ID:j.1hwsAO
そこで逆チョコ(笑)だろ
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 13:25:59.25 ID:1pl7scSO
安価ならサナミとアマネと3人料理部でお菓子作り
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 13:42:29.54 ID:ql8U/YSO
母いないんだしサナミ誘って家で一緒に夕飯食べようぜ
きっと>>1だってそういうことを狙って母を外出させたはずだ
515 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 13:54:57.96 ID:e4ge7USO
安価待機
516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 14:02:35.68 ID:uuME7g60
安価待ち
517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:05:12.40 ID:JmWVa6oo
この前のお詫びにアマネをご飯に誘う
518 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 14:11:23.82 ID:e4ge7USO
おまえらマジでサナミとかトミーとか出すなよマジでやめろよマジで
519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:11:32.70 ID:ql8U/YSO
サナミに二人で夕飯を食べる約束をする
ひとりで夕飯の買い出しに行く途中アマネに遭遇
アマネとスーパーで買い出しデート
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:13:15.33 ID:1pl7scSO
>>519
521 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:19:13.41 ID:wh6Kp6AO
偶然部活に関する連絡をメールでしてきたアマネを誘い2人でイチャイチャ晩飯を作る
522 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:21:49.80 ID:JmWVa6oo
安価で偶然ってどうなの
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:37:36.85 ID:1pl7scSO
どうした
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:39:31.74 ID:25SgDCIo
安価まだーチンチン
525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:45:01.43 ID:9IIcaf6o
ここで空気読めないような奴はいないだろ
526 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/30(火) 14:46:40.55 ID:G1GTodYo
すいませんちょっと遅刻しました……
キリが悪いので15:00にうちます
527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:50:16.67 ID:4Yg1uKko
>>526
母が「遅くなるなら連絡を入れなさい」と言っていただろ
心配したぞ
528 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:53:01.39 ID:gNQg6EDO
俺は空気なんて読まないからなサナミ狙う
529 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 14:53:57.94 ID:e4ge7USO
いやマジで天根だろマジで
530 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:55:04.23 ID:25SgDCIo
そんなにアマネが好きかwwww
531 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 14:58:00.16 ID:5lQiTUDO
案外自宅待機でトミーから借りたげーむをやりとかが正解だったりして……
532 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 15:00:48.70 ID:G1GTodYo
>>540
533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:19.94 ID:.0CcR2AO
打ち上げから帰ってきた母を介抱する。
534 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 15:01:19.71 ID:9IIcaf6o
ksk
535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:22.72 ID:JmWVa6oo
>>517
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:26.67 ID:Oawt3ADO
>>517
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:40.06 ID:1pl7scSO
サナミを家に誘って一緒に夕飯を食べる
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:44.83 ID:5lQiTUDO
寝る
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:55.33 ID:o8RFbMUo
>>517
540 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:56.70 ID:1pl7scSO
サナミを家に誘って一緒に夕飯を食べる
541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 15:01:57.23 ID:9IIcaf6o
>>517
542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:01:57.24 ID:GkF5MxIo
睡眠薬を飲んで夜まで寝る
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:02:10.99 ID:uuME7g60
>>537
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 15:02:50.77 ID:e4ge7USO
くそやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉウンコしてたらこれだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
545 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:02:51.23 ID:9IIcaf6o
なんてこった・・・
546 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:03:15.45 ID:5lQiTUDO
>>540
あまね
「オフゥwwwwwwwwwwww」
547 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:04:46.98 ID:25SgDCIo
サナミ派おめでとう
548 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:04:52.71 ID:o8RFbMUo
ま、しゃーないね
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:05:24.76 ID:gNQg6EDO
>>540
GJ
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:08:30.25 ID:5lQiTUDO
>>544
こいつ最高にウソ
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:13:45.02 ID:4Yg1uKko
この話ってダブルヒロインだったんだな
552 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 15:15:08.28 ID:t6jhQMAO
じゃあ昼間はトミーと
バッティングセンター
553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 16:07:58.31 ID:AXhd3sDO
逆に考えるんだ
コンシューマ化されたらシナリオが追加されるタイプのヒロインだ、と考えるんだ
554 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 16:10:01.00 ID:5lQiTUDO
なんだダウンロードコンテンツか
よかった
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 16:37:29.96 ID:7uNsagSO
考えようによっては
安価で新たなヒロインを作ることも可能なんだよな……
556 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/30(火) 17:36:41.06 ID:G1GTodY0
ちょっと色々悩んでますが、六時過ぎぐらいから更新はいります。
よろしくお願いしまぁす
557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 17:51:43.32 ID:R0QU7F20
>>556
がんばれー
558 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 18:22:11.00 ID:G1GTodYo
仰向けの自分と、窓越しに降る陽射し。
時間が止まりながら動いている。
立てかけた本が音を立てて倒れた。


「……サナミ……」

ふやけそうな脳細胞の奥底から、ほんのりと彼女の名が浮かんだ。
一人で食べる夕食が寂しい訳ではないが、それを言い訳にして、彼女を誘おう。
他にも色々と考えるべき事はあったが、今は、いい。


「……電話……」

何度かベッドを泳いで、携帯を掴んだ。
冷えたステンレスがリアルだった。
かちりかちとボタンを押して液晶にサナミの名前を表示させると、
止まっていた心臓の鼓動が、思い出したかのように動き出した。
大きく息を吸って、吐き出す。
空中をきらきらと漂う埃も、今は肺あたりだろうなと思った。


「………」

通話ボタンを押すと、コール音に耳を澄ませた。
いずれ聞こえてくるサナミの声を想像して、また緊張が増す。

サナミ
『……もしもーし。どしたー』

一秒の静寂の後、考えていた通りの声が聞こえてきた。


「あ、もっ…もしもし。俺だけど」

不恰好に喉が引っかかった。

サナミ
『言わなくても判ってるよ。どしたの?』

一日ぶりに聞く彼女の声は、思ったよりもすんなりと耳に通ってきた。
さっきまでの緊張は何だったんだろうか、といった感じで引いていく。
サナミの声の隙間からは、形容しにくいざわつきも聞こえてきた。


「んー……今日何してんのかなーと思ってさ」

サナミ
『え?……うんそっちでいい。いやそっちじゃなくて。……え?ごめん何て言った?』
559 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 18:52:32.73 ID:G1GTodYo
俺では無い誰かと話す声。
電話の向こう側に知らない空間を感じた。


「あれ?今外?」

サナミ
『うん、外だよ。今ちょっとお母さんと買い物来ててさ。なんか用事だった?』

あの日の事は何処かに置き忘れてきたかのような声に、
俺は何も無い場所に放り出されたような、居心地の悪い疎外感を感じた。
何とはわからないが、何かを少し期待していた俺は、うな垂れてしまう。


「あー…外かぁ……。じゃあ仕方ないな……飯でもどうかなって思ったんだけどさ」

サナミ
『えっ……?あたしと…?おばさんは?』

電話を切る方向に話をもっていこうかと思ったのだが、
サナミの声が、やっと俺に大して向けられたように感じた。
後ろから聞こえてきていた雑音も、静かな所に移動したのか、今は少し小さくなっている。


「あー…えっと、なんか仕事関係で飲みに行くらしくてさ……一人で食うのもなーと思って……」

サナミ
『そうなんだ……。ふふ……』

唐突に聞こえる含んだ笑い。


「なに?なんかおかしい?」

サナミ
『んーん!……なんでもない!もしかしたらご飯食べて帰るかもしれないからさ、また連絡していい?』


「おう、わかった。あ、無理なら別に気にしなくていいから」

サナミ
『無理だったらどうする気?』


「一人で寂しくテレビでも見ながら豪勢にカップ麺だな」

サナミ
『あはははは!良い休日だね、それ』
560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 18:52:39.78 ID:1pl7scSO
サナミ誰と一緒にいるんだよ…
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 19:02:45.00 ID:7uNsagSO
>>560
これ読める?
「お母さん」
562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 19:06:35.19 ID:1pl7scSO
>>561
>>1と書き込みかぶっただけ
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 19:09:23.89 ID:wh6Kp6AO
>>561
>>559>>560の書き込まれた時間見てやれよ
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 19:43:46.83 ID:25SgDCIo
あぁ…やっぱりサナミもいいな
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 19:44:51.72 ID:ql8U/YSO
サナミはきっとチョコ作りの材料買いに行ったんだな
おれのためにありがとうサナミwwwwwwww
566 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 20:01:56.49 ID:G1GTodYo
良い休日な訳はないが、サナミの笑い声に口元が緩んだ。

サナミ
『じゃあ、また連絡するね』


「ん、わかった。それじゃ」

サナミ
『はーい、それじゃね』

ゆっくりと携帯を耳から離すと、圧迫されていた耳にじんわりと暖かい血流が巡った。
これで一人きりの夕食の可能性が少し薄まった。
通話時間一分二十秒。
たったそれだけの時間で、俺のくたびれた心に温もりが戻った。


「はぁー…!さて……どうなることやら」

下の階ではとたとたと走り回る足音。
いい加減に服は決まったのだろうか。
時計を見れば丁度三時。
サナミからの電話を待つだけの身となった俺にとっては、時間がありすぎる。
何をして時間を潰したものか、手に取る漫画もただの白黒の線でしかない。
あと一ヶ月と一日後、俺は高校を卒業する。
その時の俺は、笑っているのか、泣いているのか、どっちなのだろうか。


「…………天気……いいなぁ…」

このまま部屋でくさっていても無駄に思考に飲まれていくだけだ。
ベッドから立ち上がるとニ、三度目が回った。
行くあてもないが、俺はとりあえず携帯と財布をポケットにつっこんで、部屋を出た。

――――――


「あれ?どっかいくの?」


「ん、別にどこってわけでもないけど暇だしさ」

鏡の前に細身のデニム姿の母が居た。
どうやら下は決まったらしい。
上はまだキャミール一枚だが。


「なら丁度よかったわー。ティッシュ、切れてるわよ」
567 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 20:19:27.67 ID:G1GTodYo

「買ってこいと……」


「うん、買ってこい」

腰に手を当て、無駄に綺麗なポージングで釘を刺される。
母ほど命令口調が似合う人も居ないんじゃないだろうか。
行くあてなど無かったはずだが、出来てしまった。
スーパーまでの道のりを考えると途端に靴を履くのさえ億劫になった。


「へいへい……わかりましたよ」

かといってティッシュが無いのは何かと困る。
ため息をついて靴を履いていると、後ろから嫌な声が聞こえた。


「あ、そういえば牛乳もないわね。あとネギも無いし……」

とたとたという足音の後、何かをメモする音。


「はい!これ」

目の前に十個程の走り書きが書かれた紙が現れた。
履き終った靴を脱いでしまいたい。


「これも……」


「うん、買ってこい」


「……はい」

メモと一緒に数枚の紙幣を受け取って俺は立ち上がった。
暇つぶしがおつかいに化けるとは思いもしなかったが、まぁ、仕方がない。


「あ、ねえ、正直に言いなさいよ?私幾つに見える?若い?」

振り返るとさっきよりも数段気合いの入ったポーズで聞いてくる母。
出るところと締まる所がはっきりしていて、”母である”という点を除けば、とても若いし綺麗だとは思う。
率直に褒めるのも何だか恥ずかしい。しかし機嫌を取っておいて損はないのも確かだ。

>>571
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 20:21:09.34 ID:CNWuDy2o
ksk
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 20:21:27.77 ID:Psaez6DO
正直興奮します
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 20:21:47.08 ID:HnkJ3ADO
>>569
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 20:21:50.97 ID:5lQiTUDO
まさかのタイミングで安価がwwwwwwwwwwww


「まぁ、俺ならナンパするレベルかな」
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 20:24:38.74 ID:9IIcaf6o
ティッシュがないのは確かに困るな
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 20:35:39.64 ID:e4ge7USO
サナミ、トミー、アマネ

サナミ、トミー、母ちゃん
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 21:03:36.12 ID:Lxa8DwDO
カーチャンは偉大だな…
575 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 21:06:50.62 ID:R0QU7F20
いつの間にか安価出てたwwwwwwww
576 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/30(火) 21:10:15.24 ID:G1GTodYo

「……まぁ、俺ならナンパするレベルかな」

俺は別段年上が好きという訳ではないし、まして母をナンパする気もない。
とはいえ、もし俺が赤の他人で年上が好きなら、十分に声をかけるに値する容姿だ。


「そ、そう?でもごめんねー、私年下には興味ないの」

母は俺の褒め言葉を軽くあしらって部屋へと消えていった。
言葉の割には随分と顔を綻ばせていたから、機嫌は良さそうだ。


「あ、ちょっとちょっと」

玄関を出ようとすると、また母が戻って来て俺を呼び止めた。


「ん?書き忘れ?」


「はい、”出張費”。これでおやつでも買いなさい。なるべく早く帰ってくるわ」


「わっ…!あーもう…!………ありがとう」

買い物代とは別に、もう一枚ボーナスを手渡すと、俺の髪を乱暴に撫でる母。
この歳にもなって頭を撫でられる事など滅多にない分、非常に恥ずかしかった。


「私もう出るから、鍵ちゃんと持っていきなさいよー」


「わかったよ。んじゃいってきます。いってらっしゃい」


「はーい。いってらっしゃい。いってきます」

玄関の外は相変わらず冷たい。
一体、春はいつになるのだろうか。
もう一度メモを眺めながら、俺は歩き出した。
577 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 21:16:22.47 ID:5lQiTUDO
えっ
なんでこんな母ほしい天海祐希みたい
578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 22:30:08.95 ID:AXhd3sDO
馬鹿な……!!なんでアマネを抜かして母にフラグを立てるんだこの男……!!

579 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 22:55:57.95 ID:w8Nvkooo
この男は上条さんレベルのキングオブ天然タラシ
580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 23:16:57.11 ID:Lxa8DwDO
天然じゃなくてわざとやってんだろ
581 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 23:27:27.60 ID:ifgtRMDO
サナミ派だが
正直、母も悪くないと思うのはオレだけ?
582 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/30(火) 23:41:36.24 ID:5lQiTUDO
ていうか母は攻略不可キャラだろwwwwwwwwwwww


えっ
583 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/30(火) 23:51:44.70 ID:j.1hwsAO
何のための安価か思い出すんだ
584 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/31(水) 02:25:41.91 ID:qO/3DxEo
やっと帰宅……これから更新します。
どういう展開になるかちょっと自分でもわからなくなってきました…
585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 02:26:51.44 ID:DB1xa6SO
アマネは出るの?
586 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/31(水) 02:28:21.73 ID:qO/3DxEo
……なんとも言い切れないです。
二日目後半あたりからかなり行き当たりばったりなもので……頑張ります
587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 02:40:35.18 ID:DB1xa6SO
まぁもう母ちゃんでもいいから頑張って
588 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 03:06:35.83 ID:NuVIQLMo
是非にお母さんを!
589 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 03:22:57.31 ID:qO/3DxEo
スーパーといえば、小さいが一番近い所には十分も歩けばたどり着く。
そこから後五分歩けば商店街にも行ける。
しかし、急いでいるならまだしも、俺は一応”時間潰し”という目的で外に出た。
どうせなら、少し足を伸ばして遠くの大型スーパーに行ってみるのもいいだろう。
確か、美味い鯛焼きの店もあったはずだ。
考えると口の中が甘くなった。
幾つか買って帰ろうと思った。

――――――

あまり人の居ない電車に一区間だけ乗って、俺は目的地に到着した。
改札を抜けてから、改めてマフラーを巻いてくればよかったと後悔した。
駅から歩くこと数分、遠めでもわかるほど大きな、三階建ての建物が見えてきた。


「………でかい」

久しぶりに見る朱色の看板は、相変わらずよく目立った。
いつも買い物は近所で済ませるため、ここには滅多に来ない。
三階建ての大手チェーンスーパーの大きさに思わず声が漏れた。
広い駐車場に続々と並ぶ車の列が、中古車の展示場のようだった。
止め処なく出入りを繰り返す主婦や家族連れの群れに、圧倒されながら、店内に入った。
キャッチーなメロディーと、甲高い子供の声と、それを制す母親の声が出迎えてくれた。

店員
「っしゃいませー!バレンタイン商品の最終セール中でーす!どうぞご覧くださーい!」


「……」

少し遠い散歩と、不可抗力に頼まれたおつかいのお陰で日陰に追いやられていた事にスポットが当たった。
バレンタイン。男女のためのイベント。
中には男から男、女から女もあるだろうが、大体は、そうだ。
サナミに、トミー、それにアマネ。
頭の中で三人の姿が浮かび上がっては消え、そしてまた現れていた。
さしたる悩みもなく、ただ単純に青春の一イベントとしてその日を迎えられていたら、
どれほど気が楽だっただろうか。
サナミに想いを告げたあの日から、俺の周りで何かが確実に変わり始めていた。
そして、その全てが俺の行動によるものだと思い返すと、背中がざわついた。


「……考えてもしょうがない」

俺はエプロン姿の店員を見つめたまま、自分に言い聞かせた。
悩んでも悩んでも、今答えが見つかるわけでもない。
もう自分で動かした歯車を、自分では止められそうになかった。
ざわつく脳をぐっと押さえ込んで、俺は視線を戻した。
590 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 03:32:16.67 ID:aAO/XoSO
>>586
初心に戻れwwwwwwwwww
プロってわけじゃないんだし変にプレッシャーとか感じずに気楽にやれよ
vipのころだって行き当たりばったりだったじゃないか
行き詰まったんなら安価で展開でも決めようぜwwwwwwww
591 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 03:47:44.87 ID:qO/3DxEo
食料品コーナーがすぐそこに見える。
おつかいを頼まれた手前さっさと済ましておきたい所だが、
この店には家電量販店や本屋も併設されている。
どうせ来たならついでにそっちも覗いて行きたい。
買い物をした後では荷物が邪魔でゆっくり見る事も出来ないので、
俺は白と緑が映える食料品コーナーを尻目にエスカレーターに乗った。

――――――

しかし、記憶とは理不尽なものだと思った。
探している時はどこを見ても見当たらないのに、
探さなくて良い、むしろ、隠そうと思えば思うほど、その存在を主張する。
本屋に来た俺は、手に取ったコミックの表紙を撫でながら、そんな事に思考力を回していた。


「…………」

どんなに悪あがきをして違う事を考えていても、頭の中に響く少女の声。
目の玉がいやに大きいカエルが書かれたこの本は、トミーがとても気に入ってると言っていた。
デフォルメの効いたキャラクターは、如何にも彼女が好みそうな可愛らしさだ。
こうして何も考えないで済む様にと出かけてきても、結局はこうなってしまう。
俺は一度落ちだすと、中々あがってこれない内向的な自分の性格を恨んだ。
カラフルなポスターに新書のコーナー。
可愛い猫のカレンダー。
その全てが彼女を思い出させて、胸が、そして頬が痛んだ。


