このスレッドは製作速報VIP(クリエイター)の過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

心理掌握「うそ・・・上条先輩生きてたんですか!?」上条「?」 - 製作速報VIP(クリエイター) 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 07:46:55.09 ID:ZxeaWwDO


心理掌握「どうして開いたのかしら?」
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、この製作速報VIP(クリエイター)板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

ぶらじる @ 2024/04/19(金) 19:24:04.53 ID:SNmmhSOho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713522243/

旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713353246/

木曜の夜には誰もダイブせず @ 2024/04/17(水) 20:05:45.21 ID:iuZC4QbfO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1713351945/

いろは「先輩、カフェがありますよ」【俺ガイル】 @ 2024/04/16(火) 23:54:11.88 ID:aOh6YfjJ0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713279251/

【MHW】古代樹の森で人間を拾ったんだが【SS】 @ 2024/04/16(火) 23:28:13.15 ID:dNS54ToO0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713277692/

こんな恋愛がしたい  安部菜々編 @ 2024/04/15(月) 21:12:49.25 ID:HdnryJIo0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713183168/

【安価・コンマ】力と魔法の支配する世界で【ファンタジー】Part2 @ 2024/04/14(日) 19:38:35.87 ID:kch9tJed0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713091115/

アテム「実践レベルのデッキ?」 @ 2024/04/14(日) 19:11:43.81 ID:Ix0pR4FB0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713089503/

2 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 07:54:22.91 ID:diTgAZEo
期待したからだ
これが心理掌握ってやつか
3 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 07:58:46.55 ID:TPhiDyc0
心理掌握、ちょっと気になってたからつい……

ガッカリ
4 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 08:04:59.34 ID:ZxeaWwDO
三年前――。

不良「ねえ君可愛いねぇ」

不良2「つかその制服ってお嬢様学校?」

不良3「小学生から大変だなぁwwww」

不良2「つかお前らマジでロリコンかよ、さすがに小学生はないだろ」

心理掌握「(くだらない・・・)」

私は飽き飽きしていた。
こんなくだらない連中に。
都会のカラスのようにそこら中に群がるスキルアウトに。
最も、こういった連中の全てがレベル0だというわけでもないが、こいつらはレベル0。
心理掌握の称号を持つ私には手に取るようにわかる。

心理掌握「思考をそのまま吐き出すとは芸のないこと」

嘲るように私は笑う。
自分より遥かに背が高くがたいの良い連中を。
5 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 08:12:33.50 ID:ZxeaWwDO

不良2「・・・あぁ?なんか言ったかガキ」

心理掌握「『何言ってやがるこのガキ』『生意気な』『能力者か?』『俺らスキルアウトを舐めるなよ』・・・以外と頭の回転は速いのですね、劣等感は丸だしですけどあなた」

不良ズ「「!?」」

不良2「能力者かッ!」

心理掌握「あら、正解。数秒で私の能力を四種類考えるなんて凄いですわね、しかも大当り――」

私は手の平を連中に向けていた。これで頭をいじってやるだけ。発動までの時間がかかるために会話で時間稼ぎをしたのだ。

心理掌握「――私はレベル5の第六位、心理掌握ですわ」
6 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 08:59:12.68 ID:ZxeaWwDO

ダッ、
強い足音がした。
私の能力が発動するまであと三秒。
駆けるような強い足音が。
私の能力が発動するまであと二秒。
雄々しい、荒れ地を踏み荒らすような足音がした。
私の能力が発動する、その一秒前。
足音の主が私たちのいる路地裏の奥から、姿を現した。
紫色の光が弾けた。
その能力がスキルアウトたちに降り懸かった瞬間――ツンツン頭の少年が彼らに体当たりした。

パキンッ!!

一瞬にして、目には見えないはずの能力の力場が破壊された。
私を中心にした半径五メートルの力場が、呆気なく、なんの前触れもなしに砕け散った。
7 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 09:17:11.00 ID:ZxeaWwDO
「は・・・?」
呆気に取られたのは私。
力場どころか、スキルアウトの不良三人に放った能力すら打ち消された。
それは紫色の糸。
“アラクネの指先”と呼ばれるこの攻撃は紫色の光が弾けることで発動する。
時間をかけることで力場に溜め込まれた“マナ”という名の能力の固まり――AIMとは異なったもう一つの法則が紫色の光になる。
そして、座標を指定。一カ所に三人いたため今回は手の平の延長線の彼らをまとめて一つとする。
紫色の光が弾けると光は極細の糸となり、一瞬と呼ばれる時間で座標の頭脳に張り付く。
そこから即座に脳をいじる。
8 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 09:24:04.40 ID:ZxeaWwDO
これは簡単。パソコンを操作するのと変わらない。
キーを叩くように、RPGのゲームで攻撃の種類から好きなコマンドを実行するように、呆気なく選べる。
それを行ったのと同時にツンツン頭の少年が彼らにぶつかった。
彼の右手が、彼の意志ではなく偶然にも三人の頭をかすめた。
それだけでスキルアウトにかけた“アラクネの指先”は打ち消された。無理矢理に。

まるで、確定したはずの死が覆されたかのようだった。
RPGのゲームにおいてHPが0になる攻撃を受けたのに数字が変化しないかのように思えた。
実際にはいくらかのダメージが届いていたのかもしれないが、力場まで破壊された今の私に人の脳の様子はわからない。
9 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 09:28:38.42 ID:EB9e6kSO
アニメしか見てない俺にとっては分かりやすい…

支援だ
10 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 09:42:12.37 ID:.AnUAgAO
>>1君はアレか?天才ってヤツか?
11 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 09:55:05.24 ID:wTRQKEAO
まさか原作ですら具体的な能力・本人共に未出のキャラを使うとは。勇気あるな
こちらの能力は十徳ナイフほど使い勝手良くない気がするが

しえ
12 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 09:57:56.84 ID:49NqP.DO
これはまだ十徳ナイフの栓抜き使ったくらいの感じ何じゃね?
13 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 13:12:45.14 ID:ZxeaWwDO
「な、何が起こっ・・・」
絶対に不可能なのだ。
不良たちにかけた“アラクネの指先”はともかく、この力場はいかなる能力でも破壊すことができない。それはAIMとは別の方式だから。レベル5の誰であろうと、この力場を破壊することは敵わない。
干渉できないはずなのだ。
AIMによって開発された能力にして、AIMに頼らない能力。それが心理掌握。
AIMを逆算して私自身を乗っ取ったり、キャパシティダウンで演算を奪うことでしか力場は消せない。
しかもそれらは消す、力場維持を奪う、能力コントロールをされる、などであって“破壊”ではない。
物理的に、石を砕くのとは訳が違う。絶対に不可能。自分の手で気体を破壊しろと言うようなもの。不可能にして、有り得ない、矛盾。
14 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 13:16:33.94 ID:ZxeaWwDO
なんだこれは。
自分の全てを否定されたようだった。
だが、そんなことを考える余裕は消えた。
起き上がったツンツン頭の少年と目があったからだ。

ゾクッ!!

その瞳に射られ一瞬にして背筋が凍り、私は背中を壁に寄せ付けた。
恐怖。
その眼は野獣だった。
獣のように狂暴で、獲物を確実に捕らえる鷹のよう。
表情から見えるのは暴力。
暴力を糧に生きているかのような人間だ。
見た目は中学生ほどで私より二歳ほど年上なだけなのに、果たしてこれほどまでの顔つきになれるものだろうか。
憎しみが溢れている。
それは、空気中に溢れているかのよう。
15 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 13:18:23.96 ID:ZxeaWwDO
それだけでない。ツンツン頭の少年を包む特質などんよりとした薄気味悪い何かが溢れている。
なんだこれは。
これで、人間を名乗るつもりなのか?
こんなまがまがしいものが、どうして存在する。
暗殺者だとか、百戦練磨の猛者だとか、精神異常者だとか、そういった人間なのではない。
少年がまるで己に悪魔か邪神かそういった超常を越えた世界の歯車を内包しているように見えるのだ。
これは私だからこそ感知できたこと。
現在、少年を遠巻きにして、触れないように形成しているマナの力場は関係ない。
相変わらず少年の脳は観れない。だが、少年に壊された感覚。あの骨組みをねじ一つ例外なく分解するかのような、神のような絶対の力。
この手応えから私は理解した。
この少年には絶対の邪神が巣くっている、と。

その存在を私は知っている。

その能力者を、私は知っている。
絶対能力者(レベル6)
16 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/04/19(月) 14:09:51.39 ID:.AnUAgAO
カミやんヒドイ言われようだなw

しかし、ココ最近で一番のwktk感だ…
17 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 14:15:29.94 ID:ZxeaWwDO
窓のないビル――

“人間”アレイスター・クロウリーは笑んだ。
「幻想殺しと心理掌握が交差した」
そうアレイスターが呟く。
それに反応する者がいた。
窓のないビルにて、チューブだらけの部屋に立つ一人の少年がいた。
中学生のような見た目だが、チンピラみたいにガラの悪い風貌をしている。
その少年、垣根帝督は「はっ」と嘲るように笑った。
「どうやら『樹形図の設計者』の調子はいいようだな」
「ふ。当然だろう・・・・・・これは全てを正確に予測する」
「よくもまあ強気なもんだ。今回の件でちゃんと機能しているか確認できたくせに」
「・・・・・・」
18 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/19(月) 14:17:06.45 ID:ZxeaWwDO
「まあいい。それで、俺を呼んだ理由はなんだ?」
「・・・君は、この学園都市の目的を理解しているか?」
「“神ならぬ身にて天上の意志に辿り着くもの”だっけか?」
「・・・そうだ」
「またの名をレベル6、『人間に神様の計算はできない。ならばまずは人間を超えた体を手にしなければ神様の答えには辿り着けない』」
「・・・・・・」
「幻想殺しと心理掌握がその鍵を握っているってのも変な話だ。それなら第一位や俺と順位を変えるべきだろうが」
「・・・君には幻想殺しの護衛を頼みたい」
「はいはいスルーですか。っで?護衛てのはどこまでだ?」
「詳細は追って連絡する。同じ学校に通い、同じ寮に住んでもらう」
「うえ。つまりできるだけ一緒にいろと。・・・あんな世の中全て恨んで憎んでいるような眼をしたやつと、トモダチになれってか・・・」
帝督はため息をついた。
19 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 14:33:30.65 ID:rGvHsn.0
これは期待していいのかな
20 :pas ◆3JYt5gATyE :2010/04/19(月) 14:56:32.95 ID:ZxeaWwDO

とりあえず日付変わる前にトリ付けた。結構長い話になりそうだし

つか「」の前に名前付けるの忘れてたwwwwもういいやそれでいこうwwww
21 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 15:00:24.81 ID:uo7H4gAO
wktkしていいですか?
22 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [pas#pasuta]:2010/04/19(月) 15:10:49.79 ID:ZxeaWwDO

帝督が去った窓のないビルで、アレイスターは虚空を見つめていた。
幻想殺しと心理掌握。
科学と魔術。
神と天使。
まずはピースを揃えることから始める。
心理掌握の能力は上条当麻の存在そのものを汚染して、存在を組み換えてしまう。
故に心理掌握の全ての攻撃は幻想殺しが破壊する。
心理掌握が幻想殺しに与えるダメージは0。

「さて、計画の始まりだ」

計画は、動き出す。
止まることを知らない。

アレイスターですら予測できなかった、上条当麻が『死ぬ』その時まで――。
23 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 15:43:10.24 ID:2hqk7jg0
なん……だと……
扱いにくすぎる心理掌握を使って書くとは…
この>>1、できる……!
24 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 15:58:11.42 ID:itVfpiwo
この上条さんならいつでも竜が出せそうだな
25 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/19(月) 16:45:34.08 ID:ZxeaWwDO

ミスってトリ公開しちまったwwwwこれだからもしもしはwwww
トリはこっちに変更ね
26 :pas ◆3JYt5gATyE :2010/04/19(月) 16:48:13.31 ID:tjurLhgo
tst
27 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 17:07:39.03 ID:Au.NMYAO
この上条ちゃんは幻想殺しの正体を知ってるのか
28 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 17:26:11.44 ID:n/RcUwDO
気体
29 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/19(月) 17:50:26.35 ID:ZxeaWwDO

携帯書きづらいからパソコンに移動するわ。
これから毎日書いていくつもりだが、携帯とiPodtouchとパソコンの専ブラで書く。

日中は予備校にいるから携帯。改行変になるが、勉強の合間に書きたいからスマソ

トリはもう固定だってばよ
30 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 18:00:36.49 ID:PvJ.nIDO
心理掌握って五位じゃなかったっけ?
そういう設定ならすまん
31 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 18:38:02.41 ID:moYRhc.o
予備校に行ってるなら勉強しろよ・・・

俺らのことはその後でいいんだぜ
32 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/19(月) 18:41:42.09 ID:RN1H3Qco

この物語は悲劇である。


故に幻想殺しの少年は悲劇を乗り越え、ヒーローを目指す。


心理掌握と幻想殺しが交差する時――物語は動き出す。


(15巻表紙を上条当麻に置き換えて)


33 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/19(月) 18:42:59.11 ID:RN1H3Qco

「今の…お前の能力か?」
ツンツン頭の少年が口を開いた。
「ッ!?ッがぁっ」
首を掴まれ、壁に思い切り押しつけられた。頭を打ち、痛みに一瞬視界が歪む。
圧倒的な暴力。
自身の能力に頼り切っていた私にとってそれは未知の恐怖だ。
怖い。
痛みに呻くも少年は気にしない。
「今、何をした?」
押し殺したような声。
震えながら間近で少年を見る。
少年は傷だらけだ。
切り傷だけでない、明らかに人間と殴り合ったり鉄パイプで殴られた痕がある。
顔にそこまで傷があるわけでもないため、今まで気付かなかったが、少年はスキルアウト並に喧嘩慣れをしているように見える。
「ッ、んぐっ」
震える私を少年はしばらく観察すると手を離した。
力が抜けていた私は内股気味に崩れ落ちる。
「悪い。俺に向けたものじゃなかったんだな」
言葉をかけられるだけで私はビクリと震えた。
ガクガクと震える私を少年はどう見ているのか、うつむく私にはわからない。それだけに余計に怖くて、でも顔を上げる勇気もなかった。
昨日までの私が今の私を見たら嘲るだろう。
私のプライドという自尊心の塊が、こんな粉々に砕かれているとどうして予測できようか。

「いたぜ」

野太い声。
路地裏の奥から、ツンツン頭の少年がやって来た方向から声がした。
咄嗟に私は振り返った。
スキルアウトだ。数は十人以上。後ろにまだいる。
能力を…だめだ、震えて演算に集中できない…。
「チッ!」
そんな私の手をツンツン頭の少年が引いた。

ビクッ!!

跳び跳ねるように私は震えた。膝はガクガクと笑い、まともに立つこともできない。
「ぁっ…あぁ…」
少年は再度舌打ちすると私の腕を強引に引き寄せ、抱き抱えた。
「えっ…」
そのまま持ち上げ、路地裏を跳び出し、街中に出た。
「――――」
私は顔が真っ赤になるのを抑えられなかった。
きっとこれは恐怖から赤くなっているんだ、体が熱いのはそういうわけなんだ――。
心の中で私は必死に言い訳していた。
少年の胸の温かさに心臓の鼓動を大きくしながら。
34 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/19(月) 19:00:03.08 ID:RN1H3Qco
「このバカ!」

ツンツン頭の少年がそう声を荒げると私はビクッ、と震えた。
「…って俺のせいか。悪い」
そう謝ってきた少年の顔付きは少し穏やかだった。
だが、彼のまとう負のオーラは未だ変わらない。
まるで彼を締め付けるように、その雰囲気は纏わり付いている。
「悪かったな、巻き込んで。じゃあな」
手を振り、踵を返す少年。
私は顔を赤らめ、声を張り上げる。
「あ、あのっ、ごめんなさい…でした…」
「なんでお前が謝んの?」
「えっ、あ…すみません」
「いやだから何で?」
「ぅ…あの、その…」
「ってこれじゃまたいじめてるみたいか。…じゃあ、俺みたいなのに絡まれないように気を付けろよ」
「あっ…」
行ってしまった。
私は人差し指同士を絡めながらその背中を見つめていた。
自分が分からない。
彼は自分を助けに来たヒーローなんかじゃない。
むしろ、悪役だった。
それでも、私は彼と離れることが少し――怖かった。
まるで置き去りにされる子供のように。

それ以降、私は彼に合うために何度もこの街の通りで待った。
何日も、毎日通った。学校が終わるとすぐに向かい、雨の日でも傘を差して待った。
それでも彼は現れなかった。
35 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 19:04:02.80 ID:RN1H3Qco
ちょっとピアノ弾きたくなったから抜ける

ちなみにこのスレでは強さ議論とか大歓迎

乗っ取りだけはNG
36 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 19:05:32.54 ID:hXjhtawo
制速で乗っ取りはまずないから安心しろww
37 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 19:32:42.17 ID:hRka4Yk0
とりあえず乙!
38 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 19:49:52.85 ID:BLj6kFEo
そういうこと言うとのっとりだのあらしだのが来ることがあるから言わないが吉
39 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 20:23:00.36 ID:UFz0uAUo
ところでお前らの心理掌握のイメージってどんなん?
俺的にはまんま戦場ヶ原さんなんだけど。
40 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/19(月) 20:57:24.58 ID:hRka4Yk0
見た目はむぎのん、性格的には婚后さんかな
派閥つくってるらしいから、戦場ヶ原さんは何か違うww
中学時代の頃のイメージならそれっぽいけど
41 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 00:42:21.75 ID:DOyEJsAO
リメエアを若くした感じ
42 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/20(火) 03:58:08.88 ID:tmX0dbg0
はやくラブコメ書きたいのにあら不思議
43 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 04:33:32.75 ID:./uhGgko
今からラブコメ展開まで急いで進む作業に移るんだ!ww
44 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 11:09:04.34 ID:t4rayYDO
上条当麻のクラスに転校生がやってきた。

「どもー、垣根帝督です」
そいつはインテリチックに整った容姿なのにどこかガラの悪い風貌で、近寄り難い印象があった。
「では、垣根ちゃんは上条ちゃんの隣の席ですねー」
「はいはい・・・って『ちゃん』?」
「そうなのですよー垣根ちゃん」
小さな先生だ。
子供としか思えない見た目の教師、月詠小萌はにこにこと嬉しそうに笑う。
「はぁ・・・」
帝督は上条の隣に座るとどこかあどけない人懐っこさを感じさせる笑みを浮かべた。
「よろしくな、上条クン」
「はぁ・・・」
上条は久しぶりに自分に話しかけてきた人間に少し意表を突かれ、いつも一匹狼の雰囲気が抜ける。
「上条ちゃんと早くもお友達ですかー、先生は嬉しいです」
小萌は相変わらず嬉しそうにしている。
そんな中、上条は少しだけ頬を引きつらせていた。
45 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 12:32:57.91 ID:t4rayYDO
垣根サイド

「上条クン、購買ってどこにあんの?」
「俺が案内し――あ、っと廊下を出て真っ直ぐ行けばある」
「上条クンは行かないの?」
「俺は弁当」
「ふーん」
帝督は上条の素っ気なさに心中でため息を付く。
「(できるだけ幻想殺しから離れるわけにはいかないんだが)」
かと言って怪しまれてはいけない。だが、今日の帝督は転校生である。
転校生が隣の席の人間と交遊を計ろうとしても何らおかしくない。
「(どうするか)」
「早くしないとメロンパン売り切れるぞ」
「わかってるって、今行く」
二人の男子生徒が購買に向かうようだ
「(パンも売っているのか)」
できるだけ転校生という立場を使って幻想殺しと親しくなっておきたい。
「あのさ、悪いんだけど俺の分も買ってきてくれね?」
転校早々パシるなよ、と上条が呟いたが、帝督の妙なカリスマ性が彼らを頷かせた。
「一緒に食おうぜ」
「あ、ああ」
46 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 12:59:35.46 ID:t4rayYDO
「上条クンはレベルいくつなん?」
「0。あと君付けはいいよ」
「あ、そう。んじゃ上条」
「お前は・・・えっと垣根だっけ?」
「おう」
「レベルは?」
「4だな」
「すげーな」
「(超電磁砲と違ってレベル5だって明かせないしな)」
「どういう能力なんだ?」
「うーん、俺自身よくわかってねーな」
「わかってない?」
「未元物質って言うんだがよくわからん物質を操ることができる」
「よくわからんって」
上条が苦笑した。
「(説明したら最強だもんなー、明らかにレベル5だってバレるっつの)」

昼飯を食い終わる(帝督はパシらせたメロンパンと焼きそばパン)と、上条が立ち上がった。
「次の授業は移動教室だから」
「お、まじで。一緒に行――」
「だからフレンダ、案内してやってくれ」
上条が女子グループの一人に声をかけた。
金髪碧眼の美少女がこちらを向く。
「結局、上条は私のことをまたパシるってわけね」
フレンダはそう言いながらも片手をひらひら振って了承する。
上条は帝督の肩を押し、言った。
「あんまり俺に近付かないほうがいいぜ」

それは弱々しい微笑だった。
帝督は何も言えず、上条はその間に教室を出て行った。
47 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 13:08:23.82 ID:YedTplwo
お、来てるー
48 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 14:38:57.00 ID:t4rayYDO
「(え、なにアレ中二病?wwww)」
「結局、上条ってバカなのよね」
「(そりゃそうだろうwwwwくっ、俺に近付くな、災いが降り懸かるってかwwwwwwテラ痛すwwww)」
「あーやって自己犠牲しちゃってさ。本当にバカみたい」
「(まああれだ、黒歴史だししょうがねーよwwwwうん、男はみんな通る道だwwww今の内に発症してて健全なんだよwwww)」
「上条の不幸話、聞いたでしょ?・・・って結局、聞いてるわけ?」
「あ・・・君、可愛いね」

「結局、アナタみたいなナンパな人って嫌いなのよね」

「あ゛あ?」
と、本性を出しかけ、帝督は慌てて乾いた笑みを浮かべる。
「そんなことないよ、それで上条がなんだって?」
「言っておくけど、上条には近付かないほうがいいわよ。ナンパがしたければそういった奴らと絡めば?」
「・・・俺は上条と仲良くなりたいんだがな」
「・・・ふーん」
「別に深い意味なんてねーよ」
口調を優等生キャラから改める。
「ただ、なんか上条っていい奴みたいなのに無理してる感があるのが気になってな」

「(・・・結局、転校生に上条が理解されてなんか悔しかったりする訳なのよね)」
49 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 19:17:17.53 ID:tmX0dbgo
「上条が不幸だって聞いたことある?」

フレンダがそう質問してきた。
「不幸?なんだそりゃ、カワイソウな自分に浸ってる少女漫画の主人公か?」
「…そんな可愛いものじゃない…」
「は?」

「生き地獄、私なら自殺しかねないほどに、神様に見捨てられているのよ上条は」

そうして、フレンダは帝督に上条のこれまでを話した。
過去から今現在までの、不幸を。


――心理掌握

「てめえがレベル5の第六位だって?」
「はは、小学生じゃねえか」
「何その目、生意気だわぁ」
スキルアウト。
数十人はいる。
鉄パイプや鈍器を手に彼らは私――心理掌握に向かってきた。

「跪け=v

私が発したその一言で、ドサッ!!とスキルアウトの全員がコンクリートの地面に崩れ落ちた。
ガランガシャン、と武器が転がる。
「な、にぃ…が…」
私のすぐ傍にうつ伏せに倒れたスキルアウトが呻いた。
ドサッ。
私はその頭を踏みつける。
「て、めぇ…!」
ギリギリと歯軋りしてスキルアウトが睨んでくる。
ははっ、と私は笑った。
「無様ね、下等な猿の分際でこの私に挑むなんて」
こいつらを踏みつけているだけで、私は背中がぞくぞくとしてきたのを感じる。
「ねえ、学園都市はなんでこんなゴミを転がしておくのかしら?ふふ、そうは思わない?」
「[ピーーー]…」
「誰が、私を[ピーーー]って?あっはは!私をお前如き無能力者のクズが?あっははは!どんな冗談よ」

「地面に頭を打ちつけろ=v

命令。
スキルアウトの全員が、うつ伏せの状態からコンクリートの地面に頭を打ち付けた。
ゴキッ!!
誰か骨の折れた者がいたかもしれない。
50 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 19:26:58.61 ID:yqKiGaEo
仕様解除はメル欄にsagaねsageじゃなくsagaね
51 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 19:28:47.08 ID:tmX0dbgo

「うっふふ」

力場をいじる。
アラクネの魅了≠発動。
一瞬にしてその場のスキルアウト全員を洗脳。

「さて、ゴミ掃除に貢献してさしあげますか」

それは、強盗をしろという命令。
銀行強盗、コンビニ強盗、なんでもいい。
そうして、警備員に捕まえさせる。
警備員の何人かも軽い洗脳をしている。
それを操って強盗するスキルアウトの近くに配置する。
たまたま近くにいた警備員がスキルアウトを逮捕。そして少年院に入れる。

まさしくゴミ掃除だ。

「ゴミはゴミ箱にっと。…やっぱりだめですわね、どいつも私とじゃ戦いにすらならない」
思い浮かべるのは先日の少年。
「あのレベル6に会いたいですわ」
にやり、と私は笑みを浮かべて舌舐めずりをすると夜の街を歩きだす。

「やっと見つけたゼ、心理掌握」

ビクッ!!
声のしたほうを振り返る。
暗い一本道から一人の少年が歩いてくる。
高校生らしき見た目、髪は銀色で鋭い目つきをしている。
そんなことはどうでもいい。

そんなことより、私を中心にした半径五メートルの力場で感知できなかった。

そして、今なお私の能力が一切通じていない。
52 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/20(火) 19:34:23.20 ID:tmX0dbgo

「くはっ、自分の能力が絶対だとでも思っているのか?流石は世間知らずのお嬢様だゼ」

その少年は腰に木刀を提げている。
それを引き抜き、私に突き付けた。
私と少年の距離は三メートル。

「たかが第六位が調子に乗るなよ?」

「なら、あなたはどんな大物なのかしら?」

私は額に汗をかきながらも返答した。
そうだ、私は第六位。
私の能力が効かない能力者だっていてもおかしくない。
そもそも私の力場を破壊されたわけでもない、あのツンツン頭の少年と比べればそこまでイレギュラーというわけでもない。
だが、私の能力が効かないってことは――。

私の予感は当たった。

「俺はレベル5の第五位――AIM保護(AIMプロテクション)だゼ」

少年が動いた。
素早い。
私が身構えるより速く、足を踏み出し、地面を弾くように跳び込んできた。

「ぐぁっ!」

頭を守るように突き出した腕を思い切り木刀で殴られ、バランスを崩す。
腕の骨が呆気なく折れたのを感じた。冗談じゃない、こちらは小学生の能力に頼ったお嬢様だ。

ドガッ!!

一切容赦のない蹴りが私のわき腹を捉えた。

「ごぁア!」

ろくに受け身も取れずに私は地面を転がる。

「くっははー!気分爽快だゼ!」
53 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 19:41:12.24 ID:3yTbkoEo
一方さんかと思った
54 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/04/20(火) 19:43:50.61 ID:tmX0dbgo
>>50
おおうすまねえ。ぐぐったらこの板だとピーになるんだな。「ピー」で何て書いたかは推測してニヤニヤしてくれ
55 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/20(火) 20:03:42.87 ID:tmX0dbgo

ゴキッ!!

「ッッ!が、ぁあああああああああああああ!!」

折れた腕を踏みつけられ、さらにゴリゴリと地面で腕の骨を刺激する。
激痛で頭がどうかなりそうだった。

「がぎゃあああぁああぁぎ、ががぁきああああああ!!」

絶叫が闇に響く。
銀髪の少年は愉しそうに唇を歪める。

「くっは、はは!もっと苦しめよ、なあ心理掌握!」

「がぁあああぁぁああああああああああああああ!!」

涎が垂れ、下着は嫌な汗で濡れている。
死ぬ。
死んでしまう。
精神が崩壊しそうだった。
みっともなく腰を上下し、片腕を無茶苦茶に振るい、絶叫し続ける。
下着の下で液体が漏れていることを恥じる余裕もない。

「ぎぁがあぎゃあああぁあああああああ!!」

「苦しめよ、なあ、苦しいだろ?苦しいんだよ!それがてめえの罰なんだよクソアマ!」

あい、つらを…スキルアウトを操る。
ほとんどが気絶している。それだけ私の洗脳が脳に与えるダメージは大きい。
しかも、その前には額を地面に打ち付けている。気絶していてなんら不思議じゃない。
気絶はPCにおけるシャットダウンに近い。強制的に立ち上げることもできるが、時間がかかる。
それまでどんなキーの信号も受け付けてくれない。

「あ、が、ぎぁあ!が、あ、ぁぁあああああああ!……ぁが…あぁ…」

足が持ち上げられた。

銀髪の少年が、鋭い眼で睨んだ。

「お前が精神崩壊させた女、覚えているか?」

「あ、が、ぁあぎ…」

「なあ、オ・ボ・エ・テ・イ・ル・カ?」

腹にブロー。

「ごぼァ!」

私は口から血を吐き、ひくひくと体を痙攣させる。
56 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/20(火) 20:17:27.26 ID:tmX0dbgo

「たかが、能力の対決だゼ?それでお前はあいつを壊した」

スキルア、アウ、トの連中を…せめて一人でも操って…。

「……」

無言で、木刀によって額を殴られた。

「がァああっ!」

地面を転がり、額から滲む血が地面を濡らす。

「人の話はさ、チャ・ン・ト・キ・ケ・ヨ」

「ごぶぁっ!」

腹を蹴り上げられる。
そして、蹴り。
転がったところを歩いて寄り、蹴る。
執拗に腹を蹴る。
まるでサッカーボールのように蹴り続ける。

「がっ、ごぁ、ぎぁがっ!ぐっ…がぁあ!」

蹴る。

「げぼぁええっ!」

吐く。嘔吐するも攻撃は止まない。
胃から全て掃き散らかし、血を滲ませ、過呼吸気味に咳き込む。
びくびくと腰から下が痙攣し、体内の水分を吐き出すかのように尿が流れる。

「くっはははははははっは!無様だなあ!」

もはや上下左右の感覚すらない。

「お前がさ、壊したんだぜ?ぐっちゃぐちゃのぐっちゃぐちゃに…あいつをさ」

ゴスッ!!

頭を踏み付けられる。

「気に入らないって?そんな理由で?おいこのお嬢様はどれだけ偉いんだ?なあ?」
57 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [佐賀]:2010/04/20(火) 20:23:18.80 ID:tmX0dbgo

うわ、すげーミスした…

>「お前がさ、壊したんだぜ?ぐっちゃぐちゃのぐっちゃぐちゃに…あいつをさ」

↓訂正

>「お前がさ、壊したんだゼ?ぐっちゃぐちゃのぐっちゃぐちゃに…あいつをさ」


吊ってくる
58 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 20:28:26.96 ID:8WmgSe2o
たいした問題じゃないから気にするな
むしろメル欄の佐賀の方がおかしいww
59 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 20:35:13.99 ID:FVhepADO
五回ほど見直してやっとわかった
60 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/20(火) 20:39:32.66 ID:tmX0dbgo

――Hallo hero

そんな様子を黙って見ていられるような人間じゃなかった。

ツンツン頭の少年は、

そんな意気地なしではなかった。

だから跳び出した。

その少女が誰なのかなんて暗闇でわからなかった。

だが、わかったのは少女が善人でないこと。

少女がかつて一人の少女を酷い目に合わせたこと。

そして、銀髪の木刀を持った少年が復讐しに来たということ。

それだけが、わかった。

そして、

何より、

少女が苦しんでいることがわかった。

それだけで、

上条当麻は拳を握り、

叫んだ。

「その子から離れろおおおおおおおおおおおおおお!!」
61 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/20(火) 20:43:50.46 ID:tmX0dbgo

マミーが呼んでるから夕飯食って来る
今日は俺の好きなサイコロステーキだー
62 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 20:56:34.79 ID:5omFd1w0
>>58
ひょっとしてそれは冗談で言ってるのか?
63 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 21:04:17.07 ID:ii/Fvm6o
>>62
>>57のメル欄がsagaから佐賀になっている事じゃないの?
64 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 21:49:08.59 ID:5omFd1w0
>>63
マジだw
よく見たら一箇所「佐賀」かw
65 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 22:20:15.54 ID:SEL/uOUP
hallo
66 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/20(火) 22:57:33.54 ID:tmX0dbgo
>>65
うわあああああああミスったああああああああこれ来年も浪人ってかwwwwwwwwwwwwwwwwwww
Halooでしたねww

↓訂正


――Halloo hero

そんな様子を黙って見ていられるような人間じゃなかった。

ツンツン頭の少年は、

そんな意気地なしではなかった。

だから跳び出した。

その少女が誰なのかなんて暗闇でわからなかった。

だが、わかったのは少女が善人でないこと。

少女がかつて一人の少女を酷い目に合わせたこと。

そして、銀髪の木刀を持った少年が復讐しに来たということ。

それだけが、わかった。

そして、

何より、

少女が苦しんでいることがわかった。

それだけで、

上条当麻は拳を握り、

叫んだ。

「その子から離れろおおおおおおおおおおおおおお!!」
67 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 22:59:11.20 ID:tmX0dbgo
>>66
上のところミスェ…

>>65
うわあああああああミスったああああああああこれ来年も浪人ってかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
Halooでしたねwwww

↓訂正

>>65
うわあああああああミスったああああああああこれ来年も浪人ってかwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
Hallooでしたねwwww
68 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/20(火) 23:01:15.40 ID:5.oblrIo
>>67
すまないがHelloだと思うぞ
69 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 23:02:52.98 ID:3EOYBoAO
haloo…?