「本屋は駄目だ……本屋は」

体を横にして、情報収集に夢中になっている立ち読み客の間を抜けた。
足を捻る度にきゅうきゅうとワックスのよく効いた床が鳴いた。
無駄に効きすぎた暖房のせいで頭が重い。
思いの他心身ともに疲れている自分に驚いた。
さっさと買い物をして帰ろうかと歩いていると、若い夫婦と擦れ違った。


「うわ……」

女性
「ちょっとちょっと、抱っこ代わってくれる?」

似ていた。
まだ生後間もないであろう赤ん坊を優しく抱く女性は、
誰あろうサナミに雰囲気がよく似ていた。

男性
「お、おお……。ほーらおいで……よいしょっと……」

歳の頃は俺よりまだ幾つも変わらないであろう男性が、慎重な手つきで赤ん坊を受け取った。
592 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 04:56:28.51 ID:qO/3DxEo
男性の大きな手に抱かれた赤ん坊は、むず痒いような顔をした。

女性
「なにー?パパはいや?ほらほら泣かないよー?いい子ねー」

この世の何よりも優しそうな顔をして、赤ん坊の手を握る女性。
よくよく見れば顔立ちはあまり似てはいなかったが、俺の心を揺さぶるには十分過ぎた。
空想の中で小さな赤ん坊を抱くサナミと、それを眺める俺。
その光景は、どこをどうとっても幸せというしか表現しようが無い。
それに、赤ん坊が産まれるという事は。
暖かい家庭から、妖しく方向を変えた妄想が脳内を巡った。
不意に肩に顔を乗せた赤ん坊が俺の顔を見つめているのに気がついた。
泣き出しそうだった顔が、くしゃくしゃの笑顔に変わった。
無垢な笑顔で現実に引き戻された俺は、ぎこちなく微笑み返して、目を逸らした。


「何考えてんだろーな……俺」

母が話していた父との関係を思い返した。
母は若くして俺を産んで、一体どんな想いだったのだろうか。
絶対に無いと思っていた、友情から愛情への変化を、どう飲み込んだのだろうか。
俺にはまだ判らない。
それにしても、こんな調子では、今晩もしサナミに会ったらまともに目も見れないかもしれない。
おつかいは思わぬ所で弊害を生んでいた。


「さっさと買って帰ろう……」

手を繋ぎながら歩く若い夫婦の後姿にため息をついてエスカレーターに乗った。
新型の携帯プレーヤーを見に行くのは、また今度と諦めて。

――――――


「えーっと……」

がりがりと床を滑る音。
小さめのカートを押しながら、俺はメモを取り出した。


「ネギ…牛乳……」

買出しのリストは思ったより多く、ため息が漏れる。
誰かのカートに軽くぶつかって、慌てて頭を下げた。
手がじいんと少し痺れた。
取っ手に肩肘をついて途方にくれていると、俺と同じぐらいの歳の女の子が通り過ぎた。
所帯じみた姿を見られて、少し居心地が悪くなった。
恐らく、そんな事は誰も気にさえしていないというのに。
593 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/31(水) 05:00:35.38 ID:qO/3DxEo
>>590
ありがとうございます……心持だいぶ楽になりました。
なんか最近は創作というより「男」という別人格の日記書いてる気分になってきました。怖いwwwwww
フローチャート作ってある程度展開決めたので頑張ります。
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 05:10:35.94 ID:znXh3MAO
>>593
頑張ってくれ応援してるよ
595 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 05:29:22.62 ID:qO/3DxEo
小さな子供が俺の隣を追い抜いていった。
俺は止まりそうなほどゆっくりとした足取りで歩きながら、メモとにらめっこしていた。
メモから目を離すと、今度はリストに書かれた野菜を手にとって、一つ一つチェックする。


「あ……葉が虫喰いじゃねーかこれ……」

よく食材の買出しに行かされるせいか、品物はよく見て選ぶ癖がついていた。
こういう大型のスーパーはよく確認して買わないと、かなり痛んだ物も陳列されていたりする。
品定めをする俺の隣で無作為に籠に野菜を放り込む主婦を見て、
よほど自分のほうが主婦に向いているかもしれないなと思った。


「やっと半分かー……」

丁度リストの半分まで消化する頃には、籠はほぼ八割がた埋まってしまった。
一人で持って帰る工程を考えると、何故こっちに来たのか自分を疑いたくなった。
色々と見てしまい、悩みが増幅されたからなお更だった。


「……お、ステップの新刊か…」

雑誌コーナーに置いてあった少年誌が目に付いた。
少年誌など暫く買っていないし、興味もあまり無かったが、
一休みがてらカートを止めたまま雑誌コーナーで立ち読みをする事にした。
ぱらぱらと赤いページをめくって流し読みするが、定番の長期連載ものぐらいしか判るものがない。
それに、いつも思うのだがこうして買わずに全て読めてしまう事がなぜ容認されているのだろうか。
この悩みを考え出すと、俺は小さな良心か、どうしても手に取った本を途中で本棚に戻してしまう。
違う雑誌でも読んでみようかと視線を動かすと、視界の中に何かひっかかるものを見つけた。


「あれ……?あれは……」

入り口の辺りでこちらに背を向けて携帯電話で話す男性。
見覚えのある茶色い髪に、数個のリングが嵌った指。
服こそスーツではないが、あの後姿には見覚えがあった。


「ヤリダ先生か……?」

まさかこんな所で先生に出くわすとは思わなかった。
まだ顔を見ていないので先生であると断定は出来ないのだが。
この辺りに住んでいたのだろうかと考えていると、俺は更に気になるものを見つけてしまった。


「え……えぇー……?」

さらりと流れる黒髪に、細い手足。
見覚えのある後姿が、一人籠を持って人の間を歩いていた。
596 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 05:41:29.55 ID:qO/3DxEo
ヤリダ先生らしき人物を見た時とは明らかに違う反応を見せる心臓。
ゆっくりではあるが、いつもの倍以上の血流を全身へと送っていた。


「アマネ……まさか……なぁ……」

どう考えてもいくら大型のスーパーだとはいえ、同時に知った人間を二人も見かけるのは滅多に無い。
他人の空似か見間違いか、それとも二人とも本当に本人なのか。
もしそうなら、やはり最近の俺はどうにも色々と”ツイている”と言えた。
人込みに紛れて断片的にしか見えなくなっていく黒い髪の女の子。
握った手はしっとりと汗ばんでいた。
こんなにも反応を示す自分の身体に、
俺は自分が思っている以上に彼女の事も気になっているのだと感じた。
こういう時は、一体どうすればいいのだろうか。
ヤリダ先生らしき人物は未だにこっちを向かない。
アマネらしき女の子の姿は、もう殆ど見えない。


「………」

そのままどちらにも気付かないフリをして買い物を続けるか、
知り合いらしき人物のどちらかに声をかけてみるか。
別段話したい事がある訳では無いが、知り合いならば声くらいかけるのが当然であるようにも思える。
先生ならまだしも、友人にならなお更だ。
どちらにせよ、このままでは買い物も終わりそうに無い。
俺はばくつく自分の心臓自体を握るようにカートの取ってを握り締めて、考えた。






―――――――――――――――

※次回レスで安価だけ出します※
書き込み予定時間15:00
レスを考えながらお待ち下さい
明日も更新は少し夜更けからになるかもしれません

―――――――――――――――
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [age]:2010/03/31(水) 06:15:04.85 ID:Mp.l.rI0
おつかれage
598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 12:35:03.64 ID:j3gEW6AO
俺ならマジンガーZを空から攻めるね
599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 14:11:02.38 ID:VTXwcnko
真のヒロイン・ヤリダ来たか
どっちを選ぶか目に見えてるな
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 14:18:33.38 ID:DB1xa6SO
ここでアマネ行かなかったら本格的にヒロイン交代だな
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 14:22:55.61 ID:E5sGHeUo
穏便にサナミと夕飯を食わせたい・・・
どっちも邪魔になる気がするけど、なんとなくヤリダと会わせたい
602 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 14:26:10.40 ID:dTJGQR.0
とりあえず店内でしこってみようぜ
603 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 14:31:20.15 ID:tmvCx6DO
アマネだな。
放置したら死ぬんじゃねーか
男が
604 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 14:33:14.20 ID:wh319sAO
母に萌えるとか言ってるのって冗談だよね??

健全な人間に育ってないか、エロゲのやりすぎか
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 14:57:28.93 ID:DB1xa6SO
待機
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 14:59:42.72 ID:VTXwcnko
あまね派はここで取れなかったら終わりだよな
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 15:02:50.09 ID:3oFHnYgo
当然ヤリダだろ
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 15:04:29.40 ID:Hq4Q5sDO
サナミのことを考えるとヤリダだな
609 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 15:04:58.27 ID:DB1xa6SO
アマネを追いかける
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 15:08:59.97 ID:VTXwcnko
ヤリダに声をかける
611 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 15:45:28.48 ID:k6kkcYDO
まあ落ち着けよ
サナミとはまだ飯が食えると決まった訳じゃないんだぜ?
612 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 15:46:37.65 ID:wY4LMoDO
今はサナミの事しか考えられないから両方スルーだろ
613 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 15:48:39.35 ID:VTXwcnko
話を面白くするにはどっちかに声をかけないとな
ということでヤリダに声をかける
614 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/31(水) 15:53:56.96 ID:qO/3DxEo
おはようございます。
どういう安価が出るかわかりませんが、一応ある程度の展開は決めてます。
その分岐に入るかどうか……もうすぐ安価打ちます
615 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 15:56:22.54 ID:fdc20EDO
おはよう……だと……?
意外とここはヤリダを選ぶとアマネルートが開けるんだな
616 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 15:57:09.72 ID:wPPqysAO
一瞬ヤリダとアマネが一瞬に買い物してるのかと思った…

安価ならアマネと一緒に買い物
617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 15:57:26.00 ID:tmvCx6DO
なんか含みがあるなwwwwww
安直に考えていいのかね
618 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 16:00:21.56 ID:qO/3DxEo
>>624
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:00:40.95 ID:wY4LMoDO
ksk
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:00:47.39 ID:DB1xa6SO
>>609

621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:01:06.43 ID:DB1xa6SO
>>609

622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:01:19.07 ID:DB1xa6SO
>>609

623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:01:30.67 ID:DB1xa6SO
>>609

624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:01:32.07 ID:1YthCYAO
ヤリダのけつをタッチ
625 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:01:36.83 ID:DB1xa6SO
>>609

626 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:01:39.72 ID:wY4LMoDO
>>612
627 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:01:42.68 ID:sHCq5Pco
買い物して帰る
628 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:01:46.44 ID:Hq4Q5sDO
ヤリダらしき人を尾行する
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:02:11.84 ID:wY4LMoDO
>>624
うわあぁぁぁぁ
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:02:15.08 ID:DB1xa6SO
吊ってくる
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:02:21.37 ID:tmvCx6DO
ヤリダとおぼしき人に声をかける
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:02:47.38 ID:d4/rWIco
>>624
ぶっ[ピーーー]
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:05:05.07 ID:E5sGHeUo
ID:DB1xa6SOが不憫で仕方ないwwwwwwwwww
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:12:20.83 ID:tmvCx6DO
すごく……悔しいです……
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:28:24.14 ID:3oFHnYgo
>>624
俺はお前を評価する
GJだ!!!!!!!!
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:31:12.35 ID:VTXwcnko
まあ悪くないな
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 16:35:34.23 ID:wbGaZMDO
>>624何でだよwwwwwwww
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 16:54:27.44 ID:aAO/XoSO
寝過ごしたああああorz
>>620-625クソワロタwwwwwwwwwwww
残酷すぎwwwwwwwwwwww
639 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 17:04:31.45 ID:tmvCx6DO
まあ悪くはないなwwwwww
>>1はどう展開させるんだろうな楽しみだ
640 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 17:07:43.12 ID:swFPOwDO
>>1に期待ww
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 17:10:14.13 ID:ZncFDvg0
>>624スナイパーすぎワロタ
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 17:16:12.08 ID:j3gEW6AO
男の奇行癖治ってねぇ
643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 17:24:36.93 ID:DB1xa6SO
もう俺アマネのことは忘れるわ

アマネなんていなかった
644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 17:29:23.90 ID:DQXbajs0
>>643
ドンマイだ
645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 17:46:44.02 ID:k6kkcYDO
>>1がわざわざヤリダをスーパーに出したってことはなんかあるんだろって期待してみる
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 19:57:32.91 ID:whFjHWE0
ヤリダって誰だっけ
先生?
647 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 20:03:13.04 ID:swFPOwDO
>>646そうだよ
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 21:10:40.18 ID:AhkWiYDO
今北ワロタ
649 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 22:00:39.86 ID:MyoRVR.0
>>624
すごいスナイパーだ
650 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 23:20:27.83 ID:qO/3DxEo
黒髪の少女が消えていった方には、既に人の壁が出来ていて何も見えなかった。


「……似てる子……だよな」

内心、アマネ本人であるという確信めいたものがあったにはあったが、
俺はそれを心の奥でかき消した。
今会った所で、こんな所帯じみた俺が何を話せばいいのかわからないし、
彼女を探すためにく主婦達の群れを掻き分ける重労働も億劫に思えた。


「はぁ……」

深い息が漏れた。
彼女は見失ったが、背を向けたままのヤリダ先生はそこに居たままだった。
見つけてしまった手前、やはり声くらいはかけておいた方がいいだろう。
偶然会ったのだから、どうせなら驚かせてやろうとこっそりとカートを押して近づく。
段々と背中が大きく見えるにつれて、何故か緊張が増した。
男に声をかけるだけで早くなる自分の心臓を引きちぎってぶん投げてやりたかった。
あと数歩。
カートがきゅりきゅりと鳴いた。


「………」

どこか遠くを見たまま談笑にふける背中に、手が届く位置まで来た。
学校でヤリダ先生が俺を見つけた時は、大抵思い切り何処かを叩いてくる。
頭だったり背中だったり、尻だったりするのだが、こっそりと近づいてきて叩くためいつも驚かされる。
今日はその仕返しが出来ると思うと、なんだか手に力が篭もった。
丁度上手い具合に、電話を切って首をこきりと鳴らしている。
卓球のラケットを振りかぶるように、手を引いた。
キャメル色の細身のパンツ、その尻に狙いを定めて、俺は勢いよくスマッシュを決めた。


「ヤリダ先生!!」

小気味乾いた音と共に、手のひらがじいんと響いた。
大袈裟なほど飛び上がって驚いている。
どうやら俺の試みは成功した……かと思ったのだが。

男性
「なっ……!え?え…?だ……誰……?」


「……………あ……」

目を白黒させて振り返った男性は、ヤリダ先生の顔だけを切り取ってはめ変えたような、
全く知らない赤の他人だった。
651 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:21:23.45 ID:swFPOwDO
きたーww
652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 23:23:23.11 ID:wbGaZMDO
やってしまったwwwwwwww
653 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 23:23:50.35 ID:DB1xa6SO
まさか…ここから…
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:26:26.00 ID:3oFHnYgo
俺もこの経験あるからならないでと思ったらなってわろたwwwwwwww
最高に気まずいんだよなwwwwwwww
655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:28:36.11 ID:6naJ7dso
こういうシーンを見ると記憶が蘇ってきて読んでて苦しいwwwwww
656 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/03/31(水) 23:36:49.75 ID:qO/3DxEo
行き成り全く見ず知らずの男に尻を引っ叩かれ、腕を曲げたまま硬直する男性。
驚きというよりもその顔には恐怖さえ感じられた。
そして尻を勢いよくスマッシュしたとうの俺でさえ、何が起こったかわからず、身体が硬直した。
周りにいた何人かの人間も一緒に固まっていた。

男性
「………」


「………」

二人の男の時は、完全に静止した。
横に止めたカートに主婦がぶつかって、かしゃりと滑った。


「あ……あの……す、すいません……しと……人違いです……でし…た」

じんわりと頭皮が熱くなるのを感じながら、俺は謝った。
あまりの予想外の自体に日本語さえ忘れかけた。
一瞬で水分が蒸発して、ぺたりと張り付ついた喉が痛かった。
段々と身体まで熱くなった。

男性
「は……はぁ……?」

もう笑うしかない、といった表情で苦笑いを漏らして、男性は去っていった。
低くした視界に、男性の踵だけ見えた。
真っ赤に火照る顔を隠すように下を向いたまま、俺はとりあえず近くにあったベンチに腰掛けた。


「…………最悪だ……」

頭を抱えると頭皮がじんわりと熱かった。
後姿だけはどう見てもヤリダ先生だったのに、おかしい。


「紛らわしいだろ……男なら黒髪にしろ……」

心の中で似た様な服装をしていた男性にお門違いの文句を並べた。
もはや口にさえ出てしまっていたが。
俯いて自分のつま先を見つめていると、不意に肩に何度か柔らかい感触を感じて顔を上げた。
そこにあった物を見て、俺の心臓はもうやめてくれと言いたくなるほどに激しく躍動した。
すらりと伸びた手足と、揺れる黒髪。

アマネ
「よかったぁ……。やっぱりそうでした。奇遇ですね、こんな所で」


「あ………アマネ……」
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:37:24.82 ID:p.49BV2o
結局アマネだよ
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 23:39:00.44 ID:DB1xa6SO
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!









キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:41:18.32 ID:d4/rWIco
                       ,. -‐==、、
             ,. ===、、 o   ○o.  i       :::ト、
           _,/      `ヾ´´`ヽ、 ゚ .l       :::ト、\
           //      .::::/  :::::!===l      :::|ス. ',
             /./       .::::/   ::::l    |  __ ..... _::::|} ヽ l-、
.           ,ィク ,'..__    .::::/    ::::l    :l '´    `)'`ヽ ヾ;\
       /::{゙ ヽ、 ``丶、;/‐‐- 、::::l     `'::┬‐--<_   } ./;:::::\
     /::::::::!   ,>---‐'゙ー- ...__)イ ,. -‐‐-、ト、   |l::ヽ /;';';';';::::\
.     /|::::::;';';'\/} (ヽ、  _/|   (´    _,.ィ!::ヽ.  ヾー'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
   / ,ノ:::;';';';';';';';';'/  /ヽ、二ニ-イ   ヾT ¨´ ,/;';';::`、. \';';';';';';';';';';〈::...
. /  i::;';';';';';';';';';'/ ,イ.:::::::::::::::::: !    ヽ`ー‐'";';';';';';';ヽ   \';';';';';';';';';!:::::
660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:43:50.78 ID:tmvCx6DO
これはwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:45:14.52 ID:sHCq5Pco
うわぁ〜つまんねぇ
662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:50:48.23 ID:Hq4Q5sDO
>>658
アマネなんていなかったんじゃなかったのかwwww
663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:52:21.78 ID:q3e5G6DO
なんだろうこのがっかり感
664 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:53:27.78 ID:tmvCx6DO
サナミはまだ電話かかってくるからなんとかなるはず……!
665 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/03/31(水) 23:54:26.13 ID:qO/3DxEo
なんかすいません……
安価で出た方とは逆に行こうとだけ決めてたんでこっちに行くとは……すいません
666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:56:19.18 ID:1YthCYAO
THE・主人公補正


俺のスナイプはアマネと男を繋げる橋でしかなかったのか
ヤリダと男を繋げる橋にはならずに
667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/03/31(水) 23:56:25.50 ID:DB1xa6SO
いや俺は大歓喜

まぁ今からでも遅くないからヤリダをだな
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:56:31.80 ID:jqeyHs.o
>>658
よかったなwwwwwwww
サナミ派の俺としては納得いかないけど
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/03/31(水) 23:58:58.20 ID:swFPOwDO
安価は実行?したしいいんじゃないか?

とりあえずトミーを俺の嫁にくれれば話ははやいんだが
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:06:46.56 ID:IIDCooAO
まあ続きを欲してる俺からすれば>>1には周りに何を言われようと続きをバンバン書いて欲しい
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:18:27.78 ID:pvyOMkDO
どっち選んでてもアマネになってたのか
よくやった>>1
672 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 00:19:05.56 ID:qISeMzYo
さきほどの可哀想な男性の、引きつった顔が焼きついている分、
アマネのふんわりとした笑顔が余計に際立っていた。
本当にあの日以来、彼女は人が変わったように見える。
俺の見方が変わったから、という事なのかもしれない。

アマネ
「お買い物ですか?」

膝に肘をついたままの俺を覗き込んだ。
片腕に提げた籠が揺れた。


「あ……あぁ…うん、そう。アマネは?」

アマネ
「私も夕飯の食材を買いに来たんです。家が近くですから」


「へー…この近所なんだ」

アマネ
「はい……あの……熱でもあるんですか?顔が赤いですけど……」


「これは、その……ちょっと熱くてさ、ははは……」

短いスパンで起きたハプニングで俺の顔の熱はまだ冷めていなかった。
それを彼女に指摘された事で、その時間はまた延長される事になった。
熱いぞという顔をして上着を脱いで、横に止めたカートに放り投げた。

――――――

アマネ
「男の方が夕飯の買い物に来るって、珍しいですね?」

どう食べるのかよくわからない野菜を眺めたまま、アマネが言った。


「んー、そうなのかな。うちは大体買い物は俺の仕事だけど」

水滴が幾つか落ちた。
俺は白ネギを一つ選んで、籠に入れた。

アマネ
「ふふ……家庭的なんですね。さすが料理部です」


「あはは…幽霊部員だけどな」
673 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:20:34.27 ID:mTrcAsDO
>>671
逆になるっつってんだからアマネ選べばヤリダに会えたんじゃね?
サナミ派の正解はスルーだったわけか
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 00:21:21.72 ID:19sOsQSO
俺エイプリルフールだけど実はアマネ大嫌いだよ
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:25:11.50 ID:5t9K20c0
>>673
そんなの嘘に決まってんだろwwwwwwwwwwww
676 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:27:51.22 ID:YhNaSnso
なにやってもアマネと会うことになってただろうけどもういいじゃないか
過ぎたことだ
677 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage祝エイプリルフール]:2010/04/01(木) 00:29:21.61 ID:qISeMzYo
更新の最中、突然で申し訳ないんですけど……

今まで読んでくださって本当にありがとうございました。
ここまで続けられたのは皆さんのおかげだと本当に心から感謝しています。
ですが最近毎日この話の事ばかりを考えすぎて、精神的な披露が溜まりすぎました……。
これ以上続ける自信がありません。
本当に勝手でごめんなさい。
もう一度言います。
今まで読んでくださって本当にありがとうございました……。
また何処かでお会いしましょう。
678 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:31:49.27 ID:pvyOMkDO
そういうのいいから速く書いてくれ
679 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 00:32:52.66 ID:vaasy0w0
一瞬ビクったからやめれ
680 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 00:33:09.06 ID:NeR6Uico
>>678
冷たすぎワロタwwwwww
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 00:33:23.28 ID:19sOsQSO
終了ですか(涙)僕ここの主が大好きだったんで非常に残念です(涙)
682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:34:53.70 ID:lIMy0gco
どんな縦読みかとおもったぞ
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:36:14.04 ID:SyyvCj6o
もう4月1日か
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:36:51.70 ID:Ivg5iEAO
>>674
あなたがエイプリルフールか
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:38:42.31 ID:erNZJrE0
>>677
え?なにいってんのお前
いまさらやめるとかどういう訳だよ
ブギャーとか笑う気にもなれんわ
理論的に考えても疲労がたまってたなら休めばいい話じゃん。SSの
ルール守れとか馬鹿なこというつもりないけどさ、今まで安価とか
ふってきたんだからそれなりに落とし前とかそうゆ
ーのつけて欲しいんだけど
ルンバ
686 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:39:03.87 ID:iHVOfr.o
嘘だろ……と思ったら嘘だったでござる
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:40:11.68 ID:FAwarW6o
つまらない縦読みはやめてください
688 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:40:35.93 ID:XvdzR3g0
もう読まないから
書くのやめちゃえよw
689 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 00:41:10.91 ID:19sOsQSO
>>684
いいえ、アマネの婿です
690 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/01(木) 00:43:11.42 ID:qISeMzYo
俺が押すカートに二人の籠を載せて歩いた。
さっきまでは疎ましかった主婦の群れも、今では視界に入ってこない。


「あれ……?そーいえば……」

俺はある事に気がついた。
気がついたというよりは、何かに気がついていない事に、気がついた。

アマネ
「はい?どうしたんですか?」

俺の声に振り向いたアマネが首をかしげた。
学校ではもちろん頻繁に顔を見ていた彼女なのだが、今日は何かが違う。
一瞬制服と間違えるような落ち着いた洋服のせいで、雰囲気が変わっているのはもちろんなのだが……。


「……あ!眼鏡!」

アマネ
「え…?あっ……!」

また違う野菜を持ったまま、肩をすくめて固まった。
今日のアマネは細い眼鏡をかけていたのだった。
その余りの違和感のなさに、全くが気がつかなかった。

アマネ
「ふ、普段はコンタクトなんです……今日は…お休みだったので……」

手にとった緑色の球体を弄りながら恥ずかしそうに横を向く。
普段から淑やかな容姿が、眼鏡を足すだけで更に知的に見える。
昨今の眼鏡ブームの意味がようやく判った気がした。


「全然気付かなかった……いいじゃん、たまには」

アマネ
「そ、そうですか?へ、変じゃありません……?」

もし彼女程の違和感の無さを変だと言えば、誰も似合う人など居ない事になる。


「うん、そんなに眼鏡が似合う人初めて見た」

アマネ
「……なんだかそれ、褒め言葉に聞こえません……」


「そ、そうか……ごめん」
691 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:47:05.86 ID:lIMy0gco
早く画像を!!!!!!!!!!!111画像をおおおおおおおお!!!!!!!!!
692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:50:53.05 ID:Ivg5iEAO
>>689
よく見たらIDなかなかすごいな
693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 00:51:43.13 ID:mTrcAsDO
>>1の遊びくらい許してやれよwwwwww
しかしこの男ほんとに天然タラシだな
694 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 01:13:05.89 ID:qISeMzYo
アマネ
「ふふ…でもありがとうございます。視力は良い方ですか?」


「うん、良いよ。そうだな…あそこの一番奥の漢字も読める」

俺達の立っている所から、かなり離れた位置の鮮魚コーナーに、
幾つかの漢字のパネルがレイアウトされていた。


「あれはー……ハモ」

アマネ
「……鯏(アサリ)、ですね」

間違えた。
猛烈に恥ずかしいが挽回しようと更に読み続けた。


「ちょっと眼が霞んだかな?えーと…あれは……エイ」

アマネ
「鰆(サワラ)です。エイなんて難しくて殆ど漢字では書きませんよ?」


「……次は判る。サケ」

アマネ
「正解です。鮭は魚偏に生という漢字でもサケと読みますね。どうしてでしょうね?」


「……負けました」

申し訳なさそうに微笑むアマネ。
その隣で俺は眼鏡を買おうと心に誓った。

――――――

その後も、色々と他愛無い話をしながら買い物を続けた。
学校以外の場所で会うのが初めてだったせいか、最初こそギクシャクはしたが、
幾らもしないうちに普通に話せるようになっていた。


「えーと……ウェイパー?ってなんだ」

順調にリストを潰したメモの一番最後、俺は見たことの無い名前があった。

アマネ
「あぁ、味覇ですね。中華の調味料ですよ?確かあっちにあったと思います」
695 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 01:34:09.50 ID:GfARtsDO
物語が進むたびに男が楽しげなキャラになっていく

いや、始めからだったか
696 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 01:50:58.22 ID:qISeMzYo
慣れた足取りですいすいと人の間を歩くアマネについて行くと、
調味料のコーナーにたどり着いた。

アマネ
「これです。便利ですよねーこれ」


「あぁ……これかぁ」

名前を聞いてもピンとこなかったが、並んだ赤い缶には見覚えがあった


「さすが部長……偉いもんだな」

メモを消化するのに幾つか手伝ってもらったが、
何を言ってもそれが何で何処にあるかを的確に言い当てる彼女に素直に関心した。

アマネ
「ふふふ…これぐらい普通ですよ?お料理は貴方が?」


「いや、殆ど母親だよ。俺はあんまり」

挑戦しようかと思った事もあるにはあった。
しかし俺がどれだけ頑張った所で母に敵うはずもなく、
諦めるに至るまでも相当に早かった。


「アマネは家でも料理するの?」

アマネ
「はい。父と母は二人とも仕事で家に居ない事が多いので……」


「そうなんだ……」

少し寂しそうな彼女の顔を見て、一人食卓で食事をとる彼女を思い浮かべた。
俺も何度も経験しているが、あまり楽しいものではない。


「一人分だけ作るってのも、結構大変だな?」

料理というのは案外少量だけ作るというのが難しい。話をずらすために俺は勤めて明るく言った。

アマネ
「いえ、妹が居ますし…、よく食べてくれますから気持ちが良いですよ」


「え……、いも…妹?」
697 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 01:51:43.11 ID:Q5nnqgDO
かつてこれ程までのリア充がいただろうか
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 01:52:20.87 ID:19sOsQSO
妹…だと…
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 01:54:42.70 ID:c0ZpKwDO
美人姉に優しい妹…楽園だな…ジュルリ
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 01:55:21.68 ID:mTrcAsDO
おいこれは…………

おい
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 01:56:20.99 ID:1QkisHo0
パイロットスーツ来て行く人だもの男
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 02:04:27.05 ID:wcpM9MUo
ここにきて妹が来た!
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 02:40:11.09 ID:IsL/RpMo
いもうと(゚д゚)
704 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 03:18:25.68 ID:qISeMzYo
手から滑り落ちた赤い缶が籠の中に落ちた。
重い音がした。

アマネ
「えぇ、妹ですけど……言ってませんでしたか?」


「いやぁ……聞いてなかったと思う……けど……」

別段妹が居ても全くおかしくはないはずなのだが、
俺の中でアマネは完全に一人っ子のイメージだった。
それが実は姉だったとは。

アマネ
「ほんとに私の事、何も知らないんですね……ちょっと悲しいです」

途端、また悲しげな顔になった。
しかし、言われた通り本当に俺は彼女の事を何も知らない。
二年近くも同じ部活に居て、眼が悪い事さえ知らなかったのだ。


「ごめん……これから、これからもっと知っていく予定だから」

俺の言葉を聞いてすぐ、彼女は驚いた顔をした。
何も考えずに言ってしまったが、これではまるで告白のようだ。

アマネ
「え……?ふふ……。じゃあもっと色々聞いて下さいね」

微笑みを返す彼女の視線が恥ずかしくなって眼を反らした。

――――――


「そういえば、さっき言ってた妹さんってうちの高校に?」

一通りの買い物を終えてレジに向かいながら、俺は聞いてみた。

アマネ
「いえ、妹は今中学生なんです。姉の私が言うのもなんですけど、とっても可愛いんですよ」

俺は頭の中で小さなアマネを想像した。
まだ見た事はないが、確かに彼女の妹が可愛くないとは全く想像が出来ない。

アマネ
「……んー…なんだか二人でお買い物に来たみたいですね」


「えっ…!?そ……そーだな……はは…」
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 03:56:15.45 ID:pboeyMSO
いもうとは俺が頂くZE☆
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 03:58:17.51 ID:e2dvVkAO
アマネかわいすぎだろ
ってかやっぱ姉だったんだ
707 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/01(木) 04:22:33.97 ID:qISeMzYo
休憩。果たして妹が登場する機会はあるんでしょうか……
設定メモの中だけで終わるかと思ったら存在だけでも示せてよかったです
708 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 04:30:26.89 ID:oV7gEOs0
サナミ>>>トミー>>>アマネ
709 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 04:42:11.93 ID:MTl.0e20
アマネ>>>>サナミ>>>>ト?なんだっけ
710 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 04:52:28.53 ID:.MsLiHgo
トミー・ベルセッティだろ
711 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 07:31:48.97 ID:qISeMzYo
真顔でそんな事を言われて、俺は思わずカートを棚にぶつけそうになった。
そう言われてみれば、一つのカートに二人であれこれ言いながら物を入れて、
こうして一緒に歩いていると、なんだかよくわからない浮翌揚感を感じる。

アマネ
「一人で買い物しているのは退屈なので、嬉しかったです」

艶めく髪を揺らして、彼女は言った。


「俺も楽しかったよ。眼鏡も見れたし」

アマネ
「…ーっ!とっ…取ります…!」

そう言うと少し怒ったような表情で、眼鏡に手をかけた。


「ごめんごめん!褒めてるんだってば」

彼女がこんなにも普通の女の子だとは、全く思っていなかった。
変わった子だと簡単に片付けていた数年間の自分を情けなく思う。
皆それぞれ色んな部分があって、それは一目では判らない。
そんなやり取りをしながらレジに並んでいると、すぐに俺達の番が回ってきた。
随分と長い列だったはずだが、感覚的にはほんの数分しか経っていなかった。

アマネ
「あ…、ありがとうございます…」

俺は最初に彼女の分の籠をカウンターに乗せた。
重さはそれほどでもなかったが、籠一杯に食材が積まれている。

店員
「いらっしゃいませー。そちらの籠とお会計は別々でしょうか?」


「はい、そうです」

店員
「かしこまりましたー!」

手際よく商品が隣の籠へ移されていった。
一定の間隔で電子音が響いた。


「結構……買ったね」

アマネ
「いつもこれぐらいですよ?妹が本当によく食べますから……」
712 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 07:36:28.95 ID:qISeMzYo

「ふーん……」

もしかすると、この姉からは想像もつかないほど体格のいい妹なのかもしれない。
気になった俺はやんわりと聞いた。


「妹さんって、背とかおっきいの?」

アマネ
「いえ、それがすごく小さいんですよ。いつも悩んでいるみたいですけど…。私は可愛いからいいと思うんですけどね」

やっぱり、俺の想像の様な事はなかった。
何故か少しほっとした。


「へー…まぁまだまだこれから伸びると思うよ。よく食べるんなら」

アマネ
「だといいんですけど…」

呟く横顔は姉というよりは母親が子供を心配する顔にも見えた。
アマネは自分の分の会計を丁度の金額で支払うと、少し重そうに籠を抱えた。

アマネ
「よいしょっ……と。先に詰めてますね」


「うん、あー…籠持とうか?」

アマネ
「ふふ……このくらいなら平気です」

微笑むと細い腕で籠を持ち上げて、袋詰めする主婦達の間に入っていった。
スイーツ暴走を起こした時のパワーを思えば、確かにあれくらいは軽いのかもしれない。
俺の会計が終わって籠を運ぶ頃にはもうすっかり綺麗に詰め終えていた。


「……手際いーなぁ」

あれほどの量が手提げ一つと半分ほどに綺麗に収まっていた。

アマネ
「ただの慣れですよ。一緒にやりますね」

当然、といったように俺の荷物までてきぱきと袋詰めしていくアマネ。
隣で同じ事をしている主婦よりもずっと手際が良い。
このまま見ていたら全部彼女に任せてしまう事になりかねない。
俺は慌てて袋を手にした。
713 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 08:10:00.13 ID:qISeMzYo

「今日の晩御飯は何なの?」

顔は見ないままで話す。
かさかさという音でいっぱいの中、少し声は大きく。

アマネ
「今晩は妹のリクエストに応えて天津飯とオムライスです」


「天津飯とオムライス!?す……すごい組み合わせだな…」

どちらも片方だけで立派に食事の成り立つメニューだが、
それをセットで食べるなんて聞いたことすらない。
一体どんな妹なんだろうか……。

アマネ
「ふふ…うちでは定番ですよ。妹だけにですけど。卵が大好きで……」


「ははは……変わった子だね……」

食べ物に関して少し変わった所がある所は、流石姉妹と言ったところだろうか。

アマネ
「貴方は?」


「あぁ……俺?俺はー……」

現実感の伴っていなかった頭に、突然リアルが落ちてきた。
今日は夕飯を一緒に食べないかとサナミを誘っていた。


「一人でこれになるかも」

にも関わらず、手に取った大きなカップラーメンをアマネにちらつかせた。
まだ連絡も来ていないし、確定したわけではない。
それに、サナミと夕食を食べる事を後ろめたく思う必要は何もないというのに、
そんな約束をしていた事を俺は言わなかった。

アマネ
「カップ麺ですか?あまり身体によくないですよ?」

貴女のスイーツはどうでしょうかと聞きたくなったが、それは飲み込んだ。
こんな所で暴走されたらたまったものではない。


「んー…今日は母親がちょっと出かけてて……。自分で作るのも面倒だしさ」
714 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 08:10:36.18 ID:YCBmwgDO
やばいアマネかわいい
715 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 08:20:01.76 ID:qISeMzYo
アマネ
「そう…なんですか……」

申し訳ない事を聞いたように、アマネは少し目を細めた。


「まぁ、一人で食っても飯は飯だし……」

もしサナミに断られたら、俺はどうせ一人で飯を食う事になる。
そうなったら少し寂しいが、仕方ない。


「よし、終わり!別れるとこまでは持つよ」

アマネ
「あ……はい…ありがとうございます……」

全ての荷物を詰め終えて、俺達は主婦の溜まり場から脱出した。
入り口付近にあるベンチまで来た時、俺はさっきからアマネが全く話さない事に気がついた。

アマネ
「…………………」

振り返ると、押し黙って何かを考えている様子。
細いフレームの眼鏡を一度指先で上げた。
彼女の後ろを小さな子供が滑るように動いた。


「………アマネ?」

呼び掛けにも反応しない。スーパーの喧騒に声が流れてしまったのだろうか。
俺は彼女を見たままベンチに荷物を置いて、もう一度声を掛けようとした。


「……ア」

アマネ
「あのっ!!!!!!」

俺が口を開いたのとほぼ同時に、彼女は顔を上げた。
眼鏡の奥の瞳が、こちらをぐっと見据えていた。
彼女の突然の大きな声に、周囲の何人かの主婦もこちらを見た。


「は……はい……」

少し暴走時にも似た迫力に、俺はたじろいでしまう。

716 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 08:55:13.87 ID:Q5nnqgDO
おいいいいい!!
サナミはああああああ!!!?
717 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 09:00:10.58 ID:qISeMzYo
アマネ
「……なら………う……うちに……」

しかし顔を上げた瞬間の迫力は、声を出すに連れてどんどん弱々しくなっていった。


「う、うち?」

アマネ
「……うちに…………来ませんか?」


「………はぇ?」

突然の声に俺は気の抜けた返事を返した。
うちに来いとは、一体どういう事なんだ。
アマネといえば、遂にはまた下を向いて、足先をくすぐったげに動かしている。

アマネ
「その……もしよろしかったらですけど……お一人なら……」


「う、うん………」

まだ事態がよく飲み込めないが、俺の空気に敏感な心臓だけは早くなった。

アマネ
「その……ひ、一人で召し上がるのは余り楽しくないですし……そ…その……」


「……」

詰まりながらも一生懸命に話すアマネ。
俺はハキハキと話す彼女しか見た事がなくて、言葉に困った。

アマネ
「ふ、二人分も三人分も一緒ですし……あの……えと……」


「そ…それって要するに……夕食に招待してくれてるの?」

アマネは黙ったままこくこくと何度も頭を振った。
髪が空中で静止しては、またはらりと落ちた。
彼女が言おうとしている事をやっと理解した俺は、足の先から頭の先まで何かが走った。
女の子に食事に誘われる事だけでも嬉しい上に緊張するのに、
ましてやそれが自宅に招かれるとなったら戸惑うに決まっている。


「い、いや……その……え?」
718 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 09:00:46.30 ID:qISeMzYo
アマネ
「い、嫌ならいいんですよ!ふっ、二人でもご飯は美味しくいただけますから…!た、卵だって…!」


「い、いや嫌とかそういうのじゃなくて!お、落ち着いて…!」

アマネ
「私はただ、料理の料理を貴女にその…!」


「わ、わかったから落ち着いて…!」

彼女も緊張したのだろうか、若干暴走モードのスイッチが入りかけている。
冷静に恐ろしいスイーツ暴走とは違って、目を白黒させて大慌てだ。
新しい暴走モードが発動してしまったのだろうか……。
通りすがりの何人かが興味深そうにこちらに視線を向けながら歩き去った。
俺はとにかく、彼女をベンチに座らせて落ち着かせる事にした。

アマネ
「わ、私……その……すいませんちょっと動転して……」

細い肩を掴んでベンチに座らせると、彼女は少し落ち着きを取り戻した。


「ははは……それは慣れてるから大丈夫」

アマネ
「……ごめんなさい」

こんなに殊勝な顔で謝られるのなら、まだスイーツ暴走の方が諦めがつく。
しょげた様な横顔に胸が痛くなった。


「えーと……でも……俺が行っても大丈夫なの?その……妹さんとか……家的にさ……」

サナミの家にはもちろん上がった事はある。
しかし彼女は幼馴染だ。
一般的な女の子と同じ立ち位置では考えられない。
やはり男が女の子の家にお邪魔するとなると、それは一応それなりの関係でなければならないはずだ。
そして何より、”両親の留守中”というのが非常に響きが不気味だ。

アマネ
「えーと……、妹は人見知りはしますけど…私が居れば大丈夫ですし……」


「……う、うん…」

アマネ
「両親に紹介出来ないのは残念ですけれど……」
719 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 09:01:12.60 ID:qISeMzYo

「りょ、両親に紹介って……」

アマネ
「え?だ、だって友人なら紹介するものでしょ……?何か悪い事が……」


「そういう訳じゃないんだけどさ…ははは……」

本当に不思議な事を聞かれたような表情。
そうだった。
俺は彼女が男性と全く親しくしていた事が無いと言っていたのを思い出した。
世間ズレした所は前からあったが、男女の付き合い方も彼女は彼女なりの価値観なのだ。

アマネ
「何かご都合が悪いのでしたら……構いませんけど……」


「都合が悪いというか……なんというか……」

見たことの無いほどしゅんとした顔で俺を見るアマネ。
彼女が犬なら今間違いなく耳は垂れ下がっているだろう。
時計を見れば七時前。
もうサナミからの連絡が来てもいい頃なのだが、
未だに携帯は着信を告げないまま静かにポケットに収まっていた。

アマネ
「やっぱり……突然ご迷惑でしたね。ほんと、何言ってるのかな…私ってば」

そう言うと彼女は自嘲気味に笑いを漏らした。
せっかく誘ってくれたのに、何の説明もせぬまま有耶無耶にしていいのだろうか。
板ばさみとも言えるこの状況に、俺は内心相当焦っていた。


「迷惑とかじゃないよ!全然……ほんとにそんなんじゃないから」

アマネ
「ふふ……気を遣わなくても大丈夫ですよ?」

しかし彼女の言葉を言葉通りに受け取れるはずがなかった。
戸惑う俺のポケットの中で、携帯が唐突に目覚めた。


「あ……、ちょ、ちょっと電話してくる!待ってて!」

アマネ
「は、はい……」

俺は隙間から冷たい空気を吹き出す自動ドアを抜けて、雑音の少ない外へと飛び出した。
720 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 09:01:59.82 ID:qISeMzYo
急いでポケットから携帯を取り出すと、案の定液晶にはサナミの名前が表示されていた。
俺は慌てて通話ボタンを押した。


「も、もしもし?」

サナミ
『うーっす。何してた?』

小さな携帯の向こうから聞こえるサナミの声。
耳に押し付けたステンレスは体温で少し温もりがあった。


「う、ういーっす。あーちょっとティッシュとか買いに来てた」

アマネと一緒に居る事は、言わない方が良いと思った。
本当に後ろめたい事など何も無いはずなのに。

サナミ
『あはは…偉いじゃん。でさ、晩御飯の事なんだけどー……』

サナミが今最も重要な話に触れた。
そうだ、これでサナミが食事に行こうと一言行ってくれれば、俺の戸惑いは全て片がつく。
アマネには悪いが、先約があったと言えば何とかなるだろう。


「おー、どうなった?」

サナミ
『んー……微妙』


「微妙!?ど、どゆこと?」

予想外の回答に俺は声が自然と大きくなった。

サナミ
『うるさっ!うるさいよばか!なんかねー、やっぱり食べて帰ろうかって話になったんだけどー…』


「う、うん……」

サナミ
『すーーーっごいおいしいイタリアンでさ!そこのピザがほんとにおいしくて……』


「いや違う違う、話が逸れてるって」
721 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 09:02:25.63 ID:qISeMzYo
サナミの言葉を聞き漏らさずに身体を強張らせていたというのに、力が抜けた。
彼女はよくこういう肩透かしをする癖がある。

サナミ
『あ、ごめんごめん…。お母さんはすっごく食べたがってるんだけど、あんたが可哀想かなーとも思ってね』

さらりと俺を気遣ってくれる言葉に焦りで跳ねていた心臓が、別の理由でまた跳ねた。

サナミ
『あんたの事話して帰ろうかなーとも思ったんだけど……どうしよっか?』


「どうしよっかって……俺に聞くの?」

サナミ
『そっちが誘ったんでしょ?あたしはどっちでもいいよ?あんたが決めて』

結局選択は俺に委ねられてしまった。
選べと言われても、サナミを呼び寄せたらおばさんがせっかくの外食を食べ損なう事になる。
普段からお世話になっている分、それはそれで申し訳ない。


「なんか悪い気がすんなー……」

サナミ
『あたしはほんとにどっちでもいいんだよ?一緒に食べていらないなら、あたしは美味しいイタリアンが食べられるし』


「う……」

サナミ
『まぁ、どーしても来て?って言うなら……」


「言うなら?」

サナミ
「あ……あんたと一緒に……、ご飯食べられるし……どっちに転んでも悪い事はない!』


「お前……要領いいなぁ…はははは」

俺はサナミが俺との夕食を良い方向に捉えてくれている事を嬉しく思った。
元気の良い声に思わず笑いがこぼれた。
声の調子からすると、彼女は本当にどちらでも幸せ、といった感じがした。
完璧に俺が選択をすることになってしまった。
サナミと食事をするか、アマネの誘いを受けるのか、それとも一人で帰って夕食を取るのか…。
また優柔不断で、自分勝手な事を悩んでいる自分を嫌いそうになる。
藍色に染まりかけた空を見上げて、俺は一つ白い息を吐き出した。
722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 09:03:15.66 ID:ZpJrB/Q0
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org778512.jpg
優等生でお嬢様なイメージが抜けきらないぃぃぃーー…
卵大好き妹かわいいよハァハァ、シフォンケーキとか卵たっぷりパンケーキとか茶碗蒸しとか甘い卵焼きとか
アマァァァイ
723 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/01(木) 09:04:48.24 ID:qISeMzYo
―――――――――――――――

※次回レスで安価だけ出します※
書き込み予定時間16:00
レスを考えながらお待ち下さい
そろそろ√とENDを考え始めないといけませんね…
明日も更新は少し夜更けからになるかもしれません

―――――――――――――――
724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 09:07:48.61 ID:GfARtsDO
落ち着け…これは罠だ…
725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 09:11:12.49 ID:ZpJrB/Q0
ラクガキしてる間に安価予告がきてる…だ…と…?
可愛い妹、可愛い妹が気になrサナミと、サナミと晩御飯ウヴォアー
どっちの皆もがんばって
726 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 09:24:58.22 ID:ecC33/so
>>722
クククッ…
727 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 10:07:34.88 ID:Sgt3HwDO
いやまて、むしろサナミ&サナミ母と一緒にピザを食べに行くという展開も…
でもアマネも男と絡ませてあげたいなー
728 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 10:16:39.86 ID:Q5nnqgDO
>>725
妹早くしろよ。
おい。
729 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 10:23:12.00 ID:19sOsQSO
今度こそスナイプを許さない
アマネとの夕食は俺が守る
730 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 10:35:16.97 ID:IIDCooAO
>>722
今まで考えていた俺のアマネは俺の好みではなかった
だがこのアマネはどうだ!?
俺を惚れさせるには十分な可愛さじゃないか
731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 10:49:06.14 ID:ZpJrB/Q0
>>728
出演すらしてないのに、そのムチャ振りは厳しすぎるぜ…
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org778593.jpg
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 10:50:34.68 ID:73QcIYAO
トモミはもはや空気か…
733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 10:51:49.35 ID:q0XZ96AO
(食べ)て いらない =〜してほしくない・〜しなくていい
って方言なんだよねー北海道だっけ
雪のように白いアマネたんハァハァ
734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 10:57:14.47 ID:lIMy0gco
>>731
そんなイケメンじゃねーだろヤリダはよおおお!!!
それよりアマネの横の妹とやらをかけよおおおおおおおお!!1
735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 11:25:32.30 ID:fTE41HUo
せっかくサナミのターンが来たと思ったら…
いやしかしアマネもなかなか捨てがたいぞ
しかも小さくてかわいい妹が…

ぬわー
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 12:36:48.44 ID:Pl9VdUDO
絶対サナミとる
737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 12:40:29.39 ID:pboeyMSO
ここは空気を読んで妹と二人で食事
738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 13:48:28.83 ID:ioi8lJQo
くそっ!!一人で食わせたほうがいいのか・・・
739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 14:56:40.97 ID:19sOsQSO
また今度に…なんかおごるからさ
740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:02:57.89 ID:19sOsQSO
安価マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
741 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:06:43.55 ID:pAlF72AO
まだかしら
742 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 16:08:05.95 ID:qISeMzYo
>>751
743 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:08:25.50 ID:19sOsQSO
>>739

744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:08:46.17 ID:19sOsQSO
>>739

745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:08:53.91 ID:19sOsQSO
>>739

746 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:09:00.47 ID:19sOsQSO
>>739

747 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:09:06.32 ID:19sOsQSO
>>739

748 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:09:21.31 ID:19sOsQSO
>>739

749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:09:26.28 ID:z6gojkAO
アマネと妹とご飯
750 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:09:27.43 ID:19sOsQSO
>>739

751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:09:28.61 ID:5t9K20co
サナミと食事をする
752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:09:30.20 ID:146M0wso
サナミとサナミ母と合流
三人でイタリアン
753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:09:37.47 ID:fTE41HUo
wwwwwwww
754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:10:00.27 ID:19sOsQSO
吊ってくる
755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:10:37.81 ID:lIMy0gco
samamiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii
756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:11:02.18 ID:0gakHoSO
>>751
めっっっっっちゃGJ
757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:11:39.17 ID:lIMy0gco
ミスった
758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:13:19.45 ID:vaasy0w0
>>751
よくやった
759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:23:29.04 ID:pAlF72AO
逆にサナミが可哀想
760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:24:12.74 ID:gYURa5A0
>>751
よくやった
761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:25:28.12 ID:ioi8lJQo
これはどうなんだ・・・
サナミ派として喜んでいいのか?
762 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:25:42.20 ID:146M0wso
>>759
なぜ?
763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:33:49.48 ID:GfARtsDO
サナミ派だけどサナミが親子水入らずで
美味いもん食べるのを邪魔した感じがしてなんか複雑
男と絡むのは嬉しいが
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:34:00.33 ID:lIMy0gco
俺がサナミを貰えば万事解決
765 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 16:41:23.61 ID:Sgt3HwDO
アマネ\(^O^)/
766 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:43:29.56 ID:mTrcAsDO
サナミの話し方がふつーーーなのがたまんねえな

妹登場機会終了wwwwwwwwwwww
超可哀想……
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:49:45.86 ID:wcpM9MUo
アマネとご飯食べてそのまま妹√フラグが折れた・・・orz
768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:54:12.94 ID:mTrcAsDO
ダウンロードコンテンツ姉妹
769 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 16:57:35.72 ID:73QcIYAO
もう中途半端にアマネ出すのも惨めだし、完全に消し去ればいいんじゃね?





とりあえずトミー出しておくれ
770 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 17:09:52.32 ID:19sOsQSO
せめて妹だけでも出してくれ
771 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 17:54:02.02 ID:e2dvVkAO
まあ落ち着け
今日はエイプリルフールじゃないか
772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 18:09:03.09 ID:rMR0wMDO
サナミにもトミーにもちゃんと一日ずつ与えたのにアマネはヤリダとの選択だった上に半日すら与えられない……しかも妹は存在のみ

>>1はアマネが嫌いなのか……
773 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/01(木) 18:13:21.76 ID:qISeMzYo
これから更新します。
アマネ姉妹はもっと登場させる予定だったんですが安価次第な所があったので登場が大分出遅れて……。
頑張ります
774 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 18:28:56.60 ID:19sOsQSO
いいよもうアマネいなくても
775 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 18:35:41.75 ID:qISeMzYo
サナミ
『で、どうする?』

散々悩んで、俺は先約を優先することにした。
細く吐いた吐息が夜に混じった。


「じゃあ……おばさんには悪いけど、一緒に何か食おうぜ」

サナミ
『……あーあ…イタリアン食べたかったのになー……』


「え、ええっ?」

どちらでも良いと言っていたのに、余りにも残念そうな声を出すサナミに驚いた。

サナミ
『あはははは!うーそ!食べたかったのはほんとだけど、別いいよ。その代わり、また連れてってね?』


「ははは……わかったよ。連れて行きます」

さりげなくデートの約束まで取り付けてしまった。
ここ数日で、本当に何年分も一気に近づいたように感じる。
幼馴染というグラスに亀裂は入ったのかもしれない。
それでも俺は、また新しい何かを得ようとしているのかもしれない。

サナミ
『お母さんに話して帰るけど、まだ一時間ちょっとはかかるかな。大丈夫?』


「おう、まだ死にはしない」

サナミ
『あはは!じゃあまた連絡するねー』


「おう、また後で」

携帯を離すと、耳がじいんと痺れた。
暫く眩しい画面を眺め、どくりどくりと動く心臓の音を聞いていた。


「さて……」

人を吐き出してはまた飲み込む自動ドアに踵を返して、俺は店内に戻った。
ベンチでは少し退屈そうに、アマネが指先を眺めていた。
776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 18:57:55.02 ID:wcpM9MUo
男軽く死亡フラグ立てたな
777 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 19:17:08.48 ID:0JdlT6SO
>>772
安価進行なんだからしかたないだろ
むしろヤリダ似の男に声かけたのにアマネと急接近させてくれた>>1に感謝しろよwwwwwwww
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 19:25:43.79 ID:R6kskXA0
アマネ……
779 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 19:29:15.41 ID:qISeMzYo
これから彼女の誘いを断るのかと思うと、少し胸が痛い。


「……ごめんごめん、待たせた」

近づく俺の姿に気がついて、アマネは顔を上げた。

アマネ
「いえ、私も妹に電話をしていたので大丈夫ですよ」


「妹さんと?」

立ち上がって何度か周りを見回してから、俺の方に向き直った。

アマネ
「はい。何かあるとすぐ電話してくるんです、あの子…。あの…、それで…夕食は……」

俯き加減のアマネは、随分と小さくなっている。
こんな顔をされたら断るのが余計に心苦しい。


「その事なんだけど……そういえば先約があったの忘れててさ……」

あえてサナミの名前を出す必要もないだろう。
俺は彼女への気遣いを言い訳に大事な部分をぼかした。

アマネ
「そう……ですか……。やっぱり、ご迷惑でしたね…」


「違う違う!ほんとにそういうんじゃなくて……」

アマネ
「……………」

流れた髪に隠れて表情は見えないが、手を重ねるようにして、
自分の手をきゅっと握っている姿は、とても寂しげに見えた。


「あの……ええと……」

今まで見た事のないほどか弱いアマネの姿に、言葉が出ない。
そう数は多くないものの、通り過ぎる人が皆こちらを見ていた。
傍から見ればこれでは俺が一方的に悪い痴話喧嘩のようにも見えなくは無いだろう。
俯いたまましょげているアマネの前で、手持ちぶさたに頭に手をやると、突然彼女の後ろで幼い声が響いた。