Hello…
70 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/20(火) 23:02:54.04 ID:tmX0dbg0
>>68
それじゃこんにちはじゃないかー
71 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 23:03:07.20 ID:zzGOqISO
コピペする範囲がおかしいだろwww
72 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/20(火) 23:19:55.19 ID:SXLxokSO
KNSSNHKTISTIR
73 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/20(火) 23:48:25.96 ID:l9G40yQo
>>66
>――Halloo hero

 浪  人  決  定
74 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/21(水) 00:07:50.41 ID:tmMMT.w0
Halloo hero=やあ!ヒーロー

あれだな、カッコつけて伝わらないのは恥ずかしいな
まじすんませんした
ちなみにpasutaは英語のパスタじゃないです
俺如きが制作来てごめん
でわ
75 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 00:13:14.89 ID:Pyj9XQAO
いいから戻ってこい
76 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 00:19:09.57 ID:t38RNNUo
たいした間違いじゃないしわざわざ修正しないでそのまま続行すると良いと思うよ
それぞれの脳内で修正できる範囲だし
まあ、ようは気にするなと言うことだ
77 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 00:50:03.79 ID:Zmn84dYo
その通りだ
続きを待ってるやつだっているんだから
78 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 00:52:39.90 ID:4t0SAwDO
>>1
大丈夫!
俺の友達なんか電話での挨拶を未だに「hello」じゃなくて「If if」やと思ってるしwww
そんな奴でも大学には一応行けてるし
79 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 00:56:55.95 ID:YHbOtcDO
ん?
80 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 01:05:15.14 ID:YHbOtcDO
あ・・・れ?
hallooで合ってるだろ?
hello「こんにちは」じゃなくてhalloo「おい、やあ」だって
なんで>>1叩かれてんの?
helloとかバカなこと言ってるやつは中学生か?そんなもん間違えるわけないじゃん
>>78みたいなのがいるから携帯馬鹿にされるんだよな
81 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 01:30:38.20 ID:xcwqm5Y0
おれも何で叩かれてんのか一瞬分からなかったぜ
そうかHelloの誤記だと勘違いされたのか
ドンマイ>>1

まあ確かに微妙に似てるから勘違いされやすいかも…?
と言う訳で華麗に戻ってこい>>1お前は悪くねえ
82 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 02:56:59.61 ID:3Bhfe6Yo
>>78
その友達を俺にくれwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
83 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 07:54:50.40 ID:LWNTvgSO
このスレには期待している
84 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 10:23:35.01 ID:r03igEDO
佐賀は盛大に吹いた

支援
85 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/21(水) 11:12:54.44 ID:tmMMT.w0
やあおはよう
寝るからでわって言ったつもりだったんだぜ
お前らの優しさに全俺が泣いた

相当長くなる話だが、毎日書くぞ
でわ今日は予備校が午後だから
86 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 11:23:46.84 ID:.ptT2cAO
未設定なキャラだからどうせクソだと思ったらこれはなかなか
応援してるぜ
87 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 11:47:44.28 ID:duxaXE.o
まだ出てきてない設定だからフリーダムにやれるという事実
こういうのは今のうちにしか出来ないかも試練
88 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/21(水) 19:31:47.80 ID:tmMMT.wo

「あん?」

銀髪の少年が大声のほうを振り返った。

同時、ツンツン頭の少年の拳が突き抜けた。

シュッ!

銀髪の少年はぎりぎりで首を反らし、それを避けた。頬をわずかに擦るが、力のベクトルに逆らわず受け流す。
続いて木刀を腰元から引き上げる。

バチンッ!

釣り竿のように張り上げた木刀はツンツン頭の少年の顎を弾いた。

「ぐぁあっ」

後ろによろめいたツンツン頭の少年。
銀髪の少年はさらに深追いをかける。
剣道の抜き足の要領で一歩にして近づくと、背を屈めて木刀に力を込める。

ゴキッ!!

双方が弾かれた。
ツンツン頭の少年の拳は銀髪の少年の頬を捕え、銀髪の少年の木刀はツンツン頭の少年の肩を捕えた。
思わぬ反撃に銀髪の少年はステップして数歩下がる。

そして、ツンツン頭の少年を確認。

「くっは、はは!誰かと思えば幻想殺しじゃないか」

心理掌握はその様子を遠巻きに見ていた。
痛みにおかしくなりそうで、目を瞑ってしまいたかったが、必死に目を凝らしていた。

イマジン…ブレイカー…?
能力名だろうか?
そう思ったが違った。

「どうしたんだゼ?…なあ、レベル0の上条当麻」

上条当麻は無言で立っていた。

心理掌握を守るように心理掌握の前に立ち、その拳を握り締めた。
89 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/21(水) 19:47:47.59 ID:tmMMT.wo

「なに、やってんだよ…」

「あ?」

「なにやってんだって、聞いてんだよ…ッ!!」

上条当麻が吠える。
レベル0の少年が、吠える。

「くっは、何って愉しい復讐タイムだゼ?」

銀髪の少年は気分良さ気に笑う。

「もういいだろ!なんでここまでやるんだよ、非人道的にも程があんだろ!」

「くっはっはは!それはこっちの台詞だっての。この女が何をしたか、てめえにはわからないだろ?」

「だからって、こんな――」

「それこそてめえには関係ないだろ?」

「ああそうだよ、無関係だ。だからってこんなもん見過ごせるかよ!」

「…善人だなあ。本当に善、押しつけがましいほどの善」

「そんなんじゃねえよ」

「いやいや、間違いねえよ。俺の知り合いに似てんだ」

「知り合いって、さっきの…?」

「くっは、さっきの会話を聞いていたのか。ってありゃ会話になってねえな。くっはは、俺の一方的な問いかけか」

「少しだけな。…だからって、こんなことが許されるわけじゃねえよ」

「そんな、お前みたいな目をした女だった。誰かのために体張ってる馬鹿なお嬢様だよ。そいつをこいつは壊した」

「こわ、した?」

「精神崩壊だよ、さらに脳みそにダメージ送って頭から血ぃぶちまけて倒れた――関係ない誰かを守るために心理掌握に一言言っただけでな!」

「なっ」

「たかが、能力の対決に過ぎない。…よくやるだろ?学校でさ、ちょっと喧嘩になって能力で勝負してみようってさ。それを持ちかけといて、この女は一人の人間の全てを奪った」

90 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 20:14:20.68 ID:fP5l6oEo
続き来てるー
91 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/21(水) 20:17:07.13 ID:tmMMT.wo

「俺はさ、あいつやお前みたいな善人じゃねえんだゼ?てめえの大事なモンを壊されて、奪われて、それで黙っていられるような人間じゃねえんだ」

「……」

「それで、こいつはどうなったと思う?心理掌握はさ、レベル5はさ、何のお咎めもなしなんだゼ?くっはははっはは!人一人平気で壊しておいてよ!」

「……」

「だから俺は――闇に落ちた」

「……」

「心理掌握ただ一人を殺すためだけに、生きて、殺して、今までやってきた」

「……」

「そしたらほら、今日にはなんとその夢が実現しちまったんだよ!くっはは、毎晩毎晩こいつに復讐することだけを誓い続けて、待ち焦がれた瞬間がやってきたんだよ!」

「……」

「なあ?俺は間違っているか?人間なんてみなそうなんだよ。てめえの大切なモノを奪われて、その犯人を知って、やり返したいって思ってしまう生き物なんだよ」

「……」

「おい幻想殺し、いや上条当麻。――お前に俺の夢を奪う権利があるってのか?」

上条当麻は口を開いた。
ずっと閉ざしていた口を開いた。

そして、やはり拳を握り締めた。

「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ…」

「あ?」

「うるせえって言ったんだよ!!」
92 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/21(水) 20:21:07.99 ID:tmMMT.wo
「なん…だって?」

「何が夢だ、復讐だ。そんなことその女の子が望んでるとでも思ってんのかよ!そんなことして何になるってんだよ!ふざけた自己満足で他人に不幸を押しつけてんじゃねえよ!」

不幸な少年は叫ぶ。

「お前がこんなことをして、誰かがして、それをやり返して、そんなことを繰り返してどうすんだよ!こんな復讐をされて彼女が喜ぶとでも思ってんのかよ!…いいや、思ってねえよな。思ってるわけがねえ!」

声を張り上げる。

「お前は傷付いた自分が可愛いだけだ!てめえの罪を彼女になすりつけて、てめえの傷の痛みを押しつけて、てめえを満足させたいだけだろうが!本当に彼女のことを思ってんなら、何故こいつに確認しなかった!」

「したさ!こいつがやったって証拠は上がってんだ!だから俺はこいつをこ――」

「だったら!謝らせて、謝罪させて、それで終わりにしろよ!」

「ふざっ――けんな!!」

「てめえに俺の何がわかる!?そんなもん当事者でないてめえに理解されてたまるか!」

「うるせえええ!それでてめえは何をした!?闇に落ちた?そこでてめえは何をした!?」

「仕事だよ!どいつもこいつもくだらねえ、殺しの仕事だ!!」

「お前がやっていることだって悪じゃねえか!」

「だからどうした!人間誰だっててめえが可愛いんだよ!てめえの目的のために殺しても構わない人間≠殺して何が悪いってんだ!」

93 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/21(水) 20:23:00.81 ID:tmMMT.wo


「てめええええええええええええええええええええええ!!お前が殺した人間にも誰か大切な人がいたかもしれねえだろ!?そいつの帰りを待っているやつがいたかもしれねえだろ!?そんなやつらをてめえのくだらねえ復讐のために喰い物にしてきた
ってのかよ!!」

「だから、どうし――」

「そいつらが、お前と同じ状況になるって何故わからない…ッ!?」

「なっ」

「お前が殺した人間の友や恋人や家族が、泣き怒り、どうするか、どんな思いか、何故わからない!?」

「っ」

「どうして不幸の連鎖をてめえで作ろうとするんだよ!?それでお前を殺しにきて、それでもお前は満足なのか?『お前が殺したんだ』って泣きながらてめえに向かってくるやつを殺し返して、そんなことを繰り返す人生で満足なのか!?」

「お、れは――」

「お前は!!こいつに謝らせて、それで終わりにするべきだったんだ。誰の為でもない、お前自身のために!!どうしててめえは自分から不幸になろうとするんだよ!!」

「俺はあああああああああああああああああああああああああああああ!!」

「罪と罰だなんて不毛なことを議論しあって何になるんだよ!!」

「俺はこの女を、心理掌握を殺すと誓った!あいつの為にも!絶対に仇を取ると誓った!てめえはそんな俺の夢を奪うってんなら、お前も敵だあああああああああああああああああああああああ!!」


「くっそが!ああいいぜ、てめえがそんなモノを 夢 だって言うんなら――」


上条当麻は右手の拳を、向けた。


「まずはその 夢(幻想) をぶち殺す!!」
94 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 20:34:40.05 ID:dnr12iko
見てるよ
95 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 20:45:03.29 ID:tmMMT.wo

ネットの繋がりが悪くてエラー連発
くっそ、盛り上がって来てたのに
96 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 20:46:26.81 ID:pqGu16AO
もうパンツ脱いでいいの?
97 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 20:48:07.93 ID:tmMMT.wo
>>96
まだ早いぜ

つかしばらく投下無理そう
適当に雑談でもしてけろ
98 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 21:06:29.46 ID:fpurucs0
マジレスすると心理掌握は第五位で常盤台中学生
99 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/21(水) 21:07:27.96 ID:fpurucs0
すまんなんでもないw
三年前ってのを見逃してたw
首つってくるお
100 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 21:20:31.33 ID:MdCBoYko
小学生に精神壊されるとか俺にとってはご褒美
101 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/21(水) 22:06:26.80 ID:GrvFKioo
俺だったら自ら進んで下僕にしてもらうもんね!この役は誰にも譲らないぜ!!
102 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 00:01:05.56 ID:uDs58wUo
いやだこの上条さんかっこいい
103 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 00:28:22.81 ID:BBiBF8Ao
フレ    にていとくん、そして心理掌握が上条さん側か
   ンダ

胸が熱くなるな
104 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 00:42:25.75 ID:VTaW/6AO
フレンダをミカとエルみたいにいうなよ
105 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/04/22(木) 04:55:36.73 ID:Gtbpu0E0
アニメor漫画しか読んでない人ってまだいる?
いるなら今後も原作キャラは説明つけるが
106 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 07:35:06.48 ID:aI5BoQ.o
説明求む
107 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 08:20:50.02 ID:.sfjHYAO
そんなもんwiki見てこいの一言で解決な訳だが
108 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 13:09:20.03 ID:YVRY8oAO
何だこれ。つまらん












なんて言うと思ったかい?
気をつけろ。こういうトラップはこれから結構遭遇するぞ

ちなみに俺は大好きだ。
下半身解放して待ってるからな
109 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 15:48:58.01 ID:Of/Y5D2o
最近美琴やら一方さんの話ばっかだったから期待して待ってるお
110 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 17:37:29.58 ID:y3Jh1QSO
アニメしか見てないからチョロっとは説明欲しい
テンポ崩さん程度にホントーにチョロっとね
111 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 18:01:46.41 ID:wJvKs2Mo
>>110
原作読まずにこのスレ開くとは物好きだな
112 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/22(木) 19:08:52.69 ID:C82bcESO
このスレたった時からずっと脱ぎっぱなしなんだが………そろそろはいていいか?
113 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 19:22:49.14 ID:4ym1CBso
原作は5、15、19、20巻しか読んでないわ
114 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 19:34:27.03 ID:hkJmI8k0
>>113
お前、どうせキャラしか見てなくて本筋とかどうでもいいんだろ?
115 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 19:48:59.05 ID:4ym1CBso
そうだけど?
116 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 19:58:02.52 ID:YVRY8oAO
>>113-115
落ち着け。
人それぞれ読み方は自由だ

ここはvipじゃない
無用な口論はやめて、心穏やかに>>1の投下を待とう
117 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/22(木) 20:14:06.59 ID:aXuhYgDO
本筋てかストーリーだけみて、ぎゃー!禁書おもしれーかっこいー!
てな人がどのくらいいるのかな?
118 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 20:17:53.95 ID:WECL0MAO
某パーリィスレや、ウサギさんスレを見て一方さんを好きになったオレは原作見て失望しそうで、なかなか手が出せない。
某欠陥電気も大好きなんだが、こんなオレは楽しめるかな?
119 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 20:25:58.91 ID:Of/Y5D2o
最新刊見るともう一方さんヒロインでいんじゃね?と思えてくるよ
120 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 21:37:43.62 ID:PcjPOlEo
原作読んでなくてもWikiでなんとかなる
しかし書くとなると原作ないとどうしようもないね…

>>1面白い。続けて
121 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/22(木) 22:41:55.30 ID:LtuRDbg0
例によって例のごとく『とりあえず三巻まで読め』だ
122 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/22(木) 23:40:22.77 ID:Gtbpu0E0
ただいまー
123 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/22(木) 23:41:32.98 ID:penouugo
待ってたぜ!
124 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/22(木) 23:45:03.33 ID:Gtbpu0E0
>>121
アニメ見た人は4巻からでいい気がするけどね



今からPC付けて書く
125 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 00:00:57.35 ID:DIoOHego

垣根サイド――

中学生にしては長身の茶髪の少年、垣根帝督はその様子を見ていた。
暗い路地裏を見降ろす帝督はある建物の屋上にいる。

「まずはその 夢(幻想) をぶち殺す!!」

上条当麻がそう叫んだ。

帝督はその様子を無機質な瞳で見下ろしていた。
観察していた。

「つか、護衛の俺が傍にいないわけないよな」

そう帝督は呟く。

カツ。

夜闇にヒールの足音が響いた。

「結局、護衛のくせに観察してるだけって訳ね」

帝督が振り返る。
屋上にやってきたのは金髪碧眼の美少女。
少女の名前はフレンダ。
上条当麻のクラスメイト。

「よくここがわかったな。そんなに俺に会いたかったか?」

「馬鹿ね、私がここにいる理由なんて明白な訳よ」

「ふん、何が上条を心配するクラスメイトだ」

はっ、と帝督は小馬鹿にする。
フレンダは何も言わない。

「お前はさしずめ観察者といったところか」
126 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/23(金) 00:04:30.17 ID:MybGX2AO
キャーていとくんー!
127 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 00:13:35.52 ID:DIoOHego

「私が話したことは事実だけど?」

「そうだろうさ。裏側のお前が俺に情報提供で間違った情報を与えてどうする」

「不機嫌そうね?」

「そう見えるんなら、俺は上条が気になるのかもな」

にや、と帝督が人の悪い笑みを浮かべる。
フレンダはそれを気味悪がるように半歩下がった。

「なに、あなたそっち系?結局、あなたってキモいんだけど」

「違げえよっ」

「確かにそんな雰囲気もあるっていうか…女に興味無さそうだし」

「なら性的な意味で今すぐてめえを襲ってやろうか?いい声で喘がせてやるよ」

「……全力で遠慮するわ」

「ふん、ダチのフリして上条に好意あります〜って嘘付いてる誰かさんより、よっぽど人間らしい俺のほうがマシだ」

「……」

「少しは好印象だったんだがな。お前が上条の話をした時」

「……」

「残念だぜ、あの気持ちも表情も演技だってのが。ははっ」

「…なの…?」

「あ?」


「監視者が、監視対象を好きなっちゃだめだっていうの?」


フレンダは、寂しげな顔をした。
128 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/23(金) 00:36:20.20 ID:DeF4BGc0
キャーフレンダー
129 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 00:41:57.26 ID:I4H87/Uo
フレンダ・・・
130 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 00:43:53.88 ID:DIoOHego

6時間前――

――上条がなんて呼ばれてたか知ってる?

あん?

――疫病神≠諱B

……。

――上条は幼稚園の卒業とともに学園都市にやって来た訳だけど、それまでの話ね。

――生まれつき『不幸』だった上条はみんなからそう呼ばれてた訳。

――それも、ただ子供達が言うならわかる。けど、

――大の大人までもが、そんなふうに呼んだ訳。理由も何もないわ。上条は、ただ『不幸』だからっていうだけでそう呼ばれ続けたのよ。

――上条が側にやってくると周りまで『不幸』になる。

――そんな俗話を信じて、子供達は上条の顔を見るだけで石を投げた。

――大人達もそれを止めなかった。上条の体にできた傷を見ても、哀しむどころか逆に嘲笑った。

――なんでもっとひどい傷を負わせないのかと、急きたてるように。

――上条が側を離れると『不幸』もあっちに行く。そんな俗話を信じて、子供達は上条を遠ざけた。その話は大人までもが信じた。

――あいつは…ッ!

――上条は一度、借金を抱えた男に追いかけ回されて包丁で刺された事がある。

――話を聞きつけたテレビ局の人間が、霊能番組とかこつけて、誰の許可も取らずに上条の顔をカメラに映して、化物のように取り扱った事もある…ッ

――上条の父親が言っていた…・。

――息子を、当麻を学園都市という離れた場所に送ったのはそれが理由だと。

131 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 00:46:16.01 ID:DIoOHego

――恐かったって。

――『幸運』だの『不幸』だのが、じゃない。そんなものを信じる人間が、さも当然のように当麻に暴力を振るう現実が。

――恐かった。『不幸』だのという迷信が、いつか本当に当麻を殺してしまいそうで。だからこそ、そんな迷信のない世界に当麻を送った。

――しかし、科学の最先端である学園都市でさえ、上条はやはり『不幸な人間』として扱われた。

――それでも上条は耐えていた。

――でも、耐えきれない時がきた。

――それは、

――自分の『不幸』に他人を巻き込んでしまったこと。

――大したことではなかった。

――学園都市で起きた小さな強盗事件。

――人質にされたのはもちろん上条当麻。

――それだけならよかった。

――だが、そこで上条は本物の不幸を知ってしまう。

132 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 00:46:56.35 ID:DIoOHego

――警備員相手に動揺した犯人が、上条に拳銃を押しつけた。

――誤作動が起こった。

――上条に押しつけていた手が震え、その弾丸は他の人質の少女に当たった。

――以来、上条は誰も寄せ付けなくなった。

――自分の『不幸』が誰かを巻き込むのを拒んだ。

――当てどころのない怒りを抑え、夜の街で日々喧嘩にあけくれていた。

――私は、訳あって上条とは幼なじみなの。

――だから、上条が唯一話せる相手とも言える。それでも上条は学園都市での事件をきっかけに私とも距離を置くようになったって訳…。

――それだけの、話よ。

――ねえ、例えば悲惨な過去がある人がいて、その人が『どれ程不幸』だと思う?

――珍しいことじゃないわ。この学園都市で酷い過去を送った人間なんてたくさんいるでしょ?

――でも、私に言わせれば一生付きまとう『不幸』とは比べものにならない。

――今までの人生から、生活、事件、他人までも巻き込んで、そしてこれから死ぬまで絶対の『不幸』に蝕まれながら嘲笑われながら生きていく。

――そんな人生、私だったら耐えかねない。


学校でフレンダは、そう帝督に話した。

それを、帝督は思いだした。
133 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/23(金) 00:48:07.33 ID:4ozU56AO
>>117
ここにいますが…
134 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 00:54:37.09 ID:QdIj4p2o
これは珍しいお人だ
135 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 01:02:14.12 ID:DIoOHego

そんな、レベル0を心理掌握は見ていた。

何を、やっているんだと思った。

どうして自分を助けにきて、そしてあんな感情的に話しているのか。

理解できなかった。

私には。

上流階級で他人を見下し、こき使ってきたプライドの塊である私には、理解できなかった。

言い訳なんてするつもりはない。

本当はあんなことしたくなかった〜、だの、実は訳があった〜、だのと言うつもりはない。

そんな物語りのヒロインになれる器などではない。

裏で糸引いて文字通り人を操って、それで、嘲笑っているような人間だ。

なのになぜ、この少年(といっても私より年上だが)――上条当麻は私のために立ちあがっているのだろうか。

まるで、大切な人を傷付けられたかのように拳を握っているのだろうか。

やめてくれ。

そう思う。

本当にやめてほしい。

きっと私はこの上条当麻に憧れていたのだろう。

今こうして第五位に負けていても、敗北を認めたくなどないが、上条当麻は違った。

私の力など到底及ばない上条当麻に、尊敬をしていた。自分より上の人間だと、お父様に対する敬意と同じように見上げていた。

どうしてレベル0なのかはわからない。だが、そんな些細な問題はどうでもよかった。

自分が認めた人間が、そう簡単にやられたりしないはずの人間が、

こんなに傷付いて戦っているのを見たくなかった。

どうして、そんな力を持ちながら他人のために戦うのか私には理解できなかった。
136 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 01:11:56.52 ID:DIoOHego

「うおおおおっ」

上条当麻の拳が空を切る。

「チッ」

それを避けたがバランスを崩す銀髪の少年。

そこに上条の膝蹴りが入った。

「ごふァっ」

右腕を引き戻さずにその勢いで、膝蹴りを少年の鳩尾に喰らわせたのだ。

よろめく銀髪の少年。
上条は続けて右腕を振るう。

バシッ!

木刀がその腕を内側から弾いた。

「がぁあっ」

さらに上条にタックルをかます。
完全に足元が崩れた上条は地面に転がる。

ガツッ!

容赦なく木刀が倒れた上条を襲う。
転がるようにして避けた上条の背中を、銀髪の少年は蹴り飛ばす。

「ぐっはァっ」

「くっは!…ったく、中一がどうして高校生の俺とまともにやり合うんだよ」

起き上がろうとした上条の後頭部を木刀で打つ。

ガンッ!!

弾かれた頭から血飛沫が飛ぶ。
銀髪の少年は血で濡れた木刀を満足気に見遣る。
137 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/23(金) 01:16:39.27 ID:aRi2zd2o
面白いな
138 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 01:28:14.94 ID:DIoOHego

「くっは、はは!獲物を使うのはずるいってか?」

上条は柔道の前回り受け身のように、弾かれたように起き上がる。
その眼の闘志は消えていない。

「そりゃあレベル5である俺の能力が一切通じねえんだから仕方ねえだろ?」

そんなこと、上条は聞いていない。

ただ拳を握ると突っ込んできた。

「だが、能力にかまける他の能力者と一緒にしてもらっちゃあ困るんだゼ?」

抜き足。

シュッ!と風を切るかのように、素早く銀髪の少年は動く。

上条の拳を避け、そのまま体当たり。

「っぐ」

耐えきり、やり返そうとする上条の顎にアッパー。

「ぐぁあっ!」

さらに上を向いた上条の中腹に渾身の蹴り。

「が、がァがっ」

139 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 01:31:45.97 ID:DIoOHego

蹴りのほうが威力が出る。
そうして銀髪の少年は倒れる上条を踏み潰す。

グシャッ!!

くるみを割るかのように、思い切り足で上条の鳩尾を踏み潰す。

「ぐぁはア!ッガぁ!」

それでも揺るがない闘志ある眼を見て、銀髪の少年は木刀を上条に振るう。
頭を狙った木刀を、上条の右手が受け止めた。

「ッ!」

勢いよく振った木刀を素手で受け止めたのだ。指の骨がいかれたに決まっている。
それでも上条は木刀を強く握り締めている。
明らかに力が入らなく握力が下がっているだろうに。

そして、起き上がる反動とともに銀髪の少年の頬を左手で殴りつけた。

ゴンッ!!

くっそが、と銀髪の少年は吐き捨てた。
手に持つ木刀は奪われた。
それだけでない。

明らかにパンチ力が上条のほうが上だということ。
中学生にやられるというだけで、はらわたが煮えくりかえるようにムカついていた。

「ぐ、…くっはは!だがてめえの右手はもう使いモンにならねえぞ!渾身のストレートが打てなきゃもう終わりだよなぁ!?」

バキッ!!

上条が木刀を砕いた音だった。

両手で持ち、自分の膝にぶつけて割ったのだ。
地面に打ち付けた為少しはヒビが入っていたが、そう簡単に折れる品物ではない。

それを折った。右手は反動でおかしな方向を向いている。あれはもう何も掴めない。
膝にも今のでダメージがある。

木刀という武器を奪われながらも、銀髪の少年は勝ちを予感した。
140 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 01:36:41.87 ID:wX2w6EQ0
タックルや蹴りだと吹き飛ばされるだろ
141 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/23(金) 01:43:06.37 ID:DIoOHego

「…!……くっははは!いい事を思い付いたゼ?」

銀髪の少年はここに来て、能力を使う。

AIM保護(AIMプロテクション)。

それは超能力の全てから自分を守る力。

「だが、それだけじゃないんだゼ…!」

ポケットから出したのは小さな瓶。

暗闇でわからないだろうが、それは白い粉が入っている。

それを手に取り、舐める。

「幻想殺し――『体晶』って知っているか?」

ギン!!

銀髪の少年の眼の色が変わる。
今まで鋭い目つきの印象だったそれは、光を帯びていた。
発光するかのように、無機質なライトのような光で目は光っていた。

『体晶』を使い能力を暴走させる――。

全ての超能力が効かないのに何故第五位なのか?
それには訳があった。
銀髪の少年が例え二百三十万人の全ての超能力を否定できても、無能力者や普通の武器には敵わない。
たかがちょっと鍛えてるスキルアウトや警備員、銃器なんかの前には足も出ない。
だからこそ、木刀を帯刀している。

だが、本来この能力はその程度ではない。

AIMに干渉して相手の能力を我が物にする。
そんなことが可能なはず。
それを樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)が導き出した。

能力を暴走させることで現在、その能力を引き出している。
そのアイテムが『体晶』
142 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/23(金) 01:49:07.78 ID:DIoOHego
>>140
力の向きが 上条→ ←銀髪 だと脳内変換してくれ。
あとは銀髪がそこまで力と体重がないと。
143 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/23(金) 01:50:42.48 ID:DIoOHego

ちょうどタバコ切れた。ちょい休憩。
コンビニ行って来る
144 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 02:09:05.43 ID:DIoOHego
オリジナルキャラ

・心理掌握(原作の設定を元に構成)
・不良2(スキルアウトの一人。結構頭の回転が速い…ロリコンでない人)
・フレンダ(原作で明かされていない能力を違和感ないようオリジナルで付けた)
・AIM保護の銀髪少年(オリジナルキャラ。レベル5の一人)

これから原作のキャラも使うがオリキャラも増える予定。一応主要キャラは毎回こうしてまとめる
145 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 02:23:49.55 ID:SWlt6Qoo
おk
146 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 03:57:30.77 ID:DIoOHego
どうしようか
27日発売の電撃大王でフレンダの能力って明かされるかな?
それまで待つか…つか50P掲載とか楽しみすぐるwwww前回の倍やないかwwww
147 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/23(金) 12:49:53.49 ID:MBLO8AAO
>>146
君の好きにやるといい
オリジナルでも僕らは全然楽しめる

ただ納得出来ないなら、27日まで待てばいいよ
148 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 03:14:08.18 ID:/1DJvK.o
ね、寝る前までが今日…
毎日やると決めたんだから少しでも投下して寝る

>>147
そっか、じゃあフレンダの話だけ後回しにしてみるよ。
元々新刊が出るまでに完結させるつもりだったから、レールガンは今月のまでを参考にするわ
149 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 04:33:58.92 ID:JMyYoEAO
>少しでも投下して寝る
せめて1レスしてから寝ろよwwwwww
150 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 04:41:48.51 ID:/1DJvK.o

「体晶…?」

上条が訝しむと同時、それは起こった。

心理掌握の私が、能力を乗っ取られた。
同時、絶叫。

「―――ッ!!」

声にならない叫び声を上げ、私はのたうち回る。
神経を突かれ、激痛に息すら忘れる。

力場のコントロールを奪われる。

「あん?」

そこで攻撃が止んだ。

AIM保護の銀髪少年が警戒するように上空を見上げた。

「くっは、ちょっと厄介だな…」

そんな時でも私の頭脳に干渉し、強引に入り込もうとする。
だが、そんな簡単には入らせない。
脳の中に構築したセキュリティシステムがそれを拒む。

「おい!何をした!?」

上条が叫び、心理掌握に駆け寄る。

パキン!!

力場を含めて私にかかっていた能力すら消える。

「大丈夫か!?」

「い、や…」

見ないで。
こんな姿になった私を見ないで、と思った。
しかし、上条は表情一つ歪めずに私を抱き起した。

「てめェ、何をした!?」
151 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 11:02:00.74 ID:U4pyfsDO
眠くて文章めちゃくちゃになってたわ
今日は予備校終わって服買って帰ったらたくさん書く
152 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 11:27:23.28 ID:Cwol/J6o
乙乙、続き待ってるっす
153 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 20:33:02.03 ID:/1DJvK.o

「くっはは、ちょいまずいな…」

銀髪の少年が闇に紛れるように下がっていく。
上条当麻から受けたダメージが大きいのか、その足取りは弱々しい。
「おい!」

上条当麻が叫ぶ。

銀髪の少年の顔には焦りが混じっていた。

「…安心しろ幻想殺し、もう俺が他人を殺すことはねえよ」

いきなりどうしたのか、私にはわからなかった。
それは上条当麻も同じ。

「だが、心理掌握。てめえだけは例外だ」

「なっ」

上条当麻がハッとし拳を握る。


「あばよ」


そう言った銀髪の少年は、焦りに汗を浮かべていたが、笑っていた。
不敵に笑っているつもりでも、それは引きつっていた。
まるで、絶望に向かうように。

上条当麻がそれを訝しみ、呼びとめようとした瞬間、携帯電話が鳴る。
それは上条当麻の物。

携帯電話に目を奪われた隙に、銀髪の少年は闇に消えていた。
くっ、と上条当麻は唸り、電話に出た。


上条当麻の知らない闇の世界が、上条当麻の外巻きで蠢いているとも知らずに。
154 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 20:59:49.38 ID:/1DJvK.o

銀髪の少年、レベル5の第五位は闇の中を駆け抜ける。

「はぁ…はぁ…!」

クッソが、と吐き捨てる。
闇はしんと静まり返っている。
夏なのに鳥肌が立つほど寒く感じた。
レベル5の少年は、恐怖からおぼつかない足取りで必死に走っていた。

――先ほど、心理掌握の力を奪った時に力場のコントロールを得た。

――半径五メートルの力場。それは能力者及び無能力者だろうが人間をサーチできる。

――それだけでない。一瞬と呼べる時間で力場内の人間の表層意識までも読み取れる。

 そこに、レベル5の第二位がいた。

 さらに、レベル4が二人。レベル3が一人。いずれも暗部。

 それだけでなく、学園都市の暗部組織死吸部族(デッドドレイン)≠ェ六人。

たかだか五メートルでそれだ。
まず、能力者四人は銀髪たちのいた路地裏に面する建物の屋上。
片方に二人ずついた。
そして、その建物の中で息を潜めているのが死吸部族。
やつらは殺すことと、殺し合うことを快感とするキチガイどもだ。
他にも暗部の下っ端をしている奴らとして、暗部ではよく見かける。
死体処理や証拠を消す人間など様々だが、どの人間も武装をしている。

つまり、銀髪の少年と一番相性が悪い。
武器はズボンのポケットに隠してある拳銃一つ。
弾丸はたった五発。
幻想殺しを殺すわけにはいかなかったため、見せなかったが拳銃の扱いにも慣れている。
だが、こんなチャチなハンドガンでは勝負にならない。
そもそも大能力者や超能力者を前に武器なんて意味を為さないし、死吸部族どもはフル装備で拳銃では風穴一つ空けられない。

「クッソが…!」

最悪だ。心理掌握を痛めつけてこの拳銃でトドメを射した後、自分の頭を撃って終わらせる計画だったのに。
最悪だ。

上条当麻の言葉で、生きたいと思ってしまった。
155 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/24(土) 21:06:53.58 ID:/1DJvK.0
力場の範囲は、心理掌握を中心にした平面で半径5m。ちなみに上方は2.0の視力で人の姿が見える程度までの範囲。
156 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 21:18:11.11 ID:/1DJvK.o

「くっはは、これが俺の結末ってか…?」

笑えてきた。
震える足を止める。
無理やり走り続けた体が崩れ、地面に崩れ落ちる。

「クソったれな世界で…俺は…」

銀髪の少年はもはや立ちあがらない。
そんな気力は失せていた。
せめて、てめえで死んでやる。そう心の中で呟き、拳銃を取り出す。
震える指先で必死にそれを持ち上げる。
あんなキチガイどもに遊ばれて死ぬのはゴメンだ、少年はそう思った。

最悪だった。

本来なら、自分のAIM保護をもってすればレベル4だろうとレベル5だろうと勝てたのに。

そう、規格外の第二位と第一位を抜けばの話だ。

どんな物理法則も効かない第二位にあらゆるベクトルを操る第一位。
どちらの能力も演算が激しく、自分には到底扱えない。
第三位以下なら勝てる自信があった。

だが、工夫でどうにかなる次元を超えている二人には手も足も出ない。
これはAIM保護としての結論。
銀髪の少年には、あまりプライドというものがなかった。
レベル5の中でも、おそらく自分ほどプライドの低い者はいないだろう、そう自負する。
それだけに、第二位以上に挑もうとも、戦おうとも思えなかった。

最悪だ。

震える指は力が入らない。

ハンマーすら降ろせない。

もはや拳銃など撃てるわけがなかった。

闇の足音が響いた――。
157 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 21:24:06.54 ID:/1DJvK.o

「よう、第五位」

その声は飄々としていて、あまりに人間らしい。

「無様だな、全く」

軽くて、それだけに読めない。

「よくもまあ俺の護衛対象に手を出してくれたもんだ」

その言葉で銀髪の少年は気付く。
第二位が幻想殺しの護衛――。
それはつまり――。

「うそ…だった…のか…?」

「……」

自分のこれまでの努力が。
闇に落ち、必死に殺し合いを繰り返してきた日々が。
ようやく第六位を殺す権利を得たことが。
第六位を殺せて邪魔が入らない場所の情報が。

その全てが。

「うそ、だって…いうのかよ…くっ…はは」

乾いた笑みを浮かべる。
それは疲れ切った老人のようであった。

「頼む…」

「ああ?」

「俺を、すぐに殺してくれないか?」
158 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 21:33:07.11 ID:/1DJvK.o

それは図々しい申し出。

今まで泣き喚く奴らを平気で殺してきた悪党が、自分だけは楽に死にたいという申し出。

それを、第二位という化物に頼んだ。

第二位はしばらく黙っていたが、

「いいぜ」

表情の読めない顔で、肯定した。

第二位――垣根帝督は無言で銀髪の少年の持つ拳銃を取る。

能力は使わない。

無駄に苦しませずに死ねるよう、頭を狙う。


「結局、そんな甘い世界じゃない訳よ」


女の声。

垣根帝督と銀髪の少年が振り返る。

視界に入ったのは爆弾。

「チッ」

垣根帝督は舌打ちすると能力を発動する。
白い二枚の羽――未元物質(ダークマター)=B
絶対の防御が垣根帝督を包む。

銀髪の少年は爆弾を漠然と見つめていた。
ああ、これで死ぬのかと死をカウントダウンする。

「今行くゼ……※※」

最後に呟いたのは愛しき女の名前。かつて心理掌握に壊された女の名前。

肉を焼く痛みに絶叫し、なかなか消えない意識が消えるその時まで、

銀髪の少年は苦しんでいた――。
159 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 22:01:09.56 ID:/1DJvK.o
上条サイド――

『ヤッホー、上条元気?』

電話の主はフレンダだった。

「どうした?」
『いやぁ、今どうしてるかなって』
「……」
『はいはい、どうせ路地裏でしょ?』
「う…否定できんが違うんだ…」
『夜中に出歩いていて何が違うのよ』
「ぐ…」
『まあ私も今ちょっと外にいるんだけどね』
「はぁ?お前こんな時間に何やってんだよ」
『あれれー?自分はいいんですか?』
「お前は女なんだからもっとおしとやかにだなぁ」
『ヤバッ、何それウケるww』
「何故笑う!?」
『いやー、なんか私のキャラに合わな過ぎてww』
「あーそうかい。そりゃ、無駄なアドバイスでしたねー」
『それにしても…』
「ん?」

『ふふ、随分と明るくなったじゃない?』

嬉しそうな声。
上条はハッとする。

『よかった――あ、ゴメン、ちょっと離れる』

いきなりそう言うと通話を一方的に切られた。

「なんだあいつ?つか今何やってんだろ」
上条は不思議そうに首を傾げる。

「あ、あの…」
「ん?」

心理掌握というらしい少女がおずおずと声をあげた。
160 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/24(土) 22:15:18.26 ID:/1DJvK.o

「どうした?どこか痛むのか?」

「い、いえ…」

心理掌握は顔を真っ赤にして縮こまる。

「温かいなって…」

そう呟いた。
上条の腕の中で。

「え!いやいや、わざとじゃないんですよ本当です上条さんはあくまで怪我している女の子を地面に置いておくわけにはいかなかっただけで決してドキドキなどしていませんし何か意図があったりなどしていませんことよ?」

慌てる上条に心理掌握はクスリと笑った。

「いえ、そんな気にしてませんよ…ふふ」

ドキリと上条の胸が高鳴った。上条は中学生だと思っているが小学生の心理掌握は大人っぽい瞳で優しく笑ったのだ。

「そして、ありがとうございました…」

上条は気付いていない。
少女がボロボロの体を見られることを恐れていることを。
汚いと言われることを、
それこそ杞憂だが。

「ゴメンな。もっと早く来れたら…たまたま通りがかっただけだからさ」

偶然とは言い切れなかった。
上条と出会ったこの道を心理掌握の少女は通い詰めていたのだ。
上条は再び出会うことのないようあまりこの道を使わずにいたが、そろそろいい頃合いだろうと通った。
そうなることを計算して心理掌握の少女は通い詰めていた。
もっともこんな再会など予測していなかったが。

それから、
上条は救急車を呼ぶと、顔見知りの腕のいい医者がいる病院を指示した。
「君!君の右手も大変なことになっているじゃないか!」
「へ?」

言われるまで気付かずにいた上条は、そこで痛みに絶叫した。

数分後、フレンダからかかってきた電話は――上条の知らない所で銀髪の少年が爆弾に燃やされた後だった。
161 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/24(土) 23:01:07.86 ID:/1DJvK.o
俺の立てるスレはいつも雑談が起きないwwwwww誰もいねえwwww
162 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:02:35.91 ID:LIyZquso
いるぞー
163 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:03:38.33 ID:xNF.Brgo
超見てますけど。
164 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/24(土) 23:04:13.26 ID:/w9BkwAO
<●><●>
165 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:08:35.28 ID:Uf5glyYo
見てます…
166 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:08:56.20 ID:NKNle5Yo
面白いよガンバレよ
167 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:09:25.62 ID:X7SIO9.P
支援
168 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:14:18.34 ID:/1DJvK.0
以外といたww忍者かとおもったわ
169 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:25:47.02 ID:/1DJvK.o
があああ繋がりがまた悪い。

一応まとめ更新

オリジナルキャラ

・心理掌握(原作の設定を元に構成)
・不良2(スキルアウトの一人。結構頭の回転が速い…ロリコンでない人)
・フレンダ(原作で明かされていない能力を違和感ないようオリジナルで付ける予定)
・AIM保護の銀髪少年(オリジナルキャラ。レベル5の一人。能力は超能力が効かないことと、体晶によって相手の超能力を奪うことができる)
・死吸部族(デッドドレイン)=B学園都市の暗部組織。戦闘狂。武装している。殺人に快楽を求める。猟犬部隊(ハウンドドッグ)ができる前の組織。暗部に存在する。

ネット回復したら今度こそラブコメを…
170 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/24(土) 23:45:23.09 ID:SeG3xr.o
心理掌握も良いが
フレンダとの絡みも見たいぜ
171 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [evolojimak]:2010/04/24(土) 23:59:06.46 ID:/1DJvK.o
>>170
こういうリクエストっていいよな…あくまで本編に関わらないラブコメだけどwwww
とりあえず上条さんのヒロインは、心理掌握、フレンダ、美琴、でいく予定。ハーレムにするつもりはない。あと、美琴が出るのは相当後。
ラブコメが3:ストーリーが7、でラブコメ少ないから先にヒロインだけ言っておくわ。

んじゃ、適当に続き書いてネットが繋がった瞬間に投下したりしていく
172 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 00:11:07.36 ID:Wie0Crc0
くっ、乗り遅れたw
頑張れ〜
173 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/25(日) 00:15:22.16 ID:iDF80C60
一瞬不良掌握に見えた
174 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/25(日) 00:32:29.01 ID:oCozelIo

「やっほー!上条元気?」

病室。
見舞いにやって来たわよ、と言うフレンダに上条は一言。


「堂々と夜中に窓割って侵入すんな!」

ゴン。


「いっつぁ〜、頭へこんだ」
「身長の間違いだろ」
「んなっ、何気にその発言は酷いわよ」
「あーそうかい。っつか夜中に窓ガラス割るとかお前は昭和の不良ですか?」
「上条には言われたくないww夜中に出歩くwwはいストリートファイトって訳ww」
「うるせえ、絡まれるんだから仕方ないだろ、ていうか寒いんですけど」
「え、何?人肌欲しいって?うっわー…」
「違えよ!なんでそうなるんだ!?お前が割った窓ガラスから風が入ってくんだよ!」
「結局夏で良かったって訳ね?」
「冬だったら凍えるからな!でもまだ夜は寒いっつーかこの病院服が薄いんだよ」
「フムフム…へえ」
「どうでもよさそうに聞き流すな!」
「あ、ゴメン。それでカーネルサンダースがどうしたって?」
「あれ!?この子まじで聞いてない!?それどころか会話が成立してない…だと?」
「ハイハイ……」
「ガムテープか。用意がいいな」

「んや、爆弾の元」

「おい!なんだそれ!壁とか爆発させるツールか?あの映画とかでよく見るツールか!?」
「ちなみにこれが触れると爆発するわ」
「なんだそのロウソクみたいなの…ってぶらぶらさせるな!危ないだろ!」
「ふふーん、これだから手慣れてない上条はバ上条なのね」
「オイコラ、その呼び方はやめろ。っておい!テープのスレスレで振るなよ!」

「馬鹿ね冗談に決まって…おっと、」

「「あ」」


ドカーン!!


その部屋の窓ガラスが全て割れ、看護婦や警備員が駆け付けた時、フレンダは逃げ出していた。

「あのおっちょこちょい…しかも逃げやがって、不幸だあーー!」
175 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 00:39:06.84 ID:AHBfbLYo
なんという俺得なSS
176 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/25(日) 00:48:46.27 ID:oCozelIo
「あはは、ヤッホー!上条元気〜?」

数時間後、警備員や看護婦に散々怒られた上条はその犯人を前に、


「結局、俺の拳を受けに帰って来たって訳ですかフレンダさん?」

ブン!!

「にょわっ」
「てっめーな!この修理代俺持ちだぞ!?」

ブンブン!!

「あっぶな、てか、上条ストップ。暴力反対!」
「じゃあ俺は逃げるの反対って言わせてもらうぜ」
「あれっ!?上条何その獰猛な顔。やーオーカーサーレ――」
「ばっ!お前、何言うつもりだ!?」
「何ってナニをされ――」
「言わんでいい!その返し、全く上手くねえから!なんでドヤ顔なの?」
「いやー、それにしても上条ってば元気ネ!」
「誰かさんのおかげさまでな!」
「まさか幻想殺しを封じられても左手でやってくるとは…上条、恐ろしい子」
「うっわ、似合わねえ…」
「ヒド!…ていうかその怪我はなんなの?」
「あー、まあただの喧嘩だな。それより、お前のほうが気になるぞ」
「エ?」
「ったく。…んで、今日はどうして夜中に出歩いてたんだ?お兄さんに話しんさい」
「んぐぐ…なんで同い年からそんな優しいお兄さん的な顔を向けられなければならない訳?」
「いいから正直に言え。じゃないとその金髪をドリル型に巻くぞ」
「ギャーッ、そんなことされたら結局、語尾に『ですわ』とか『ですの』って付けなきゃいけなる訳じゃないッ」
「お前の中のお嬢様像はわかりやすいな」
「はんッ、結局お嬢様(笑)なんてそんなモノな訳よ!」
「いやどうだろう。俺お嬢様の知り合いなんていないから分からないけど」
「あーやめときなって、上条の不幸顔見たら某借金執事並な見られかたするからww」
「おまっ、上条さんは硬派ですよ!そんなハーレム男と一緒にしないでいただきたい!」
「…何故だろう、近い未来からその発言に激しくツッコメと信号が来た気がするわ」
「いつの間に予知能力まで!?っていうかそれは何だ?ワタクシこと上条当麻がハーレムと?ははっ、何を仰いますやらこのチビッ子は」
「いつになく卑屈ね。そしてさりげなく喧嘩売ってる訳ね?」

「卑屈さ、なんたって不幸の塊だからな」

そう言い、上条は笑った。

「ホウ?随分と力強い笑いになったじゃない」
「まあな。俺は受け入れるよ、この不幸を」
ギブスを付けられ包帯で巻かれた右手を、上条は力強く見つめる。
「プククwwあんな薄気味悪い「苦笑い(笑)」はもう見れない訳ねww?」
「お望みとあらばこの名役者上条当麻、しかと見せつけてやろうか?」
「結構よww」
177 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/25(日) 01:07:03.54 ID:oCozelIo

??サイド――

「目が覚めたかい?」

その少年は自分の顔を覗き込んでいる医者を見た。
そしてびくっと体を動かした。

「俺…死んだはずじゃ…?」
「実際にはあれじゃ死なないね。明らかに火傷で済む火力だったよ」
「どうして、俺はここにいる…?」
「そりゃ、救急車が運んで来たからさ」
「だからどうしてっ」

「暗部の自分が何故民間の病院に運ばれたかってことかい?」

「なっ」
どうしてそれを。と少年はカエル顔の貫録に欠ける医者を睨んだ。
「別に気にすることはないさ。僕のことなんてどうだっていい」
「そんなわけあるか、一般人が暗部にかかわっていいわけがないだろ」

「それこそ、暗部で死んだ≠アとになっている君には関係ないだろう?」

「は?」

「悪いけど、これには僕も関わっていたんだよ。あの少女がね、自分が爆弾を投げて君を死んだことにさせるって――」

医者はそう説明しながら鏡を渡す。

「――そして、火傷した顔を綺麗にするだけでなく、僕が整形≠オて全くの別人にする。そういう作戦だったんだね」

鏡を見た。
誰だこいつは。
少年は思った。
まず、目が細い。開いていても細くて横線みたいで脳天気そうな顔付きをしている。大きく目を開くと元の鋭い目つきになるが、そうしないとアホみたいな顔をしている。
背も高い。身長180cmはある。恐らく足や腰の骨をいじったのだろう。それに合わせるようにガタイも大きく、大男と言えるようだ。
こんなことができるのか、これは整形っていうレベルじゃないと少年は思った。

「君はこれから違う名前を名乗るんだよ。――ああ、それと銀色の髪は流石に目立つからね、こちらで個性ある色に染めさせてもらったよ」

少年は「何この色、コスプレじゃねえんだから…」と呆れた。

「君の髪は青色に染めたから――青髪≠チてあだ名でも付けてもらえばいいんじゃないかな?」
178 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 01:12:16.01 ID:oCozelIo
というわけで、まとめ更新

オリジナルキャラ

・心理掌握(原作の設定を元に構成)
・不良2(スキルアウトの一人。結構頭の回転が速い…ロリコンでない人)
・フレンダ(原作で明かされていない能力を違和感ないようオリジナルで付ける予定)
・青髪(原作の青髪ピアス≠ノ設定付属。元AIM保護の銀髪少年。レベル5の一人。能力は超能力が効かないことと、体晶によって相手の超能力を奪うことができる。死んだフリで暗部を抜け、整形した)
・死吸部族(デッドドレイン)=B学園都市の暗部組織。戦闘狂。武装している。殺人に快楽を求める。猟犬部隊(ハウンドドッグ)ができる前の組織。暗部に存在する。

うん、銀髪って強調したから最初から気付いてた人もいると思うwwww
179 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 01:22:44.50 ID:33rj5gAO
青髪だと…!?俄然面白くなってきた
180 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/25(日) 01:41:25.40 ID:rVX73fMo
おもしろすぎるぞ
181 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 01:42:30.90 ID:rVX73fMo
sageて無かった
182 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/25(日) 02:01:20.19 ID:wGr5aGE0
やっぱり青髪はレベル5なんだな
183 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/25(日) 02:34:09.10 ID:X4ozMfQ0
変態は素なのか、カモフラージュなのか
184 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 08:25:42.56 ID:Gojz16AO
ダントツでこのSSが一番面白い
185 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch :2010/04/25(日) 08:46:55.54 ID:6zvsBsAO
詳細不明キャラを上手く使うなぁ
186 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 12:10:21.09 ID:oCozelI0
>>170
みたいにリクエストしてくれたら使えそうなの拾うよ、日常に関してはだけど
187 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 12:38:32.81 ID:puf4H7so
なんですかこれ、超期待なんですけど
188 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 13:01:35.67 ID:QBmPBzIo
青ピ好きの俺歓喜
189 : [sage]:2010/04/25(日) 13:05:29.29 ID:Q7QBWt.0
期待
190 :_ [sage]:2010/04/25(日) 13:07:56.85 ID:RT2D9.oo
名前欄宣伝のままになるんかね
191 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 13:17:08.01 ID:Q7QBWt.0
無理矢理wwwwwwwwww
192 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/25(日) 13:32:01.78 ID:oCozelI0
とあるカードゲームをしに行ってくるゼ
193 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 13:34:03.33 ID:qF.xeOw0
>>192
カードゲーム?
まさかWCCFや三国志じゃないよな…
194 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/25(日) 13:35:01.76 ID:oCozelI0
>>193
そのカードプレイヤーならこのSSを読んで気づくゼ
195 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/25(日) 13:35:43.94 ID:oCozelI0
>>194
はヒントって意味な。ゲーセンのぼったくりゲーはやらないよ
196 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/25(日) 13:37:17.93 ID:qF.xeOw0
そうか…
カードゲーム種類多すぎて途中でついてくの諦めたwwww
いってら
197 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 22:38:36.87 ID:GJjW2wso
ゆーぎおーとかギャザリングとかヴァイスとかかのう
198 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 22:45:20.39 ID:puf4H7so
てめーDMディスってんじゃねーぞ
199 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 22:59:03.98 ID:YoVzK3g0
世にはバトスピというものがあってだな
200 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/25(日) 23:22:10.29 ID:25LC0IDO
いやいやザ・ミラクル・オブ・ザ・ゾーンかもしれん
201 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/26(月) 00:06:16.79 ID:Jmra02AO
>>200
懐かし過ぎてわろた
202 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/26(月) 02:08:10.47 ID:X8yJN0M0
>>200
ボンボンwwwwwwww
203 :管理人、Twitterを始める http://twitter.com/aramaki_vip2ch [sage]:2010/04/26(月) 08:00:35.56 ID:lEZmWQU0
カードヒーローは?
204 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/26(月) 08:52:06.97 ID:nAlHkvY0
最悪だ寝落ちした
まじごめん
205 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 11:21:46.06 ID:nAlHkvYo
ABがおもしろすぎる…四話まで全て三回は見た…ガルデモのCDもよかった…
これ完結させてABが終わったら今度はABでSS書くわ

つーことで予備校行くまで少ないけど続きを
206 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 11:27:41.93 ID:nAlHkvYo

心理掌握――


「目が覚めたかい?」

私は気が付くと病院のベッドの上で寝かされていた。

「私……ッ!?」
「どうしたんだい?」
カエル顔の医者が首を傾げる。
「傷が…ない」
あれだけ、痛めつけられたのに。
あれだけ、女の体をボコボコにされたのに。

それらの傷が残っていなかった。
後に残るような傷なはずなのに。
ところどころ包帯が巻かれているがほとんど軽傷。
とくに体に痛みもない。

「当たり前だね。誰の病院だと思っているんだい」

対し、医者は当然だとでも言うかのように言った。
「女の子があんな傷を負っちゃだめだよ?」
「私……」

思い返す。
そうだ。
私が、壊したんだ。
一人の少女を。
そうして、今回の出来事は起こった。
今までの私ならそれがどうした、と思っただろう。
だが、
あの少年。

「上条…さん…」

あの少年の言葉と、その行いを見て。
心の奥で何かがうずいた。

「私…最低だ」
207 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 11:34:04.77 ID:nAlHkvYo

自分は、一人の人生を壊した。
それだけではなかった。
この世は一つの円。
丸に壁などなかった。
だから、この世のサークルは巡り巡る。
そうして、不幸の連鎖を生みだしてしまった。
私が壊した少女。
その少女のために一人の少年が動いた。
一人の少年が何人もの人間を殺した。
その殺された人間に近しい人間が不幸になった。
彼らの中にはその少年と同じように暗部に落ちて少年を追いかける者もいたかもしれない。
そして、その彼らによって、また。
それらが巡り巡る。
もはやそれは私に止められない。
大きすぎる連鎖に私一人の意志なんて届きはしない。

「わた、私は……ッ…」

そんな中で、光が見えたのだ。
眩しすぎる光が。
一身に大きな不幸を抱える、
そんな誰よりも優しい少年に。

上条当麻に。

汚い自分に反吐が出る。
最悪だ。
私は罪人だ。
どうして気付かなかったのだろう。
どうしてこれまでこんな悪人だったのだろう。

どうして、こんな心変わりをしてしまったのだろう。

「君は、一人の少女を壊したね?」

ビクッ!!
私は戦慄した。
医者が、表情の読めない顔で私にそう確認したのだ。
208 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 11:39:59.72 ID:nAlHkvYo

「どう、して…それを…?」

「何、簡単なことだ。彼女は僕のこの病院で預かっている。」

そう、壊れた少女は。

「精神そのものが抜けた、ただの抜け殻だけどね」
「ッ!!」

その言葉は胸に強く突き刺さった。
私の心を抉った。
ただのそんな事実が。
知っているような事実が。

他人に言われただけで脆くなった私の心が悲鳴を上げた。

「あは……」

自分が、善人になどなれるわけがないのだ。
結局、ただの憧れだった。
ないものねだりだった。
自分が悪人で。
そんな自分を助けた善人に、
そんな光に、
ただ憧れただけだ。
そこに善人になろうなどという堅い決意などない。
そこに彼と同じ行いができる 信念(ちから) などない。
ちょっと事実を言われただけでこれだ。
結局は自分に甘いだけ。
自分が可愛くて可愛くてどうしようもない。

そんなクズなのだ、私は。

「君は、その罪を背負う気はあるかい?」

そんな医者の問いかけに。

薄く笑う私は答えた。
209 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 11:44:44.20 ID:nAlHkvYo

「勿論、あるわ」

と、強い意志を見せつけて。

善人になどなる気はない。

なれるはずもない。

ならば、

これからどれだけ汚れようと、

傷付こうと、

悲しもうと、

どれだけの 不幸 を押しつけられようと、

私はその罪からだけは、

逃げない。

絶対に背負ってやる。

「なら、君にはやってもらう事があるね」

例え、

その行いによって、

どれだけの人から恨まれようと、憎まれようと、

「相当の覚悟は決めてもらうけどね」

感謝などされなくても、私は、何かが変わった私は、

せめて一つだけでも、自分の行いに 清算(罪滅ぼし) をしてみせる。
210 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 11:59:36.16 ID:nAlHkvYo

医者は説明を始めた。

「君の能力によって彼女の精神は壊れて、消えてしまった」

「例えあの少年、幻想殺しの彼でもそれを治すことはできない」

私はピクリと反応する。
「か、上条、さんを知っているの?」

「ん?彼は常連だからね。それだけでなく、彼の 能力(ちから) は少々特別でね」

医者は続ける。
「幻想殺し(イマジンブレイカー)はいかなる超能力も 殺す(壊す) ことができる」

「だが、それはもはや効かない」

「例えば、発火能力者(パイロキネシスト)によって焼かれた灰を、彼の右手で元に戻すことはできない。同じように今回も君の能力で
もはや壊れてなくなった自我を取り戻すことはできない」

「しかし、君の能力がある」

「え、私?」
私の能力は確かに学園都市中に知れ回っているだろう。

「君は学園都市最強の精神系能力であり、記憶の読心・人格の洗脳・離れた相手と念話・想いの消去・意思の増幅・思考の再現・感
情の移植など多種の能力を一手に引き受けて使いこなすことができるはずだ」

「その中でも、意思の増幅・思考の再現・感情の移植≠使って――」


「――彼女を生まれ変わらせる」


「なっ!?」
正気か、と私は目を疑った。

「あ、貴方それでも医者ですか!?」

そう、彼の言う行いは、

「人口人間を造るようなもの、つまりは機械仕掛けの感情を持つロボットを造るような物ですよ!?」
211 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 12:00:04.48 ID:nAlHkvYo


すまん、ここまで。
でわ、予備校行ってくる
212 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/26(月) 12:07:54.04 ID:nAlHkvY0
うわああ授業午前だったww1番楽しみにしてる世界史の授業がwwまじ涙目ww
こうなったら夜まで自習室にこもってやる
213 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 12:16:23.85 ID:W3jwjzso
>>212
おいおい、お前がいるべき場所は自習室じゃなくてPCの前だろ?
214 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 12:19:30.33 ID:uw3Yg.DO
>>213
うわぁ・・・
215 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/26(月) 12:19:30.78 ID:nAlHkvY0
一応訂正

人口人間×

人工人間○
216 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 12:20:37.84 ID:W3jwjzso
>>214
えっ
217 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 13:35:26.94 ID:A.idXoUo
それで中学までの彼女を誰も知らないと
218 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 13:41:10.40 ID:uw3Yg.DO
>>217
どういうこと?
219 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 18:44:11.56 ID:Ub4lFlUo
おいやめろ
ネタバレヤメロ
220 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/26(月) 19:47:38.73 ID:nAlHkvY0
ユイにゃん見てるとゾクゾクしてくる
内出血するぐらい縛って乱暴にエッチしたい
ABすげえな俺らの欲望を叶えるとは
221 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/26(月) 19:48:10.78 ID:nAlHkvY0
ああああああああ誤爆したwwwwww
222 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 20:05:49.06 ID:xqvzPkIo
なにやってんだww
223 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 20:19:30.93 ID:l0GEkY.o
クソワロタwwwwwwww
224 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 20:23:53.51 ID:Jmra02AO
盛大に吹いたwwwwwwwwwwww
225 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/26(月) 20:25:08.72 ID:nAlHkvY0
>>220
は見なかったことにしようず^^
226 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 20:39:30.60 ID:xqvzPkIo
見てない、俺は何も見てないぞ
とナランチャばりに見なかったことにするよ^^
227 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 22:14:02.99 ID:YKoLenwo
このことを他に漏らされたくなければ


わかるな?






H K B
228 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 22:19:26.69 ID:ZfLjTmQo
白馬
229 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 22:20:43.83 ID:l0GEkY.o
白馬仮面がなんだって?
230 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 22:59:56.85 ID:nAlHkvYo

青髪サイド――

「俺にどうやって生きろっていうんだよ…」

考えてみると、もう生きる道などなかった。
暗部以外に生き場などない。

「君のIDと氏名、その他個人情報は作っておいたよ。しばらくすれば学校にも通える。学校に通えば奨学金も出るし、学生には学生寮も与えられる」
カエル顔の医者はそう言う。

「くっはは!なんだよそれは。俺がAIM保護だって知ってて言っているのか?」

「もちろんさ。君の能力は未だ健在だ。確かに義務であるシステムスキャンを回避することはできない」

「なら、無理じゃねえか。俺の能力で出し惜しみしてやり過ごすことなど敵わないぞ?」

「問題ないさ。これも事後承諾ですまないが君の脳に細工をしてね」

「ああ?」

「ほら、これを付けてみてくれ」

渡されたのは小さな二つのピアス=B

「通常、AIMにリミットを付けるとシステムスキャンでばれてしまうからね。君の頭のほうにリミッターを付けさせてもらったよ。そして、その両耳のピアスは熱に反応するから君の指で触るとリミットを解除できる」

なるほど、と青髪の少年は納得した。
ピアスを耳に付ける。

「君は通常レベル3のAIM抵抗(AIMレジスト)だね。ピアスに触れると絶対防御が復活してレベル5の能力を取り戻せる」

青髪ピアスの少年はただ説明を聞いていた。

それでも、

空っぽの自分にやりたいことも何もなかった。

自分はこれからどうやって過ごすのかなど、頭に浮かばなかった。
231 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 23:11:44.27 ID:nAlHkvYo

「ヤッホー!元気かバカ野郎!」

青髪の少年の病室に一人の少女がやってきた。

「は?誰?」

「私の爆弾の味はどうでしたか?」

「あ、てめっ!」
思わず飛びかかる。

ビシッ!

「がぁっ」

いきなり額に鞘の先端をぶつけられ、青髪は怯む。

「命の恩人にその態度はないんじゃないか?」

その鞘を持つ少年が、いつの間にか病室に入って来ていた。
黒い髪は肩口まで伸びている。全体的に服装からしてビジュアル系の黒白を基調とした格好をしている。ジャラジャラと貴金属のアクセサリーがたくさん付いている。
身長は170cm程度。首から下げた鎖型の銀のネックレスには銀の指輪がぶら下がっている。

「俺の名は平助。早速だが君をスカウトに来た」

「早っ、結局、平助は早急過ぎるって訳ね」

「ああ?勧誘?」

青髪が不機嫌そうに聞くと、平助は無表情で言った。


「我々、対暗部の病院警護チーム雨蛙(アマガエル)≠フ五人目に君を勧誘する」
232 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/26(月) 23:33:23.33 ID:nAlHkvYo

「彼らはこの病院の警護をしているんだよ」

カエル顔の医者がそう言った。

「あ、まだいたんだ」
「先生。こいつはしばらくここで暮らすんですよね?」

平助と名乗った少年は見た目とは裏腹にカエル顔の医者を敬意を込めるように先生≠ニ呼んだ。
カエル顔の医者が説明する。

「青髪君はまだしばらくの間学校には通えないからね。僕が偽造して理事会に転校生として書類を提出するから、それまでの間はここで暮らすことになる」

「くっは、俺がレベル5だって忘れてるゼ?金ならいくらでもある。適当にホテルでも借りて住んでやるよ」

青髪がそう言うと平助が一瞬にして顔を崩した。

「ああ?てめえナニ言ってんだ?先生に恩も返さず出て行くってのか?」
青髪の胸倉を掴み上げる。
「僕はそんなもの気にしないけどね」とカエル医者は言うが、
「あー…」
そう言われると言い返せない青髪。
ここまでやってもらわなければ、自分は暗部に見つかって抹殺されていただろう。
だからこそ、この貫録にかける医者には確かに恩がある。
「僕は患者に強制はしないよ。君の好きなように生きればいい」
カエル顔の医者のその言葉に平助は手を引く。

「俺に、どんな風に生きる道が残っているって言うんだよ」

青髪はそう呟いた。
別に不満などない。
何もない。
やりたいこともない。
空っぽだ。

カエル顔の医者は青髪をじっと見ると、踵を返す。
「道なら他にもあるさ。いくらでもね」

そうして、「後は任せたよ平助君」と残してカエル医者は病室を出て行く。
233 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/26(月) 23:35:53.34 ID:nAlHkvYo


風呂
234 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/27(火) 00:22:05.67 ID:7dg4hLoo
H 早く
K 書け
B ビーム

初発は入れ替わりスレ
235 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/27(火) 00:39:55.97 ID:kChIKz.o
早く書けバカヤロー、じゃないの
ここじゃなくてエロパロかVIPで大分前に見た気がするがどうでもいいや青髪ィイイイイ
236 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/27(火) 05:23:29.56 ID:9pY6P.w0
最近、お腹がたるんで来たので腹筋しながら
待ってたらそろそろ6千回を越えるんだが・・・
>>1は寝てしまったのか
237 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/27(火) 10:02:49.48 ID:puly9sDO
>>1の言うユイスレに行ってみた。
キチガイどSのたまり場こえーwwww
238 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/27(火) 20:21:20.31 ID:TQbMr1Mo


「フレンダか、よろしくな」


少女は言った。


「私はアヤって言うらしいぞ」


身長150cm程度の少女は言った。
そこまで長くない髪を赤いゴムでポニーテールにした少女は、平坦な口調で言った。


「うん?そうだぞ。この名前は付けてもらったんだ」


平坦な口調の割に可愛らしい声の少女は、
小さくて、クリクリした小動物みたいな目をした少女は、


「私を生み出してくれたママがな」


かつて、心理掌握に壊された現在12歳の少女――


「うん、私の大好きなママだぞ」


アヤは心理掌握をママ≠呼び、

フレンダに挨拶をした。

それが、彼女――アヤ≠ノとっての始まりの日だった――。
239 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/27(火) 20:34:45.97 ID:JidRDaso
キテルー
ユイにゃん可愛いよユイにゃん
240 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/27(火) 20:57:14.17 ID:TQbMr1Mo

「か、かわ、」

フレンダは戦慄した。
病院の一室。黒のキャミソールに白いワイシャツのアヤが首を傾げる。

「どうしたんだフレ――」


「可愛いいいいいいぃっぃいいいいいいいいいいいいいい!!」

フレンダは思わず飛び付く。

「わっ」
「え、何?何この可愛い生き物!?」

プニプニとした肌。
柔らかい肌。

「キャー!お持ち帰りしたい!」
「フレンダ?どうしたんだ?これじゃ私は動けないぞ」

特に嫌がりもせず、アヤは小首を傾げる。
身長差でフレンダに寄りかかられ、アヤの体が傾いている。

「え、何、何なのこの子!?これが、あの、俺様(笑)の大切な人!?」
「フレンダ?フレンダが何を言っているのか、私にはわからないぞ?」
「ヤバー!あぁああ可愛いぃぃぃ」
「聞こえてないのか?フレンダ?」

「………………」

一人、無言の者がいた。

背に伸びる金色の綺麗な髪。フレンダと同じような碧眼、育ちの良さそうな少女――心理掌握が呆れた顔でこちらを見ていた。
病室の入り口で紙袋を提げて立っている。

「あ、ママ」

そう呼ばれ、どう反応すべきか一瞬心理掌握の少女はたじろぐ。

そう、本来なら一歳年上の先輩で――かつて自分が壊したはずの、自分より身長の低い少女に――笑いかけられたのだ。
241 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/27(火) 21:20:06.19 ID:9pY6P.w0
キテルー
242 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 12:05:57.19 ID:QiTABc.0
>>239
モチ最高だぜユイにゃん
243 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 20:37:47.68 ID:QiTABc.o

「あ、心理掌握」

フレンダは心理掌握を見て呟いた。

「まずアヤから離れなさい。暗部――爆弾魔のフレンダさん?」

即座に、フレンダについての情報を得た心理掌握。
対して、フレンダは特に驚きもしない。心理掌握の能力については資料で知っている。
ただニタニタと笑う。

「結局、ウチの子から離れなさいっ!って過保護のママって訳ね?」

「違うわよ!どうしてそうなるのよ!?」

心理掌握が彼女にしては珍しく大声を上げた。

「ママ?どうしたんだ?」

「うっ」

アヤの呼ぶ声に心理掌握が呻く。

「ぷくく、小学生でママ…ね」

「なっ!中学生の貴女より私のほうが背が高いじゃない!」

「ママ?」

「うっ」

「ほらほらママって呼んでる訳よ」

ニヤニヤと笑うフレンダを無視して心理掌握が病室に入る。
彼女はアヤの前で紙袋を広げる。

「ほら、着替えの洋服買ってきてあげたわよ。値札とかは外してもらったから、ハンガーに掛けて置くわね?」

平然としていた心理掌握にアヤが首を傾げた。

「でもママ、毎日新しいお洋服買ってないか?」

「うっ」
244 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 20:54:56.23 ID:QiTABc.o

フレンダがアヤの病室を訪れる数時間前――。
幻想殺しの少年の病室が爆破された翌日――。
つまり本日は日曜日。

その日、フレンダと平助が去ったとある病室で青髪ピアスの少年はCDプレイヤーをかけていた。

「どうしてこうなった…」

と、青髪の少年は世界3大テノールも驚く野太い声で呟いた。

自分のそんな声を聞き、深く溜息を着く。

『ふむ。網膜認証はパスできるようにしたけど、声帯のほうがいじっていなかったね』

と数時間前にカエル顔の医者が言った。

『結局、指紋はどうなった訳?』

と、フレンダが聞いた。

『指紋のほうも手は打ったさ。指紋なんてものは人一人によって違うなんて言われてセキュリティに使われているが、ちょっと線の形をいじってしまえば全くの別人になれるんだね』

『なるほど。さすが先生』

無表情で平助がカエル顔を称える。

『さて、平助君はソプラノ声だったから低い声にしたから、青髪君は反対にソプラノ声にしようか?』

『はぁ?ちょっと待て、このガタイでバカ高い声ってか?勘弁してくれよ』

そう言ったのは青髪。

そこで、フレンダがこう言ったのだ。

『あ、ならテノールはどう?』

思い返し、青髪はこめかみをヒクヒクさせる。

「フレンダの野郎…」
245 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 21:15:23.92 ID:QiTABc.o

それだけではない。
平助がしたように完全に違うキャラになれというのだ。

『それはいいけどよ、こんな声と見た目で十分元の俺とキャラ違うと思うんだが…』

そう言う青髪をカエル医者とフレンダと平助がじっと観察し、

『一人称は「僕」かな?』
『さすが先生。素晴らしいアイディアです。俺が元は「僕」だったのを「俺」にしたのと同じ理由ですね』

『結局、それだけじゃキャラが微妙な訳よ…』

と、フレンダが零した。

『いやいやいや!十分キャラ濃いぞ俺…じゃなくて僕!』

『なんかこう…「うわ、こいつ変人」っていう感じにならない訳なのよ』

『何それ!?なんで俺、じゃなくて僕を変人にする必要があるの!?』

『うーん。あ、とりあえず一人称は「僕」じゃなくてカタカナ表記の「ボク」でいきましょう』

『何の意味があんだよ!喋るときに違いなんてあるか!』

『え、変人さを上げるため……あ、』

と、そこでフレンダは思い付いた。

『そうだ、口調は全てエセ関西弁ね。結局、関西弁じゃダメな訳よ。ちゃんとエセ関西弁でいかにも怪しい感じで、うん。これならいける』


そうして現在、青髪ピアスは現在病室のベッドの上で関西弁のCDを聴いていた。

「なんや違う方向に向かっているような気がするさかい…」
246 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 21:21:59.78 ID:1egn12AO
毎日楽しみに待ってた
247 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 21:36:19.16 ID:QiTABc.o

――【始まりの日曜日】――

心理掌握サイド――


私は街中を歩いていた。
現在の時刻は十二時過ぎ。ちょうど昼食の時間だ。
アヤに洋服を渡して色々な物事を教えた後、私は病院を出た。

声が、聞こえてくる。

歩く私に、

人々の心の声が聞こえてくる。

『てかマジでうぜー』
『あっちーな、ゲーセンでも行くか』
『客入らねえなぁ…違うバイト始めようかなぁ』
『あー数学のテスト全然わかんなかった』
『あれ、この新曲結構いいな』
『布束?へえ資料によると研究者として長点上機にいるのか…』
『宮越の野郎!どこ行きやがった!』
『おっせええ、もう十分経つのにまた遅れて来んのかよ』
『こいつともそろそろ別れるかな』
『この女、あと一回ヤったら別れよう。いい加減飽きたし』
『丘原の野郎、またレベル上がったのか。チッ、何ガリ勉になってんだよ。発火能力なんてありがちだろうが』
『システムスキャンやだなー、ばっくれたい。由美もそう思ってんのかしら』
『あーどうせこいつはレベル2だからいいかもしれない、とか思ってんだろうけどさー、レベル0の私はもうほんと憂鬱』
『おい、スキルアウトがまたやられたって…今度は俺のチームも危ないのか?くっそ、なんだよ能力者め。また無能力者狩りかよ!』
『アイス食べたいなぁー』
『あ、あの娘(こ)可愛いな。ちょっと声かけてみっか』
『何あのカッコー、ウケるんですけどー』
『あっつー…学園都市って科学の最先端なら街まるごと涼しくしなさいよ』
『あれー?涙子まだ来ないのかな』
『一一一カッコいー!もっと人気出れば武道館でライブとかやるのかなー、学園都市外出の申し出って面倒なんだよねー』
『タバコ吸いてえ…なんで喫煙コーナー以外学園都市は禁煙箇所ばっかなんだよ…ったく、ガキはうるせえし研究費は少ないし』
『あれ、心理掌握じゃねえか。うわ、小学生とは思えない美貌。っかー、俺ら庶民なんて見下してんだろうなぁ』


全て、声。

心理掌握の横を通り過ぎて行く人達の心の声。

私はうんざりするも、これは自動で聞こえてきてしまう。もう幾分かは慣れていた。
他のことを考えるようにするのだ。
248 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 21:50:02.62 ID:QiTABc.o

「はぁ…」

私は溜息を付き、再び歩き出す。
どこかでお昼ご飯を食べようかしら?
そう考えていた。
そんな時、

視界に彼が映った。

パキン!!