???
「姉さま!!!!!!」
780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 19:35:20.20 ID:wcpM9MUo
妹キタ―――――(゚∀゚)―――――!!
781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 19:39:45.79 ID:19sOsQSO
うおおおおおおお













うおおおおおおお
782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 19:51:29.43 ID:0uAG0EDO
こっちでやってたのか
読み直してくる

頑張ってくれ
トミー大好きだ
783 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 19:53:49.50 ID:qISeMzYo
声の主の姿は見えない。
すると驚いて顔を上げたアマネの背後から、細い腕が彼女の腹部に巻き付いた。
フリルがついた袖だけが見える。

アマネ
「きゃっ!!」

???
「姉さまぁ!!」

アマネ
「ちょ、ちょっと!く、くすぐったい!」

???
「もー!姉さまが遅いから来ちゃったんだから!」

彼女の後ろからひょっこりと現れたのは、アマネと良く似た雰囲気の少女だった。
揺れる艶やかな髪と、綺麗な目がとても印象的だ。


「え、えっと……もしかして……」

俺の存在に気がついたのか、一度目をぱちくりとこちらに向けると、
アマネの後ろにさっと隠れてしまった。

アマネ
「あ、はい……妹の…ほら、挨拶して?」

手を後ろに回してアマネが促すと、そろりと顔を覗かせた。

???
「…………”あやめ”…だから」


「はは……ど、どうも……あやめ…ちゃん」

あやめと名乗った少女は、やはりアマネの妹だった。
人見知りすると言っていた通り、姉の服を握ったまま後ろから出てこない。

あやめ
「…………」


「お、俺……怖がられてる…?」

初対面にも関わらず、何故か俺は恨めしそうな眼でずっと睨まれていた。

アマネ
「すいません……この子とても…人見知りが激しくて……」
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 19:55:33.52 ID:19sOsQSO
なんだかんだで妹出してくれる>>1最高
785 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 19:57:48.42 ID:mTrcAsDO
これはwwwwwwwwwwww

まぁ設定だけで出番無しはあまりにも可哀想だしなぁ
しかしこの妹は……やばそうだないろいろな意味で
786 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 19:57:54.36 ID:OYTMisDO
妹……
まだ間に合う……よな?
787 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 20:02:14.27 ID:pMhs4QDO
>>786
安価次第じゃね?
788 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/01(木) 20:20:16.27 ID:qISeMzYo
困った顔で笑うアマネは、子を持つ母の微笑みにも似ていた。
さっきまでのしょんぼりとした顔から、今度はしっかりと姉の顔になっていた。


「………」

突然の妹登場に俺はどうしていいかわからず黙ってしまった。
姉に隠れる少女はその間も瞬きさえ忘れるほどこちらを凝視している。

アマネ
「さっきの電話で、こっちに来ると言っていたんですけどこんなに早いとは……はい?」

掴んだ姉の服をくいくいと引っ張る妹。

アマネ
「どうしたの?」

あやめ
「………だれ、あれ」

姉の顔を見上げて聞いた妹に、俺は指を指された。

アマネ
「こら!もう…いい加減に離れなさい。この人は……」

そこまで言うと、アマネは俺をどう紹介していいか判らないといった顔でこちらを向いた。
姉に背中を押されて、妹の半身ほどが見えた。
彼女言っていた通り、確かにかなり小さい。
トミーと同じくらいか、それよりも小さいぐらいだった。
白と黒に、紫のワンポイントが入った洋服は、ゴシック調の西洋人形を思わせた。
幼い顔は、中学生には全く見えない。


「ええと、俺はアマネの同級生で―――」

俺は彼女から紹介を引き継いで、名を名乗った。

あやめ
「……間違えた」


「え?」

あやめ
「姉さまの名前間違えた。怪しい」

そうだ、そういえば彼女の名前はアマネではなかった。
あだ名があまりにも定着しすぎて本名も忘れかかっていたが、彼女の名前は茜だった。
目つきこそ鋭く俺を見ているが、自然に姉の手を握る姿が微笑ましかった。
789 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 20:51:02.16 ID:fTE41HUo
これで中学生か…

いいな
790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 20:53:30.30 ID:0uAG0EDO
トミーの安価の跡見てたら涙出そうだった

安価下
791 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 20:59:09.46 ID:wcpM9MUo
甘えはいいから妹攻略だな
792 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/01(木) 21:59:54.52 ID:tXFMjloo
ええぃ、安価はまだかっ!
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/01(木) 22:10:10.64 ID:pMhs4QDO
>>792
そう焦るなって
794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 00:07:54.45 ID:7VAJxQ.0
アマネって茜って言う名前だったのか……個人的に茜はツボだ
795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 00:09:49.61 ID:mcv3UVEo
なに?九条天音?
796 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 00:12:14.09 ID:Ps5cSzoo

「あ、あぁ…ごめんごめん、アマネはお姉ちゃんのあだ名だよ?」

アマネ
「ふふ…そういえば私もずっとそう呼ばれていたので、すっかり馴染んでました」

姉の手を握って安心したのか、あやめちゃんの顔は少し和らいでいた。
二人並んでいる姿は、絵に描いた様な”美人姉妹”だ。
俺はきゅっと握った手を、少し羨ましく思った。

あやめ
「姉さまぁ。あやめ、お腹すいた」

アマネ
「そうね、ごめんね遅くなって。じゃあ帰りましょうか?」

あやめ
「うんっ!姉さまと帰る!」

嬉しそうに頷く顔は本当に幸せそうだった。
仲睦まじい兄弟の姿に、こっちまで暖かくなる。
先ほどまでの湿った空気を、小さな少女が吹き飛ばしてくれた事に感謝した。


「あやめちゃんは、お姉ちゃんの事大好きなんだね」

腰を落として彼女の眼を見た。
大きな瞳は少女らしい丸みと潤いで輝いている。

あやめ
「……あやめは姉さまと卵があったらいいんだから」


「そ、そっか、卵ね……」

アマネ
「もう……大袈裟で困ります。卵ばっかり食べちゃ駄目よ?」

やはり俺と話す時は不審者を見る目に変わるのが気にかかるが、
姉に頭を撫でられて、彼女は嬉しそうに笑った。


「じゃあ、まだ時間あるから、途中まで一緒に行くよ」

アマネ
「ほんとですか?じゃあ……」

あやめ
「んー……!」
797 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 01:30:26.85 ID:Ps5cSzoo
あやめちゃんは小さな声を漏らして、姉を見上げ、手を引いて首を振っていた。
よほど俺が居るのが嫌なのか、うっすらと瞳が潤んでいるようにも見えた。


「あはは……俺早速嫌われちゃったかな……」

アマネ
「い、いえ!人見知りが激しいだけですから……妹の事は気にしないで下さい」

気にするなと言われても、あやめちゃんの顔を見ていたら気になってしまう。

アマネ
「あやめ?私の………大切なお友達だから…、ね?そんな顔しないで?」

そう言うと膝を折り、妹と同じ目線になると優しく頬に触れた。
友達という響きが、敏感になっていた俺の胸に少し染みた。

あやめ
「……うぅ……はい……姉さま」

小さく頷いたあやめちゃんと、優しい姉の顔をしたアマネに、俺はまた彼女の違う一面を見た気がした。
その光景を眺めていると、姉の手を握ったままあやめちゃんがこちらを見た。
やっぱりまだ俺を見る目は変わっていない。

あやめ
「……仕方ないんだから」


「ははは……」

アマネ
「もう…っ!……じゃあ行きましょうか。ほんとにお時間は大丈夫なんですか?」


「うん、大丈夫。こっから家、近いんだよね?」

アマネ
「はい。歩いて十分ほどです」

そんな事を話しながらベンチに置いた荷物を持った。
いつも思うが、ティッシュの箱というのはどうにも持ちにくい。

あやめ
「姉さま!あやめが荷物もってあげるから!」

アマネ
「大丈夫?じゃあ……こっちの小さい方をお願いね」

小さい袋を妹に渡すアマネは、こっそりその袋から幾つかの食材を自分の袋に詰めなおしていた。
798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 01:50:27.99 ID:6iP5nYDO
俺厨房だけどこんな子いたら惚れるわ
799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 01:55:05.47 ID:mml0Yhwo
殺めちゃん・・・
例え安価とってもこの性格じゃフラグ立てた頃にはバレンタイン終わってるんだろうな・・・
800 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 01:58:20.95 ID:Riz7yUDO
殺めちゃんwwwwwwwwwwww中学生にフラグ立てていいのかね
茜にあやめだから赤色にひっかけたネーミングなんだな
いいセンスだ
801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 02:34:04.15 ID:ur5dSkSO
>>800
なるほど。そしてさらに「殺め」の赤色をかけたわけだ
深いな
802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 03:02:09.19 ID:jDmHUUAO
>>801
さらに>>722にあるように眼鏡は赤縁!!
素晴らしい
803 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 03:06:32.43 ID:Ps5cSzoo
――――――

店を出て少し歩くと、さっきまでの喧騒が懐かしいほど外は静かだった。
しゃりとすれるビニールの音と、大中小三つの足音。

アマネ
「あやね、寒くない?」

あやめ
「大丈夫、姉さまの手が暖かいから」

アマネを中心に並んで歩いていたが、
兄弟の醸し出す空気に俺は少し浮いているような気がしないではない。


「ほんと、仲良し兄弟だな」

アマネ
「えぇ、もうべったりで困ってます…」

そうは言いながらも、笑い顔は嬉しそうだ。

アマネ
「両親の留守が多いので、どうしても二人の時間が多くて…」

そんなに頻繁に家を空ける仕事とは一体なんだろうか。
俺は、差し支えなければ、という雰囲気を出しながら、
さっきから少し気になっている事を聞いてみた。


「へー……ご両親は……何を?」

すると先ほどからあまり話していなかったあやめちゃんが口を開いた。

あやめ
「お父様は空に居るんだから」


「え?そ、空?」

彼女の言葉に空を見上げると、弱々しく光る星が幾つか見えた。
もしかして、と思い俺の背中に寒いものが走っていった。
この質問はもしかしてタブーだったのかも知れない。

アマネ
「そうね、空にいるわね」

ゆっくりとアマネの顔を見ると、俺の予想には反してくすくすと笑っていた。
804 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 03:09:32.74 ID:8cbyEo.o
殺め姉が自分の名前間違えたことに突っ込めよ
805 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/02(金) 03:11:22.61 ID:Ps5cSzoo
すいません、ミスタイプです……しにたい
806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 03:33:00.24 ID:NPvUIi6o
>>805
誤字脱字をして謝る>>1を久々に見れて俺は嬉しいぞwwwwwwww
807 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 03:37:47.59 ID:Ps5cSzoo

「え…?どういう……」

アマネ
「うふふ……心配しなくても、両親は共に健在ですよ?」

アマネは俺の顔を見て笑った。
どうやらよほどわかりやすい顔をしていたらしかった。

アマネ
「父は国際線のパイロットなんです。ですからよく留守にしていて……」


「へぇー…なんか……すごいな」

パイロットなんて職業、テレビや映画で見るくらいで、実際身近な所に居る事などまずない。
一過性のものだったが、一瞬でもパイロットに憧れていた俺は少し興奮した。
しかし、その直後あの失敗を思い返して死にたくなるほど”思い出し照れ”をしてしまった。

アマネ
「か、顔が赤いですよ?大丈夫ですか?」


「い、いや大丈夫……気にしないで……」

苦笑いで誤魔化して、俺は何度も冷たい空気を肺に入れた。

あやめ
「お母様は……経営……こ…こ…ん…」

俺が聞く前に母の職業を言おうとしているのだが、思い出せないらしい。
やっぱり姉を挟むとよく話してくれる。

アマネ
「”コンサルタント”。いい加減に覚えなさいね」

あやめ
「うぅ……」

経営コンサルタントとは。
何だ。
聞いた事はあるがどんな仕事かピンと来ない。
しかし何かすごそうであるというのだけは判った。


「へー……なんていうか……すごい両親ですね」

アマネ
「いえ、うちに居れば普通の父と母です」
808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 04:38:31.77 ID:GUY7KIDO
激しくチラ裏
俺もSS書きためてるんだが、
>>1がうますぎてなんかへこむ。勝てないwwwwwwwwww



でもいいんだwwwwww
>>1にしか書けない文があるように、俺には俺にしか書けない文があるはずだから。

だから>>1もがんばれ
ここにいる奴らはお前の書く文の個性に惹かれてここにいるはずだから。
少なくとも俺はそうだ。

がんばれ>>1超がんばれ
809 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 05:16:45.00 ID:Ps5cSzoo

「あやめちゃんは寂しくない?」

俺は自分への不信感を払拭するために、
やっと少しずつ口数が増えてきたあやめちゃんに話しかけた。
アマネの影に隠れて顔は余り見えなかった。

あやめ
「……あやめは……姉さまが居るから」

妹の言葉にまたアマネが少し微笑んだ。

アマネ
「でも……」

ふっとアマネの髪が顔のすぐ近くまで近づいてきた。
冷えた甘い香りが鼻をくすぐった。

アマネ
「もっと小さい頃は、よく泣いていたんですよ」

小さな声で妹の秘密を俺に教えてくれた姉は、悪戯に笑った。

アマネ
「父がパイロットで良かった事ってなんだと思います?」

腕に提げた袋を一度持ち直して、彼女は言った。


「よかった事?んー……なんだろ。かっこいい!」

アマネ
「あっははは!それも…あります」

いつも静かにしか笑わない彼女が、珍しく声を上げて笑った。
それなのに淑やかさが失われないのは、生まれもっての気質だろう。

アマネ
「答えは、”お土産”です」


「お土産?あー…色んな国に行くからなぁ」

あやめ
「お父様はお土産選ぶのが下手」

アマネ
「ふふ……お父様に言ったら悲しむわよ?」
810 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 06:21:53.70 ID:Ps5cSzoo
微笑みながら彼女は握った手を何度か前後に振った。

アマネ
「でも本当に良かったのは、日本で手に入らない食材ですね」


「しょ、食材?」

アマネ
「はい!珍しい食材とか調味料を海外から送ってもらうんです。お菓子作りに必要ですから!」

少しずつ声の大きくなるアマネに、俺は少しだけ背筋に嫌な汗が出た。
彼女の創る独創的なスイーツには、そういう裏があったのか。

アマネ
「この間も、……の……と、……の……を送ってもらえた時は本当に助かりました!」

嬉々とした様子で弁を振るうのだが、俺には何一つ判らなかった。
時折うんうんと頷く妹の髪が揺れた。

アマネ
「あっ……、私また…すいません……」

暴走スイッチが入りかけたのに気がついたのか、申し訳なさそうに言った。


「だ、大丈夫大丈夫!聞いてて楽しいから」

アマネ
「……ほんとですか?」

疑うように俺を見るアマネに、俺は大袈裟なほど上下に首を振った。
少し前までは、彼女の暴走がただ恐ろしかったが、
今では”怖いものみたさ”というのだろうか、楽しくも思えてきた。

あやめ
「姉さま、またあれ作ってほしいです」

小さな袋をゆらりと揺らしながら、
あやめちゃんが姉の手を引いて言った。

アマネ
「ん?どれ?」

あやめ
「卵でふわふわしてて……痛苦いやつ」


「い、痛苦い!?」
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 07:26:12.66 ID:oeiu2oAO
サナミ派のはずがアマネにときめいてる俺がいる
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 07:45:42.35 ID:P4JQFUDO
>>803
今更ながらこれ兄弟ってより姉妹じゃないのか?
813 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/02(金) 07:46:54.31 ID:Ps5cSzoo
変換ミスです……ほんとにしにたい……
ひえぴたが足りない……
814 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 07:49:53.04 ID:Ps5cSzoo
甘酸っぱいや甘辛いは聞いた事があるが、痛苦いは無い。
というより、痛くて苦いならそれはもう食べ物として成立していないのではないのだろうか。

アマネ
「シフォンケーキの事?ふふ…あれが届いたら作ってあげるわ」

あやめ
「やったぁ…!あやめ、姉さまのお菓子大好きだから」


「……」

傍目から見ればかなり微笑ましい光景なのだが、この湧き出る違和感はなんなのだろうか。
手の中で細くなったビニールがかさりと滑った。


「それにしても……アマネみたいなお姉ちゃんっていいなぁ」

アマネ
「え、えぇっ!そっ……そんな事っ…!」


「あ、いや…ほんと、いいお姉ちゃんだなって思ってさ…」

アマネ
「ーっ…!!」

優しく手を握る姿を見て、俺はほぼ無意識で声を出していた。
一度こっちを見て、慌てて俯くアマネは口をつぐんでいる。
そんなに照れられると、こっちまで恥ずかしくなって俺は頭を掻いた。

あやめ
「姉さま……?」

彼女は俯く姉の顔を覗き込んだ後、視線を俺にスライドさせた。じっとりとした目で、俺を睨んでいる。
どうやら何か酷い事を言ったと思っているようだった。

あやめ
「……姉さまを苛めたら許さないんだから」

小さいながらも、姉に似た不思議な圧力があった。

アマネ
「あやめっ…!い、苛められた訳じゃないの。もう……」


「あはは……」

俺はたじろぎながらも、その姉妹愛を少し羨ましく思った。
815 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 08:44:11.46 ID:Ps5cSzoo
――――――

そんな調子で十分ほど歩いていると、段々と景色が変わってきた。
何故か自分が小さくなった様な気になるのは、立ち並ぶ家々の大きさのせいだと気付いた。


「なんか…この辺りでかい家多いな…」

住宅街に並ぶ家はどれもぱっと見ただけで大きいと判った。。
自分の住んでいる住宅街とは全く違う。
等間隔の街灯もシックな造りで、淡く浮かぶオレンジの光がとても趣がある。
全て考えられて造られたように、辺り一面を高級な雰囲気が包んでいた。

アマネ
「そう……ですか?そう言われてみれば大きい家は多いですね」


「多いっていうか…全部でかいな。この辺なの?」

あやめ
「…もーすぐ着きます」

姉の質問に妹が顔を覗かせて答えた。
ここに来るまでに、大分俺と話してくれるようになった。
未だにじっとりとした目は変わらないが。
彼女の言う通り、アマネの自宅にはすぐに到着した。