雑音が、消えた。

人込みがなくなったわけではない。

今も真横を何人も通り過ぎて行く。

だけど、力場は壊れた。

「あは…」

私は、その人物を見つけて頬が緩むのを抑えられなかった。

ツンツン頭の彼は、前よりいくらか穏やかな表情をしている。

未だ、彼の周りには不穏な何かが渦巻いているように感じるが、

それでも彼は、やはり私を助けてくれた憧れの人に間違いなかった。

私は小さく小走りで駆け寄った。

「あれ、お前…?」

上条さんがこちらを向いた。

「こんにちわ、上条さん」

私は笑顔で挨拶した。
249 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 21:58:46.01 ID:QiTABc.o
さーて、みんなにここで質問だ。
勝手に容姿を決めてしまった心理掌握(俺が金髪碧眼大好きという理由で)だが、

心理掌握の名前を勝手に決めていいか?

二次創作にしてもそれはねーよきめえ、って言うなら名前無しで行くけどどうする?
あと、名前決めておkっていう人は名字を決めてくれると嬉しい。
「右代宮」とか「三千院」的な三文字のお金持ちチックな名字を好きに出してくれ
しばらく離れるから意見してくれると嬉しい
250 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 22:05:02.86 ID:1egn12AO
心理掌握はそのまま心理掌握でやって欲しいな
名前付けたらせっかくここまでいい感じなのに壊れちゃいそう
青髪みたいにオリキャラ→青髪みたいな上手い使い方ならいいと思うけど
251 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 22:12:44.63 ID:y2kZoyMo
鈴木院
252 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 22:25:01.21 ID:0CEmoSco
ワンピとのクロスでそれやって失敗してるからな
253 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 22:40:27.65 ID:j9jXtbI0
勝手に性格的にも能力を行使する時の名前的にも比良坂初音を
ロリっぽくした様な容姿を妄想していたがパツキン…だと…
名前は今考えた金持ちっぽい名字、瑞埜宮
254 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/28(水) 22:43:47.32 ID:reC7UAIo
心理掌握のままのほうがいいな
255 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 22:59:36.51 ID:iXwvtISO
ベタに
心理掌 握
256 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 23:07:09.41 ID:ug7fjSko
心理掌握のままでいいとおもう
257 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 23:13:28.98 ID:ETwym2AO
外国人の名字っぽくもじってみる、とか
例えば玖琉守(くるす)とか




ただし暗戸(くらいど)は俺が使用中
258 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 23:21:23.44 ID:QiTABc.o
迷い猫見てきたー、かな恵ちゃんたまんねえぜ

ここまで集計すればいいかな。
みんなの言う通りだと思うから心理掌握のままでいきます。名前は無し、上条さんは「お前」としか呼べないけど気にしない
元々、名前無しでいくつもりだったから心理掌握の視点の場合だけ、「私」で一人称にしてたからおkだよね
名前案出してくれた人はスマヌ

>>253
悪いな、俺の金髪碧眼好きがお前の幻想を壊してしまったぜ
259 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 23:23:35.39 ID:.nqLn2DO
心理掌握のままでいいんじゃねえの
260 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 23:25:14.98 ID:PbwnMjoo
単に文字を逆にして
握掌 理心(あくてい りこ)とかね
261 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/28(水) 23:36:28.57 ID:QiTABc.o
そういや俺がちょくちょく張る小ネタは毎回気付かれない不思議wwww
続き、書きます
262 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/28(水) 23:54:33.34 ID:QiTABc.o
「あ、あのお礼したいと思いまして」
「お礼?何を?」
上条さんが首を傾げる。
「助けていただいたお礼と、その」
「別にそんなのいいよ」
「あっ」

このままでは行ってしまう。
ダメだ、ここは何としても引きとめなければ。
私は目に強い光が集まるのを感じた。

「少しお話もしたいので。お暇でしたらこれからお食事に誘わせていただいてもよろしいですか?」

―――

「(で、ファミレスと)」

どうしてこうなったのか。
そう、私の計画では今頃某高級レストランで食事をしていたはずなのだが――。
『高級レストラン?』
『はい。御馳走します』
『あ、やっぱりお嬢様なんだな。なんか育ちの良さそうな雰囲気がしてたけど』
『ええ、まあ。お恥ずかしながら…』
『別に恥ずかしくないだろ?すっげえかっこいいと思うぞ。お前綺麗だし』
『あ…』
『いやーそれにしても、俺こんなカッコだし。高級レストランだと場違いに思われそうだなー』
『大丈夫だと思いますけど…あ、ならお洋服をプレゼントさせてください』
『え!いやいやいいですよ、お金持ちの選ぶ服なんて0の数が明らかに違いそうだし!』
『そうですか?なら、上条さんが決めていただいても…』
『うーん、なら…』

―――

というわけだ。

正直、ファミレスに来たのは初めてだ。

だけど、上条さんに「はいはい庶民の店は合いませんか」などと言われてはいけない、思われてはいけない。
そうだ、私は今まで「あはは庶民(笑)ジャンクフードのマックに冷凍食品のファミレスですか?(笑)」と思いながら生きてきた。無論、それが周りから「うぜー」と思われていることも知っている。

だからこそ、この私なら「こんな態度はダメだ」とわかる。
いける、上流階級の中の上流階級の私なら、
上条さんに不快な思いをさせずに済むはず!
263 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 00:06:15.80 ID:fJVVhC.P
なんか可愛くなってる!
264 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 00:17:05.85 ID:9qM7jOEo

「水もらってきたぞー、ここ水もフリーなんだよなー」

上条さんが、いつの間にか二人分の水を運んできた。

「なっ、申し訳ありません。そのようなことウェイターにでも――」

あ、と私は言いかけて止める。

「……(しまったあああああいきなりお嬢様(笑)アピールしてしまいましたわあああほら上条さんも苦笑してる!)」

「さすがはお嬢様だな」

「うっ(うわあああぁぁん)」

「さってと。お前は何食う?上条さんはこのジャンボハンバーグ地獄コースに挑戦しようと思う」

「あ、はい。えっと…」

上条さんがメニューをひっくり返して私に差し出してくれた。
「(メニューくらいちゃんと二つ置いときなさいよ)」
などと頭の中で店に文句を言いつつ、上条さんに心から、そう、ここ重要。 心 から礼を言いつつメニューを受け取る。

「あ」

その時、上条さんの指に触れ、私はビクッ、と指先が震える。そのままメニューを落としかける。

「おい大丈夫か?」

上条さんが私の手を包むように支えてそれを回避する。

「あっ……(上条さんの手、あったかい…)」

私がドキドキしていると、しばらくハテナ顔だった上条さんは気付き、

「いやいや違うんだこれは落としそうだったからで特に深い意味はありません!」

と手を離してしまった。

少し残念だ。
265 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 00:42:21.77 ID:9qM7jOEo

「では、私はこの学園都市製養殖の魚介類パスタを」

「はは、魚介類の養殖までやってるんだから笑っちまうよな。学園都市って」

「ふふ、そうですね。学園都市は自給自足を整えているのかもしれません」

「なんでだ?」

「もしかしたら日本から独立でもする準備だったり?なんて冗談と言えないところが学園都市ですよね」

「あ、ハルノクニか?俺あの漫画好きだったなぁ。四巻で終わってしまったのが残念だ」

「ハルノクニ、ですか?すみません、漫画は嗜まないもので…」

「あー、そっか。お嬢様だもんな。普通漫画なんて読まないか」

「そうですね。まぁ私の通う学校では少女漫画を読む人がいますが私は漫画自体触れたことがありませんね」

「ふーん。お前って頭良さそうだもんな。漫画とか読むより外国の文学的なものを読むイメージだもんな」

「ええ、確かに海外古典など嗜みますわ。ですが、上条さんの言うハルノクニという作品にも興味が湧きました。日本から独立するようなお話なのですか?」

「ああ。主人公たちは海に浮かぶ最新セキュリティの、偏差値高い学校に通う生徒なんだが、ある日、日本政府の秘密を知ってしまう。そしてそれを知ったがために主人公の親友が殺されてしまうんだ。
主人公は日本政府と戦うためにその最新セキュリティの学園に立て篭もり、日本国からの独立を宣言するんだ。まぁ、高尚な文学と比べられるものじゃないから、お前に合うかはわからないが」

「あら、そんなことないですよ?」

と、私は本心から言った。

「私は結構反社会的なものや、IFもの、SFもののハードカバーを読みますので。そういったジャンルは好きです」

「お、そーか!やっぱ学園都市に来ただけはあるってことだな。やっぱロボット三原則とか好きだったりするのか?」

「ええ。アイザック・アシモフの小説ですよね?彼は天才だと思います」

「おお。なんか俺みたいな庶民が通じあえたことが凄い!」

「いえ、そんなことないですわよ」

「んじゃ、今度ハルノクニ貸してやるよ」

いえそんなわざわざ――と言いかけ、私はやめた。
これは、まさか。上条さんともっと会える?
最低二回。漫画を借りるのと、返すので二回は会える。
いや、それだけではない。今度はお礼に〜と言いながら私が何か小説を貸して、それでさらに機会が増える。
ニヤリ、と私は上条さんに気付かれない程度に舌舐めずりした。
266 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 00:55:13.90 ID:9qM7jOEo

「ドリンクバーと、お前はサラダバー付いてるけど。行くか?」

「ドリンクバー、ですか?」

「ん、ああ。その名の通りフリーで好きな飲み物を注ぎに行くんだよ」

「そうなんですか」

「面倒なら俺が取って来るけど、サラダバーとかは自分で取りたいか?」

「え、いえいえ。私も行きます。そんな上条さんを使うなんて」

「あはは。別にいいんだけどな。あと、さん付けってなんかくすぐったいな。俺中一なのに」

「そうですか?では」

私は、一番呼びたかった呼び方で呼ぶことにする。


「上条先輩♪」


笑顔でそう言うと、何故か上条先輩が顔を赤くしていた。ついでにそこら辺の客も。そこら辺の客については黙れ失せろこっちを見るな。

「上条先輩?どうしましたか?(キャーレア顔カッコいい!)」

「あ、いや。結構な破壊力でしたよと上条さんは冷静さを取り戻してみます」

「ふふ、変な先輩ですね」

くすくすと笑うと何故か上条先輩はバッと首を後ろに向けてしまった。

「どうしたのですか?上条先輩?」

「い、いやその…とてもよろしいです」

私は一度首を傾げ、理解する。


「そうですか、よかったです。上条先輩♪」
267 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 00:55:52.60 ID:9qM7jOEo


風呂
268 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 01:09:44.26 ID:3rXVVkIo
かわいい
269 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/29(木) 02:08:51.42 ID:9qM7jOE0
>>268
俺の書くSSのキャラを可愛いと言ったのは君が初めてだぜ…いやまじで
270 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 02:40:52.39 ID:QmmcaRIo
心理掌握は男の子だと思い込んで読んでた俺でも可愛いと思った
271 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/29(木) 02:42:33.32 ID:yVsxkxYo
この心理掌握たんにはキュンキュンしたな
272 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 09:50:56.57 ID:5vcHNcAO
原作見てないのに一気に読んでしまった
文章力あるなぁ
273 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 10:46:29.08 ID:Mm09tsAO
上条さんがかわいい
274 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 16:39:25.13 ID:kGDw42AO
きゅんきゅんするうぅぅぅぅ
275 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 17:06:03.30 ID:zTnIXHwo
 .   .           ∧_∧_∧
            ___(・∀・≡;・∀・) ドキドキドキ
             \_/(つ/と ) _
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
        |           .|/



                       _∧_∧_∧_
           ヒュッ〃   ∧_∧   |
          ヽ ___\(・∀・ ) <  >>1
             \ / ⊂ ⊂ ) _ |_ _ _ __
           / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| .∨ ∨ ∨
        |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:| :|
        |           .|/












         .   .   .           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                   \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                      ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙      .'               . . .           ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:               ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                             ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´
276 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 17:13:46.72 ID:3rXVVkIo
>>275
不覚にも
277 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 19:28:48.88 ID:9qM7jOEo
>>275
ワロタ
278 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 19:58:33.82 ID:kyXIbe.o

                                                                  /  ..-‐
                                                                /{ ∠ -‐≦-―…¬ヤ
                                                                _〈::レ:´:::::::::::::::::::::::::::::::<
                                            もっと書けビーム      ,. ::´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::≧._
                                                             ∠. -ァ::::::,イ:!:::lヽ::::::::::::::::::::::::<.  ̄
                         , - 、                ,.ヘ、                       /イ :::ハ|ヽ! !ヽ::::!:::::::::::::::\ `
                         r´ 「三三三l           !  ト、                     / l::,イ    !7::ヽ!::::::::::: '. ̄
                     (( .l.三三三l . ノ!            / \                        |/ ヽ - ィ\!::::::::.ト、::::!
                           ヾ≧彡'           ,/   /} _..-‐¬‐- .            ,rー≦マ,. イ Y⌒',、! \!
                                  , - 、   /     ,.r:´         ヘ         イ  イ ヘ厶イ.!   ヘ
                                  {   \ Y . : :´ }、          ',.  h_, .<  〈  /.l ./ D  !  ハ
 、    、 ’、  ′     ’      ;    ∧   | . : :´    1            ;r‐'   _, -‐ `ヽ.' l/     l   ハ,
  .. ’        ’、   ′ ’   .        { \. : :´  \  ,ノ           } ~廴ぅ'´       i      l.-‐Tフ
     、′・  ’、.・”;  ”  ’、             . : :´      ヘ√.            ;.            '        7.l  l
 ,;′   ’、   (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;       . : :´                     ,’           .'         ,' !  l
’、  ・ .(; (´;^`⌒)∴⌒`.・ ”   ;     . : :´                     厶イ             /        ム !  l
 .、  ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;;ノ、"'人   ,.r: ´   ___弖丕二ニ=/1-- ‐ \¨  ̄             〈        ハ,_!  l__
    、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、 ̄ ̄ ̄         ヘ  / 〉    |    √              }ー-.. __,.∠.イ !  l_,∠
     ( ´;`ヾ,;⌒)>>275⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・           Y  く_,ノ   ∨⌒′            /  !  l   ! ヘ  !  l,.イ
‘:;゜+° ′、:::::. ::: ´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ                                        /.   l  l  ', ∨l   !
    `:::、 ノ  ...;:;_)  ...::ノ ソ ...::ノ                                        廴_!__!__,..-ィ!  ヘ
                                                                 l    ! ヘ    マ-‐'′
                            
279 :278 [sage]:2010/04/29(木) 20:00:17.15 ID:kyXIbe.o
あ・・・安価ミス
死にたい
280 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/29(木) 20:15:41.81 ID:8e2ThXw0
>>247
佐天さん登場か
281 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 20:27:29.99 ID:9qM7jOEo
垣根サイド――

上条当麻が病院でフレンダと騒いでいた昨夜――。

垣根帝督は屋上にいた。

「お前は誰だ?」

無表情で男が帝督にそう訊いた。片手には白い鞘を持っている。
黒い髪を肩口まで伸ばした男が歩み寄る。
男は全体的に服装からしてビジュアル系の黒白を基調とした格好をしている。
服にはジャラジャラと貴金属のアクセサリーがたくさん付いていて、身長は170cm程度。
首から下げた鎖型の銀のネックレスには銀の指輪がぶら下がっている。

対し、帝督は笑う。

「はは、お前こそ誰だよ」
「俺は雨蛙(アマガエル)≠フリーダーだ」
「あん?聞いたことねえな」
「そうか。では貴様は何者だ?」
「名乗る必要があるか?」
「ある。我々はこの病院の警護をしている。どうやってセキュリティを突破したのかは知らないが出て行ってもらおう」
「おいおいどんな病院だよ」
「昼間なら誰かれ構わず入れるぞ。夜間の診察なら受付を通ってもらおうか」
「へえ。今時珍しいことに夜間の急患まで診てくれるのか?はは、もしかして闇医者だったりするのか」

その言葉で、雨蛙のリーダーの顔が変わった。
まるで皮膚を崩すかのように、表情を砕いて怒りを表す。

「ああ?てめえ先生≠闇医者なんかと一緒にしてんじゃねえよ」

雨蛙のリーダーが、今までの冷静な対応をいきなり止める。
自らの持つ鞘を構える。
282 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 20:30:20.74 ID:9qM7jOEo
違う。
それは鞘ではなかった。
帝督には見慣れない物だった。
白鞘と呼ばれるそれは、鍔(つば)がないために帝督は、普通の日本刀の鞘だけを持っているのかと思ったが違った。

それは長ドスだった。
しかも、ただの長ドスではない。
雨蛙のリーダーが白鞘から抜く。
帝督はわずかに構え、そこで目を見開いた。

その長ドスには、刀身が全くなかった。

「は…?」
刃のない長ドスを引き抜くと雨蛙のリーダー。
「なんだよそりゃ…ははっ」
帝督が拍子抜けしたように笑う。
雨蛙のリーダーは元の無表情となり、呟いた。

「今夜は一度、雨が降ったようだな」

帝督が眉を寄せた時、屋上に点々と存在する水溜まりが波紋を作った。

「(風はない…電気や磁力の類でもない…これは…)」

帝督は警戒し、能力を発動させる。
だが、速かったのは雨蛙のリーダーだった。
雨蛙のリーダーは素早く屈むと、その手で水溜まりに触れた。

チャプン、と水面が震え、

水溜まりが、爆発した。

視界が白一面に遮られる。

「チッ!やっぱり水の能力者かッ」

帝督は未元物質を発動する。
白い二枚の羽が帝督を包む。
絶対の防御に包まれた帝督は水しぶき一つとして浴びない。
283 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 20:34:24.43 ID:9qM7jOEo
>>282
訂正

刃のない長ドスを引き抜くと雨蛙のリーダー。

刃のない長ドスを引き抜く雨蛙のリーダー。
284 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 21:56:55.45 ID:9qM7jOEo
「(そろそろいいか?)」

帝督は羽を広げる。
バサバサ、と音を立てて羽は帝督の背後で羽ばたく。

「白い羽?よくわからない能力だな」

雨蛙のリーダーは平坦な声でそう評価する。
彼の右手には長ドスが握られている。
彼は柄を握り、それを斜めにして眼前に構えている。
刀身はない。
が、

本来の刀身の代わりに液体が蠢いていた。

それは水。
恐らく先ほどの蒸気爆発は目隠しのためだったのだろう。
時間稼ぎと、盾という名の目隠し。
彼が水溜まりに触れて蒸気爆発が起こったことから、恐らく彼の手は『熱源』の能力を持っている。
水溜まりという液体。その水分に温度差の大きい『熱源』をぶつける。
水は急激に蒸気化し、蒸気爆発を引き起こした。
そうして視界を奪った。
勿論、その爆発だけで攻撃と言える。
結構な破壊力で、無防備な人間ならば屋上の端から端に吹き飛ばされるだけでは済まないだろう。
だが、これはあくまで目暗まし。
空気中にただよう水蒸気を『熱源』によって一瞬で膨張させて冷却し、液体化する。
それだけでなく、辺りに未だ散る水溜まりの水をかき集め、長ドスの刀身の部分に集めた。

「(水蒸気操作≠フ能力者なのか…?いや、これは水流操作系≠フ能力も使っている?)」
285 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 22:02:57.60 ID:9qM7jOEo
帝督はそれを観察する。

「はは、そのドスの柄、お前の能力補助だな?そこに熱源を貯められるようだ」
「ああ、そうだ。自分だけの現実(パーソナルリアリティ)≠フ補助だな。長ドスで位置情報を理解しやすくしている」
「(ということは本質は水蒸気操作≠ゥ?なら何故水流操作系≠フ真似事なんてする必要がある?)」
「俺はこいつに名前を付けていてな」

長ドスの刀身として水が伸びている。それは刃ほどの厚さで、長さは先程から動き、変わるが三メートルほど。

「あん?(そうか、こいつはわざわざ手で触れて『熱源』を操った――)」

「水蛇≠セ」

水の刀身が蠢く。
蛇のように体をくねらせる水を、雨蛙のリーダーは長ドスを振るった。

「(レベルがそこまで高くない水蒸気操作≠フ能力者か!)」

水蛇が横薙ぎに振るわれる。
ヒュッ、と音を立ててそれは帝督を真っ二つに裂くかのように襲う。

バシュッ!!

水蛇を、白い羽が斬った。

未元物質が、帝督に届く前にそれを斬り裂く。

だが、それだけでは終わらない。

二つに斬り裂かれた水蛇だが、片方は未だ雨蛙のリーダーの長ドスと繋がっているのだ。

「気付いているだろ?俺が水蒸気操作≠フ能力者だと」

瞬時、長ドスの水が水蒸気と化す――。

帝督が口を開くより先に、爆発した。
286 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/29(木) 22:18:13.50 ID:9qM7jOEo
「それが、どうしたって?」

爆発の後、帝督は水しぶき一つ浴びずに立っていた。
その表情の余裕は変わらない。

「羽の防御は間に合わないと思ったが」

あくまでも冷静に雨蛙のリーダーが訝しむ。

「ははっ、残念でした。俺の未元物質は空気中にも展開してあるんだよ」
「全く、どんな物質なのか理解できないな」
「俺の未元物質に常識は通用しねえ。いかなる物理法則も捻じ曲げるんだからな」
「なるほど。厄介だな」
「厄介で済むかよ。お前と俺には絶対的な差があるんだ。工夫しようたってそれで越えられるレベルじゃねえんだ」
「そうか。貴様はやはりレベル5か」
「ご名答。てめえはレベル4ってところか?レベル3寄りの弱小な奴な」
「その通りだ」

雨蛙のリーダーは再び長ドスの柄を構える。
水溜まりの水や水蒸気がそこに集まる。

「はっは、懲りない奴だな。そんな物効かねえよ」
「果たしてそうかな」
「あん?」

訝しむ帝督。
蒸気爆発が起こる。
視界が白一色に染まる。

「(随分と規模のでかい爆発を…だがこんなモノが俺に効くわけが…)」

爆発は大きい。
屋上を完全に覆っていた。そこで帝督は意図に気付く。

「チッ、あの野郎逃げやがったか!」

気付いた頃には遅かった。
雨蛙のリーダーは消え、同時に警備員を呼ぶブザーが鳴り響く。

「クッソ、あんなザコに出し抜かれるとは…」

だが警備員に見つかるわけにはいかない。
あくまで自分は上条当麻の護衛として、クラスメイトとして居なければならない。

「あれが噂の対暗部組織か。表の世界を利用するとは、結構厄介な連中だ」

言葉とは裏腹に帝督の表情は明るい。
帝督は白い羽を展開し、屋上から飛び立った。

「面白い連中じゃねえか。なぁ――アレイスター」
287 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 22:26:25.62 ID:9qM7jOEo

目が疲れた
288 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/29(木) 23:17:03.82 ID:cP77t12o
こんなにかっこいいていとくん久々に見た
289 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/29(木) 23:33:43.65 ID:0xkEdyc0
おもしろいな〜
290 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 01:12:32.81 ID:glbgCWg0
帝凍庫じゃないていとくんと聞いて
291 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/30(金) 01:42:52.23 ID:82ica/c0
なんか他のスレ見てたら完全オリキャラってよくないとかあったんだが
これ以上増やしちゃまずいのかもなぁ
平助やアヤの話も極力減らせるようにしてみるわ
292 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 01:47:10.57 ID:e949RGco
別にいいんでね?バランスとれてれば
293 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 02:10:57.42 ID:bc2iYCwo
うん、バランスだよね
あとは話の上手さだと思うし。問題無いかと
294 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 07:15:52.02 ID:wR/lM7Mo
完全パラレルの世界ならオリキャラ出てこようと問題ない
原作にリンクするなら幾つかには死ぬか消えてもらわないといけないけど
295 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 08:13:03.05 ID:tkl8876o
構わん続けてください
296 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/30(金) 10:14:53.57 ID:82ica/c0
>>294
ご覧の通りだってばよ
長点上機の風紀委員長とか書きたかったってばよ
まあバランスよりもオリキャラなんて見ててもつまらないんじゃないか?というのが気になったんだが
297 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/30(金) 10:46:01.79 ID:82ica/co
――【始まりの日曜日】――

だから勿論、帝督はファミレスにいた。
上条当麻の護衛だ。
上条当麻がいれば心理掌握の力場は壊れる。そして、戦闘時でもないのに集中を必要とする、上条当麻を遠巻きに展開する力場など心理掌握は作らないだろう。
帝督は上条達の斜め二つ後ろの席にいた。

黒いサングラスに白いマスクをして。

帝督は自分に視線が集まっていることに気付いていない。
むしろ初めての護衛&監視の任を完璧にこなしていると思っていた。

「(昨日は大変だったな…)」

コーヒーを口に運ぶ。少しマスクをずらして飲む。
落ちついた気持ちで帝督は、楽しげに談笑する二人を眺める。

「(ま、元気になってよかったんじゃねえの)」

フッとギザっぽく笑う。


「思いっきり目立ってるのよこのバカ!」


そこに、
穏やかな気分であった帝督の脳天にチョップがかまされた。

「ゴパぁ!…ってめ何しやがる。オーケー久しぶりに使うぜこの言葉――ムカついた」

「何プロっぽく格好付けている訳?思いっきり目立っているから!結局、上条達が席を離れるまで気付かれないかソワソワしてた訳よ!」

「ああ?なんだフレンダか」

金髪碧眼の少女は嘆息する。

「それ、外して。マスクにサングラスなんて犯罪予告みたいなものな訳よ」

「何!?これカッコイイと思ってたのに…」

「どんな感性よ…警備員呼ばれる寸前だった訳よ。…ってこら店員を睨むな脅えてるっ」

上条と心理掌握がドリンクバーに赴いている最中、ファミレスの監視が二人に増えた瞬間だった。
298 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/04/30(金) 10:55:53.34 ID:82ica/co
まとめ更新

オリジナルキャラ

・心理掌握(原作の設定を元に構成)
・不良2(スキルアウトの一人。結構頭の回転が速い…ロリコンでない人)
・フレンダ(原作で明かされていない能力を違和感ないようオリジナルで付ける予定)
・青髪(原作の青髪ピアス≠ノ設定付属。元AIM保護の銀髪少年。レベル5の一人だったが死んだことになった。能力は超能力が効かないことと、体晶によって相手の超能力を奪うことができる。死んだフリで暗部を抜け、整形した。
通常時はレベル3のAIM抵抗(AIMレジスト)。ピアスに触れると絶対防御が復活してレベル5の能力を取り戻せる)
・死吸部族(デッドドレイン)=B学園都市の暗部組織。戦闘狂。武装している。殺人に快楽を求める。猟犬部隊(ハウンドドッグ)ができる前の組織。暗部に存在する。
・平助(対暗部組織、雨蛙のリーダー。レベル4の水蒸気操作≠フ能力者。ビジュアル系の見た目に反して静かな口調で話す。カエル顔の医者を先生≠ニ呼び、先生をバカにされると表情と口調が変わる)
・アヤ(かつて心理掌握によって壊された少女の身体に心を入れた。心理掌握をママ≠ニ呼び慕う。現在フレンダと友達になる)

○本編は速く進めるから、説明足りないと思ったら毎回更新するこのまとめを見てくれ。
299 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 11:01:09.06 ID:OfDUP2DO
>>1の今まで書いたSSが気になるんだが聞いちゃだめなんだっけ?
300 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 11:36:24.97 ID:nmD9n2AO
あれか、ていとくんはピンセットもカッコイイと思ってたわけか…
301 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 12:17:11.17 ID:9mo2VRco
ピンセットはカッコイイだろ…
302 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 12:30:39.47 ID:54Vw8Swo
爪切りとかにも代用できそうだなあれ
303 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/04/30(金) 13:07:17.75 ID:82ica/co
>>299
あんまり前作の話すると嫌な人いるかもだが…これ一作なので多めに見てくれ

「涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」のキャラが「映画涼宮ハルヒの消失」について感想を言うだけのSS。
映画見てきて興奮したから書いた自己満足なため、sageまくった。
http://mimizun.com/log/2ch/news4vip/yutori7.2ch.net/news4vip/kako/1265/12659/1265956056.html
変換したから携帯でも見れるかな?
304 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 19:36:41.24 ID:cAodpsAO
禁書SSは初なのかー
305 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 22:44:13.02 ID:82ica/c0
美琴書きてー三年前じゃ出番ないじゃんorz
306 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 23:41:31.19 ID:82ica/c0
>>304
初なのだーパソのバーニングが終わったら続き書きたいのだーそれまで暇なのだー
307 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 23:48:25.01 ID:Pu4wL1g0
何でだよ!何でここまで再構成してきて美琴は書けねェンだよ!!オマエのオナニーだろうが!
あの『心理掌握』で始められるほどのオナニーなンだろォが!だったら書いてやれよ!
他の誰もやらねェ事ができンなら、そいつをちっとはあのビリビリにも向けてやれってンだよ!
308 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/04/30(金) 23:50:04.69 ID:OfDUP2DO
>>303
シリアス書いてる人かと思ったのにwwww
初めてでこれだけ上条さんかっこよく書けるのすげーよ。あとオリキャラも良い
309 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/04/30(金) 23:56:39.24 ID:82ica/c0
>>307
ちわっす第一位の○○○○さんこんにちわ。出番ないっすね

まあ美琴については時系列的に今は厳しいんだよね。後で出すからッ勘弁。あとレッサーもry
310 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 00:09:21.25 ID:7k4xYQ.o
別に美琴出さんでもいいがな
見たきゃ他のスレでもみれるしね
むしろ主要人物と言われているのが何人か登場しない方がネタがマンネリ化展開にならずに幅が広げやすいと思うな
311 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/01(土) 01:59:50.01 ID:q4fW2X.o

上条サイド――

「それで、例の女の子に心≠入れたのか」

上条は心理掌握の話を聞いていた。

「はい。私が壊した彼女は病院で抜け殻となっていました。彼女の家族…とは言ってもチャイルドエラーだったようでその施設や友人からの頼みだったそうです」

「その、彼女に新しく自我を植え付けることが?」

「ええ…彼女の身体が泣いていると、このままにしておくのは可哀想だと…」

「…………」

「私が、いえ、私は、間違っていました」

「……」

「勿論、今さら自分の行いを言い訳するつもりはありません。けど、私は、自分が間違っていることに気付きました」

「……」

「上条先輩やあの銀髪の人を見ていて、私は気付いたのです。だからこそ、医者からその話を――心を植え付ける話を聞いた時に頷きました」

「……」

「ひどい、自演だと思います。自己満足で自我を植え付けて、私はそれで罪が軽くなったとでも思っているのでしょうか」

「……」

「いいえ、思っているのでしょうね。こんな話を上条先輩にしている時点で、卑怯ですよね。贖罪になどなるはずもないのに」

「……」

「知っていますか?私が半径五メートル以内の人の思考を読み取れること。上条先輩には効きませんけど」

「……」

「私は彼女の心が視えるのが怖かった。だから彼女に心≠入れてアヤ≠生み出した時――」

「……」

「――彼女の思考が私に視えないようプロテクトを構築したんですよ?ふふ、笑えますよね。視えるのが怖くて仕方ないんですよ…」
312 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/01(土) 02:08:43.27 ID:q4fW2X.o


「よく、頑張ったな」


上条はそう笑いかけた。

「え…?」

心理掌握は瞬きをする。
上条には気付いていた。
普段鈍いと言われる彼は気付いていた。

心理掌握が泣くのを我慢していることに。

きっとここで泣いたりしたら自分を許せないのだろう。
それは自分への罰。
ここで上条に同情され、励まされたくないのだ。
そんなことをされてしまったら、もうどうしようもなくなる。
自分の罪を告白して、実は辛いんです。なんて言って男に泣き付きたくない。

そんな強い意志を彼女は持っていた。

それに上条は気付いた。
懸命に泣くのを堪えて、悟られないようにしていることに上条はしっかりと気付いていた。

「お前はさ、確かに間違ったことをしたかもしれない」

その手で彼女の頭に触れる。

「それは決して許されないことなのかもしれない」

その手には包帯が巻かれている。

「けれどそこで立ち止まらなかったお前はもう、前のお前とは違うんじゃないか?」

その手は右手。

「お前はもう、ちゃんと前を向いていいと思う」

彼女の 自分自身への攻撃(幻想)≠、その右手は壊す。

「だからさ。泣くのを我慢することはねえよ。少なくともさ、俺の前では」

そう言って上条は微笑む。優しく、子供をあやすように微笑む。
313 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/01(土) 02:24:32.98 ID:q4fW2X.o

「でも、私…」

「アヤは元気か?」

「はい。でも、わた」

「ちゃんと世話してあげてるんだろ?」

「ええ。でも」


「なら、もう自分を責めるな」


上条は強く断言した。

「もう、自分を傷付けるな」

それは優しくもあり、そして厳しい言葉だった。


「過去の自分を責めてどうする?それでどうなる?そんなものはお前の言う通り自己満足でしかない。泥に浸かってそこで、力を振り絞って駆け上がることを諦めているのと同じだ」

上条は心理掌握の目をしっかりと見据える。

「確かに罪を忘れることなんてよくないかもしれない。――だが、」

上条は断言する。

「罪を背負うと決めたんだろ?彼女を、アヤを守ると決めたんだろ!?」

その問いかけに心理掌握は目の色を取り戻す。

「だったら!もうこんなウジウジする必要はねえ!しっかりと、支えてやれよ!それがお前のやるべきことで、やりたいことだろ!?」

心理掌握は言葉を返せない。

「…ッ…ぅぁ……うぅ…」

ただただ涙を流す顔を隠し、嗚咽を吐き出しながら頷いていた。
314 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 02:59:12.20 ID:ZJFfG8o0
流石上条さんやでぇ・・・
315 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 04:00:55.47 ID:vOoZxWso
朴念仁のくせに気遣いが出来る上条さんズルい・・・結婚してくれ
316 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [saga]:2010/05/01(土) 10:47:20.65 ID:/l6rIpM0
上条さんやっぱパねえ…
317 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 21:13:38.86 ID:wOEuYp60
客「外でやれ」
318 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 21:40:33.77 ID:Sa3cEkDO
外から見ると中学生が小学生泣かしてるようにしか見えないわけで……
上条さんの世間体が危ない!
319 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/01(土) 21:47:49.53 ID:q4fW2X.o

そんな様子を垣根帝督は不機嫌そうに見ていた。

「どうしたの?」

パフェをあどけない表情で頬張るフレンダが首を傾げる。

「いや、なんでもねえよ」

帝督の顔付きは変わっていた。
そこにあるのは不満。
明確な負の感情というよりは気に喰わないとでも言いたげな、そんな顔をしている。

「えっと、嫉妬…?」
「はぁ?俺があんなガキに興味あるとでも?小学生だぞ?」
「あ、そっちじゃなくて…なんでもない」
「てっめ、今そっちで考えたよな?考えたな?俺は違うって言ってんだろ!」
「あっははー、何のことやら」
「…たく。まあいい」

気分が削がれたのか、帝督はため息を付くとコーヒーを飲み干す。

「ああそうだ。一つ忠告してやるぞ」
「おや珍しい。どんな優しさで?」

目を丸くするフレンダにフッ、と帝督は鼻で笑う。
立ち上がると彼は指さし忠告する。


「この店、狙われてるから」


直後、ガラスが割れる。
店中のガラスが外から割れ、投げ込まれたのは爆弾。

「なっ」

フレンダが驚きの声を上げる。
帝督は先程と顔色一つ変えずに能力を発動する。
フレンダは上条のほうをすぐさま向く。

「かみ――」

声が届くより先に、爆発した。
破裂音とともに爆風が溢れ、店内が炎に包まれる。
320 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/01(土) 22:03:10.46 ID:q4fW2X.o

「はっはー!」

帝督は笑う。
炎に包まれた店内で一人、笑っていた。

「とんだクソ野郎だな。こんな真昼間からド派手にファミレス襲撃とはよ」

彼の身体の一つとして傷付いていない。
飛び散ったガラス片も、爆弾も、それによる爆風も、炎も、
何一つとして彼を傷付けることができない。

「おいおいこれで何人死んだんだよ。あーカワイソウだ。あーめん」

ふざけたように笑う。
そんな彼の表情は嗤い。
明らかな悪人のそれで、彼は炎の中に生身で佇んでいる。
背には二枚の羽。

「つーかさ。漫画だとよく主人公が炎の能力持つじゃん?あれってないよなー」

帝督は嗤う。

「だって焼かれんのって結構エグいんだぜ?おいお前、知ってっか?火で焼かれて焙られて焦げた人間ってさ、っはは!」

目の前の少年に嗤いかける。

「未元物質、か。貴様が幻想殺しの監視に付くとは」

そこにいたのは少年だった。
紫色のバンダナを付けた中学生くらいの少年。
帝督はその少年を観察し、笑む。

「ん?ああ、はいはい。見覚えあるわお前。確か、発電能力者(エレクトロマスター)だろ?」

紫色の少年は炎の向こうで佇む。
その目には殺気しかない。

「なんだっけ、あ、そうそう――」

小馬鹿にするように帝督は嗤う。

「――超電磁砲(レールガン)のスペアプランだったな」
321 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 22:18:04.42 ID:EPJ0CfI0
ていとくんかっこいいなー
322 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/01(土) 22:18:19.94 ID:.jFumZA0
な・・・なんだと
323 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/01(土) 22:27:06.28 ID:q4fW2X.o

「つーか、あれだ。俺監視じゃねえし」

「何を惚ける。未元物質が表側に行ったと聞いた。監視でもなければ」

「あっははー!バッカかお前。なんでこの俺が監視なんかすんだよ?そんなの低レベルのザコの仕事だろ?」

紫色のバンダナの少年は訝しむ。
帝督は告げる。

「だから言ってんだろ?俺はてめえみたいなのから幻想殺しを守る。――護衛(ガードマン)だってよ」

炎の中。
一点に彼はいた。
幻想殺しの少年は、心理掌握の少女を抱きかかえたまま床に伏せていた。
無傷の上条当麻を見遣り、紫色のバンダナの少年は眉を潜める。

「確実に殺ったと思ったが」

「はは!確かに幻想殺し相手に爆弾を投げるのはよかったな。異能の能力(ちから)でない爆弾を電気で操って投げ込もうが、あいつには防げねえよ」

だがな、と帝督は続ける。

「俺の未元物質に常識は通用しねえ。空気中に散ばした未元物質の全てを上条に打ち消されるわけでもない限り、あいつには傷一つ負わせられないぜ?」

「結局、一人でカッコつけないで欲しい訳よね」

フレンダがそう不満を零す。
彼女は帝督の隣に寝転がっていた。正直ダサいと帝督は感じた。

「ああ?なんだお前生きてたのか。てっきり爆発で吹っ飛んだかと思ったが」

「バカにしないで欲しい訳よ。…全く、もっと早く教えないから上条に盾投げるのに必死だったじゃない」

「それで自分はコケてんのか?お前、アホだなぁ」

「あなたの周囲に未元物質があるんだもの。助かったわ」

「うっわ。ずりい」

「カッコつけてるんだからいいじゃない?ちなみに上条を守ったのは私の盾よ」

フレンダが顎でそちらを指す。
上条当麻と心理掌握の前に転がるのは、盾をモチーフにした紋章のある大きな半透明の盾。

「風紀委員(ジャッジメント)の盾か。あれ結構頑丈なんだよな」
324 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 23:45:07.26 ID:FEIiuds0
俺の中の心理掌握のイメージはミーシャ何だが
>>1はどうなの?
325 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 23:46:25.26 ID:RmEBnp.o
>>324 >>1のレス読み返してこい
326 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/01(土) 23:47:08.19 ID:ic0LYKgo
金髪碧眼とのこと
327 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 00:33:03.68 ID:FfscYtso

「おい!何がどうなってんだよ」

上条が声を張り上げた。
ただの転校生のはずの垣根帝督が、よくわからないことを口走っている。
フレンダがその隣で余裕そうに佇んでいる。
そして、火の海と化したファミレス。

「おい!聞こえないのか!?人が、焼かれてるんだぞ!?」

上条の言葉に、帝督はようやく気付いた。
あまりに帝督にとってどうでもよかったため気付かなかった。
店内では大けがをしている人間がたくさん転がっていた。

「ああ。生存者がいるのか」

と、帝督はどうでも良さそうに呟く。

「どういうことだよ垣根、そしてフレンダ!お前ら、なんでそんな、――ッ!おいお前、大丈夫か!?」

上条は帝督やフレンダに問いただしたかったのだろう。
だが、目の前で苦しむ人間を優先しなくてはならない。

「これだけ騒ぎならもう来ると思うが。悪い、警備員に電話を!」

上条は心理掌握の少女に携帯電話を放る。

「は、はい」

そんな様子を外から紫色のバンダナの少年が見下す。
彼の後ろでは、街の人々が騒ぎにかけつけるも恐怖から離れている。

「とりあえず死ね、幻想殺し」

紫色の少年はリボルバー式の拳銃を引き抜くと上条に撃つ。
弾は上条に届く前に空中で爆破する。
帝督の未元物質だ。
チッと紫色の少年が舌打ちする。
そんな少年の胸元目がけてフレンダが小型ミサイル砲を撃つ。
真っすぐに向かうミサイル。
少年が手の平をかざす。
電撃が放たれ、ミサイルが破裂する。
爆風が店内を襲う。
機具は砕け飛び散り、炎は勢いを増す。

「何がスペアプランだ。アレイスターの計画など俺が壊してやる」

紫色の少年が指を鳴らす。
巨大な電撃が中から焼かれる店内に放たれる。
328 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 00:50:37.37 ID:FfscYtso

急に、水の塊が現れた。
それは鞭のようにしなやかで長い。
太さは人の腕程度。
それが、遠くから振るわれた。
少年は気付かなかった。
何故ならそれは振り下ろすように上方から振るわれたのだ。
紫色の少年と、ファミレスの合間に。
電撃をそれが防ぐ。
水の塊は電撃を通さない。

「純水だ」

歩いてくる男が言う。
ビジュアル系のような黒白を基調にした服装の男だ。
黒い髪を肩口まで伸ばした男。
服にはジャラジャラと貴金属のアクセサリーがたくさん付いている。
首から下げた鎖型の銀のネックレスには銀の指輪がぶら下がっている。

「貴様如きの電撃は絶縁体である純水を通すことができないぞ」

その男――雨蛙のリーダー、平助がその手に持つ物を構える。
長ドスの柄。
そこから伸びる水の塊は蛇のようにうねる。
全長はファミレスの端から端まであるほど大きい。

「対暗部か」

「急患が出たようでな。患者を引き取りに来た」

平助はファミレスを指さす。
ざわつく街に救急車の音が鳴り響く。
同時に消防車と警備員の車も駆けつける。

「だから貴様は潰れていろ」

平助が水蛇を振るう。
紫電が迸る。
紫色の少年が電力を使って高速移動をしたのだ。
水蛇は少年に避けられ、地面に叩きつけられる。
四方八方に水が飛び散るかと思いきや、それは一点に集まる。
そうして再び蛇の形を取り戻すと地面を這う。
確実に紫色の少年を狙って包囲する。
蛇の締め付けのように少年を押し潰す。

「が、ゴバぁ!ぼがぁが」

大きな水の塊に少年が捕えられる。
その中で息を吐き出し、少年は溺れもがいている。
329 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 01:09:35.93 ID:FfscYtso

「今トドメを刺すわ」

フレンダが小型のレディース拳銃を構える。

「俺の前で人殺しはさせない」

平助が水蛇でフレンダを威嚇する。
フレンダは仕方なく銃を降ろす。

「っておいおい昨日のお前かよ!」

帝督がニヤリと笑う。

「レベル5か。どうやら俺の邪魔をするわけではないみたいだな」

「結局、私達は上条のボディーガードって訳なのよ?だから安心して」

「そうか」


「全く、使えないわねー」


そこに、女の声が聞こえた。
帝督、フレンダ、平助がそちらを向く。
突如眼前に一人の少女が現れたことに気付く。
銃声が立て続けに三度鳴った。

「テレポーターか!」

平助が怒鳴る。
銃弾は紫色の少年を的確に撃ち殺していた。

「ごぁパ…!」

水の塊の中で、紫色の少年は心臓と首と腹を撃ち抜かれ、絶命する。
平助が能力から解放するも遅い。
即死だった。

「それじゃ、また会いましょう?対暗部に幻想殺し」

長い髪に黒いヒールの女はすぐさまテレポートしてその場を去る。
警備員と救急車と消防車が配置に着く。
遅すぎる到着に平助は顔を歪めた。
330 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 01:13:57.55 ID:FfscYts0
こんなところか。今夜は制作過疎ってるみたいだし寝るか
331 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 01:16:33.12 ID:oXyHt8.0
>>330

名残惜しいがおやすみ
332 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 01:22:24.66 ID:IORrWigo
>>330
もっと欲しいけど乙
333 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:37:10.85 ID:nB.Gg.AO
オリキャラ出し過ぎて登場人物の数がオリキャラ>原作キャラになってるな
これはちょっとよろしくないかもなんだよ
334 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 08:39:14.36 ID:TbJ5cFIo
無理に原作キャラだすよりもオリキャラ同士でドンパチやって死んでもらったほうがおもしろいんだよ
335 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 09:50:48.99 ID:WoZD1lco
正直帝督以外全員オリキャラに見えるから最早問題ない
336 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 11:16:04.35 ID:ExdwXLwo
でもオリキャラばっかで原作の人物のキャラが死ぬともはや二次創作の意味がなくなるからなぁ……
337 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 11:27:26.92 ID:YVYX9TIo
おれはこれぐらいでも構わないと思うけどな
338 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 11:30:38.05 ID:ogPj9Zc0
この調子だとどんどん増えてくな
339 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/02(日) 12:11:06.47 ID:FfscYts0
悪いがオリキャラ嫌な人はもう読むのやめたほうがいい。
エピソード1では三年前だから、オリキャラばっか
今更構成は変えられないすまん
340 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/02(日) 12:21:07.12 ID:FfscYts0
これからもオリキャラは増える。もちろん原作キャラも増えるが、エピソード1で一区切りだからそれまでに出せない。
俺なんかより上手い禁書SSは制作にたくさん転がっているから、不快感を感じたらタブ閉じてくれて構わない(俺は寂しいけど)。
341 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 12:28:55.63 ID:NmGOlEoo
さよならだ
342 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 12:38:53.11 ID:EB1M7r6o
そーいやぁ3年前だったなww
343 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 12:45:40.81 ID:21Gb18wo
そういや上条さんは記憶喪失設定あるから過去の話を創作しやすいのか
344 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 12:47:55.97 ID:spft/ZEP
俺はこのSS好きだからこれから先の展開が楽しみなんだぜ
頑張って続きを書いてほしいんだぜ、応援してるんだぜ
345 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/02(日) 13:31:48.06 ID:FfscYts0
>>341
うむ。300も見てくれてありがとう
346 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 14:49:51.55 ID:YX3Wj.w0
うん、さよならだ
また会おうぜ!!
347 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 15:26:15.68 ID:FfscYtso

「どういうことだよ…」

上条が言葉を漏らす。
店は消火が終わり、黒く焼け焦げた跡が残っている。

「簡単な話だ。俺はお前の護衛に来た」

帝督がどうでもよさそうに答える。

「護衛?」

上条の隣では心理掌握の少女が黙って座っている。
ファミレスだった場所の前の通り。そこのベンチに上条たちは座っていた。

「お前のその右手。幻想殺しを狙ってやってくるやつらがいてな。そいつらからお前を守るのが俺の役目だ」

「それは…誰の指示なんだ?」

「言えないな。いや、言うつもりはない」

「そうか。そのためにお前は俺の学校に転校してきたのか?」

「ああ」

「悪かったな。俺のために」

「…は?」

上条の言葉の意味がわからずに帝督は眉を寄せる。

「何言ってんだお前?ストーカー紛いの監視されてたようなもんだぞ?」

帝督の問いかけに上条が顔を上げる。


「それこそ何言ってんだよ垣根。別にお前が嘘吐いてたわけでもないし、嘘吐いていても構わない。お前にはそれをやらなくちゃいけなかったんだろ?なら何の問題もねえじゃん」


その言葉に帝督は笑う。
気分良さ気に笑う帝督に対し、フレンダの表情は優れない。
フレンダは突っ立ったまま目を逸らしていた。
上条から逃げるように。
上条から告げられる言葉が怖くて。
今までずっと隠していたことについて。
348 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/05/02(日) 15:35:12.04 ID:FfscYtso

「フレンダ」

掛けられた言葉にフレンダは震えた。

「お前はいつからそこ≠ノいたんだ?」

いつから、裏側にいたのか。
その問いにフレンダは答えられない。

「答えたくないのなら無理には聞かないが、俺にとってお前は唯一無二の幼なじみだからな」

そう。
幼なじみ。
上条とともに学園都市にやってきた、フレンダ。

正確には上条当麻に合わせて学園都市≠ノやってきたフレンダ。

それが意味するのは一つ。

「わ、たしは…」

上条当麻の観察者、監視者。
それが役割。
学園都市にやってきた上条に出逢い。
それから何かと一緒にいて。
そうしてお盆などの帰省では上条に着いて行き。
上条の家族と出逢い。
そうして、こうして、それから、

全ては監視役。

同学年という。
たかだか6歳だからと疑われない立場から。
そうしてずっといて、幼なじみという立場を築き上げ。

フレンダは上条当麻の日常の一部となっていた。

「私は、上条の…」

震えるフレンダを上条は見遣る。

「いや、もういい。フレンダ。お前が何をしていようとお前は――」

上条は笑いかける。かつて心理掌握にそうしたように。

「――ずっと俺の側にいてくれた幼なじみ、それでしかないんだ。今さらどんな事実があろうと、結局この関係が変わるわけじゃない。そうだろう?」

上条は揺るがなかった。
349 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 16:38:41.36 ID:ztaSYrgo
ジャンル的に言ったら再構成モノであろう? 二次創作としておかしい事は特に無いな。
むしろ半端に原作に合わせるより良い、って事で楽しんでるので支援支援。
350 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 16:40:42.57 ID:VgCLjuE0
面白いから自信をもっていいよ
351 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 16:52:02.48 ID:YVYX9TIo
俺はこれ好きだぞ
352 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 17:06:48.59 ID:gDBEXKU0
最初は、大丈夫かと思ったが、杞憂だった。おもしろいよ。
353 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 17:11:16.14 ID:EB1M7r6o
面白ければなんでもよいのです
354 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga 入れ忘れてた]:2010/05/02(日) 18:51:46.83 ID:FfscYtso

日曜日十五時――

上条達四人はゲームセンターに来ていた。

「キターーー!ほらキタキタキタ!どーよこれ!」

フレンダがアームを指さしながら飛び上がる。

「うわ、すげえな。あんなデッカイ…パンダ?を一掴みかよ」
「ふふん。バ上条とは違うのよ。このフレンダ様に取れないものはないって訳!」

UFOキャッチャーが三つ目の商品をフレンダに渡す。

「上条もやってみれば?」
「俺は不幸だからやめとく」
「不幸ってwwこれは頭脳ゲームな訳よ?頭使えばいい訳wwあ、ごめん上条は不幸なだけじゃなくてバ上条だった訳ね!」
「てっめ言ってくれるじゃねえか。よーしやってやるよ!」
「売り言葉に買い言葉。ははっ、簡単に乗せられてやんの」
「結局垣根には言われたくないと思う訳よ。ねえ上条」
「ああ?俺が挑発に弱いとでも言うのか?」
「まじで弱いじゃねえか…ってまあいい。垣根は置いとく。いっくぜ!あの緑のヘンテコなやつ獲ってやる!」
「やめときなって上条には無理な訳よ!」
「そうだそうだ」
「上条先輩。無駄遣いですか?」

「えっ、お前までそんなこと言うの!?」

心理掌握の心配する一言に一番胸を抉られる上条。

「上条先輩?なんなら私が獲ってあげましょうか?」
「いいえ!そんなこと言われては引き下がれません!上条さんは自分で獲ります!そして獲ってお前にプレゼントしてやる!くっそー見てろよ!」

「あっ、はい…頑張ってください上条先輩」

急に頬を染め、俯く心理掌握。
対し、フレンダと帝督は、

「何!?なんでコイツな訳」「何!?なんでコイツなんだよ!」

と自分達でなく心理掌握にプレゼントと言われ、激昂していた。
355 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/02(日) 18:58:43.12 ID:oy9UzyYo
ていとくんかわゆす
356 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 19:05:48.18 ID:FfscYtso

「よくもまあ頑張ったな」

帝督が缶コーヒーを投げて寄こす。
上条はそれを受け取る。

「ん。ありがとな」
「二千円も粘って獲れたのは何故か手前のちっこい…あれ、なんつーんだっけ?あの病院キャラみたいなカエル」
「ああ。なんだっけ?でも喜んでくれたからよかったよ」

ふん、と帝督はつまらなそうにそっぽ向く。
上条は首を傾げる。

「ゲコ太ですよ♪上条先輩♪」

笑顔で心理掌握が上条の腕に抱きつく。

「うわっ」
「ありがとうございます上条先輩。一生大事にしますねっ」
「あーうん。ならよかったよ」

周りからの視線が痛くて上条は顔を背ける。
金髪碧眼のこんな美少女に抱きつかれているのだ。嫉妬の嵐である。

「ほら上条嫌がってるじゃねえか心理掌握。離れろや」

と一人別の人間に嫉妬してる帝督。

「ヤッター!来て来て上条!3カードでブラフ勝ち!現在一位な訳よ!」

フレンダは某カジノゲームに熱中している。

「お。面白そうじゃねえか」
「垣根はこういうの似合うよな。なんか、競馬よりカジノな雰囲気」
「上条先輩。それはこの極悪面が非合法しか似合わないと言っているようなものです」
「なんだとテメー、自分だけ上条からプレゼント貰ったからっていい気になってんじゃねえぞ!」

むしろどうしてここまで帝督が上条を好きなのか、上条にはそちらのほうが気になった。

「だがまぁ(悪い気はしないんだよな。ソッチの人な感じはしないし)」

と上条はやはり妙な所で鋭かった。
帝督が自分でも気付かずにいること。

初めての友達≠ナある上条に浮かれていることに。
357 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 19:25:59.92 ID:FfscYtso

「だぁー!レイズに乗せられるんじゃなかったー!不幸だー!」

上条が叫ぶ。
メダルの全てが一瞬で消えていた。

「結局、これは不幸とは言えない訳よ。戦略性のない上条が悪い訳」
「全くだな。…ん?おい現在俺ってば店舗一位だってよ!っはは!俺現在一位!」
「垣根…そんなに順位にコンプレックスあったんだ…」
「は、はぁ?バッカじゃねえの、そんなんじゃねえよ!」

焦る帝督と、ドラえもん並の温かい目で見遣るフレンダ。
傍らでは上条は倒れ込んでいる。
上条がバッ、と立ち上がる。

「クッソが!ああいいぜ。てめえら勝者が余裕の会話に花咲かせるってんならまずは――」

上条が叫ぶ。

「――その 幻想(階級社会) をぶちこ――」

「現実は消せない訳よ」

フレンダの一言で上条は再び床に崩れ落ちる。

「上条先輩。メダルあげますから元気出して下さい」

そう言ったのは心理掌握。

「うん。五百円で開始して現在四千枚になってる君から言われても空しいだけだ!」
「そうですか?でも結構これって確率論やブラフなど読み合いでいくらか勝てますよ?」
「うわー、やっぱ世の中学力社会なのか!?なんでてめえらそんな頭良いんだよ!」
「そんなことないですよ」

「結局上条がバかみ――にぎゃっ」

「フーレーンダーさーん?」
「なんか上条が化け物みたいに!?ギャー!」
「てっめ、こら、メダル投げつけるな。え、待ってマジで痛い。痛いからやめ。っだぁー!痛いっつの!」

その後店員さんに怒られた上条一行。
勿論帝督が店員を睨んで事無きを得た。

「って事無きを得てねーよ!警備員呼ばれたらどうすんだ!?」

上条だけは一人不幸絶好調だった。
358 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 19:36:53.61 ID:dy/tXUAO
この心理掌握は美琴とも仲良くなれそう
359 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 19:38:20.79 ID:FfscYtso

「プリクラ撮りましょう上条!」

フレンダが上条の腕を引っ張る。

「プリクラかぁ。まぁいいけど」
「あ、ずるいですよ。私も上条先輩と撮りたいです」
「ってお前もか。女ってのはどうしてプリクラを――」

「俺も撮りたいぜ!」

「「…………」」

「なんだよ、何でお前ら無言なんだ!?」
「いや、垣根ってば本気な訳?」
「何が!?」
「上条先輩。私たとえライバルが男だろうと負けませんから」
「え?」

目を丸くする上条。
帝督は必死だ。

「だって俺、プリクラとか撮ったことないし!撮りてえじゃん」

そう言った帝督の言葉が、フレンダには理解できた。
プリクラを撮ったことのない男なんて別におかしくはない。
帝督が言っていることはそうではない。
生まれて初めてできた友達≠ニゲームセンターに来たのだ。
友達と遊ぶことなんて初めてで。
何もかもが初体験。
ここでレベル5の第二位は完全にただの一人の少年となっていた。
レベル5の第二位がこれまでどんな生き方をしてきたのかなんて、フレンダにはわからない。
だが、それが幼少期から暗い実験室で過ごしてきたとすれば?
そんな少年が。
力だけを備えた少年が、果たして難なく友達作りなどできるだろうか。
暗部の者ならば友達などいらないと言う者もいるだろう。
だが、一部を除いて暗部にいる者は多く、大切な人がいる。
果たして、そんな人物が垣根帝督にいたのだろうか。
いるのだろうか。
そんなわけはなかった。
垣根帝督は現在、まるで本当に子供のように楽しげにしているのだから。
素の自分で、楽しんでいるのだから。
いつも飄々とどこか人間らしい彼は。
誰よりも強い彼は。
誰よりも他人を求めていた。
たったそれだけの話だったのだ。

フレンダの顔に浮かんだのは笑顔。

「(しっかりと自分の居場所見つけられた訳ね。よかったじゃない垣根)」
360 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/02(日) 20:30:53.54 ID:7XoDKADO
ていとくんかわゆす
361 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/02(日) 20:34:09.97 ID:HdfiZCwo
ていとくんが可愛すぎて生きていくのがつらい
362 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 20:49:22.09 ID:VgCLjuE0
この子たちには生き延びてもらいたい
363 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 21:25:05.52 ID:oXyHt8.0
ていとくんにもフレ ンダにも死んでほしくない…;;
364 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 21:32:24.63 ID:ynXEqEAO
なんだろうなぁ
胸がキュンってなった
365 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 21:32:51.48 ID:FfscYtso

日曜日十六時――

黒いヒールに長い髪の少女があるビルにテレポートした。

「あら、おかえり」

それを出迎えたのは綺麗な見た目をした女子高生。名は麦野沈利。
レベル5の第四位にして原子崩し(メルトダウナー)の能力者。

「あの電気野郎は?」
「殺したわ」

あっさりした言葉で黒いヒールの女が告げる。
対し、麦野は笑う。

「あっはは!何あいつ、敵に捕らえられでもしたの?」
「ええ。対暗部の水使いにね」
「対暗部ねぇ。水って相性最悪ね。まぁそれでもあっさり捕まるのはノロマだが」
「心理掌握がいてね。あいつの頭から情報を取られたら厄介だから」
「あはは。血も涙もないわね。一緒にアレイスターに反逆しようとした仲間を」

黒いヒールの女は答えない。
代わりに背後から声がかかる。

「それで、どうする気だ?」

大男。手の平から炎を出している男だ。

「はん、決まってるじゃない。計画の要を潰すのよ」
「じゃあ麦野。幻想殺しを潰しに行く?」
「そうね。あれは、スペアプランが存在しない貴重なものだし。ふふ、アレイスターが一生懸命になって護衛を付けるぐらいだもの」
「なら俺も行こうか」

大男が炎を消し、声を張り上げる。

「おい鉄網(てつもう)!」

呼ばれた少女がビクリと反応する。
部屋の端に座り込んでいた陰気な少女だ。

「なに。またするの?あなたって結構几帳面ね」
「ふん。最近は肉体変化(メタモルフォーゼ)で成り澄ましてスパイなんてザラにあるからな」
「はん!この第四位がそんな奴にやられるわけないでしょ」
「念のためだ。裏切りで死ぬなんてバカな真似は嫌だからな」

黒いヒールの女や麦野に大男はそう返す。
大男の側にその陰気な少女が歩いてくる。

「鉄網。意見解析(スキルポリグラフ)をやれ」
366 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 21:33:14.15 ID:i379JXoo
もうていとくんルートしか見えない…!
367 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 21:35:45.33 ID:veBQzYAO
麦のん…フレンダ早く逃げろぉぉぉ!
368 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 21:53:40.37 ID:FfscYtso
日曜日十八時――
上条サイド――

「んじゃーなー」

ゲームセンターを出ると上条はフレンダと心理掌握と別れた。
帝督とは同じ寮なため一緒に帰る。

「ていうかお前ってレベル5だったのかよ」
「ああ、悪いな。嘘吐いてた。レベル5の第二位、未元物質とは俺のことだ」
「へー、第二位かすげえな。第二位なんて初めて知ったぜ」
「まあそうだろうな。というか殆どのレベル5の名前知らないだろ?」
「言われてみればそうだな」
「まず第一位は――」
「って教えなくていい」
「そうなのか?」
「知りたくないというか、裏側のやつらのこと知りすぎると嫌な気が…」
「っははー。安心しろ。俺の未元物質に常識は通用しねえ。どんなやつが来ようと守ってやるぜ」
「いや別に自分でどうにかしようと思うけどさ」
「何!?俺いらねえの!?」
「あー…うん、いります」
「だろ。全く焦ったぜ。ふぅ…この俺をそんな扱い方できるやつなんて初めてだ」
「それにしても四六時中お前が護衛できるわけじゃないだろ?」

上条の言葉に帝督の開いた口が固まる。
そうだ。
今までアレイスターの指示だから適当に隣の部屋で一応護衛らしいことをしていたのだが、実際に守ろうと思うと穴だらけな気がする帝督である。
とは言っても実際は帝督の未元物質で壁を壊して数秒で助けに行けるのだが、帝督にとってそれが『絶対』の安心でないことが不満だった。


「よし、なら今日からお前の部屋で暮らすわ」


帝督はそう結論付けた。

「ええー…」

上条は渋い顔をする。

「いやだって相部屋とかよくあるだろ!?別に怪しまれないって」
「いや、みんな一人部屋なのに一緒って。ソッチの人に思われるぞ絶対!」
「大丈夫だって、バレない!少なくとも俺と上条は部屋隣なんだから、もう一方の部屋に気を使えば大丈夫だ!」
「もう一方って…」
「ん?誰だっけ?上条の隣」
「金髪の変なヤンキーだよ…」
「なん…だと…」
「いつも酒飲んでて、その、たまに…」
「たまに?」

「小学生を連れ込んでる、犯罪者だ」
369 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 22:13:05.47 ID:LAMT4tIP
土御門wwwwww
370 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 22:17:16.95 ID:spft/ZEP
犯罪者ってwwwwwwwwwwww
371 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 22:20:39.09 ID:nznp2t2o
このSSだと確実にていとくんはソッチの人だろwwwwwwww
372 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/02(日) 22:24:33.37 ID:oy9UzyYo
ていとくんかわゆすなぁ
373 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/02(日) 22:35:43.37 ID:FfscYtso
まとめ更新

オリジナルキャラ

・心理掌握(原作の設定を元に構成)
・不良2(スキルアウトの一人。結構頭の回転が速い…ロリコンでない人)
・青髪(原作の青髪ピアス≠ノ設定付属。元AIM保護の銀髪少年。レベル5の一人だったが死んだことになった。能力は超能力が効かないことと、体晶によって相手の超能力を奪うことができる。死んだフリで暗部を抜け、整形した。
通常時はレベル3のAIM抵抗(AIMレジスト)。ピアスに触れると絶対防御が復活してレベル5の能力を取り戻せる)
・死吸部族(デッドドレイン)=B学園都市の暗部組織。戦闘狂。武装している。殺人に快楽を求める。猟犬部隊(ハウンドドッグ)ができる前の組織。暗部に存在する。
・平助(対暗部組織、雨蛙のリーダー。レベル4の水蒸気操作≠フ能力者。ビジュアル系の見た目に反して静かな口調で話す。カエル顔の医者を先生≠ニ呼び、先生をバカにされると表情と口調が変わる)
・アヤ(かつて心理掌握によって壊された少女の身体に心を入れた。心理掌握をママ≠ニ呼び慕う。現在フレンダと友達になる)
・紫色のバンダナの少年(死亡。次回からリスト削除)
・黒いヒールに長い髪の少女
・発火能力者の大男


原作キャラ(詳しくはwikiで)

・フレンダ
・麦野沈利
・鉄網
・カエル医者
・上条当麻
・布束
・丘原
・佐天涙子
・一一一(ひとついはじめ)
・アレイスター・クロウリー
・垣根帝督
・月詠子萌
・土御門元春