アマネ
「着きましたよ。ここが我が家です」


「………………」

でかい。
俺は何か言おうとしたが、口を開ける事しか出来なかった。
住宅街の角地に建っている分、他の家よりもかなり目立つ。
西洋風に纏められた外観は、下世話な言い方をすれば如何にも”お金持ち”という印象を受けた。
こんな家に住んでいるのかと思うと、よく判らない焦りに似た気持が込み上げてきた。

アマネ
「こんな所まで着いてきて頂いて、ありがとうございました」


「あっ、ああ……いや、全然……」

十段ほどの石階段の前で、姉妹は並んで俺の方を向いた。
奥には両開きの白い扉が見えている。
街灯のオレンジに照らされた姉妹は、驚くほどこの家とマッチしていて、
切り抜けば一枚の絵になりそうにも見えた。
816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 09:09:44.13 ID:Z3NLzMSO
今日の安価はスナイプさせないんだからね!
817 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 09:32:04.06 ID:Ps5cSzoo
アマネ
「帰り道を貴女と歩くなんて……不思議で楽しかったです。ね、あやめ?」

あやめ
「………」


「あはは……まだ慣れてもらえないか…」

姉に話を振られると、こそこそと後ろに隠れてしまった。
一つ一つの動きに姉への深い愛情が伺える。


「俺も、なんか”お姉さん”の顔が見れて楽しかったよ」

アマネ
「……なんだか恥ずかしいです……」


「はは……自慢のあやめちゃんにも会えたしね」

あやめ
「…ーっ!!うー……!」

俺の言葉に彼女は更に身体を隠した。
その姿は物陰に隠れてこちらを伺う小動物のようだ。


「あの……せっかく誘ってくれたのに、ごめんな」

アマネ
「いえ…、私も突然お誘いして……ごめんなさい」


「アマネが謝る事ないって!ほんと……ないから」

そうだ、彼女が謝る必要な何も無い。
優柔不断に漂い続ける俺が悪いのだから。
ぼやつく頭を手持ち無沙汰に触っていると、ひょこっと顔を出したあやめちゃんが言った。

あやめ
「……姉さまのご飯おいしいのに」

アマネ
「あやめ……!」

俺が夕食を一緒に食べるかもしれないと言った時と一転して、
今度は俺が帰りたくなくなるような事を言う。
少しだけでも慣れてくれたのかと思って、俺は笑った。
818 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 09:34:37.11 ID:Ps5cSzoo

「じゃあ、俺そろそろ」

アマネ
「はい…。あの、帰り道は判りますか?」


「うん、大丈夫。結構物覚えはいい方だし」

実際、ここまでの道のりはほぼ一本道だったから、迷いような事は無い。
例え迷ったとしても、サナミとの待ち合わせ時間までは十分に時間があった。


「それじゃ、また明日学校で」

アマネ
「はい…また明日……」


「あやめちゃんも、またね」

あやめ
「…………」

俺の声に姉の腕の横から片目だけを覗かせて、袖を握った。
軽く手を上げて、身体を来た道に向けると、すぐに後ろから声が。

アマネ
「……あの!」


「な、何?」

アマネ
「……今度は……是非食事に来て下さいね…」

照れを押し隠すような笑みで、彼女は真っ直ぐにこちらを見ていた。


「……うん、わかった」

その”今度”が来るかどうか、何の保障も無い。
それなのに、その場しのぎの返事をしてしまう自分が俺は嫌いだ。
俺の返事に柔らかく微笑むアマネの姿が、胸を痛めた。
もう一度手を上げて、今度こそと振り向くと、またも呼び声に引き止められた。

あやめ
「……お…おいっ…!」
819 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 09:41:40.86 ID:Ps5cSzoo

「お…、おい?」

言葉とは似つかわしくない弱々しい声。

アマネ
「こ、こらあやめ…!」

姉の後ろに隠れたままこちらを睨む彼女は、叱られて顔をしかめた。
恐らく、何と呼んでいいかわからなかったのだろう。


「どした?」

努めて優しく聞き返すと、姉に抱きつくように身を乗り出した。

あやめ
「……ちゃん……いらないんだから」


「え…?あ……あぁ……」

顔を赤くして言う彼女の姿を見て、俺はいつかの”アマネ部長”との会話を思い出した。
あの時と同じように、俺の心臓の動きは早かった。
アマネは精一杯の声を出す妹の姿を優しい目で見守っていた。


「……ごめんごめん。じゃあね、あやめ」

小さくとも女の子は女の子なのだろう。
子供扱いされたくない少女の気持ちを汲み取って、俺は”ちゃん”を使わずに手を振った。

あやめ
「……ふふ……」

すると彼女は初めて俺を向いてにっこりと微笑んだ。
屈託のない笑顔は、少女らしい元気さと儚さが上手く交じり合って、とても美しいとさえ思った。

アマネ
「おやすみなさい」


「うん、おやすみ」

もう一度二人に手を振って、俺は来た道を引き返した。
暫く歩いてから振り返ると、美しい姉妹が、揃って小さく手を振っていた。
吐く息の白さと、細く伸びた街灯の影が重なった。
820 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/02(金) 09:52:52.25 ID:Ps5cSzoo
本とかシナリオとか書ける人って頭おかしいんだと最近気付きました…
脳細胞が悲鳴をあげてるので寝ます……
あと亀ですが>>808ありがとう。励みになります…頑張ってね
821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 10:21:06.04 ID:jDmHUUAO
俺の妹と交換しようぜ
822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 10:21:12.37 ID:YXUYlcDO
つまり自分の頭はおかしいと言いたいわけか
823 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 12:13:17.33 ID:VzWTxESO
>>1はただのキチガイだったのか
あとたまにアマネが貴女って言ってるけど普通男だったら貴方じゃないのか?
824 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 12:54:07.40 ID:Z3NLzMSO
※ここから濃厚な百合スレになりますか?
825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 13:06:40.94 ID:0USk.wDO
※なりますん
826 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 13:41:39.22 ID:Z3NLzMSO
  (Д´ヽ) .  フ
  (`Д´ヽ  ル
 ヽ(`Д´)ノ   ボ
  .ヽ`Д´)   ッ
  (ヽ`Д).  キ
  (  ヽ`)   ア
  (   ヽ   ゲ
 ヽ(   )ノ.  ス
  .ヽ   )  ペ
  (ヽ  )   シ
  (Д´ヽ) .  ャ
  (`Д´ヽ  ル
 ヽ(`Д´)ノ   ト
  .ヽ`Д´)   ル
  (ヽ`Д).  ネ
  (  ヽ`)   l
  (   ヽ   ド
 ヽ(   )ノ.  サ
  .ヽ   )  イ
  (ヽ  )   ク
  (Д´ヽ) .  ロ
  (`Д´ヽ  ン
 ヽ(`Д´)ノ   ! !
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 13:43:05.14 ID:a.L5YDM0
>>826
もちつけ
828 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 14:59:07.20 ID:Riz7yUDO
誤字は>>1の特徴だからな
あやめは可愛いなぁ………
829 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 15:20:37.86 ID:6iP5nYDO
かわいいなおいww
830 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 16:14:46.81 ID:zGkL1wAO

やっとこ追い付いた(;´Д`)
目が痛いです。
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 16:48:26.16 ID:Riz7yUDO
それにしても俺含めだけど異常なほどの携帯率だよな
PCいなさすぎwwwwww
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 16:51:43.81 ID:ZH0.rTwo
でてくるキャラがみんな良すぎww
833 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 16:52:14.75 ID:Z3NLzMSO
制速だけもしもしで見てる
834 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 18:57:45.95 ID:zTN8tjI0
>>728 待たせたな!!
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0075110-1270202103.jpg

ちゃん付けするなー!って…可愛いなぁ
835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 18:59:14.63 ID:wy9s63wo
>>834
GJ! GJすぎる!
836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 19:06:12.54 ID:Riz7yUDO
ほんと>>1は素晴らしい絵師とタッグ組んだな……
二人三脚で頑張ってくれ超応援してる
あんたら最高だわ
837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 19:13:29.15 ID:a.L5YDM0
>>834
あなたが神か
838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 19:21:25.44 ID:jC3tdmgo
>>834
凄過ぎて首もげた
839 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 19:22:57.84 ID:Z3NLzMSO
姉属性がついた事でアマネの株が上がっているようで


お前らはサナミとトミーにたかってればいいんだよ!
840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 19:39:03.64 ID:SkU2b6DO
絵師と>>1のレベルが高過ぎて脳がヤバい
841 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 19:39:55.61 ID:V4Y0Bowo
>>834のおかげで生き返った!!
842 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 19:50:08.83 ID:YXUYlcDO
>>834
>>728だけど携帯で見れなええええええ!!
哀れな携帯共待ってろ!
843 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 19:51:43.48 ID:CPYUj5Ao
http://imepita.jp:80/20100402/709230

おらよ!!!!20枚ほど保存する
844 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 20:14:55.97 ID:Z3NLzMSO
ファイルシーク使えよ
845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 20:40:28.41 ID:zGkL1wAO
妹めっちゃ可愛い(´^ω^`)
846 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 21:23:22.27 ID:YXUYlcDO
>>844
忘れてた…
しかもそっちの方が高画質だった…
847 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 22:23:04.34 ID:qI9IPoSO
>>834最高だ!!
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 22:26:11.55 ID:Riz7yUDO
ねえさまって呼び方がね……
ご飯何杯でもいけるわ……
こんだけキャラ立たせられる>>1がこわいをだけど

しかしこれからサナミのターン!!!
849 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/02(金) 22:45:06.15 ID:Ps5cSzoo
イラストも投下された事ですし、今日も頑張りますよー
皆さんの声が本当に励みになるのでがんがんお話してお待ち下さい
850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 22:47:31.26 ID:YXUYlcDO
アマネ姉妹のスピンオフ書いてくでえええ!
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 22:54:06.96 ID:zb/LA.DO
ますますゲーム化が待ち遠しくなった
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 23:08:31.31 ID:zGkL1wAO
今日やるのか(´・ω・`)
明日、バイトだから無理だわ。
まあどんなストーリーになるか楽しみですな(´ω`)
853 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 23:29:55.63 ID:Ps5cSzoo
――――――

見慣れたいつもの交差点。
赤い光が光っては消えた。


「あー…結構疲れた……」

アマネ宅からこの辺りまで帰ってくるまで、思っていたより時間がかかってしまった。
右手の中ではもうビニールが随分とくたびれている。
時計を見ればもうそろそろサナミが帰ってくる時間だった。
”時間潰し”という当初の目的は達成出来た訳だが、まさかあんな事になるとは思わなかった。


「悪い事したかなぁ……」

少しばかり”姉さま”の料理を食べてみたかった気もする。
彼女のスイーツを喜ぶあやめの言う事だから、味の保障は無さそうだが。
いつの間にか緑になっていた光を浴びて、白い線上を渡った。


「ん?」

ポケットが震えた。
片手でぎこちなく携帯を開くと、表示されているのはサナミの名前だった。
ほんのりと早い呼吸を整えて、ボタンを押した。


「あーもしもーし」

視界の前に白いもやが出来た。

サナミ
『もっしもーし。もーすぐうち着くよー』

電話の向こうからサナミの声。
静かだった帰り道が、明るくなった。


「え、そうなの?俺ももうすぐ家だけど……」

サナミ
『ふーん……ところでさ、ティッシュの袋って持ちにくいと思わない?』


「え、ええ?いきなりなんだよ……まぁ持ちにくいけどさ」

サナミ
『それに、ネギってどう入れても飛び出しちゃって納まりが悪いしさー……』
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 23:41:03.07 ID:suhQDsDO
貴様ッ…見ているなッ…!!
855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 23:42:49.86 ID:YXUYlcDO
千里眼とか…すげーツボだわ
856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/02(金) 23:54:16.62 ID:Z3NLzMSO
さてアマネ再登場までROMるか
857 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/02(金) 23:55:21.95 ID:Ps5cSzoo

「判る判る。現に今俺も……」

そこまで言ってから、俺は自分の荷物に眼をやった。
ティッシュの袋に、飛び出したネギ。
彼女の唐突な話と一致する荷物が左手からぶら下がっていた。


「……え?おま……え?」

何かに狙われているかのように、俺はあたりを必死で見渡した。
薄明かりの下で時折通る人影にびくつく。

サナミ
『ぷっ…くく……!どこ見てんの?うーしーろ!』


「えっ、えっ!?」

サナミ
「……よっ!」

俺の丁度真後ろ、死角になっていた電柱の後ろから、ひょっこりとサナミが現れた。
彼女の右手で、液晶の光が淡い残像を作った。


「な……ど、何処に……」

サナミ
「ぷっ…あははははは!もー…どう見ても不審者じゃない……はははは!」

挙動不審に身を屈めて振り返った俺を見て、お腹を抱えて笑いだすサナミ。
俺はティッシュとネギの飛び出した袋を持って慌てる自分を想像した。
どう美化して考えても、笑えた。


「わ、笑うなよ!サナミこそストーカーか!」

ぱちりと携帯を閉じると、袖で目尻を拭いながらサナミはこちらに歩み寄った。

サナミ
「はー……ばか。あんたのストーカーなんて頼まれてもしないって」

白い光の下に入ると、夜に紛れた彼女の輪郭がはっきりと現れた。
一日ぶりに見る彼女の姿。
もう少し先だと思ってだらけていた俺の心臓が、大慌てで動き出した。


「失礼な奴だなー……。その、なんだ……こんばんは」
858 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/02(金) 23:58:01.58 ID:zb/LA.DO
きたあああああああああああああ
859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 00:06:21.50 ID:05qly6AO

サナミきた、きた。
860 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 00:14:25.34 ID:S5xt//.0
なんやかんやで一周回ってサナミが一番可愛いくなる
861 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 00:30:51.73 ID:8WAr7CY0
きたか…!
862 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/03(土) 00:31:27.26 ID:92gHJ1.o
サナミ
「はい、こんばんは」

かしこまってお辞儀をすると、揺れた髪から淡い香りがした。


「一人で帰ってきたのか?おばさんは?」

サナミ
「それがさ、上手い具合に友達と会っちゃったらしくて、今はおいしーいイタリアン食べてるよ」


「そっか。よかったー……おばさんに申し訳なくてさ」

おばさんへの申し訳ない気持ちがずっと引っかかっていたが、
サナミの話でそれは少し解消された。
しかしサナミはというと、細い目で俺を睨んでいた。


「……睨むなよ。今度行くんだろ?」

サナミ
「うん。高級フレンチにね」


「えぇ!?は、話が違う……」

サナミ
「あははは!うそうそ、何処だっていいよ」


「びっくりした…まったく……」

とくりと胸が揺れた。
彼女がどういう意図で言ったかは判らないが、
”何処だっていい”という言葉に、俺は嬉しくなった。

サナミ
「でも、買い物って何処まで行ってたの?その袋ってあっちのスーパーだよね?」

袋を眺めながら首をかしげる彼女の指摘に、違う意味の動悸がした。


「あ、あー……時間潰しにちょっと遠くまで行ってたんだよ」

サナミ
「ふーん……暇ねーあんた」

偶然出会ったとはいえ、アマネと一緒に居た事を何故か俺は言えなかった。
863 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/03(土) 04:29:09.99 ID:92gHJ1.o
今晩は全然二人とも歩いてくれない……
フローチャートだけ作って起きたらまた頑張ります……
864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 04:46:01.12 ID:LZgA67Eo
無理はするなよー
865 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 05:47:18.04 ID:XIJ9e1Q0
おつ
866 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 06:10:21.65 ID:HYdDuESO
やべー、おれもサナミにあいさつしたいwwwwwwwwww



おはようwwwwwwwwww
867 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 06:32:27.61 ID:1H9mesDO
ねみい
868 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 06:38:06.09 ID:bI6388Yo
やっぱサナミが一番だな

それにしても2ch規制が酷い
869 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 08:25:04.05 ID:W34AOIDO
トミーでござるよ
870 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 08:33:27.69 ID:3HRDltco
なんかこの人には安価なしで書ききって欲しい気もする
とかスレの意義台無しか
いいじゃん。3人それぞれルートとハーレムの四本書けば
871 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 09:48:54.19 ID:aMY3UwSO
安価があるからいいんだろが

まぁそのせいで俺のアマネは出番削られてるけど
872 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 10:11:13.46 ID:LFje44ko
sageろ
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 10:59:15.78 ID:zEFOfUDO
うん、せめて>>1が来てる時以外くらいは下げようぜ紛らわしいから
携帯()って言われちゃうよ

安価入れながらしかもそれ使って破綻せずかつ面白いって……
>>1はとんだばかもの
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 12:13:40.98 ID:x6QJrQDO
突然の好きだああの告白も空中海鮮丼踊り食いも
大量の林檎を持ってサナミに見舞いしたのもパイロットでデート行ったのも
アマネと仲良くなったのもトミーと遊んだのも
アヤネが出てきたのも
全部安価だからな、流石>>1
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/03(土) 16:19:03.76 ID:bwtJ0bE0
アマネは姉属性、サナミは幼馴染
俺はもうこれ以上望まない
876 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/03(土) 16:58:32.44 ID:92gHJ1.o

「いーだろ別に…休みなんだから。腹減ったし早く帰ろうぜ」

サナミ
「うん、そーしよそーしよ」

風と撒き散らして走り去る車のヘッドライトに、二つの影が伸びては消える。
再び歩き出すと、ふっと少し冷たいサナミの手が俺の手に触れた。


「…!な、なに」

サナミ
「一個、持ってあげる」

そう言うと、サナミは俺の指の間から荷物を一つ、するりと持っていった。
さらりとした指の感触がとてもくすぐったかった。


「…さんきゅ」

サナミ
「ふふ……高いよ?」


「ワタシ、オカネナイヨ」

サナミ
「あははははは!何で片言?」

思い切り笑われたが、金が無いのは本当だ。悲しいが。
去年の暮れまではバイトをしていたのだが、不幸な事に働いてた店が年を越せなかったのだ。
それからは少々の貯金と、母からの救援物資で何とかしていた。
進んで外出するタイプでもないので、金を使う所があまりない事が唯一の救いだった。

サナミ
「で、ご飯どーするー?」

振り返ってサナミは言った。


「んー……とりあえず荷物置いてから考える」

サナミ
「それもそっか。ネギ差したまんまじゃどこも行けないもんね」


「お前ネギ馬鹿にしすぎだ。ネギが可哀想だろ!」
877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 17:49:52.41 ID:zEFOfUDO
相変わらずミスタイプあるけど可愛いからしぬなよ>>1
878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 18:08:40.51 ID:W34AOIDO
待ってたぜ>>1
879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 18:20:18.68 ID:zEFOfUDO
物書いた事ないからわからんのだが、こういうの書く>>1のペースは遅いのか速いのか

あ、急かしてるわけじゃないからな気にすんなよ
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 18:27:53.11 ID:MXQs02AO
>>877
ミスタイプ見つけられない俺って…
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 18:54:22.83 ID:NXrSd4Uo
初見 追いついた


これなんていちご100%?
882 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 18:59:56.84 ID:z4e3CEDO
これのどこがいちご100%なんだよ
883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 19:14:13.30 ID:XSRkcKU0
いまだに、ちゃんとしたサナミの外見イメージが掴めない俺涙目
あと妹ちゃん描きやすいのに出番少なさ過ぎて涙腺崩壊

>>882
直訳すると「ハーレムしてんじゃねーぞ!」
意訳すると「うらやましいソコ替われ」と予想
884 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/03(土) 19:17:33.05 ID:92gHJ1.o
サナミ
「えーだってほら、中がなんか…ぬるってしてるでしょ、ネギ」


「あれが甘くておいしいだろ」

サナミ
「うんー……おいしいけど」


「どっちなんだよ……」

そんな他愛ない話をしていると、すぐに自宅に到着した。
玄関の明かりは点いていない。
片手でポケットから鍵を取り出して差し込んだ。

サナミ
「なんかあんたの家入るの久しぶりかも」

玄関の前で待つサナミが言った。


「んー…そうだっけ?よし、開いた」

古い鍵穴は開けるのに少々コツがいる。
少し手間取りながらも、軽い音を立てて鍵が開いた。
がらがらと戸を引くと、暗い廊下が見えた。
明かりの点いていない家に帰るのは、久しぶりだ。


「どうぞどうぞ」

サナミ
「おじゃましまーす……」


「つっても誰もいねーよ」

頭だけで軽くお辞儀をして、サナミが敷居を跨ぐ。
俺は鍵を靴箱の上に放り投げて、電気を点けた。
真っ暗だった廊下がぱっと明るくなり、全ての物に陰影が生まれた。


「はいスリッパ」

サナミ
「あ、ありがと。って可愛いなーこのスリッパ」

俺の差し出したピンク色のスリッパを見下ろしてサナミは感嘆の声を漏らした。
885 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/03(土) 19:20:07.29 ID:92gHJ1.o
>>877
うわぁほんとだ…しにたい…

>>883
サナミは確かに普通すぎて難しいかもしれないですね…そこをなんとか……気合いで…
妹ちゃんはもう趣味で書いてください。見たい。超見たい。
886 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/03(土) 19:50:18.94 ID:92gHJ1.o

「ん、母さんの気の迷い。ティッシュそこ置いといて」

サナミ
「はーい。うわー……なんか……すごい懐かしい」

居間に入るなりきょろきょろと落ち着かない様子のサナミ。
俺の家に彼女が居る光景は、かなり久しぶりに見る気がする。
何故か俺までも少し落ち着かなくなった。


「これ片付けるから、ちょっと座ってて。なんか飲む?」

サナミ
「ううん、大丈夫、ありがと」

合皮が音を立てて沈む。
居間のソファーに腰掛けたサナミは、相変わらず落ち着かなさそうだった。
待たすのも悪いので、買ってきた物を急いで片付ける。

サナミ
「ね、これ……何?」

サナミの声に顔を上げると、乱雑に詰まれた服の塊を指差していた。
恐らく出て行く直前にまた迷ったのだろう。
片付ける暇さえなかったと見える。


「あー……ファッションショーの残骸……」

サナミ
「あははは……京香さんか」

彼女の口から母の名前が出るのを聞くのも随分久しぶりだ。
母は”おばさん”と呼ばれると笑顔でキレる。
まだ俺達が小学生の頃などは、サナミには”お姉さん”と呼ばせていたくらいだ。


「うん。珍しく服着てたよ」

サナミ
「珍しくって……京香さんってほんと若いよねー……なんで?」


「なんでって…俺に聞かれてもなぁ……まぁ、若いとは思うけどさ」

何気ない会話で、俺はすっかり落ち着きを取り戻していた。
流石に幼馴染というだけあって、女の子を家に招いたというのに、緊張感は無い。
目を細めて背を伸ばすサナミの姿に、俺は懐かしさも感じていた。
887 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 20:48:42.37 ID:zEFOfUDO
なにこの良い感じに気の抜けた二人の空気
幼なじみほしい

母ちゃんの名前京香かwwwwwwwwwwwwいいなwwwwwwwwwwww
888 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 22:00:51.59 ID:XSRkcKU0
>>「うん。珍しく服着てたよ」
よく考えたら、なんかエロいセリフに感じた
そのテンションのままラクガキしてくと、アマネが全裸になっていく不思議
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org782661.jpg
スーパーどこにあるんだこんな需要状態
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 22:02:49.03 ID:lfd0gJAo
見せられないよを取ってみようか
890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 22:20:39.91 ID:ZaWXC2DO
>>888
おまえの書くアマネ姉妹が好きすぎてもうどうにかなりそう
見せられないよ。を取ってくれたら俺はもう悟りを開く
頼む!俺に新世界を見せてくれ!
891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 22:26:28.79 ID:x6QJrQDO
>>879
なかなか早いと思うがどうなんだろう
vipの安価SSの中じゃ遅いって初期は言われてたな、会話以外も多いから当然だが
892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 22:31:01.96 ID:zEFOfUDO
さすがにエロは>>1の許可がいんだろwwwwwwwwwwww
ほんとにすげえ人と組んだな……
あんたら出会えて幸せだわ…
893 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 23:18:46.83 ID:XIJ9e1Q0
>>879アマネエロすぎワロタww
894 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/03(土) 23:21:14.91 ID:XIJ9e1Q0
間違えた>>888
895 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/04(日) 02:58:56.99 ID:OaRROAgo
遅くなりましたが頑張ります

>>888
滅茶苦茶萌えますが全裸は……wwww
カップリングに成功してかつ男がそこまで踏み込めば……お願いします
896 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 03:07:27.38 ID:QP5QkjA0
今からか! がんばれ
俺はもうだめだ。起きたら読みますね
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 03:40:00.32 ID:Pn609720
夜遅いのに…がんばってくれ!!
898 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 03:48:16.56 ID:2mwyEcSO
>>895
つまりカップリングに成功すればそこまで踏み込んだ安価も実現するということだな( ̄ー ̄)
899 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 05:20:43.98 ID:4k3KFQSO
おれの勘違いだったら非常に悪いんだが、サナミが母のことを「おばさん」って言ってるシーンなかったか?
900 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 05:41:41.35 ID:OaRROAgo
サナミ
「ね、手伝ってあげよっか?」

サナミがくるりとこっちを向いて、ソファーの背もたれに両肘をついた。
ぱたぱたと揺れる足先が見える。
自分の家で見る彼女の笑顔は、違和感と新鮮さと、一際の可愛さが感じられた。


「ん、いいよもう終わるから」

そんなサナミの申し出を、照れ隠しに断った。
普段からこなしているはずの動作が、変にもたつく。

サナミ
「ふーん…せっかく手伝ってあげようと思ったのに……」


「お、おこんなよ……」

本気では無いだろうが、膨れ面でそっぽを向いてしまった。
どんな仕草も、可愛く思えてしまうのはこの違和感のせいだと自分に言い聞かせた。
長い息を吐いて後少しだけ机に残ったものを片付ける。


「……これはこっちで……あ…なんだソースも切れてる…」

冷蔵庫と食品棚を行き来して出来る限り手際よく片付けていると、
ふと前方からの視線を感じて俺は顔を向けた。
手の上に細い顎を乗せたまま、ぼうっとした表情でこちらを見ていた。


「……なに?」

緩い表情のサナミと視線がぶつかって、胸がとくりと揺れた。

サナミ
「…ーっ!なっ、なんでもない…!ばか!」

サナミは幾らかの間を置いて俺の呼びかけに反応すると、
慌てて振り返り、またソファーに座り直した。
前髪を触る姿が見える。
流れた髪の間から少しだけ覗いた耳が、赤い気がした。


「……なんで怒られたんだ…」

机の上をすっきりと片付け終わると、
俺はソファーで女性雑誌に落としているサナミの後姿に声をかけた。
901 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 05:42:08.13 ID:OaRROAgo

「おーい。終わったぞー」

母以外がそこに座っている事が妙にくすぐったい。

サナミ
「…っ!びっくしたー……。いきなりおっきい声出さないでよ…もー」

眉間に軽く皺を寄せて、サナミは背もたれに肘を置いた。


「帰り道で俺も驚いたからあいこだあいこ。さー飯だ!」

サナミ
「飯だー!って言っても、まだなーんにも決めてないでしょ?」


「うーん……そうなんだよな……何か食いたいもんある?」

俺の質問に、サナミは頬杖をついて目線を斜め上にもっていった。

サナミ
「強いて言うなら……」


「イタリアンは無しな」

俺が先手を打つと、なぜばれたと言わんばかりの顔で睨まれた。
こういう時にサナミの言いそうな事は大体判る。
幼馴染の力という所か。

サナミ
「う……じゃあねー…」


「高級フレンチも無し」

サナミ
「……ケチ」


「倹約家、と言ってくれないかね」

サナミ
「でも今から外出るのもねー……ちょっと遅くない?」


「あ……もうこんな時間か……」
902 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 05:42:49.10 ID:OaRROAgo
食卓の椅子に腰掛けて時計に目をやると、針はもう八時をゆっくりと回っていた。
確かに今から何処かに食べに行くとなると、面倒と言えば面倒だった。


「うーん……でも行かないと何もないしなぁ……」

サナミ
「…………作る?」


「え?な、何を?」

サナミ
「何って……ば、ん、ご、は、ん」

何故か楽しそうなサナミの顔。
唐突な言葉に俺は思わず顎を支えていた手を滑らせた。
サナミはソファーから降りて一度背をぐいっと伸ばした。

サナミ
「よっと……質問!私達は何部でしょうか?」

俺を指差すサナミはますます楽しそうだ。


「り……りょうりぶ……です」

サナミ
「正解!質問そのニ!料理部は、何をするところですか?」


「……りょうりです」

サナミ
「大正解!ほらほら立って!そうと決まったら早く!」

急かすように机を叩くサナミ。
まるで休日に遊びに連れて行ってもらう前の子供のようだ。


「ちょ、わかったわかった!……いきなりだなー」

サナミ
「なに?私の料理じゃ不満?」


「そ、そういうわけじゃ……」

そういう訳ではあるはずもなく、俺は顔には出ないようにしながらも、彼女の提案が内心とても嬉しかった。
903 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/04(日) 05:55:49.28 ID:OaRROAgo
>>899
ある。あります。
しかしそこはつい……という事で処理していただけるとありがたい。でないと笑顔でキレられます。
904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 06:06:30.57 ID:4k3KFQSO
>>903
おk把握した
おれも笑顔でキレられたくはない
こういう細かい設定にも注意して物語書かなきゃいけないんだからプロとかはすごいよな
905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/04(日) 06:24:56.55 ID:kNkK./ko
細かい設定を気にしつつ更に色々な安価を捌いていく・・・

俺には一生無理そうだ
906 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 07:01:40.99 ID:OaRROAgo
サナミ
「よろしい!エプロンある?」


「あ、あぁ…母さんのやつなら」

俺は母の使っている無地のエプロンをサナミに手渡した。

サナミ
「ありがと。京香さんちょっと借りまーす」

エプロンを受け取ると、さっと首からかけた。
全く見た事のない光景に俺の心臓は不規則な鼓動を続けていた。

サナミ
「あ……ねぇ、ゴムある?」


「ごっ……ゴム?」

ふと何かを考えた後、俺の眼を見て彼女が言った。

サナミ
「うん…無かったらいいんだけど……そのままじゃちょっとねー…。京香さんのがあると思うんだけど……」


「えーっと………………………………あ、あぁ!ゴムな!」

俺は洗面所にそれを取りに向かいながら、
よくわからない状況に少しばかり興奮して思考がおかしくなっている自分を平手でいさめた。
引き出しから黒いゴムを取り出して台所に戻ると、サナミに手渡した。


「はいよ」

サナミ
「おっ、ありがと!髪が邪魔でさー……うん、これでよし」

さっと髪を頭の後ろで縛ると、あっという間にポニーテールが完成した。
束ねられた髪が艶やかに揺れる。
たった数秒で出来る割りに、この髪型の破壊力はなかなかに大きい。
もう記憶も霞むほど久しぶりに見たサナミのポニーテールに、俺は不覚にもときめいた。
露わになったうなじに張り付く視線を、無理やりに引き離した。


「んじゃ、俺も久々に台所に立ちますか……」

埃さえ被っていそうな自分用のエプロンを取り出して、首に通した。
もちろん、サナミには笑われた。
907 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 07:06:12.37 ID:OaRROAgo
サナミ
「あ、でも……」

冷蔵庫の中の食材を確認しながら、彼女が振り向いた。


「でも?」

サナミ
「京香さんとは比べないでよ?……勝てるわけないんだし」

確かに母の料理はかなり美味い。
サナミの料理は食べた事が無いが、勝敗はサナミの言う通りかもしれない。


「あはは……やる前から敗北宣言かよ」

サナミ
「なっ……!キャリアが違うでしょ!ばか!」


「どうせ一緒に作るんだし、どうせなら抜群に美味く作ろうぜ」

サナミ
「…っ!あ、あんたが手伝ったら駄目かもね」

サナミは捨て台詞を吐いて、また冷蔵庫の中に引っ込んだ。
ポニーテールがひらひらと揺れた。

――――――

サナミ
「違う塩じゃなくて砂糖だってば!もー……」


「あ、これは?」

サナミ
「銀杏切りにして鍋に入れる!」


「これってダシはこれでよかったっけ?」

サナミ
「あーもーそれは昆布じゃなくてほんだし!」

飛び交う指示に精一杯従う俺。
俺を使いながら料理を進めるサナミ。
まさかアマネの手料理を断って、サナミの手料理を食べるとは思わなかった。
908 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 07:20:28.31 ID:OaRROAgo

「………」

台所にサナミが立っている。
その光景がただ不思議で俺はついぼうっとその背中を眺めていた。

サナミ
「えーっと……醤油……ん?な、なに?」

視線に気付いたサナミが振り返る。


「いや……なんか不思議な光景だなーと思ってさ。新鮮っていうか……なんか……楽しい」

そう言うと、サナミの手が止まった。
ぶつかっていた視線を反らして、目を泳がせている。

サナミ
「あ、あたしだってここで料理してるの不思議だって……って見てないで手伝ってよ!ばか」


「あ、悪い……で、何するんだっけ?」

サナミ
「…ーっ!………今怒らせないでね?」

笑顔のまま俺を睨むと、彼女の右手でゆらりと包丁が鈍く光った。
先端から何かの液体がぽとりと落ちて、不規則に広がった。


「……置こう、な?それは置こう」

満面の笑みだが背中から恐ろしいオーラが立ち上っていた。
料理中のサナミは怒らせないほうがいいらしい。
背筋に冷たいものが流れた。

サナミ
「真面目にやんないとご飯抜きだからね!」


「抜きって……ここ俺んち……」

サナミ
「……なんて?」


「………すいませんでした…」

低いトーンの声と、動くのをやめた包丁。俺は即座に作業を再開した。
909 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 07:36:36.41 ID:OaRROAgo
流石に料理部副部長という肩書きに恥じず、彼女の料理風景は中々のものだった。
他人の家の台所、調味料の位置や食材の位置に戸惑いながらも、手際よく料理を進める。
俺は洗ったり、切ったり、首をかしげたりするその姿に何度も見入りそうになった。

サナミ
「あ、味つけるからちょっとこれ切っといてくれる?」

料理が出来あがるにつれ、段々と出番がなくなってきた俺にサナミから指示が飛んだ。
包丁を受け取ると、まな板の上の食材に手を添える。


「おう。普通に切ればいい?」

サナミ
「ん。猫の手、だよ?」

子供に言うような調理で、手を丸くするサナミ。


「なっ…、ばかにすんな…」

強気に言い返しながらも、その仕草にしっかりと心臓は反応した。

サナミ
「あははは…!じゃ、よろしく」

ゆらりと白い湯気を立てる鍋に、あれこれと味を足すサナミ。
料理も終盤に差し掛かり、最後の仕上げという所だ。

サナミ
「ね、味これでいいかな?」

肘で俺をつくサナミ。
味見用の小さな皿に入れた味噌汁を渡された。
手を止めて軽く冷ましてから、口に入れた。
母の味付けとは違うが、予想以上に綺麗な味が広がった。


「………おっ、美味い美味い。やるじゃん」

サナミ
「ほんと?よしっ…!」

彼女は前髪を触りながら、微笑んだ。
俺はそんな横顔を眺めながら、スーパーで出会った若い夫婦を思い出していた。
ぼうっとして、今はまだ背伸びでしか無い妄想にふけっていた俺は、手元を見るのを忘れていた。


「………ってぇ!!!」
910 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 07:54:39.76 ID:OaRROAgo
指に熱い感触が走った。
咄嗟に自分の手をぎゅっと握る。
包丁がまな板の上でかしゃりと音を立てた。

サナミ
「ちょっ……ちょっと、大丈夫!?」


「あいてて……あはは……やっちゃった」

サナミ
「やっちゃったって…!きゃっ…血!血が…!」

慌てて俺に駆け寄ったサナミは、顔から少し血の気が引いて見えた。
俺は心配そうな顔を嬉しくも思ったが、少し大袈裟にも思った。


「そりゃ切ったんだから血も出るよ……ちょっと水だして…」

指を押さえたまま水を上からそっと流す。
粘度と色を薄められた赤い液体が指先から銀色のシンクへと流れた。
じくじくとした熱い痛みが響く。
そっと傷口を覗くと、人差し指が斜めにさっくりと切れいた。
傷自体は大したこともなく浅そうだが、長い傷口を見て冷たい汗が少し出た。

サナミ
「もう……ばか!だから気をつけろって…!ほんとにばか…!」


「大袈裟だって……浅いから軟膏と絆創膏で治るよ。え……おい…サナミ…?」

自分の手を握って俺を見るサナミを見て、俺は驚いた。
心配そうに細める目にうっすらと光る粒が見えたからだ。


「なんでうるうるしてんだよ…」

サナミ
「な……してない!びっくり……しただけ!もう…早く絆創膏貼れ!ばか!」

自分でも気がついていなかったのか、目を見開いてすぐに俺に背を向けた。


「わかったわかった…!怒鳴る事ないだろ……」

泣くほどに俺を心配してくれたのかと思うと、痛みに反して俺は少し嬉しかった。
ティッシュで傷口を圧迫しながら、薬箱を探して、薬と絆創膏を取り出した。
手を退けると、ティッシュは半分ほどが赤く染まっていたが、
ゆっくりと剥がすともう血の殆どは止まっていた。
911 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 08:06:38.69 ID:OaRROAgo