現状で名前出てきたキャラはこんなとこ。
374 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 23:10:45.51 ID:6TsLRx2o
佐天さんって中学から学園都市に来たんじゃなかったっけ?
375 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 23:37:33.28 ID:ztaSYrgo
>>374
そんな事いったらこもえは高校教師なのにこの時点で担任なのだが。
こーゆー二次創作で原作の設定なんて気にしたら負け。
376 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 23:37:44.82 ID:FfscYts0
>>374
鋭いなぁ先の展開に気付かれるとは
377 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 23:38:37.59 ID:FfscYts0
>>375
…これも早めに説明しとくべきだったか
378 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 23:41:23.44 ID:EB1M7r6o
平助が助平に見える
379 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/02(日) 23:50:39.29 ID:i9Rwyl2o
まかさ
二次創作にありがちな設定の矛盾すらも伏線だったというのか
380 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/02(日) 23:51:09.64 ID:FfscYts0
展開をネタバレしたくないが一つだけ
子萌が担任だとは言ってない
381 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 00:43:28.11 ID:yX5.vPIo

「はっぁーい幻想殺し、元気?」

後ろから突然かかった声に上条が振り返る。
その時にはすでに帝督が臨戦態勢を取っていた。
声からして殺気を感知し、即座に未元物質を発動させる。
白い光が放たれた。
それの正体は原子崩し。
帝督は上条の首根っこを掴んで寄せると、背中の羽を広げてそれを防ぐ。

「あーやっぱり第二位なんだ」

と、別の女が言う。
そこには二人の女と一人の大男がいた。
女子高生らしき長い髪の綺麗な女と、黒いヒールに髪の長い少女。
そして手の平にサッカーボール大の炎の塊を持つ大男。

「とりあえずさ、死んでくれない?」

帝督は知っている。
白い光線を放った女がレベル5の第四位だと。
麦野沈利、原子崩し。あれを一発でも受ければ終わりだ。

大男が火の玉を投げる。
方羽が腕の一部のように動き、それを突き刺し消す。
そのまま大男に向かって羽先を尖らせる。
白い光線が五つ、麦野から放たれる。
それらは大男に迫る白い羽にぶつかり、白い羽が正体不明の爆発をする。

「私の原子崩しが…?」
「随分と余裕そうね」

麦野と大男に向いた帝督の背後に、黒いヒールの女がテレポートする。
その指に絡めるのは無数の針。上条と帝督の体内に直接突き刺そうとテレポートさせる。

カランカラン、と音を立てた。

無数の針は、黒いヒールの女の足元に落ちていた。

「は?」

黒いヒールの女が呆気に取られる内に大男が迫る。
大男の両腕は炎に包まれている。
その拳で上条に向かう。
上条が右手を構える。

「待て、じっとしてろ」

帝督は上条の首を掴んで寄せ、自身のもう一方の羽を男に向ける。
羽は男に迫ると爆発し、消え散るが一瞬で二枚の羽が帝督の背から復活する。
382 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 00:51:46.43 ID:X81tSyUo
アニメしか知らない俺にはどのキャラもほとんどオリキャラと変わらないっていう
制作に入り浸ってだいぶ分かってきたけど作品によって物語のノリとかキャラ設定が微妙に違うから
やっぱりオリキャラみたいなもんだっていう
何が言いたいかっていうと>>1がんばって
383 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 00:56:10.99 ID:yX5.vPIo

「三人相手でも怯まない、か」
「第二位を相手にするのは腰が折れるな」

麦野と大男がそう評価する。どちらの戦意も消えていない。
大男は先程の未元物質の爆発を防いでいた。
身体中傷だらけではあるが、あの瞬間に炎の壁を展開させたのだ。

「どうして…テレポートが効かないの…?」

黒いヒールの女だけは瞬きを繰り返していた。
その現象が信じられなかった。
この計画は簡単だった。
第二位の能力なら知っている。
科学現象を捻じ曲げる物質を操ると。
だが、テレポートならどうか。

「ははっ!テレポートが最強だとでも思ってんのか?」

帝督がそう笑う。
黒いヒールの女はそうだ、と思う。
テレポートで体内に直接攻撃してしまえば防ぎようがない。
テレポートの弱点は演算が高度なことと、認識。
例えば、弱小な能力でも位置を特定しずらくする能力者や、視えなくする能力者だと、非常に勝ちにくい。
だが、それ以外の能力者ならどうだ。
たとえレベル5の誰だろうとテレポートを防げるはずがないだろう。
次元を超えて発動するテレポートを防げるわけがない。

「テレポートが最強だって言うならレベル3でもレベル5が倒せるのか?」

そういうことになる。
自分の身体が飛ばせればレベル4だ。
体内に直接テレポートなんてレベル3でもできる。
最強に決まっている。
だからこそ発現し難い能力なのだ。
だが、帝督にそれは届かなかった。

世界に一つしかない能力の使い手にそれは効かなかった。

未元物質は――。

「ま、まさか!」

黒いヒールの女は気付く。

「それじゃその物質はこの世に存在するわけじゃなくて――」


「はは。気付いたか。――俺の未元物質(ダークマター)に常識は通用しねえ」
384 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 00:57:32.65 ID:WwOCGBc0
>それを出迎えたのは綺麗な目をした女子高生。名は麦野沈利

3年前だぞ
385 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 01:00:25.73 ID:GRmAFDYo
むぎのんはキャンパスガールじゃなかったのかい?
知らんけど。
386 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 01:08:05.57 ID:eYx5ggQ0
>>384
容姿は高校生〜大学生だから、本編中で大学生と考えれば無問題
387 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 01:10:31.60 ID:px5uDfA0
大学行ってるの?
バイトで暗部のお仕事しているフリーターじゃないの?
388 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 01:13:22.37 ID:Z8o9UgAO
議論すんなカス共
389 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 01:13:28.78 ID:yX5.vPIo

「くっ、麦野!撤退するわよ」

黒いヒールの女が叫ぶ。
麦野はそこで苛立ちを見せる。

「ハァ?何言ってんのよこれからだっての」
「無理よ、こんな化け物に勝てるわけが――」

黒いヒールの女に白い光線が飛んだ。
黒いヒールの女は突然のことに驚き、演算が上手くいかない。
それでも何とかその場をテレポートする。
テレポート先は駐車場の車の上。

「がぁっ!ぐっ」

ボンネットを転がり、地面に落ちる。
それを麦野ははっ、と笑う。

「どこ跳んでんのよバァーカ!」

ビクリと震える黒いヒールの女。
そこに白い光線が発射される。

パキン!!

躍り出た上条の右手がそれを破壊する。

「バカ!」

帝督は慌てて上条を引き寄せる。
そこが、先ほどまで上条がいた場所が爆発した。
大男の炎だ。
爆炎の威力に上条は喉を鳴らす。
麦野の光線が帝督を襲う。
帝督はそれらを一枚の羽で受け止め、もう一枚の羽で大男を狙う。
大男は狙われる度に炎の壁で自身に近づかせず、時には爆炎を放つ。
上条は見ていた。
黒いヒールの女が立ちあがるのを。
その表情は暗い。
黒いヒールの女は、顔を上げるとテレポートした。

「あん?」

それを見遣ったのは麦野。
帝督の羽を避けていた彼女の背後に影が映る。

黒いヒールの蹴りが、麦野の後頭部を直撃する。

「がぎゃぁっ!」
390 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 01:32:31.45 ID:yX5.vPIo

「テッメェ!!覚悟はできてんだろうな!?」

頭から血を垂らして麦野は起き上がる。
その目には野獣の怒りしかない。
どれほど傷を負おうが、相手を食い千切るまで止まらない獣である。

「ふん。死ぬのはアンタよ――」

その言葉は遮られた。
麦野が白い光線を五つ飛ばしたから。

「あぁああああ!死ね死ねクズ女!」

そこに少女はもういない。
麦野の背後に周っている。
一枚の紙をその指に絡めている。
紙一枚。それを麦野の首にテレポートするつもりだ。
それだけで頭を吹っ飛ばして瞬殺できる。
そう考える黒いヒールの少女に白い光線が飛ぶ。

「(背中からでも撃てるの?)」

少しだけ驚くが、確かにそれでこそレベル5。
少女は慌てずその場をテレポートする。
電柱の上にテレポート。

「(今度こそ!)」

そこで少女は目にする。
全方位に向けて発せられる白い光線を。

「そんなっ」

今までの光線がロケットみたいなものならば、全方位のそれはまるで気体だった。
だがそれは気体として蔓延するのではなく、弾き飛ばされる。

「くっ(全方位なんて厄介なっ)」

黒いヒールの少女は後方に飛ぶ。
ほんの一発。ほんの少しでも受ければ終わりだ。
道の向こうまで跳び、そこに着地する。
麦野の血走った目がこちらを向いた。

「あっひゃっひゃ!見ぃーつけた!」

麦野の足元が光を帯びる。
それはやはり白い光。
彼女はロケットエンジンのように勢いよく跳ぶ。
391 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 01:43:10.68 ID:6Q8W4Nk0
怖ェ…
392 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 01:47:28.05 ID:yX5.vPIo

「おいおいアイツら追いかけっこしてるぜ!っははー!なあ俺らもしてみるか?」

帝督が嘲笑う。
黒いヒールの女と麦野の命懸けの追いかけっこを指指す。

「なあ、あっはは!」

そう、話しかける。
目の前に転がる大男に。

「勝てるわっけがねーよなぁ。さっきまでみたいにお前ら三人で頑張ればいいものをさ、何仲間割れしてんだよ!」

大男は全身に火傷を負っている。
それは自身の能力ではない。
発火能力者は自分の炎で火傷などしない。
帝督の能力だ。
上条が止めなければ帝督はこんなものではすまさなかっただろう。
何故なら、


上条当麻を襲ったから。


それだけで万死に値すると帝督は考えた。
帝督は何より自分優先だ。
自分が一番。
だからこそプライドが高い。
だからこそ自分の物も大切。
自分の物に唾をかけられればそいつをぶち殺す。
そういう男だ。
帝督は、自分の物すら相手に好きにさせない。

無論、大切な友達≠傷付けようとする人間など、人間として扱う必要があるのか?と帝督は真面目に考える。

「化け物が…!」

大男が呻く。
帝督はとりあえずそいつの携帯電話を踏み潰す。

「あっははぁー!これで連絡も取れねえな?」

腹いせに過ぎない。
ぶち殺せないからする、嫌がらせに過ぎない。

「おら上条が表側の救急車手配してくれたぞ」

帝督は皮肉気味に嘲笑った。
戻って来る上条に手を振り、帝督は大男を蹴飛ばし寮へと帰る。
393 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 02:14:54.41 ID:yX5.vPIo
――【始まりの日曜日】――

日曜日十二時頃――

「強盗事件?」

風紀委員(ジャッジメント)の一人が報告をしてきた。
風紀委員全ての長――風紀長(ジャッジマン)≠ヘその報告を聞く。
男のくせに一本縛りにした髪型。
日曜日でもしっかりと制服を着ている。
本来なら黒学ランの学校の制服なのだが、彼は違う。
白学ラン。それも背中には盾をモチーフにした風紀委員の紋章が大きく刺繍されている。
長点上機学園中等部の三年生である。
風紀長――直江(なおえ)は風紀委員のテントが張られたスペースにいた。
何十人もの風紀委員が忙しなく動いている。

「なるほど。偶然居合わせた警備員が…ふむ」
「どうされました?」
「いや、今回の見学者諸君に悪いイメージを与えかねないからな」
「しかし、もう取り押さえられましたよ」
「だからこそだよ。その痕跡が残ってしまうだろう?万が一にもそれを聞かれたらどうするんだ」
「は、はいっ。そうですね」
「常に我々風紀委員が見回りをしていることにしろ。これを風紀委員全員に通達。盾でも持たせておけ」
「はい」
「模倣が起こる可能性もあるしな」
「その通りですね」
「私はこれから見学者諸君を引率する。私がいなくてもしっかりやれよ」
「はっ」

直江はその場を去る。
彼の後ろで音がする。
それはいつものこと。
彼だけでなく、多くの学園都市の学生が知ること。

直江の後ろでは銀盤が転がっている。
それはタイヤのようにしっかりと転がる。
丸みを帯びているものの本来ならば、横に倒れてしまうだろう。
だが、その銀盤は狂いなく直江の後ろに着いて行く。
八枚の銀盤。見た目は銀板と言える。それはただの鉄の塊ではなく所々線が入っていて機械であることが窺える。

通称――八つ盾の風紀長。

直江の磁力を操る能力で八つの銀盤はコロコロと転がる。
パトロール時などもそれを離さない。
今回、そんなことをする必要はないかと思ったが、やることにした。
現在小学生で、中学から学園都市に来るかを決める子供達の――学園都市見学会。それが本日日曜日に行われている行事だ。
能力の言い見世物になるだろう、と直江は考え、銀盤を転がしながら子供達のほうに向かった。
394 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 02:23:53.27 ID:6Q8W4Nk0
wktk
395 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/03(月) 02:26:38.81 ID:yX5.vPIo

始まりの日曜日――。


――
上条当麻は帝督と寮に帰る。
とりあえず今日だけ!と帝督が着替えを持って上条の部屋に押し寄せる。
何故か意気揚々と、
「トランプやろうぜ!」
旅行気分の帝督に上条当麻はため息を吐く。
――

――
麦野沈利と黒いヒールの女は追いかけっこが終了していた。
結局黒いヒールの女は青ざめた表情で逃げ去った。
麦野は彼女の腹に蹴りを叩き込んだことで、少しは立っていた気が元に戻ったのか、帰ろうとする。
途中コンビニに寄る。
「あ?おいシャケ弁がないってどういうことだよ店員オラァ!」
やはり彼女の気は紛れていなかった。
――

――
心理掌握の少女は寮の自室に帰っていた。
上条当麻から貰ったゲコ太を嬉しそうに抱きしめる。
「上条先輩♪」
今度はメールアドレスを聞こう。そう決意する心理掌握。
彼女の携帯電話にはプリクラが貼られている。
上条当麻、垣根帝督、心理掌握、フレンダの四人で撮ったものだ。
もちろん自分と上条当麻にはハートを落書きしてある。
心理掌握の少女は嬉しそうに息を吐いた。
――

――
フレンダは寮の自室で機械いじりをしていた。
作っているのは爆弾。
正確には爆弾の改良。
「うーむ。今後上条の目の前で戦う時のために…」
考えているのは爆弾の威力を落とすこと。
上条当麻の前で人殺しなどできないためだ。
「結局、上条は人が良い訳よ。そこが良いんだけどね」
どこか楽しげに見えるフレンダ。
彼女の携帯電話にもやはり、四人で撮ったプリクラが貼られていた。
――


それぞれと同じように、
風紀長(ジャッジマン)直江の日曜日も、一つの始まりであった――。
396 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 02:34:54.49 ID:yX5.vPIo

よっしゃーこれだけ書いたぞ!さっすがGWだ!

SSを15レス!頑張った俺!

今日はここまで
397 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 02:40:13.16 ID:v/Dvq62o
乙です
398 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 02:59:24.23 ID:ZKLZ4u2o
乙!
すんげー楽しみだわ
399 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 03:02:42.57 ID:hxOgGgDO
乙っ
オリキャラ云々のとこで見るの止めたやつ涙目だな!面白い
400 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:18:12.60 ID:ljkYdWEo
いや、これからもオリキャラ増えるなら
嫌いな人は見ないほうがいいだろ

俺はみるけど
401 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 09:47:08.03 ID:GRmAFDYo
麦野はどっちサイド?上条守サイド?[ピーーー]サイド?
402 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 10:46:26.20 ID:5locofI0
おちんちんサイドだな
403 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 12:21:07.49 ID:yP7LcIAO
妖怪サイド
404 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 14:05:26.63 ID:WeDrTw2o
>>403
屋上
405 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 16:03:23.96 ID:yX5.vPI0
ベッドの上でタバコ吸ってたら大変なことにwwww
おはようみんな。こんな時間に起きる浪人生は俺くらいだろう
406 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 17:10:04.14 ID:WHPHV4s0
寝タバコは本当に危ない
 
友達の家がそれで火事に
なりかけた事がある
407 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 17:14:15.40 ID:AWjC6To0
友達居るなんて羨ましいです
408 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 17:26:00.93 ID:Q9VWQq2o
人類皆兄弟
409 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 17:34:15.01 ID:yX5.vPI0
>>406
…気を付けます。小学校時代に見た火災ビデオを思い出した。あれ、六年間見たんだよなぁ…あの頃は楽しかった
410 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/05/03(月) 18:13:39.02 ID:yX5.vPI0

ちょっと宣伝させてくれ
俺の立てたスレだが人が集まらなくてな

ラノベにおける戦闘描写を研究するスレ
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/bun/1271584252/
411 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 18:21:54.28 ID:Xlbs.xko
宣伝うぜえ
412 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 18:28:28.89 ID:hxOgGgDO
総合スレの自分のスレ宣伝に比べればマシ
413 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 18:29:18.65 ID:Q9VWQq2o
宣伝うぜぇと思ったが割とまじめな展開してるな
規制で書き込めないが読んでるぜ

もともと人少ない板なんだからまったり進行すればいいじゃん
414 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 18:32:41.44 ID:9nwh8wDO
骨が折れるじゃないのか
415 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 18:41:36.56 ID:WH6LqiM0
なんで宣伝なんてするんだよ……
416 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/03(月) 18:50:52.66 ID:AWjC6To0
あちゃー
417 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/03(月) 22:10:40.90 ID:B07EJ/c0
この程度いいだろ
418 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/04(火) 02:15:57.08 ID:xAoYpqE0
今日無理
毎日チェックしてる人なんていないと思うけど、いたらすまん
419 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 02:17:03.30 ID:zaaDz9ko
ここにいるぞ!
420 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 02:31:04.81 ID:MvUXxxg0
俺もいるぜ
421 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/04(火) 02:33:11.66 ID:/Py0IoI0
ここにもな!!
422 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 02:45:36.12 ID:Q5P.FwMo
まぁ毎日どころか30分おきにチェックしてるんだけどな
423 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 03:09:34.00 ID:WYmyHBso
まあ常に更新してるんだがな
424 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/04(火) 03:14:31.23 ID:4K2nBxso
向こうも含めて楽しみにしてる
425 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 17:01:53.29 ID:n85tiToo
毎日何回も更新してるんだけどな
426 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 17:35:46.28 ID:aVF5u4Ao
向こうってどこだよ
427 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 18:15:15.38 ID:xAoYpqE0
向こうってどこだ
428 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/04(火) 22:55:45.30 ID:eZw4mTY0
>>1は今日来ないのか
429 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 23:06:14.68 ID:rMxA9MDO
>>428
>>1なら君の上にいるよ
430 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/04(火) 23:23:30.96 ID:m.L/Juoo
>>428-429
ワロタwwwwww>>427何でさりげなくいるんだよwwwwwwwwww
431 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/05(水) 00:04:00.93 ID:r0FOno.o

「二人行方不明?」

さらに報告。
子供達を待たせている広場に風紀長の直江が行くと、風紀委員の一人からそんな不安要素が飛び込んできた。

「はい。この二人です」
「…と佐天涙子…か。よしわかった。私が探しに行こう」
「えっ、でも風紀長はこれから引率のほうがあるのでは?僕たちが探しますが」
「いや。迷子を捜すことこそ風紀委員の務め。それにこれは風紀長である私の役目だ」
「は、はい。わかりました」

直江はその場を後にする。
直江の後ろでは八つの円盤が転がって着いてくる。
その様子に見学会の子供達が目を輝かせる。
直江はその様子に微笑むと、二人の少女を探すため足を進めた。

時刻は十三時に差し掛かる頃――

直江の真横を金髪碧眼の少女が通り過ぎた。
その少女は直江の後ろに続く円盤に首を傾げるもその場を後にする。
その足取りは軽い。
まるで楽しい場所に行くかのように。
少女がそこではたと足を止めた。
直江は気になったので様子を見る。
少女は、数人散らばる風紀委員を見ていた。

「(ああ。盾が気になるのか。確かに非常時でもないのに不自然だな)」

そう納得し直江はその場を後にする。

「(そこまで遠くに行っていないはずだが)」

街中を歩いていると一人の少女を見つけた。
首から提げているゲストIDでわかる。
行方不明になっていた少女の一人だ。
直江は少女の目の高さにしゃがみ込んで微笑む。

「風紀委員と言ってわかるかな?」

こくりと頷く少女。

「よかった。見学会の子だよね?広場に戻ろうっか」
「で、でも涙子がまだ来なくて…」
「(涙子…もう一人の子か)…よし、わかった。じゃあお兄さんが探してあげるから、そこの風紀委員のお姉さんと広場に戻ろうか?」
「は、はい。…あのっ、よろしくお願いします。涙子、いつもどこか迷いこんじゃうんで」
「わかったよ。それじゃ」
風紀委員の一人に預けると直江は立ち上がり、街中を捜しに出る。

「それにしても…今日は暑いな…」
432 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/05(水) 00:14:02.06 ID:5.iKEwM0
>>1いたwwwwwwwwwwwwwwww
433 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/05(水) 00:15:57.86 ID:dv4kopUo
IDがステキだな
434 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/05(水) 00:23:30.58 ID:r0FOno.o

「見つけた」

直江の声に少女――佐天涙子はビクリと反応した。
首から提げたIDカードの磁場を巡ったら案外簡単に見つかったのだ。
だが、ここは予想外だった。

「どうしてこんな場所に…」

そこには何もない。
いや、今は何もないと言うべきか。
過去にとあるレベル5のためだけに存在していた研究所。
結構な規模だったらしいが今はもう、まっさらな地面となっていた。
空き地。
土地に困っている学園都市でも珍しく、この平地は何一つとして使われていない。
規模で考えれば学校一つ立てられそうなものだが、と直江は首を傾げる。

「あ、あの」
「ん?」
「案内の人ですか?」
「そうだよ。君がはぐれたようだからね、探しに来たんだ。戻ろうか」
「は、はい。すみません」

それにしても、と直江は気になる。
この少女はずっとこの土地を見ていた。
いや、正確にはこの土地の虚空を見ていたと言える。
まるで、幽霊でも見るように。
それにしては茫然と、よく認識してないかのように。

「(AIM拡散力場の残り香でも感知しているのか…?)」

そんなはずはない。
学園都市に初めて来たはずの少女がそんなものを感知できるわけがない。
仮に、確率は低いが今話題の原石≠ニ呼ばれる天然の能力者だとしても、こんな漠然としたものではないろう。

「なんだか、変な感じがするんですよね」

少女は言った。

「霊感でもあるのかな?」
「ええっ、ここ誰か死んだんですか!?」
「いいや。ただ、私には見えないからさ」
「うーん、見えるっていうより変な感覚がするんですよね」
「飛行機の中みたいな?」
「あ、乗ったことないのでわかりません」
「電車がトンネルをくぐる時の感覚かな?」
「うーん…?」

首を傾げる少女。数分後、ようやく動いてくれた少女と元の広場に戻る。
途中、クレープを奢ってあげたらとても喜んでいた。
435 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/05(水) 17:49:03.22 ID:VbjhG9U0
ロリ佐天
436 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/05(水) 20:11:30.22 ID:jhOGSEo0
>>435
!!!
437 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/05(水) 22:04:02.58 ID:jTqD82Eo
三年前だから小学四年生か…胸が熱…ふくらみ始める頃だな…
438 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/05(水) 22:16:58.48 ID:r0FOno.0
>>437
佐天さんは小学校の頃から発育が良かったんだろうな
439 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/05(水) 23:54:04.60 ID:jCudvg60
>>437
正直熱…の先が知りたい
440 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 00:27:37.19 ID:jScR3hEo
胸が熱くなるな……

うん
441 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 00:51:57.37 ID:YZe4SPg0
oh……てっきりエロスな香りがする言葉になるのかと思ったぜ
442 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/06(木) 00:56:02.66 ID:9n6ONIMo

始まりの日曜日――

窓のないビル。
アレイスターと対話する℃メがいた。

『超電磁砲の様子はどうだぁ?』

その者は気軽に、友人と話すかのようにアレイスターと対話する。

「ふむ。順調と言える。現在レベル3からレベル4にかけて成長しているところだ」

『まだそんなとこかぁ…』

「何、たかが数年だ。君も知っているだろう。彼女がレベル5に到達するにはあと二年」

『確かにさぁ。重要な鍵であるのはさぁ認めるけどさぁ…まだるっこしいんだよなぁ』

「君にはそう思えるのかも知れないな」

『そりゃぁ、バカみたいに長生きできるお前とは違うんだからなぁ』

「年老い死ぬのが怖いか?」

『もちろんそうさぁ。この若さで人間の寿命の短さを悟っちまうんだから酷だよなぁ』

「その割には楽観的に見えるが」

『んーそぉかなぁ』

「それに君は随分と世間話が好きなようだ」

『あははははははははははははは。そりゃぁそうさぁ、お前がここから出してくれないんだからさぁ。暇でしょうがないよねぇ』

「仕方あるまい」

アレイスターはふ、と笑む。
その笑みを知っている者がどれだけいようか。


「君は、学園都市に一人しかいない 絶対能力者(レベル6)=@なのだからな」


対話相手は「そうだねぇ」と脳天気そうに言う。

学園都市の頂点――レベル6はただただ気軽にアレイスターと対話する。
443 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/06(木) 01:01:52.85 ID:9n6ONIMo
通信が入る。

「なんだ」

アレイスターが応答すると、案内人(テレポーター)≠ゥらだった。

「ふむ。通してくれ」

『どぉしたぁ?』

「第三位が来た」

『おぉ。あいつは美人だから好きだぜぇ』

「意外だな。君はまだ人間に興味があるのか」

『基本的に可愛い子は好きだなぁ』

「彼女は唯一君を知る≠ェ、今日も対話するのか?」

『そうだなぁ。若い可愛い子と話してるとさぁ楽しいしねぇ』

「……」

唐突に二人の人物が現れた。
一人は少年。高校生らしき見た目のテレポーター。彼は案内を負えるとテレポートしてその場から消える。
もう一人の少女。綺麗な黒い髪の女子中学生。
だが、その格好は女子中学生と言えない。
明らかにコスプレだと分かる″mZ生の制服。青のセーラー服でありながら派手、なお且つスカートはとても短い。

レベル5の第三位――未知源発(ダークエネルギー)≠フ名を持つ少女――沙耶(さや)。

「どもーアレイスター」

「ふむ。呼んだ覚えはないがどうした」

「冷たいなー。計画のほうは順調?」

「今のところ不備はない」

「ふーん。あ、じゃあさ、じゃあさ、垣根帝督はどんな感じ?」

「現在は幻想殺しの護衛をしているが」

「にゃははー、幻想殺しを殺してたりしてっ。なんちゃって!」

「今のところそのような様子はない」

「ふーん。…会いたいな。未元物質(ダークマター)に」
444 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/06(木) 01:07:49.46 ID:9n6ONIMo







日曜日十四時三十分――





レベル5の第三位――未知源発(ダークエネルギー)≠フ名を持つ少女――沙耶(さや)が街中を歩き始める。





彼女が彼と接触するまであと、数秒。








445 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 01:22:21.94 ID:Q3UfQy.o
 \                    /
   \  丶       i.   |      /     ./       /
    \  ヽ     i.   .|     /    /      /
      \  ヽ    i  |     /   /     /
   \
                                  -‐
  ー
 __          わ た し で す            --
     二          / ̄\           = 二
   ̄            | ^o^ |                 ̄
    -‐           \_/                ‐-

    /
            /               ヽ      \
    /                    丶     \
   /   /    /      |   i,      丶     \
 /    /    /       |    i,      丶     \  

446 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 01:29:58.26 ID:9n6ONIMo


え、最近更新少ないって?
なんかあれだよ、五月病とか言う奴だよ。
もちろん寝るよ
447 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 01:40:03.98 ID:EavvhZYo
おい


おい
448 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 01:40:04.63 ID:jScR3hEo
GWが終わったからか……

のんびりでも楽しみにしてるぜ
449 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 01:51:50.90 ID:orKXRooo
まぁ、ゆっくり待つさ。乙!
450 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/06(木) 23:19:55.81 ID:9n6ONIMo

「だから言うたんやボクぁもうすっかり治ってますって」

「そ、そうか…」

「なんやどないしたん?平助」

「随分とキャラに嵌まっているな…」

「はっは、そりゃぁそうですよ。ボクは基本的に万能ですからなぁ」


怪しい関西弁の青髪男と、黒白を基調にしたビジュアル系の男。
黒白の男に関しては腰に堂々と長ドスを提げている。

「(あれは…対暗部の雨蛙のリーダーかな)」

沙耶はすぐにその正体に気付く。

「それで、アヤ≠ニは話したのか?」

「そりゃぁもう!可愛いすぎて思わず抱きついてしもうたんやけど、看護婦さんに蹴り飛ばされましたわ」

「え…」

「いやね、アヤちゃんはぽかーんとしてて抱きついても抵抗しないんよ。それがまた可愛くてなぁ」

「まずいだろ…」

「そしたら通りかかった看護婦さんのハイキックがボクに炸裂してなぁ。――我々の業界ではご褒美ですキリッ」

「どうしてこうなった…」

「しっかしホンマ可愛いんよ?もうね、もうね、心理掌握グッジョブ」

「許したのか?」

「あっははー、冗談キツいでー」

青髪は笑う。
その瞳の奥が鋭く尖る。


「一生許す訳ないやん。今も憎しみで溢れてますよ?」


続けて言う。


「けどなぁ。アヤを作った心理掌握の行いは、間違っちゃいないとボクぁ思うんですよ」
451 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/06(木) 23:25:34.51 ID:R7puIJg0
続編キター
452 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/06(木) 23:42:14.96 ID:9n6ONIMo

その人物に見覚えはない。
見た目も、声も、仕草も、口調も、キャラクターも、何一つとして沙耶は知らない。
青髪ピアスの少年を、沙耶は知らない。
なのに、どこか気になった。
彼は何者なのか気になった。
対暗部のリーダーと歩いているからだろうか。
だが、彼にだって表側の友人ぐらいいるだろう。
沙耶だってそうだ。
だから何らおかしいことはない。
それに、沙耶が知る男など暗部以外に存在しない。
基本的に沙耶は男より女が好きなバイなため、わざわざ表側の世界で男と話そうとも思わない。

「(ま、あんな脳天気な顔したやつが暗部や対暗部なわけないか…)」

と沙耶は結論付ける。
彼らが沙耶の横を通り過ぎる。
その際、黒白の少年に目を向ける。
雨蛙のリーダーと目が合う。


「やっほう、対暗部」


沙耶がウインクすると雨蛙のリーダーが長ドスに手を伸ばした。
沙耶はそちらに注意を払わない。
沙耶は横目で観察する。
青髪ピアスの男がどのような行動を取るか。
対暗部やらならば、今の一言で臨戦体制を取るはず。
動揺するかもしれない。
そのどれか一つでも沙耶の目に映れば、青髪ピアスの少年はそちら側の人間だということになる。

青髪ピアスが目を丸くし、口を開く。


「めっちゃ可愛いなぁ!何、コスプレ?ええなーええなー、めっちゃエロいでぇ!」


青髪ピアスは、アホみたいに身体をうねらせてそう言った。

「は…?」

呆気に取られる沙耶。

その、沙耶の首筋に雨蛙のリーダーが長ドスを突きつけた。

「貴様。何者だ」

沙耶は一歩も動けない。
それほどまでにぴったりと、その鞘を押しつけられていた。
453 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/06(木) 23:51:41.57 ID:bk16Q8co
さやにさやを
454 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/07(金) 00:29:56.30 ID:fcO8RHEo
誰ウマ

そしてwktk
455 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/08(土) 00:39:58.54 ID:rkCelkDO
>>1はまだか・・・!
456 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/08(土) 12:52:20.64 ID:WlyDUsw0
まだかなッ!!!
457 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 22:21:32.12 ID:bVk1s/so
悲しいほどの青ピっぷりだな
458 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/08(土) 23:11:17.90 ID:6jAHPIs0
間違いなく1番wktkしてるスレ
今日も来ないか?
459 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/09(日) 04:14:42.16 ID:xLYbjVQo
続きを楽しみにしてる
460 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/09(日) 20:13:16.84 ID:Ju1RaF.0
楽しく読ませていただいています。
先が気になる
461 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/09(日) 20:14:44.75 ID:psNyNgYo
もう先はねーよ
462 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/10(月) 01:24:13.99 ID:nxcgQMEo
>>461


463 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/10(月) 01:40:17.03 ID:nxcgQMEo

「ふふ、せっかちだね」

沙耶は長ドスを押しつけられた状態で妖艶に笑む。
その眼は期待。

「貴様は何者だ」

雨蛙のリーダーが続けて訊いてくる。
沙耶は答えない。
答える必要がない。

「ねえ、今日って何の日だと思う?」

クスクスと笑いながら指さす。
風紀委員。
風紀委員がこちらに向かって歩いてくる。
その眼は険しい。

「学園都市見学会の日、らしいよ?」

ただの女子中学生に長ドスを押しつけている少年の図。

「おい、何をしているんだ。その武器はなんだ」

風紀委員がやってきて、雨蛙のリーダーに詰め寄った。
雨蛙のリーダーは軽く舌打ちすると手の内を明かす。

「これ、ただのおもちゃなんで」

そう言って長ドスを引く。
刀身が一切ない、ただの長ドスの形をした木材に過ぎないそれを。
木刀より安全と言えるそれ。

「行こう、青髪」

雨蛙のリーダーは青髪ピアスの少年の肩を叩き、先を促す。

「ほな、風紀委員さんさいなら。あ、あと可愛いお嬢ちゃんもまたな〜」

青髪ピアスはへらへらと手を振り、二人してその場を離れる。

「全く、盾は突然消えるし今度は長ドスのおもちゃだって…?」

風紀委員の少年がため息混じりに零した。

「盾が消えた?」
「ええ、昼ごろにあるファミレスの近くで警備してたんですけど。突然持っていた盾が消えてしまって」
「ファミレス?」
「爆発して全焼したんですよ。その中から盾は見つかったんですけどね。アポート系の能力者でもいたんでしょうか」
464 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/10(月) 01:42:20.87 ID:Qc5Un/ko
キター!!
465 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 02:09:09.02 ID:Kq0w8W2o
お、来てるな。期待!
466 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/10(月) 03:20:08.19 ID:V3T4opco
まさかの1レスだけで生殺し状態!
467 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/13(木) 00:19:22.57 ID:5vssPng0
全く>>1は焦らすのがうまくて、かなわないな。



マイペースで良いので待ってるぜ!
468 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/14(金) 22:56:23.71 ID:BKr7sMUo
沙耶はカフェテリアで一人、窓際の席から街を見下ろしていた。
アイスラテを片手に、思案する。

『ファミレス爆破事件と殺人事件があったんです』

風紀委員の彼はそう言った。

「(暗部が派手に出過ぎてるなぁ…)」

沙耶はふぅとため息を吐く。

「(テレポーターの女ね……ちょっと生存しているか調べないとかな。麦野のバカも動き回るしさぁ…全く、いい胸してるのに勿体ない)」

街を見下ろしていると、ん?と気付く。

「あ、風紀長だ」

八つ盾の風紀長。
磁力使いのレベル4にして、かなりレベル5に近い存在。

「(超電磁砲はレベル1からだけど、風紀長はレベル4からレベル5に上がるって樹形図の設計者が出してたっけ)」

子供達を連れそう風紀長を眺め、沙耶は暇そうにため息を吐く。

「(ま、風紀長の能力じゃプランには関係ないからね。超電磁砲と並んで表舞台のレベル5として宣伝塔になってもらいますか)」

それにしても、と風紀長の去った街並みを眺める。
ガラの悪い、スキルアウトだろうか。
街に何人も見かける。

「(確か、今日は強盗事件を起こしたはず…仲間が捕まって警備が大きくなったのに何故?)」

何かが起きている、と沙耶は思案する。
スキルアウト達の瞳に生気が見られないことを、沙耶は見抜いていた。

「ちょっと見に行ってこよっと」

沙耶は立ち上がり、店を出た。
彼女の影が小さく蠢く。
黒い、それは動く。
469 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/14(金) 23:02:37.39 ID:nxWKW0oo
数日振りにwktk!
470 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/14(金) 23:02:38.74 ID:beIYWcIo
>>1来たか
待ってたぞ
471 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/14(金) 23:16:35.69 ID:BKr7sMUo

始まりの日曜日の夜中――

沙耶はため息を吐いた。
スキルアウト総勢八名。
彼らは洗脳≠ウれていたのだ。
沙耶の能力も届かず、結局スキルアウトは犯罪に走り、警備員に捕まった。

「心理掌握…」

彼女に間違いない。
こんな芸当ができるのは他にいない。
何故なら、犯罪を犯したスキルアウトが向かう場所。

「確か少年院にはAIMジャマーだっけがあるんだよね」

沙耶はそれに気付いた。
少年院に連れて行かれると、洗脳が解ける。
そうして一切の証拠は残らない。
うまいやり方だ。

「ほんと、食べちゃいたいぐらいに気になるね」

心理掌握の少女を思い浮かべ、舌を出す。
妖艶に笑む。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

上条は絶句した。
垣根はアホみたいに口を空けたまま固まっている。

「……」

隣の部屋の住人がやってきた。

「……」

うるさかったのだろう。
垣根が「俺の本格料理を味わえ!」と言い、火を暴走させると換気扇を壊した。
上条は「バカ野郎!くっそー不幸だぁー!」と叫ぶ。
それからもテレビのリモコンを巡って軽いバトルをしたり、トランプで二人ババ抜きをすればジョーカー以外を取らせてくれない雰囲気の垣根に上条が叫ぶ。

そんなドタバタ騒ぎに隣人はやってきた。

金髪のアロハシャツ姿。
そいつは、
赤いランドセルを片手に言った。

「小学校に侵入するにゃー」
472 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/14(金) 23:39:22.08 ID:wgnMHwo0
まってたZE!
473 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/14(金) 23:49:27.65 ID:BKr7sMUo

「どうしてこんなことに…」

「それ、俺のセリフ」

上条と垣根はため息を吐く。

夜中の小学校の校門にて。

「にゃー、まさかお前らがロリコンだとは知らなかったぜい。同士として声をかけさせてもらったにゃー」

「いや違うだろ。垣根か?」

「まあ上条のことだろうな。だってほら、あいつ」

「どいつだ?」

「心理掌握は小学生だろ?」

「マジで!?」

「知らなかったのかよ…」

呆れる垣根。
上条が振り返ると金髪男、土御門の姿が見えない。

「にゃー早く来るんだぜい」

前方。
校門のセキュリティを怪しげな針金の束で攻略する男、一人。

「「……」」

垣根と上条はただ、思う。

「「(帰りてえ…)」」

土御門は嬉々として赤いランドセル片手にしている。

「にゃー!ここが小学校だぜい!THE・ロ・リ!!天国だにゃー」

思わず警備員への通報をしそうになる上条だったが、仕方なく後に続く。
そう、見過ごすわけにはいかない。

「見過ごせないよなやっぱ」
「にゃー、やっぱお前っていいやつだな、上条」
「お前が児童のたて笛を舐めないか心配だしさ」
「にゃにー!?そっちかにゃー!」

「冗談だよ。妹のため、なんだろ?」
474 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/15(土) 00:12:57.52 ID:H.nLXn.o
wktk
475 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/15(土) 01:24:43.50 ID:nSmclDIo
まぁ、上条さんはロリ好きだよな。年上が云々はカモフラージュっぽいしな。
476 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/16(日) 00:27:26.86 ID:04PE5gDO
私まーつーわ
477 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/16(日) 02:19:09.94 ID:9uaHRsDO
五和でもまーつーわ
478 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/16(日) 10:12:43.80 ID:AaiVMEAO

     曰
     | |   ∧_∧     
    ノ__丶(〃´Д`)_  
     ||怒||/    .| ¢、
  _ ||髪||| |  .    ̄丶.)
  \ ||天||L二⊃ . ̄ ̄\
  ||\`~~´  (<二:彡) \
  ||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄
   .  || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
479 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/16(日) 10:21:30.60 ID:Ykwx73M0
やっと追いついた・・・・・

東方厨だから心理掌握のイメージが金髪碧眼のさとりさんになっちまうぜ。。。
480 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/17(月) 15:00:19.55 ID:Nebdaps0
これって原作に繋がるのかな?
481 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/17(月) 15:56:29.67 ID:G3DZqCQ0
>>480
繋がるよ
482 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/19(水) 21:12:37.13 ID:QcLZCD60
しばらく投下できないためsageる
毎日チェックしてくれてる人すまぬ
今週の日曜日と今月末三日間休みだからそこで一気に書いて取り戻す
483 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/19(水) 21:33:18.89 ID:u7blKgso
>>482
おk 待ってる

あんまり無理すんなよ
484 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/19(水) 22:22:23.26 ID:9r0HvADO
>>482
生存してくれててありがたい
>>483に同じく無理はするなよ
485 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 00:38:19.07 ID:VIYpbl.o
保守
486 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/21(金) 00:49:19.21 ID:05wcTn2o
保守いらないよ
487 :pasuta ◆QXQDE8vvhs :2010/05/23(日) 16:46:37.29 ID:/lb3pzco

よっしゃ日曜日だ積んでたラノベ読み終わったし、ちょこちょこ投下していく
488 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/23(日) 16:54:51.59 ID:/lb3pzco
「妹の忘れ物を取りに行くんだぜい」

学生寮の隣人、土御門元春はそう言った。
なんでも明日までの宿題が出たノートがあるのだが、それを机の中に忘れてきたしまったそうだ。
妹は現在、いつものように土御門の部屋に遊びに来ている。
現在、土御門の好物のシチューを作ってくれているそうだ。
その合間に、小学校に潜入して宿題のノートを取って来てやろうという話だ。
上条は自分にも妹みたいな存在である従兄妹の乙姫がいるため、土御門の行動の理由が納得できた。
それ故に、護衛である垣根を引きつれてやってきたのだが。

ビービー侵入者あり、侵入者ありビービー、

警告、警告、警告、

拘束します、拘束します、拘束します、

ビービー、ビービー、ビービー

けたたましい音が校内に鳴り響く。
防犯システム。
それが警告するのは三人の少年。

「だぁー!こうなるに決まってんだよ、俺の不幸っぷりからしてさぁ!」

上条は叫ぶ。
息切れしそうになるも横二人に置いてかれないよう、必死に走る。

「にゃーっ、まさかあんなトラップがあるなんてにゃー」

「てっめ、土御門!『せっかくの機会だから更衣室見てみようぜい』じゃねーんだよ!」

「にゃははー男の性(サガ)ってやつだにゃー」

「いいや違うよ!お前のはロリコンの性ってやつだからな!?」

「にゃー上条ってば自分を除外してるぜい」

「だから俺はロリコンじゃねえっつの!」

今度からは年上好きアピールでもしようかと上条は考える。

「正直になろうぜい?」

「いや違うってば!ホントにロリコンじゃないからね!?上条さんは年上好きですよ!…いやそんな疑いの眼差し向けんなって!誤魔化しじゃないから!」

息も絶え絶えに会話を続ける二人。

489 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/23(日) 17:09:53.45 ID:/lb3pzco
あれ?と上条はそこで気付き振り返る。
垣根が立ち止まっていた。

「おい垣根!何止まってんだよ!」

「俺が引きとめるから、お前ら先に行けよ」

「何言ってんだ、一緒に戦うって!」

「俺はお前の護衛なんだぜ?今この学校の警備ロボは一部に集まった。お前を守るにはここで片づけたほうが好都合だ」

垣根はそう言うと白い二枚の羽を展開する。

迫り来るのは五つの警備ロボット(侵入者迎撃用武装ロボ)である。

「さってと。お前らの力を見せてもらおうか。俺の未元物質に常識は通用しねえぞ」

ニヤリと笑み、垣根がその羽を自らの腕のように操る。
上条はしばらく黙り、

「後から追い付けよ!」

土御門とともに廊下を駆け抜けた。
土御門元春が、しばらく垣根をジッと見ていたことに上条は気付かない。

廊下を駆け抜けているとより大きな音がした。
校庭から警告音。
できればあまり聞きたくない物である。
それを鳴らしているのが、見覚えのある車だからだ。

「上条…耳を塞いでも現実は変わらないぜよ?」

「ああっ、もうわかってますよ!でもその車って明らかに警備員だよね!?」

「にゃー、上条ってば犯罪者(笑)」

「だっからお前にだけは言われたくないっての!」

「でもにゃー上条。深夜だから風紀委員が出しゃばって来ないため、不幸中の幸いとも言えるぜい?」

「いいえ!右手がある上条さんと致しましては能力者の学生のほうがよかったです!」

「それを言ったら俺なんてレベル0の使えない能力しかないにゃー」

「くっ、高位能力者は垣根だけか。…つか、小学校潜入で少年院行きとかどんな不名誉だよ!?親に絶対知られたくないぞ!?」

「にゃははー俺はそういうの大丈夫だけどな。でも舞夏を一人にはしたくないな」

「…ああ、そうだよな!」
490 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/23(日) 17:57:57.06 ID:j2Fdr36o
お、来ましたね!
491 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/23(日) 18:48:01.31 ID:/lb3pzco
「待て!」

警備員の声がかかる。

「ッ!?」

二人は立ち止りかけ、また走りだす。
警備員の男は走って追いかけてくる。

「げえ!もう追いつかれたぁ!?」

「こら!待ちなさい!」

「俺達不審者じゃありませんからー!」

「そうだにゃー!こんな見た目だが中学一年なんだぜい!小学校が懐かしくなるとかあるじゃないですかー!」

「ならどうして不法侵入などしている!」

「若気の至りってやつですよ許してぇ!」

「だから止まりなさい!…ブッ、私だ。現在三階西館に向かって追っている。中学生だと名乗る少年二人。一人はワックスで立てた髪、もう一人は金髪にアロハシャツだ」

「うわー!なんか連絡取ってるし!」

「くっ、上条、こっちだ!」

土御門が上条の腕を引く。
階段。
二人は迷わず手すりを滑り降りる。
まだ中学生ということもあり、体格からして難なく三階から一気に一階まで降り立つ。
対し、警備員の男は体系から階段を下りてくる。

「お、上っ条ー!」

一階の廊下。
走りだそうとした上条が声とともに抱きつかれる。

「うっわ!…って垣根かよ!抱きつくな!」

「なんだよーつめてえなぁ。せっかく警備ロボ全滅してきたやったのに」

「ああ、まあそれについてはサンキュー!つか逃げるぞ!」

「あれ、土御門の目的の物は?」

「にゃー、ちゃんと手に入れたぜい」

「なら理科室から逃げるか!?どうする土御門、垣根?」
492 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/23(日) 22:07:03.17 ID:/lb3pzco
「よし、理科室の窓から逃げるぜよ!」

「裏門飛び越えるか」

三人は警備員を振り切ると理科室に跳び込む。
追ってくる警備員が入れないよう、ドアを閉めた後隙間に机を置く。

「くっ!こら、開けなさい!」

「よし、今のうちだ!」

上条達は理科室を駆け、窓を開く。
地面に飛び降りると同時、反対側の理科室のドアから先ほどの警備員が追いかけてくる。

「急げ!ノロマな警備員なら撒けるぞ!」

上条は土御門と垣根にそう叱咤する。


「ノロマとは言ってくれるじゃん?」


「ッッ!?」

ライトの光が三人に降りかかる。
眩しさに目を堪える。
そこには数名の警備員がいた。

「はいゲームオーバー。大人しく捕まるじゃん?…本当に中学生みたいだな」

警備員の女が強い力で上条の腕を掴む。

「くっそー…」

ジャージ姿なのにどこか色っぽいお姉さんの警備員。
彼女は車をこちらに寄せろ、と手配する。

「背景父さん母さん。こんなくだらないことで捕まる私めを許して下さい…」

「ん?上条捕まりたくねえの?なんなら俺の未元物質で暴れようか?」

「それはやめとけ!そんなことしたら完全に追われるから!もう素直に事情説明しようぜ土御門!」

「にゃー、それはいいが果たして信じてもらえるかにゃー…」

「ごちゃごちゃ言ってないで来るじゃん。ま、でも面白いやつらだな。…全く私のクラスもこういうやつがいれば面白いのになー」

三人はぶつぶつと言い合いながらも抵抗せず、物凄い握力の女警備員に引きずられていった。
493 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/23(日) 22:23:56.73 ID:/lb3pzco
「そこに直りなさいです!上条ちゃんに土御門ちゃんに垣根ちゃん!!」

教師、月詠小萌はぷんすかと怒る。

「にゃーすでに床に正座させられてるにゃー」

「つか何でこの俺が正座なんかしなきゃならねえんだよ」

「……」

「にゃー、上条はさっきからずっと土下座してるぜい。プライドのカケラも見当たらないな」

「なにい?なあ上条、俺もそのポーズ取った方がいい?」

「もう!三人とも先生の話を聞いて下さい!」

小萌は足踏みをするが、まるで駄々をこねる子供のようである。

「…ってか、なんで小萌先生が来るんだ?」

ようやく上条が顔をあげる。

「え、この小っこいのが担任じゃねえの?」

と不思議そうに首を傾げる垣根。

「いや違うぜい。本来の俺らの担任はハゲ山だにゃー」

「こら!萩山先生をバカにしてはいけませんよ?土御門ちゃん」

「へー、なんで担任じゃなくてこいつが来たんだ?俺の転校の時も教壇にいたが」

「あれ?垣根ちゃんには資料で説明があったはずですよ?」

「ティッシュなかったから鼻かんで捨てたわ」

「もう!」

「うそうそ。実際には紙飛行機にして飛ばしといた」

「ポイ捨てはいけませんよ?」

「掃除ロボいるんだからいいじゃねえか」

「って垣根、なんでお前はそんなくつろいでるんだよ!しかも野菜ジュースちゅちゅう吸ってるし!」

「ん?飲むか?やっぱカゴメに限るよな」

「もう!三人とも真面目に話聞いて下さいです!先生怒ってるんですよ!?」
494 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 01:14:14.22 ID:GSyVou.0
ここまでかな?
三人の掛け合いが面白すぎる。
今後も楽しみにしてます。
495 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 02:49:04.38 ID:VHIwKU2o
期待してるぜぃ
496 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 04:40:15.42 ID:QHndEwDO
追い付いた

497 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:43:01.14 ID:dZXLjCs0
ワックスww
498 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 15:43:00.85 ID:dZXLjCs0
ワックスww
499 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/24(月) 16:04:49.35 ID:z7U2BzEo
時間操作系能力者か…?
500 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/24(月) 21:44:38.34 ID:vnLfl3k0
>>499
煤i゚Д゚;)ギクッ
501 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/05/25(火) 04:35:23.68 ID:6zf5BQ.0
あ、レベル6の正体を当てられたのかと思った。500ゲットで馬鹿したわぁ

書き込み時刻のことか
502 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/25(火) 04:57:38.61 ID:41gbZsgo
なに自爆してんだよww
503 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/25(火) 08:29:42.70 ID:b4KllIDO
pasuta:自爆lv1
504 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/25(火) 17:36:54.39 ID:UK7sdwAO
これは酷い自爆wwww
505 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/25(火) 18:40:47.93 ID:LWcCgQw0
うそ…このスレ生きてたのかしら!?
506 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/25(火) 19:00:20.86 ID:s7l1w2DO
>>505
つまんねえよks
お前きめえ
507 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 04:47:19.84 ID:NyKgrwQo
スレタイになるまであとどれだけだろうなぁ
508 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/26(水) 19:51:29.48 ID:k9NWbCA0
のんびり待てばいいさー
509 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/27(木) 02:23:07.20 ID:bZpg2Ms0
上条って記憶無くなる前のほうが熱いな
はじめの青ピに対して怒るとことか
510 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 20:23:50.23 ID:oqbVeQk0
垣根がいい
511 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/28(金) 20:39:55.66 ID:vJC3rHIo
三連休ktkr
だが、あまみそをプレイし始めたら止まらなくなった…芹夏可愛いよ
とりあえず今日から月曜までちょこちょこ投下していく
512 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 20:41:24.18 ID:j36EWIAo
おかえり
513 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/28(金) 21:23:23.73 ID:IDB6NCoo
>あまみそをプレイし始めたら
一瞬くそみそって読んでしまった・・・重症だな・・・
514 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/05/28(金) 22:30:14.72 ID:oqbVeQk0
おかえりぃぃぃ
515 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/29(土) 01:12:39.00 ID:pCaGB3ko
「能力調査ぁ?」

垣根が理解できないとばかりに眉を寄せる。

「はい。先生は高校教師ですが、専攻能力もありますし研究者としてこの一週間基礎能力の調査にやってきたのです」

「それって何の意味があんだよ…ってああ、なるほど。確かこの中学はレベル低いやつ多いんだよな。今のレベルの成長具合で進学先もある程度把握しておくと」

垣根は笑った。
ちらりと上条を見遣る。
上条は特に気にしていないようだ。
だが、それはレベル0をバカにした行いである。
要は、レベル0を何人どこの学校に送るか決め、珍しい能力者を高校側が早めに確保しようということだ。
中学一年の段階で引き抜きか。
そのためにとある高校教師の月詠小萌は一週間担任の代わりをしていると。
恐らく、本来の担任は時間的に合わせて出張か何かに出ているのだろう。

「そりゃ、ご苦労だったな」

垣根は小萌をニヤニヤと見下す。

「わざわざ担任でもないのに夜中に呼び出され、挙句に結果を出してない上条や土御門が問題を起こすなんてな。面倒だよな?」

だが、小萌はただ首を傾げた。

「?いえ、一週間の間は先生が担任ですから。生徒さんの面倒を見るのが先生の役目なのですよ?」

小萌は笑う。

「それに、結果を出したか出してないかは上条ちゃんや土御門ちゃんの人となりと関係ないです。それだけで、人は区別できませんよ?」

ニコニコと笑う。
それに垣根は言葉が詰まる。
上条と土御門も少し驚いた顔をしている。
レベル0の扱い。
それを二人はよく知っている。
教師からして、結果を出さない生徒。
教師からして、結果を出さないばかりか夜中に騒ぎを起こした生徒。
そんな生徒のために笑顔で面倒を見て、夜中に呼び出された苦情も言わない。

「(珍しい人間だな…)」

垣根は少しだけこの教師を認めた。
上条と土御門も少しだけ癒されたような顔をしている。

「って土御門ちゃん!その赤いランドセルはなんですか!?ま、まさか小学校から盗って来たんじゃ。先生も一緒に謝ってあげますから、返しに行きますよ!」

上条と土御門が慌てて誤解を解こうとする。
それを背に垣根は外に出る。
暗い夜道に人影を見つけたからだ。
516 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/29(土) 03:07:02.56 ID:pfRK6CEo
続きにwwktk
517 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 02:51:33.20 ID:zDn15hs0
まだかにゃ〜?
518 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/05/30(日) 14:05:40.84 ID:wBbjcnQo
「よう、こんな時間に出歩いてちゃ危ないぜ?」

くく、と垣根が笑う。
すると夜闇に映る一人の少女がこちらに近づく。
ワンピース姿の少女だ。

「あなたが妙な問題を起こしたから気になったのよ」

ワンピースの少女――心理定規(メジャーハート)がため息を吐く。

「ああ、そっか。悪いな」

垣根は特に気にしてないような顔で謝る。
それにメジャーハートは肩を竦ませる。

「どういうつもりなの?」

「ん?別に意図なんかねえよ。ただ上条に付き合ってるだけだ」

「あなた、護衛よね。一緒に事を起こす必要はないはずだけど」

「暗部の理屈なんて知ったこっちゃねえよ。俺はただ上条の友達だってだけだ」

誇るように言う。
メジャーハートは思わず目を丸くする。

「どうしたの?あなたが他人に付き合うなんて初めて聞いた」

「そうかい」

「ま、でも有り得ない話じゃないか。暗部にいる者だって多くは日常に大切な人がいる。あなたにはまだそういった人がいなかっただけの話ね」

「お前もそうなのか?」

「さあね。それにしてもレベル5も人間ってわけか。原子崩しや一方通行の噂ばかり聞いてると人間味がないように思えたのに」

「第一位なんてただのモルモットじゃねえか。黙ってテメェから研究者の言いなりになってるやつなんざ人間味とも言えねえよ」

「あなたはあまりにも飄々としていて、人間味がありすぎるのよね」

「へー。それで、これからどうすんだお前?」

メジャーハートは警備員室を見遣る。
上条たちが必死に誤解を解いている。

「私は帰るわ。送ってくれるの?」

真顔でそう答える垣根にメジャーハートがくすっと笑った。

「バカ言え。俺が送るのは上条だけだ」
519 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/05/30(日) 15:50:18.62 ID:XDHetOoo
対上条専用送り狼か
520 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/02(水) 00:36:27.97 ID:AxQAztoo
>>519
アッー
521 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/06/06(日) 12:04:32.71 ID:lz7/Q4s0
>>1クズ過ぎワロタwwwwww

まあ俺のことですがね
言い訳はしないよ
これから続き書くんで許して…OTL



↓以下独り言
某アニメの10話見たんだけどさ、もうさ、
ちょっと岸監督にジャーマンスープレックスかけて来ていいですか?
522 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 12:35:12.23 ID:lz7/Q4so

「夏休みだな!」

「……」

翌朝。
目を覚ました上条の視界には、瞳を輝かせる垣根が映った。

「いや、違うだろ。まだあと二日あるような」

「何ぃ!?」

「ほれ」

上条は散らかっていたプリントを拾い上げ、愕然とする垣根に手渡す。

「マジかよ…上条〜サボろうぜ?」

「学生の街で何言ってんだよ、夏休みを補習として削られるぞ」

「うぇ。んじゃ、行くか」

「そうだなー、うっし、着替えて朝食を作らないと」

「お?上条って料理できんの?」

「当店では朝食メニューはハムエッグや野菜炒めしか扱っておりません」

「小学生の家庭科実習以下かwwww」

「あっ、てめ!言いやがりましたね?じゃあ垣根様はできやがるんですか!?」

「いや、できん。つかする気もねえしな。…モーニングでも食いに行くか」

「そんなに上条さんの手料理は食いたくないと……てかモーニングとは何ですか?」

「上条…」

「えッ!?なんでそんな同情的な目で見るの!?やめて、上条さんのナイーブな心をこれ以上傷つけないでッ!」

「まあレベル0だと支給額低いしな…」

「お前さ、もうちょっと遠回しな言い方しようよ!確かに直球なお前の性格は嫌いじゃないけどさ!レベル5から同情されても嬉しかないやい!同情するなら能力をくれ!」

「おぉ、学園都市バージョンか。で、どうするよ。喫茶でも適当に探せばモーニングセット食えるぞ」

「うぅー、そんな贅沢そうなメニューは俺にはちょっと」

「俺がよく食いに行くところは1000円くらいだが、他はファミレスより安いぞ?大概珈琲付きで500円くらいか」
523 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 13:28:09.84 ID:dqaeuhwo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
524 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 13:30:32.27 ID:8hKBTbY0
C
525 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/06(日) 13:37:54.20 ID:jGG6MII0

 | 三_二 / ト⊥-((`⌒)、_i  | |
 〉―_,. -‐='\ '‐<'´\/´、ヲ _/、 |
 |,.ノ_, '´,.-ニ三-_\ヽ 川 〉レ'>/ ノ 
〈´//´| `'t-t_ゥ=、i |:: :::,.-‐'''ノヘ|
. r´`ヽ /   `"""`j/ | |くゞ'フ/i/        続けr…続けてください
. |〈:ヽ, Y      ::::: ,. ┴:〉:  |/
. \ヾ( l        ヾ::::ノ  |、
 j .>,、l      _,-ニ-ニ、,  |))
 ! >ニ<:|      、;;;;;;;;;;;;;,. /|       ___,. -、
 |  |  !、           .| |       ( ヽ-ゝ _i,.>-t--、
ヽ|  |  ヽ\    _,..:::::::. / .|       `''''フく _,. -ゝ┴-r-、
..|.|  |    :::::ヽ<::::::::::::::::>゛ |_   _,.-''"´ / ̄,./´ ゝ_'ヲ
..| |  |    _;;;;;;;_ ̄ ̄   |   ̄ ̄ / _,. く  / ゝ_/ ̄|
:.ヽ‐'''!-‐''"´::::::::::::::::: ̄ ̄`~''‐-、_    / にニ'/,.、-t‐┴―'''''ヽ
  \_:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\ /  /  .(_ヽ-'__,.⊥--t-⊥,,_
\    ̄\―-- 、 _::::::::::::::::::::__::/  /  /   ̄   )  ノ__'-ノ
  \    \::::::::::::::`''‐--‐''´::::::::::/  / / / ̄ rt‐ラ' ̄ ̄ヽ ヽ
ヽ  ヽ\   \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::/      /    ゝニ--‐、‐   |
 l   ヽヽ   \:::::::::::::::::::::::::::::::/           /‐<_   ヽ  |ヽ


526 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 13:46:19.04 ID:lz7/Q4so
「結局、昨日はコンビニ飯だったしなぁ」

「俺なんかは暗部の仕事の合間だから、ファーストフードや外食で過ごしてきたんだがな」

「ふーん、お前も大変なんだな」

「ん、まあ今は全然だがな。お前の護衛するってことは他の仕事が全て回って来ないってことだし」

「ああ、そっか」

「よし、鍵は持ったし、忘れ物はなしっと」

上条と垣根は部屋を出て、鍵を閉める。
ふと、隣人のドアが開いた。
金髪のサングラス男、土御門元春だ。

「にゃー、二人ともちょうど良かったぜい」

「お、どうした」

「朝飯は食ったかにゃー?この時間に出るってことはまだかと思ったが」

「その通りだな、これから上条とモーニング食いに行こうとしていたところだ」

「良かったらシチュー食わないか?舞夏が昨日作ってくれたんが沢山あってな」

「朝からシチューか」

とは言いつつも、上条的にはありがたかった。

「まぁ俺としては大助かりだが、垣根は?」

「俺も別にいいぜ」

「にゃー、んじゃ入れにゃー」

と、土御門の妹手製のシチューを頂くことになったのだが。

「うめええええええええええええええええ!!」

垣根が騒ぎ立てていた。

「ナニコレ!上手いんだけど!ちょ、まじかよ料理スキルある娘っていいよな!」

「にゃー、褒めてくれるのは嬉しいが、舞夏に手は出させないぜー」

「うまっ!つか俺、初めてじゃね?手料理とか食ったの!レストランとかみたいに味濃くなくて、家庭的な料理っていいな!」

何気なく漏らす垣根の言葉に、上条はふと思う。
垣根に親はいなかったのだろうか…、と。
527 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 13:49:39.26 ID:Z1U7nIgo
>>521A○のことですね。分かります

それはそれとてwktkです
528 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 14:25:41.14 ID:lz7/Q4so
「はよーございます」

HR前。
上条達三人は小さな人影を見つけた。

「あっ、上条ちゃんに土御門ちゃんに垣根ちゃん。おはようございますー」

教師、小萌は小さな体で書類を抱えている。

「三人とも夜遅かったのに、遅刻しなかったですねー、先生は嬉しいです」

「にゃー、もう夏休みも近いしな」

「だな。遅刻なんてダサいぜ」

「垣根はサボろうとしただろ」

「何故ばらす!?」

「もー、垣根ちゃんは少し不真面目ですね」

「はいはい。その書類は何?」

垣根が小萌の持つ書類を指さす。

「これですかー?これは生徒さん達の能力のデータです。今日もう一つ採れば終了ですよ」

「てことはまたシステムスキャン?」

上条が首を傾げる。

「いえ、これは実験ですね。能力同士の共感による影響などを調べたりします。ですから、例えば精神感応系の能力者への催眠効果がいか程影響を与えるとかですかね」

「うえ、何言ってるか全然わからない…」

上条はうなだれ、気付く。

「てことはレベル0の俺は実験なしですか?」

「いいえー、先生としてはレベル0の人のほうが気になるのですよー。なぜ同じカリキュラムを受けて能力が発掘できないのか。逆に言えば能力が発掘できない人がいるということは、能力開発の定理に不備があるということです」

「逆転の発想か」

垣根が呟く。

「はい。もしかしたら、通常では能力が開発される環境で成されないという人は、他の何か可能性を持っているのでは?私たちにそれが解明できていないだけなのでは?というのが先生の持論です」

「てことは俺みたいなレベル0も実験を?」

「はい。簡単なテストです。能力者にのみ感応する音や光を受け、その反応を採る。先生からすればこの実験が今回一番重要なのです」
529 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 14:45:34.94 ID:lz7/Q4so
「おっはよー、上条」

「おう」

教室に入るとフレンダがいた。

「もうすぐ夏休みだね」

「まあな。俺は特に予定ないが」

「ありゃ?そうなの?上条のことだから補習尽くしかと」

「お前は俺を何だと…あ、そういや今日実験あるってよ」

「ふーん。上条も?」

「ああ」

「気を付けてね」

そう言ったフレンダの瞳は鋭かった。
上条には何に気を付けるのか、少し不思議に思った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『被験者、上条当麻、茨城信二、和野麻恵、入室してください』

アナウンスとともに白い部屋に入る。
上条の他に、クラスメイトの男女一人ずつ。
いずれもレベル0。

『部屋の中心の円に入ってください』

部屋の中央には丸い円が書かれている。
そこに三人は入る。
ブワッ、と音が鳴る。

『実験を始めます。3、2、1、スタート』

数秒。
しんと静まっている。
十秒ほど経っただろうか。
上条がそう思った時、再びブワッと音が鳴る。

『第一実験終了。続いて第二実験に入ります』

音の反応を調べたのか、と上条は納得する。
つまりそれは能力者にしか聞こえず、反応が起きないもの。
他二人もそうだと気付いたのか、微妙そうな顔をしている。
530 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 14:56:43.24 ID:lz7/Q4so
『第二実験、開始します。3、2、1、スタート』

パシャ。

光が弾けた。
単なる光ではない。
眩しくてすぐに目を閉じてしまったが、それは球体であった。
球体の白い光。
花火のように、それがたくさんの小さな光の粒に弾けたのだ。

バチッ!

上条の半歩後ろで紫電が飛び散った。

『エラー発生。…故障のようです』

またか、と上条は思った。
そして心中でため息を漏らす。

上条は不幸だ。

今日だって学校に来るまで、車にはねられそうになったり、学生寮から上条の頭上に布団が落ちてきたりした。
そのどれもを垣根が弾き飛ばし、ぶち切れていた。

実験だってそう。
上条の右手の影響ではない。
ただ、不幸な上条に影響されるだけ。

上条は右手を見つめる。

その時。

大きな音がした。

先ほど走った紫電の影響だ。

電気ほど厄介なものはない。

なんでも、それは影響するのだから。

白い部屋に備わる機器に紫電が飛び散った。

煙を散らす。

『大変だ!緊急事態発生!実験中止!…くそッ、信号を受け付けない!自動操作は…、ッ!どんな偶然だ、いや、偶然にしてはおかしすぎる、こんな、どうしてあの程度の故障でこちらに飛び火が!』

エラーコード。
赤い文字が部屋中に映る。
クラスメイトは狼狽する。
531 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 15:03:15.19 ID:lz7/Q4so
ビービー!