「あ……」

サナミ
「どしたの?ふ…深そう?」

気がつくと俺の傍まで来ていたサナミが目を細めて覗き込んでいた。


「……片手じゃ絆創膏はれない…」

そうだった。
自分の左手を怪我しているのだから、自分では薬は濡れても絆創膏は貼れなかった。

サナミ
「……貼ったげるから…手出して」

傷口を見たくないのか、指先からは視線を離して手の平をこちらに差し出した。
まだ料理で濡れて乾いていない手に、絆創膏を乗せる。
テープを剥がしてくれている間に、軟膏を傷口に刷り込む。
足先に響く熱い痛みが走った。


「悪い。こりゃいてーな……」

サナミ
「ほんっとばか……幾つになってそんな怪我してんのよ…」


「子供だったら大泣きしてるけどな」

サナミ
「…っ!」

泣く、という言葉に反応したのか、サナミの顔が少し赤くなった。
無言で俯いたまま傷口に大きめの絆創膏をあてがうと、きつすぎない程度にテープを止めてくれた。
こんなテープ一つで痛みが和らぐとは、本当にすごい発明だと改めて関心した。

サナミ
「はい、終わり!……ほんとに……ばかなんだから」


「悪かったって……さ、さっさと仕上げちまおーぜ」

サナミ
「いい!後はあたしがやるから、あんたは座ってていいよ。また切られても迷惑だし」


「………んじゃお願いする。食器くらいは俺が出すよ」
912 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 08:36:19.81 ID:OaRROAgo
――――――


「おぉ……すげー……料理だ」

サナミ
「料理じゃなかったらなんなの?」

食卓に並べられた料理と、立ち込める湯気、香り。
種類や量こそ母よりは少ないが、どこからどう見ても、用意されているのは完璧な夕食だった。

サナミ
「あ、味はしらないからね?その……おいしくないかも……」


「見た目のおいしい料理は味もおいしいって。あーすげー腹減った……」

サナミ
「あたしもすっっごいお腹空いた!食べよっか?」


「おう、食べよう!」

向かい合わせに並んだ二膳の箸は、いつもと違う色だ。
まさかこの食卓で、それも手料理をサナミと二人で食べるなんて、思ってもみなかった。
見れば見るほど違和感を感じる光景を、俺はもう深く考える事はやめた。
腰掛けた食卓の下で、お互いの足先が一度触れて離れた。

サナミ
「手、大丈夫?」


「ん、まだ痛いけど大丈夫。それより、食べていい?」

サナミ
「う、うん!あ、あれ……?なんか緊張する……ははは…」

箸を握ったまま、前髪をちょいちょいと触るサナミの姿は本当にぎこちなかった。
そんな反応をされたら、こっちまで緊張する。


「じゃ、いただきます!」

サナミ
「いただきまーす」

一度お茶に口をつけてから、俺は箸を手に取った。
舌の根っこからじわりと唾液が溢れるのを感じる。
いただきますと言いながらも、サナミは心配そうな顔で、俺が食べる様子を見つめていた。
913 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/04(日) 08:38:31.63 ID:OaRROAgo
書いててお腹空いてきた……。
限界を迎えたので次の更新までお待ち下さい……おやすみなさい…
914 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 08:44:39.88 ID:YSVBFADO
まさか血を吸いに…!?
915 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 11:11:25.76 ID:/clI2sDO
サナミが可愛すぎて死ぬ、待ってて良かった
916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 12:56:58.67 ID:CYCDWY.o
サナミたん可愛いよおぉおお
       ↓
トミーきゃわいいい!!サナミ?しらね
       ↓
サナミ!やっぱ俺にはお前しかいねえ! ←今ここ
917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 13:40:01.82 ID:9s0ugYSO
そうですかアマネは眼中にないですかそうですか
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 14:10:11.38 ID:LDUTj3A0
トミー>>アマネ>>>>>>>>>>>>>>>ササミ
919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 14:57:50.18 ID:f322D6AO
ポニーテール…
なんて…美しい響き……
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/04(日) 16:28:23.98 ID:puLf9mo0
サナミ>>アマネ>>母>>>>>>>ヤリダ>>>>>>>ロッド の間違いだろ
921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/04(日) 16:32:04.57 ID:RCE9vzc0
ポニテを出すとはこの>>1分かってるな
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 16:40:38.84 ID:nZOog6DO
お前等浮気性すぎワロタwwwwww
可愛くてちょいツンの幼馴染がポニテにエプロンで料理とか……普通だったら発狂するレベル
この男が女慣れしてるのは明らか
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 16:51:50.98 ID:QP5QkjA0
サナミかわいいよサナミ
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/04(日) 16:52:59.16 ID:Ccsbb2DO

女馴れしてるのは明らかとかwwww
馬鹿も休み休みいえよwwwww

925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 17:02:52.64 ID:bUK4bUo0
ゴムに反応してしまった俺が居るwwww
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 17:11:26.55 ID:2mwyEcSO
>>925
あれ?俺いつの間に書き込んでたんだろ
927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 17:49:56.26 ID:9s0ugYSO
そろそろ次スレの話がでるころ
928 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/04(日) 18:02:18.25 ID:OaRROAgo
さて頑張りますよー血は吸ってないですよー
次スレは950超えたらまた自分で立てますー
929 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/04(日) 18:13:50.33 ID:T8Y49dk0
930 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 18:32:54.67 ID:6QPBBQAO
今までトミー一筋だったけど連休二日目のデートで萎えた
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 18:44:58.46 ID:/clI2sDO
>>930
なんか初期と性格変わったような気がするかもな
932 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 18:47:18.06 ID:6QPBBQAO
>>931
それもあるし、なんか追加された設定があまり自分のイメージと一致しなかった
933 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 18:53:31.13 ID:nZOog6DO
変わったんじゃなくてそういう面も見えるようになったんじゃね
>>1はよくキャラ立てられてると思うよ
オリジナルのキャラがこんだけ立ってるSSも珍しい
934 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 18:56:22.25 ID:/clI2sDO
>>933
まあ合う合わないは人によって違うだろうしな
けど>>1がこれだけ生き生きとキャラ動かせるのは素直に凄いと思う
935 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 19:01:32.68 ID:9s0ugYSO
しかし動く時間も与えられないアマネ
936 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 19:19:23.66 ID:jOJJV0Mo
トミーとすき屋で牛丼食べたい
937 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 19:37:11.42 ID:Pn609720
サナミと一緒に料理したい!「猫の手、だよ?」っていわれてー!!!
938 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 20:02:04.45 ID:OaRROAgo
サナミ
「………どう?」


「………うん……美味いな…美味い!」

サナミ
「ほっ…ほんと?お世辞だった怒るよ?」


「いやほんとに美味いよ!」

食材への火の通りがいいのか、口の中で自然と解けていく。
サナミの料理は少し薄味ではあるが、丁寧さが伝わってくる良い味付けだった。


「うん…これも美味いし……これも美味い!」

サナミ
「ちょ、ちょっと…褒めすぎだって…!もう…」

次々に料理に手をつける俺を見て、彼女は複雑な表情で笑っていた。

サナミ
「……うんっ、確かに上出来かな」

自分の器に手を伸ばすと、安堵の息を漏らした。


「まさかサナミがこんなにちゃんと料理出来るとはなー……」

サナミ
「ねえ、それってすっごい失礼じゃない?」


「違う違う、褒めてるんだって」

サナミ
「ふーん…でも、あんたも料理出来たんだ?ちょっと驚いちゃった」


「ちょっとくらいはな!……ってそれは失礼じゃないのか?」

サナミ
「褒めてあげてるの、ばーか」

暖かい食卓に二人の笑い声が響く。
そこには確かに幸せがあった。
939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 20:03:41.34 ID:YSVBFADO
━HAPPY END━
940 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 20:05:50.95 ID:2YAPiIA0
だれか、絵師が書いた絵をもってる人がいたら貼ってくれるとありがたい
>>1初期の頃からファンですよっと
941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 20:07:01.84 ID:GCnSO5M0
ラクガキしてる最中に乳比べしてみた
トミーカワイソス…
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org784515.jpg
色ついてないですゴメンナサイ
942 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/04(日) 20:10:20.36 ID:OaRROAgo
>>941
胸のサイズバッチシです。流石。
チビトミーかわいい……
943 : ◆vzyXO.Rw6Q :2010/04/04(日) 20:41:28.26 ID:OaRROAgo
サナミ
「ご飯、ついてる」

サナミが自分の口元を指先でちょいちょいとつっついた。


「え…こっち?」

箸を置いて頬を撫でる。

サナミ
「逆。うんそっち……取れた」

いつもとは何処か違う、ふわりと微笑む彼女の顔に、恥ずかしくなって顔を伏せた。
箸を進める度に空腹がゆっくりと満たされていく。
暖かい食事は俺の口角を自然と上げさせた。

サナミ
「なんか……そんなに美味しそうに食べられたら嬉しいかも」


「え…?ま、まぁ美味しそうっていうか……美味しいからな」

サナミ
「……あり…がと…。お、おかわりは?」


「ん……並盛りでよろしく」

サナミ
「ふふ……はいはい」

俺の茶碗を受け取って、席を立つサナミ。
彼女が我が家の食卓に居る光景はまだくすぐったく感じた。

――――――


「ごちそうさまでした!」

サナミ
「はい、おそまつさまでした」

いつもの母の台詞を、今日はサナミが微笑んで言った。


「うあー……お腹いっぱい……」

背もたれにだらしなくもたれかかると、張った腹部が苦しかった。
944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 20:52:16.12 ID:CYCDWY.o
サナミ可愛すぎるな
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 20:59:59.11 ID:iEHFiJco
サナミが可愛すぎて生きるのが辛い
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 21:15:09.84 ID:nZOog6DO
トミー……俺がさすさすしてあげるからこっちおいで…!
947 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/04(日) 22:22:07.77 ID:e2MYG2.o
>>946

          「;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:}
          ト、;:;:;:丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_;:;: --―;:''"´;:_」
          {::ト、:;:;:;:;:;:` '' ー―――;:;: '' "´;:;:;:;:;:;:;:;:;:;_ ,.ィ彡!
          l::l 丶、:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_,. -r==ニ二三三 }
          ',:i r- 、、` ' ―――― '' "´ ,ィ彡三三三三三/、
            || ヾ三)      ,ィ三ミヲ  `丶三三三三三ん',
            lj         ゙' ― '′     ヾ三三三ミ/ )}
           | , --:.:、:..   .:.:.:.:..:.:...      三三三ツ ) /
           | fr‐t-、ヽ.  .:.:. '",二ニ、、    三三シ,rく /
           l 丶‐三' ノ   :ヾイ、弋::ノ`:.:.    三シ r'‐' /
           ', ゙'ー-‐' イ:   : 丶三-‐'":.:.:..    三! ,'  / 今からそっちに行くよ
            ',    /.:             ミツ/ー'′
            ',   ,ィ/ :   .:'^ヽ、..       jソ,ト、
             ',.:/.:.,{、:   .: ,ノ 丶:::..  -、   ,ハ  l、
            ヽ .i:, ヽ、__, イ   _`゙ヾ  ノ   / ,l  l:ヽ
             ,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ }   ,/  l  l:.:(丶、
           _r/ /:.`i ヽヾェェシ/  ゙'  /   ,' ,':.:.:`ヾヽ
     _,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'."       /   / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´        ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒    ,r'"    / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ |      ``丶、
            ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ     / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
             `丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '"  /
948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 22:42:17.15 ID:/clI2sDO
>>941
アクシデントを装ってサナミのを揉みたい
いい形してやがる…
949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 23:30:58.50 ID:J3pde.DO
包丁で指切っても死にゃしない大丈夫大丈夫ってまったく心配されなかった小学生の頃
今もだけど
950 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/04(日) 23:42:41.82 ID:.XW7yxQo
最初からサナミ一筋の俺に死角はなかった
951 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 00:06:41.70 ID:7flcTMAO
>>941
GJ
色ないほうが自分の好きなように想像出来るからかえってありがたい
952 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/05(月) 00:50:43.00 ID:OfV97Ns0
今帰りました。
次は次スレ立ててから更新しますー。残った分は前回同様雑談等々で埋めて下さい。
お願いします。
953 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 01:13:42.11 ID:sMmV1j60
ひとまず乙!
終わっちゃうのかと
思うと寂しいな…
954 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/05(月) 01:16:46.38 ID:OfV97Nso
こんなに長い間(書くのが遅いだけですけど)読んでてもらえるなんてとてもとても幸せ者です。
素晴らしい絵師さんとも出会えたし……。一重に感謝です。もう少しお付き合い下さい。
955 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 01:19:43.12 ID:BkBGlESO
完走まで追い続けるから頑張れ
956 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 01:21:19.68 ID:5e9Iz2Ao
応援してるよ
957 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 01:36:00.63 ID:4FVwXsw0
こっち来て次でもう3スレ目になるのか
>>1がんばれ
958 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/05(月) 02:04:02.67 ID:OfV97Nso
展開が……悩む……安価の出し所も難しくなってきた……
自分の頭の硬さが怖いです…。
でもまだ先とはいえ、確かに終わっちゃうのも寂しいですねぇ
もう自分も男のお話の傍観者のつもりになっちゃってます
959 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 02:34:57.22 ID:uevzqoso
>>958
いや頭硬くねーってアンタすげーよ
無理せずにがんばれー
960 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 02:46:11.10 ID:wn9VzCU0
そろそろ次スレか…
ゆっくりでいいからがんがれ>>1
961 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/05(月) 02:51:21.94 ID:OfV97Nso
あ、貼り忘れてた
たちましたよー。こっちでは雑談しませう
>>959ありがとう。嬉しいですがんばります!

【安価進行】幼馴染「ねえ、用事無いなら切るよ?」inGEP 〜その2〜
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi?bbs=news4gep&key=1269165624&ls=50
962 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 02:58:12.59 ID:eN3i1Cko
終わりが近づいて寂しいっていう気持ちはわかるけど無理に伸ばしてgdgdになるより締めるところで締めて欲しいな

あと次スレのURL間違ってるんで正しいの貼っときます
【安価進行】幼馴染「ねえ、用事無いなら切るよ?」inGEP 〜その3〜
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1270397848/
963 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 03:07:33.91 ID:7b7MmMDO
42の毒男ですが母くれませんか?
964 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 03:13:31.97 ID:uevzqoso
どーでもいいけど俺のID小文字しかない
965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 03:18:18.89 ID:7b7MmMDO
異論が無い様なので貰って行きますね…フヒヒwwww
966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 03:51:18.73 ID:D7le0MDO
と、意味不明な供述をしており
967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 04:46:56.26 ID:BRgc.Oc0
動機は未だ不明
968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 05:21:17.04 ID:7j5z1.AO
次スレなんか980くらいでよかったんじゃねえの
埋めてから移動しろよ目障りだな
969 : ◆vzyXO.Rw6Q [sage]:2010/04/05(月) 05:31:41.60 ID:OfV97Nso
確かにちょっと早すぎました……
目障りで申し訳ない……
970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 05:39:08.28 ID:IXsC2SYo
規制で書き込めないからってここで煽るのやめようぜ


若い頃の京香さんを妄想してみると素晴らしいんだがどうよ?
971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 06:37:47.79 ID:lLrapEDO
>>970
イマダッテジュウブンワカイヨ
972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 06:41:58.53 ID:ctTX.CE0
あれ?
こいつ京香さんに洗脳されt

誰だよ朝っぱらからうるs(ヒデブッ
973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/05(月) 06:54:45.02 ID:lLrapEDO
>>972
誰だよ朝っぱらからこんな所にひき肉置いていったの
974 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 06:55:18.83 ID:tVCLWEDO
あと10スレくらいやれよもう
975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 07:08:10.31 ID:Xa/THUUo
うめ
976 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 07:16:42.36 ID:Xa/THUUo
ume
977 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 07:17:48.99 ID:Xa/THUUo
978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 08:49:11.44 ID:TREu//A0
絵をはって埋めようかと思ったら、PCの関係であと4時間描けませぬ…ぐぬぬぬ
979 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 09:54:47.23 ID:wPcO5NUo
980 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 09:55:16.33 ID:wPcO5NUo
981 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 09:55:43.40 ID:wPcO5NUo
982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 09:56:01.63 ID:DZX3uwDO
983 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 09:56:06.25 ID:wPcO5NUo
984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:11:06.20 ID:TREu//A0

ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org785802.jpg
985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:14:44.89 ID:eN3i1Ck0
埋め
986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:15:15.74 ID:eN3i1Ck0
埋め
987 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:15:47.58 ID:eN3i1Ck0
埋め
988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:16:23.34 ID:eN3i1Ck0
埋め
989 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:16:53.54 ID:eN3i1Ck0
埋め
990 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:17:58.10 ID:eN3i1Ck0
埋め
991 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:18:52.69 ID:eN3i1Ck0
埋め
992 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:19:46.51 ID:eN3i1Ck0
埋め
993 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:22:34.62 ID:eN3i1Ck0
埋め
994 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:24:31.15 ID:eN3i1Ck0
埋め
995 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:26:08.99 ID:eN3i1Ck0
埋め
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:28:24.70 ID:eN3i1Ck0
埋め
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:28:39.32 ID:IqOi0pk0
1000ならハーレムエンド!
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:32:14.70 ID:eN3i1Ck0
埋め
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:33:42.27 ID:TREu//A0
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org785834.jpg
1000ならトミー幸せを>>1が約束
1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/05(月) 10:34:31.46 ID:NdpvaZ.o
1000なら全員俺の嫁
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
        /::::::::::::::::l/ /  冂
       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
【v】男で抜いてる男【v】 @ 2010/04/05(月) 09:12:54.50 ID:m5sBh6co
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1270426374/

雷の季節に風の古道を通って夜市に行く @ 2010/04/05(月) 05:11:39.65 ID:KF2ffIAP
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1270411899/

上条「俺はウルトラマンになる!!」 @ 2010/04/05(月) 04:58:33.14 ID:kLfqiYAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1270411113/

眠いんだが @ 2010/04/05(月) 04:24:28.66 ID:4Oq3KADO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1270409068/

抜いたら上げるスレ @ 2010/04/05(月) 04:17:30.49
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/vip4classic/1270408650/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

300.11 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)