けたたましい音が鳴り響く。

『とにかく!その部屋を今すぐ出てください!現在何が作動するかわからな――ッ!!』

上条は見た。

クラスメイトの少女。

脅える彼女の眼前で消火システムが作動した。

白い煙が跳び出す。

「目を閉じろーッ!」

上条は叫び、駆けだす。

だが、到底間に合わない。

「――ッ!!」

声にならない絶叫。

少女は、体を震わせその場に倒れた。

上条は足が止まった。

止まったのに気付かず、膝を動かした。

足元がもつれてその場に転ぶ。

「あ、ぁあ…」

少女の目を、喉を消火システムは襲った。

見て取れた。

そして、こんな事態を引き起こしたのは誰か。

上条当麻。

二度目だ。

かつて銀行強盗の時と同じ。

自分の不幸が人を巻き込んだ。

その事実が、明るさを取り戻し始めていた上条の心(幻想)を――粉々に砕いた。
532 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 15:10:10.44 ID:lz7/Q4so
垣根帝督は、戻って来た上条の表情を見て狼狽した。

「な、何が起こった――」

聞こうとして、やめた。
聞けるわけがなかった。
それほどまでに、上条の瞳は光を失っていた。
上条は、部屋の前で待っていた垣根を通り過ぎて行く。

待て、待ってくれ、と声をかけたかった。

だが、かけられない。
上条の心はそこになかった。

何が起きたのかはすぐにわかった。
研究者に聞いた。
そして、

垣根帝督は激怒した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「アレイスタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーー!!」

窓のないビル。

それを前に垣根は咆哮した。

激怒。

激しい怒りが垣根を支配した。

辺りはしんと静まる学区で、垣根は叫ぶ。

「てめぇえ!!おい!!てめえがやったことはわかってんだよ!!」

垣根は叫ぶ。

「今すぐ応答しろ!!さもないとてめえらの情報を片っ端からバラシテいくぞ!!」

シュッ、と音がした。

テレポーターだ。

「どうしました、垣根帝督」

案内人がやってきた。

533 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 15:23:14.48 ID:dqaeuhwo
。・゚・(ノД`)・゚・。
534 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 15:36:17.09 ID:lz7/Q4so
「何を騒いでいますか垣根ていt――」

グシャッ。

喋っている最中のテレポーターの顔面に、垣根の拳が突き刺さった。
そのまま後ろに倒れ、テレポーターが怒りを露わにする。

「何を――」

その時にはすでに、白い羽が展開していた。

バチバチと、それを震わせていた。

時折地面を叩いては、砕き飛ばす。

それを見てテレポーターの顔が真っ青に染まる。

「今すぐアイツのところに連れて行け!」

返事などしなかった。
そんなことをする余裕もなく、
テレポーターは垣根を窓のないビルに連れて行った。

『どうした垣根帝督』

アレイスターは平然と呟く。
垣根は少し落ち着いたのか、怒気を孕んだ声ではあるが、静かに答える。

「上条当麻の実験で不備が起こった」

『ふむ』

「あいつは不幸体質だ。だがな、これはおかしい」

『不幸に理屈などない』

「あいつの不幸の理屈を、お前は知っているだろうが」

『……』

「右手だろ」

垣根は言い当てる。

学園都市に七人しかいないレベル5の第二位の頭脳、垣根帝督は言い当てる。

「あいつの右手の影響で上条は不幸となる。だが、それに他人を巻き込むことは本来有り得ない」


535 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 15:54:13.09 ID:dqaeuhwo
他人に不幸に起こすことで
上条が不幸になると考えた俺は絶対ヒネている

wwktk
536 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 16:45:30.75 ID:hwBWHBQo
しかし幸運を弾いてるとするならば、右手は悪運も弾いてるはずなんだけど
537 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 17:00:31.84 ID:dqaeuhwo
>>536
インのはあくまで推測だったし
あくまで俺が勝手に考えたことだから二次でそこまで突っ込む必要ないわな

俺が前に考えた事
人は元々が不幸(-100)な存在で
縁とか運で幸運(+x)になる。

-100=事故死するLV -50=身内に不幸があるLV 0=特になにもなし
+50=好きな人と婚約して子供も生まれる +100=九死に一生LV
んで、元々がマイナスで幸運が後から付与されるものなので
上条さんの幻想殺しがその付与されるはずの運を全て消している。
=元々の不幸がそのまま降りかかる
538 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 17:02:56.52 ID:NSAT4nEo
>>537
俺もほとんど同じようなこと考えてた
539 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 17:24:03.45 ID:zn3TaGco
初期状態を±0として
幸運が全員に均等に付与される(+50)
右手が付与される幸運を抹消(±0)と考えると

上条さん以外(+50)で上条さん(±0)である為
他の人より不幸になる(他の人より幸福になれない)
と俺は考えてる
540 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/06/06(日) 17:47:57.86 ID:lz7/Q4s0
いえーいラノべを表紙andタイトル買いしてきたぜ
「ツンマゾ!ツンなお嬢様は、実はM」俺得すぐるタイトルありがとうございます


不幸云々に関しての見解は、心理掌握とのデートで明らかにします
みんな、俺とは違う解釈してて面白い
541 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 18:13:32.93 ID:dqaeuhwo
心理スレって事完全に忘れてたwwwwww
542 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 18:41:53.08 ID:HxGRcIko
上条さんの場合、日常的にショボイ不幸が起こるのは右手一本でトンデモな戦い生き延びてなおかつ勝利したりしてる

するせいで幸運使い切ってるだけな気がするんだが本当に不幸だったら今までに何回死んでんだよ。
ねぼしが成功したのとかどう考えても超絶ラッキーだし。


戦いに巻き込まれるのが不幸って言えるかもしれんが途中からは自分の意思で介入してるから自己責任だし。
543 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 19:05:08.59 ID:/BSr8Y6o
あんだけイケメンに生まれて不幸もなにもないだろ
544 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 19:33:41.55 ID:dqaeuhwo
>>543
よく考えたら最強のフラグマスターだったな
545 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 20:17:14.39 ID:lz7/Q4so
『何故だ?』

「確かに、他人を不幸に巻き込めば、必然的に上条も不幸となるだろう。だが、どうして上条は不幸となるんだ?」

くく、と垣根は笑う。

「上条がお人よしだからだ。だが、こうは考えられないか?俺ならもし、他人を不幸にするチカラなら――とても魅力的に思える」

邪悪に笑う。

つまりはそういうこと。

「人間自分ってのが可愛い。例えばギャンブルなんかそうだろ?他人が外れろ、俺が当たれって思う。それで他人を不幸、不運にできたら最高じゃないか」

『……』

「もし、さらに卑屈なやつならどうだよ?テメェのテストの点数が60点だったとする。そこでみんなが100点を取ったとしたら、どう思うか――」

一つ、

「――自分も100点だったらいいのに=v

二つ目、

「――他のやつらが、60点以下ならいいのに=v

二つ目の、考え方。
とても卑屈な考え方。

「要は自分より下に落そうという人間、てめえが低い点だってわかってて周りもそうしようとする人間だったら、あの右手は不幸なんかじゃねえよな?」

上条に備わる右手は。

「それとも上条という人格者だから与えられたか?いいや違うだろう?あいつの不幸は生まれつき≠セよな。なら、遺伝はともかく生活環境で性格なんざコロリと変わっちまうし、なにより上条は信念を持って行動をするほど自制しているわけでもない」

すると、

「あいつの右手が他人を巻き込む可能性はない。根拠か?悪魔の力とは思えないからかな。だってそうだろ?超能力を打ち消すなんてまるで神様だ。ほら、こう言いたいんだよ神様は――【いい加減現実を見ろ】ってさ。それがあいつの右手の正体だ」

『神などというオカルトがいると考えるのか?』

「いるさ。科学的というより、論理的な思考となるがな。上条の右手だが、超能力でもないのに、異能の力を消す、それに不幸なんてオプションが付くなら、まるでオカルト≠セな」

『オカルトなら、悪魔とでも言うか?』

「ちげえよ。オカルトってのは例えだ。俺らの科学の力が、人間が導き出した法則だとするなら、オカルトとは天上の神からもたらされる法則なのではないか?ってのが俺の推測だ」


546 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 20:33:39.55 ID:lz7/Q4so
『……』

自分の能力が天使のように思えたことがある。
白い羽。
だからこそ、それに加えて柔軟な思考の垣根帝督だからこそ、そんな考えを持った。

『ならば、私がどうしたというのだ』

「未知源発(ダークエネルギー)はどうした?」

『ふむ…』

「チッ、やっぱそういうことかよ。あのコスプレアマぶち殺してやる」

『面白い空想の理論だったよ』

アレイスターが笑む。

「そりゃどーも」

アレイスターに対する怒りも失せ、垣根はその場を去ろうとする。

『まだ、幻想殺しの護衛は頼むよ』

去りゆく彼の背中に、アレイスターが声をかけた。
垣根は冷静になり、気付く。
自分程度が、まだアレイスターを殺せるわけがない。

「未知源発…この礼はさせてもらうぜ」

垣根はニヤニヤと笑いながら、上条の心配で胸を痛めていた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「全く嫌な仕事だったなぁ」

綺麗な黒い髪の女子中学生はため息を吐く。
だが、その格好は女子中学生と言えない。
明らかにコスプレだと分かる″mZ生の制服。青のセーラー服でありながら派手、なお且つスカートはとても短い。

彼女の眼前には、一人の少年が転がっている。
上条のクラスメイトである。
催眠ガスで眠らせ、暗部のトラックの中に縛って放り込んでおいたのだ。
ふと、女子中学生――沙耶の横に少年が現れた。

「能力を解除するぞ」

どうぞ、と沙耶は手を差し出す。
その手に少年が触れると、淡い光が現れて消えた。
547 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 21:02:33.28 ID:lz7/Q4so
攫って眠らせた少年の名前は茨城信二。
上条と一緒に実験を受けるはずだった少年だ。
沙耶に付属していた能力は精神汚染。
沙耶に精神汚染の能力を付けて、周りに、沙耶が茨城信二≠ナあると錯覚させたのだ。

「この少年、どうするの?」

沙耶が精神汚染の少年に訊く。

「公園にでも放って置く。それより、早く逃げた方がいい」

茨城信二に成りすまし、沙耶は能力を使った。
沙耶の能力はこの宇宙に存在すると言われる、科学で解き明かしきれないエネルギーを操る事。
それを空気中にぶつけ、空気中の酸素に反応を起こした。
結果、紫電が弾け、機器に当たる。
それだけでこんな事故は起きない。
自動操作できないように力を展開させ、消火システムのボタンを未知の力で押して発射させた。

「なんで?」

精神汚染の少年はトラックに乗り込むと、扉を閉める直前に言う。

「第二位がこちらに向かっている」

バタン、とトラックは扉を閉めるとすぐに跳び出した。

「うわー、ひどい置いてけぼりだなぁ」

と、ため息を漏らすもその表情は明るい。

「こんな時のためにー、と」

携帯電話で一人の少女を呼び出す。

「もしもしー、今第二位に追われちゃってさぁ。…ん?化け物?確かにね。じゃあ、セブンスミストの前まで迎えに来てくれる?うん、テレポートで逃げたほうが追跡ができないしね」

携帯電話を切り、しまう。
呼んだのは黒いヒールの少女。
麦野に反抗し、居場所がなくなった彼女を引き取ったのだ。

「もうすぐ戦えるんだから、それまで待っててね?――垣根帝督」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

上条当麻の心は荒れていた。
どうしようもなく、荒んでいた。
もう、何もしたくないと無気力になっていた。
細い路地で、倒れこむ。
冷たい地面に伏せ、当てどころのない怒りに奥歯を噛み締める。
ちくしょう、と上条の腹から声が漏れる。
涙とともに。
548 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/06(日) 21:15:44.88 ID:lz7/Q4s0
今日はこんなとこかな
相変わらずスローペースですまん
549 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 21:33:46.45 ID:8hKBTbY0
乙!
550 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 21:38:06.14 ID:KyiyPUAO
この友達思いの垣根が凄い好き
551 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 21:47:52.41 ID:dqaeuhwo
おつ
なんか知らんのが2匹でてきたのな
552 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/06/06(日) 21:51:35.90 ID:lz7/Q4s0
>>551
使い捨てキャラだから気にしなくていいよ
駒はもう揃ってる
553 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/06(日) 22:15:52.12 ID:sj/LzEAO
>>552
アレイスターさん、なにやってんすか
554 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/06/07(月) 19:46:23.70 ID:2rTT30c0
禁書二期決定に新刊発売にPSPでゲーム化か
胸が熱くなるな
555 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 00:39:32.92 ID:9BzXysDO
>>554
2期kwsk
556 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/08(火) 00:42:01.91 ID:jeDh4XQo
>>555
禁書スレでも見てこいよ
557 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/13(日) 14:10:07.90 ID:oDzZtNk0
まだかなー
558 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/14(月) 23:46:24.58 ID:OS3k7DI0
今日くるかな
559 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/16(水) 09:07:08.43 ID:k01eIMDO
この一週間悪戦苦闘してたが、だめだ。
ネットが繋がらねえ\^o^/
問い合わせして来てくれるまでどれくらいかかるかしら
560 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 09:31:54.51 ID:dzQ0WPIo
携帯か?
携帯で書き込めるなら
書いたものを携帯にメールで送ってそれをはっつけて書き込めば良いと思うぞ。
俺も前にそうやってたしなww
携帯も規制されたら救い様ないけどwwwwwwww
561 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 09:57:29.57 ID:tg1YRb6o
>>560
ネットに繋がらない
562 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/16(水) 10:26:34.35 ID:rg.ce2c0
まぁ気長に待つ
期待してるから書ききってくれよな
563 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/16(水) 22:28:11.14 ID:rUlPIgDO
生存報告だけでも十分なんだぜ
564 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 21:11:35.42 ID:YaYsWwoP
いやぁ生きててよかった
565 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/17(木) 23:32:44.95 ID:onUeWoc0
まってるよ
566 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 00:26:50.62 ID:QPQ143ko
舞ってるだと!?
567 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 23:45:26.32 ID:GQ.T/cMo
                      ヘ(^o^)ヘ
                        |∧  
                    /  /
568 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 23:54:40.95 ID:YkSyf66o
                (^o^)/
               /(  ) 
             / / >
569 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/18(金) 23:57:39.17 ID:vHQACnEo
       (^o^) 三
        (\\ 三
       < \ 三
570 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 00:30:02.14 ID:uJLeskEo
 \  
 (/o^)
 ( /
 / く
571 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 07:11:51.73 ID:TboLNSso
                                       ハ,,ハ
                                   /\( ゚ω゚ )/\
                                   ((⊂/\    /\つ))
                                         )   ノ
                                      (_⌒ヽ
                                        ヽ ヘ }
                                 ε≡Ξ ノノ `J  
572 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 12:14:16.47 ID:w0Yh.xIo
                          ハ,,ハ   /つ
                        ( ゚ω゚ )//
                       /    /
                      //)   ノ
                     ⊂/ (_⌒ヽ
                          ヽ ヘ }
                          ノノ `J
573 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 20:29:46.10 ID:T33gjhAo

\ \丶 i|  /  /
  \ 丶 | / /
_    /|  
  ̄ rλノ 丶ノし― ̄
_  ) ハ_ハ ( _
― ̄( (゚ω゚ ) /―_
   ) c/  つ(
  y | | <
   > Lノヽ) ノ
574 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 20:29:50.56 ID:KaNmxnk0
             ハ,,ハ
            ( ゚ω゚ )
            (   \
            \\ \\   一二
         (_\つ \つ  一二
       ヽ ヘ }     一二
      ノノ `J    一二
575 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/19(土) 21:54:20.53 ID:umX6kM20
なんだこのAA尽くしはwwww
576 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 21:57:36.64 ID:odj8LsAO
どうしてこうなったwww
577 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/19(土) 22:01:47.73 ID:umX6kM2o

だから、背後に人がいることに気付かなかった。
上条は苛立ちに腕を振るい、近くにあったゴミ箱を弾き飛ばす。
その拳を地面に打ち付ける。
呪いのように、自身に秘められる不幸。
それを砕きたくて。
そんな迷信を、壊してしまいたくて。
でも、いくら打ち付けても、いくら血を流しても、それはなくならない。
不幸などと言う迷信を、幻想を砕くこの手で変えてはくれない。
何度も、何度も喚きながら拳を振るった。
憎くてたまらない自分を壊そうと、そうするその手が止まっていた。

「……」

小さな手が、上条の腕を握っていた。

「ッ!……!」

乱暴に振り向く上条の目の前に、月詠小萌がいた。

「それ以上自分を傷付けちゃだめですよ?」
「な、んで……!先生がここに…」

すると小萌はにこりと笑い、その腕に抱える花束を見せる。

「和野ちゃん…和野麻恵ちゃんのお見舞いに行くところなのですよ」

和野麻恵は上条のクラスメイトだ。
今回、上条が原因で負傷した少女。
その現実が、夢幻でないことを上条に見せつける。

「お、れ、が…」
「上条ちゃんもお見舞いに来ますか?きっと喜びますよ?」
「っ!」

行けるわけがない。
恐い。
どうしようもなく、怖い。
自分が原因で傷付けてしまった少女。
自分さえいなければこんな事にならなかったであろう、少女。
そんな少女に、
そんな少女を傷付けた人間が、
お見舞いに行けと?

「あっはは…」

乾いた笑い声をあげる。
お見舞いに行ったら、
また、自分の不幸に巻きこんでしまう。
そんなことはわかりきっているのだ。
578 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:09:37.60 ID:ufZnDb20
キテル━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ッ!!!!!
579 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/19(土) 22:24:34.63 ID:umX6kM2o
「俺が、傷付けたんですよ…?」

もし、それを言われてしまったら。

「俺の不幸が…巻き込んだ…」

――この、疫病神が。

かつて言われた言葉。
いくつもの、罵り。

――お前が来ると、不幸がやってくる。

物心ついた頃にはもう、聞き慣れていた。

――近寄るな、不幸を持ってくるな!

石を投げられた。
同級生は、
クラスメイトは、
その親までも、
上条の存在を憎んだ。

――来ないで

そう、何度も言われた。

「俺は…!怖い……」

それを再び言われてしまう事が。

「拳銃が……ッ」

あの日。
学園都市で、銀行強盗の拳銃が放った弾丸。
それが上条ではなく、別の人間を傷付けた。

「また、傷付けてしまうのが……!」

誰かを不幸にすることが、
誰かを巻き込んでしまう事が、

「たまらなく怖いんです……」

涙が頬を伝う。
その涙を、小萌が小さな指で拭う。

「大丈夫ですよ、上条ちゃんは悪くないです」
「でもッ、俺は…」
「上条ちゃんのせいではないです。だから、誰も上条ちゃんを責めたりしません。先生が言うんだから間違いないです」
580 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 22:26:18.77 ID:QCjOkISO
W杯の最中に書くとは…
強者か
581 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/19(土) 22:43:30.88 ID:umX6kM2o

病室に、少女はいた。
ベッドの上で上半身を起こしていた。

「あ…」

少女――和野麻恵は、病室に入って来た小萌と上条に気付く。
少女は眼帯をしていた。
消火システムに襲われた片目は、失明には至らなかったそうだ。
喉には包帯が巻かれている。
呼吸器を付けてはいないため、喋るのが辛いと言う事はないようだ。

「先生と――上条君」

そう言って、少女は微笑んだ。

「ッ!」

たじろぐ上条。
小萌はにこりと笑う。

「大事には至らなかったそうで良かったです、和野ちゃん」
「はい。わざわざありがとうございます。…あ、花瓶はそこにあります」
「わかりましたー。それじゃ、上条ちゃん。先生は花瓶にお水を入れて来るです」
「あ…」

戸惑う上条を残して、小萌は病室を出て行く。
病室がしんと静まる。
上条は意を決して口を開く。

「ごめんなさ――」

「ねえ、上条君」

言いかけた上条を、少女は遮った。
上条が謝ろうとしていることを知って、あえてその言葉を遮った。

「覚えてる?数学教師の事」

それは二月ほど前の出来事。

「数学教師からセクハラを受けていた私を、上条君が助けてくれたよね?」

そう言って上条に微笑みかける。

「私、すっごく怖かった。毎日毎日、学校に行くのが嫌で仕方なかった」

嬉しそうに、少女は話す。

「そんな私をさ、上条君が助けてくれたんだよね」
582 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/19(土) 23:01:53.96 ID:umX6kM2o
「休み時間にさ、セクハラされてた時上条君が通りかかって、数学教師の腕を掴み上げたんだよね」

その日。

「それで『何やってんだ!』って怒鳴ってさ、ろくに話したこともない私のために怒って、そして私をその場から連れだしてくれた」

上条も覚えている。

「すごいな、って思った」

あの後、セクハラの事を学年主任に伝えた。
学年主任が調べると、その証拠がたくさん出て、その数学教師は首になった。

「上条君は凄いよね。まるで関係ない誰かのために行動できるんだもの」

少女は、頬を染めて上条を見遣る。

「だから上条君は自信を持っていいよ。上条君は、誰かを不幸から救って上げられる人間なんだって」

「……」

「不幸体質なんて関係ないよ。私はさ、思うんだ」

「……」

「事故やアクシデントなんていくらでも起こり得る。だから今回だってそれだと思ってた。でも上条君が自分のせいだと思ってる」

「……」

「それって、ただの偶然≠ネんじゃないかなって。確かに不幸体質なのかも知れないけど、それで誰かを巻き込んでしまうなんておかしな話だよね」

「……」

「転びやすい人、クジ運のない人、こういった人なんて山ほどいるし、科学的にも色々な憶測がある。でもね、事故や何かをその人のせいにするのはおかしいかなって。だって世界で一日にどれだけの事故が起こると思う?それが上条君の周りでいつも起きている訳でもないでしょ?なら、それはやっぱりただの偶然だよ」

上条は何も言えない。

「だからさ、上条君は何も気にしなくていいの。わかった?」

そんな言葉を、
今まで誰かにかけてもらったことがあっただろうか?
そんな見解をする人間が今までいただろうか?
いや、いない。
だから上条はそんな言葉がかけられるとは思わなかった。

だから上条は、涙を流していた。

「クラスのみんなもね、上条君の不幸なんて笑い飛ばせるんだよ?みんなと距離なんて取る必要ないんだから」

小萌を含めたこのクラスは、あまりにも優しい奴ばかりで、上条は泣き笑いしながら「馬鹿やろう…」と呟いた。
583 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/19(土) 23:23:48.50 ID:umX6kM2o

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「よう、見つけたぜ」

垣根は白い羽を羽ばたかせ、その人物に嗤い掛けた。

「あっちゃー、見つかっちゃったか」

第三位、沙耶が困ったような顔をする。
その後ろには黒いヒールの少女が震えている。
黒いヒールの少女が、沙耶に向かって指先を伸ばす。

「テレポートか?」

びくっ、と黒いヒールの少女が震える。
垣根の声に。
その表情に。

「いいぜ、やってみろよ」

「い、言われなくてもッ」

空間を切る音がし、その場から黒いヒールの少女と沙耶の姿が消える。
垣根はポケットから一つの装置を取り出す。
AIMキャプチャー。
学園都市の現在いる学区が地図として映し出され、そこに特定の能力者を検索するとAIMを感知する機械だ。

「北東に19メートルか」

羽が振動する。
羽ばたき、周りの視線も気にせず垣根は飛び上がる。
ビル群を抜くほど舞い上がり、その体を半回転させて上昇を止める。
方向転換し、羽を後方に伸ばして目標に向かう。

「見ーつけた」

黒いヒールの少女と沙耶の後ろ姿を確認し、その羽を突き飛ばす。
白い羽は刃物のように尖り、黒いヒールの少女を狙う。

「危ない!」

沙耶の声に黒いヒールの少女は反応し、迫る白い羽に気付く。
咄嗟に避けるも、いきなり羽は分裂し、幾つもの羽が弾丸のように少女の背を撃ち抜いた。

「がぁっ!ごふっ…!」

地面すら抉るその羽に撃ち抜かれ、少女は身体中から血を噴出する。
口からどろっとした血の塊を吐き出すと、その場に前のめりに崩れ落ちる。
街中の通行人の叫び声が響いた。
584 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/06/19(土) 23:43:52.43 ID:umX6kM20
風呂
585 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 23:44:59.15 ID:odj8LsAO
なんという寸止め……悔しい、でも(ry
586 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/19(土) 23:45:30.01 ID:ify1VHEo
相変わらず面白いな
587 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/20(日) 00:09:13.48 ID:xST6OcI0
上条さんは昔から俺らの知ってる上条さんだった
上条さんの不幸さになんか泣けてくる
588 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/20(日) 01:13:34.57 ID:Wfs20ASO
寝落ちかな?

589 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/20(日) 01:18:02.87 ID:WsZ8.nQ0
風呂なげえ
590 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/06/20(日) 01:32:52.26 ID:O131MPs0
すまん、寝ると言ったほうがよかったな
おやすみまた明日
591 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 01:34:36.78 ID:3Uz.0nYo
乙。続きを楽しみにしてる
592 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 05:56:33.24 ID:rLXL3UDO

                                       ハ,,ハ
                                   /\( ゚ω゚ )/\ いいぜ
                                   ((⊂/\    /\つ))
                                         )   ノ
                                      (_⌒ヽ
                                        ヽ ヘ }
                                 ε≡Ξ ノノ `J  

てめえが
何でも思い通りに
出来るってなら
                          ハ,,ハ   /つ
                        ( ゚ω゚ )//
                       /    /
                      //)   ノ
                     ⊂/ (_⌒ヽ
                          ヽ ヘ }
                          ノノ `J

             ハ,,ハ
            ( ゚ω゚ ) まずはそのふざけた幻想を
            (   \
            \\ \\   一二
         (_\つ \つ  一二
       ヽ ヘ }     一二
      ノノ `J    一二

お断りします

   ハハ
   (゚ω゚)
  /  \
((⊂ )  ノ\つ))
   (_⌒ヽ
   丶 ヘ |
εニ三 ノノ J

593 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/20(日) 15:08:32.30 ID:5.KkmWso
追いついた
594 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 21:54:45.24 ID:co/BHOo0
このスレがまとめブログに載ってた嬉しい
595 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 22:08:20.07 ID:ec0xplEo
現行スレをまとめブログに載せるってお前ら的にはどうなの?

と言ってみるテスト
596 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 22:56:24.61 ID:LWIqPLso
読み返すとき読みやすくて助かる
597 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/21(月) 23:41:57.51 ID:CMiofzUo
投下期間空いてるから
1話 2話〜ナ感覚で助かる
598 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 00:56:43.35 ID:IG9bO0wo
理解するのにすごい大変だが
面白い
頑張って
599 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 20:46:17.08 ID:pwa7Ts2o
武器のクリスタルを集めつつレベルを上げ続けたら
勝手に>>743みたいになれるんじゃね?
600 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/24(木) 20:47:18.65 ID:pwa7Ts2o
しまった、誤爆だ
601 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 02:15:32.04 ID:t8pZXkSO
>>1まだー
602 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/28(月) 17:53:01.78 ID:aeGypP6o
>>598
理解し辛いか…すまん、これからはもっと気をつける

ちなみに>>594は俺ね。嬉しくてまとめブログにコメントしてきたww
603 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/28(月) 18:12:07.86 ID:aeGypP6o
「ご、がぁっ…・・・」

黒いヒールの女は地面に伏せ、血を吐き続ける。
肢体のあちこちに空いた風穴から血は溢れ、影すら赤く染める。

「ごぁあっ!」

女の頭を垣根が踏み潰す。
グシャッ、と音を立て、顔面が地面にめり込む。
綺麗な黒い髪は今や赤く染まり、踏み潰されて汚く見える。

「さてと。あとはお前か」

垣根は女を踏みつけたまま沙耶を見遣る。
沙耶は緊張した面持ちで垣根の足元を見つめる。
その視線に応えるように垣根が足を振り上げる。

「がぁっ、が、ぎゃっ、ぁあああぁああああああああ!」

何度も踏み下ろす。
女の悲鳴と肉を打つ音。
骨がいかれる音に、鮮血が垣根の制服を濡らす光景。

「テレポートなんざもうできねえよ。これだけ頭にダメージがありゃあな」

垣根は狂ったように笑う。

「垣根帝督……あなたの目的は何?」

沙耶が恐る恐る聞く。

「てめえらを殺すこと」

「その娘(こ)を今ここで殺す気?」

「当たり前だ」

「そう……」

その答えがわかっていたかのように、沙耶は一度息を吐く。
そしてその目に力を込め、能力を発動させる。
注意深く、震える垣根の羽を見ながら。

「第三位如きが俺に歯向かうってか?」

沙耶の影が揺れた。
沙耶の周りの空気が揺れ、熱を帯びたかのように空間そのものがぶれる。
影から黒い霞が溢れる。
それは沙耶を中心にして、空気中に展開される。
同時、影はペンキのような黒さとなって地面を侵食していく。
604 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/28(月) 18:42:26.58 ID:aeGypP6o
「未知源発(ダークエネルギー)の力、見せてあげるよ」

沙耶がにやりと笑む。
同時、垣根は足元まで黒い影が侵食してきたことに気付く。
羽を羽ばたかせ、飛び上がる。

「正解、よく気付いたね……これからすることに」

あっという間に黒い影は街中の通りを侵食しきっていた。
人々がパニックを起こし、逃げ惑う。
店などに避難しようとするも、影は店の締め切ったドアの隙間からも侵入する。
沙耶はただ道の真ん中で佇んでいる。
黒い霞が沙耶の周りで膨らむ。

「ねえ、人の“意識”って一種のエネルギーなのは知っているかな?」

沙耶の声とともに、ドサドサドサ!!と崩れる音がした。
垣根は空中から街中を見回す。
全ての人間が地に付していた。

「意識を強引に沈めたか」

「エネルギーだよ。人の意識、それこそ心理掌握みたいに操れるわけじゃないけどさ。私にだって物理攻撃以外もできるんだよ?」

強引なシャットダウン。
パニックを起こしていた人間たちはみな、倒れている。

「暗部としての隠蔽か」

「そ。あとで精神操作系の能力者呼んで記憶を書き換えとくの」

「はっは!随分と派手で、面倒な仕事だな」

「誰のせいなのかな?」

沙耶の周りに蠢く霞。
それが一つの大きな“手”を創り出す。
巨人のような、ゴーレムのような手。
手は空中に飛ぶ垣根に向かう。

「あぁ?なんだそりゃ」

垣根の羽が伸びる。
その先端を構えると、弾丸のように小さな羽が飛び出す。
霞の手が指を広げる。

空間が歪んだ。

重力をぶつけられたように、飛び出した羽がミシミシと音を立てて崩れる。
霞の手が羽を掴み、潰す。
605 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/06/28(月) 19:19:57.92 ID:2wiwXCE0
キター
606 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/28(月) 19:21:19.97 ID:t8pZXkSO
やほーい
607 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 12:03:02.28 ID:DuAcKi20
なんか2っていうのが建ってるんだが
608 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 12:19:49.69 ID:HNzVxmco
心理掌握「うそ・・・上条先輩生きてたんですか!?」上条「?」★2
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1277767724/

これ? どういうこと?
609 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/29(火) 12:26:44.42 ID:FJMp4J6o
>>608
俺立ててないよ
html依頼お願いします
立てるなら950越えしてから自分で立てる
610 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/29(火) 12:30:31.83 ID:HNzVxmco
>>609
おーけー。重複ってことにして出しといたよん。
611 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/30(水) 17:21:23.54 ID:e6.ubGco
>>610
トンです

それはそうとブリーチ並みに短い1話だったなすまそ。続き書くわ
612 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/30(水) 17:47:33.89 ID:e6.ubGco
沙耶サイド――

小羽を握りつぶした。

「(よし、未元物質に対応できてる!これなら勝てる!)」

垣根帝督にも勝てるはずだ――研究者は沙耶にそう言った。
垣根は霞の手に驚いている。
沙耶は手を休めず、霞の手を操作する。
今度は垣根に向かい、その指を広げる。

ギイン!!

音とともに垣根にその力がぶつかる。
だが、垣根を中心に展開される未元物質がそれを防ぐ。
押し潰すように重力の力を上下左右様々な方向から操作する。
重力と未元物質の拮抗は、やがて空間を歪ませる。
熱で空間を焼いているかのように、垣根を中心にした球体が浮かび上がる。

「チッ」

垣根は自身がボールの中に入っているかの状況で、舌打ちをした。
ミシミシと音が立つ。

「空気中に展開している未元物質。攻撃には使えないんだよね?使えたら見えない物質で攻撃できることになるし」

「だから何だってんだよ。防御には使えてんだ」

「その防御、いつまで持つかな?」

ミシミシ。
空気中に展開している未元物質はどんどん消し飛ばしているだろう。
背から伸ばしている二枚の羽も、同じように。
沙耶はその様子を見ながらピアスの無線機に触れる。
片手は垣根に構え、握りつぶすように霞の手と連動させる。

「(アレイスター見てる?)」

『垣根帝督の羽か』

アレイスターが見ているのは垣根の様子。
二枚の羽が、怒り狂うように振動している。
これは沙耶の力によるものではない。

『窓のないビルの前で、案内人と対峙した時にもその現象が起きた』

「(これが、レベル6の鍵なんでしょ?)」
613 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/30(水) 18:05:05.68 ID:e6.ubGco
『そうだ』

上条当麻の事故。
それを仕組んだ理由はそこにある。
垣根帝督へ深い悲しみと怒りを与え、その能力をさらに開花させる。
そうすることで、スペアプランである垣根帝督はレベル6に近付ける。

「くっ…」

沙耶は指先に痛みを感じる。
抵抗が強い。
垣根が羽を羽ばたかせ、重力の力に反発している。
アレイスターが見ていることはわかったため、通信を切る。
ふと横目に黒いヒールの少女を見る。
大量出血の状態だ。このまま放っておけば確実に死ぬ。

「(助けてあげたいけど…ここを動くわけには…)」

片手でポケットの中にある携帯電話を操作する。
短縮ダイヤルで電話をかけ、ワンコールで切る。
緊急呼び出しの合図だ。
これでGPSを辿って仲間が着てくれる。
改めて垣根相手に集中しようとした、
そのとき、

「貴様ら!何をしている!」

一人の少女がこちらに歩いてきた。

「なっ」

黒い長い髪。おでこが出ていて、豊満な胸。
沙耶は知っている。彼女は上条当麻の学校の生徒だ。
驚いたのはそこではない。
現在、街中は黒い絨毯が伸びている。
その沙耶の力に触れれば自動的に意識を飛ばせるはずだ。
なのに少女はこちらに歩いてくる。

「確か…名前は吹寄制理(ふきよせ せいり)だっけ?」

「私を知っているのか」

吹寄はこちらに堂々と歩いてくる。その身なりは中学校の制服。そして、鞄。

「くっはは、なんだそりゃ?ドラえもんか?」

垣根が吹寄を見て笑う。
少しして、沙耶はその言葉の意味に気付く。
吹寄はわずか数センチ、地面から浮いて歩いていた。
614 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/30(水) 18:27:21.17 ID:e6.ubGco
そして、吹寄は叫んだ。

「私は対暗部、雨蛙の一人だ!即刻戦いを中止しろ!」

「(対暗部?そういえば五人いるんだっけ。マズイな。この状況は)」

吹寄が拳を構える。

「(何をする気?)」

直後、衝撃が走った。
沙耶は霞を引き戻すわけにもいかず、両手でそれを防ぐ。

「ぐぁっ!」

そのまま宙に飛び、背後に吹き飛ぶ。

「念動力(サイコキネシス)かぁ…」

だが、そこまでの威力ではない。
レベル3程度だろう。
さらにサイコキネシスで自身の体を浮かしているのだ。
そこまで力が出せるわけでもないだろう。
吹寄は今度は片足を下げる。
浮きながらもバランスを取っていて、地面に地をついているかのように軽やかだ。
足を振り回し、斜め下から宙を蹴り上げる。
学校指定のローファー靴が飛び出す。
サイコキネシスの応用だろう。
それは本来の靴飛ばしとは比べ物にならない速度で撃ち出される。
今度こそ霞を呼び戻す。
霞の手は、垣根から沙耶の眼前に飛び出す。
指を広げるまでもなく、ローファーが霞の手に触れると、電撃が流れ、ローファーは消し飛ぶ。

ゾク!!

直後、沙耶の背筋に冷たいものが走った。
振り向くとそれは、垣根の邪悪な笑み。
開放してしまったのだ。

「くっくく!さぁてお返しの時間だなぁ!」

垣根がその羽を羽ばたかせ、こちらに向かう。
吹寄は再び、今度はもう片方の足を構える。
蹴り上げ、その靴を飛ばす。
それは正確に垣根の顔面を狙っている。
垣根は方羽を操作してそれを防ぐ。
その瞬間を狙い、吹寄が動く。

「はぁあああっ!」
615 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/30(水) 18:49:16.35 ID:e6.ubGco
念動力で自身を砲弾のように飛ばす。
それは一直線に垣根に向かう。

「はっはぁ!無謀な特攻だな!」

吹寄の拳が垣根の羽にぶつかる。
念動力で体全体に膜を張り、その拳で羽に打ち込んだ。

「っ!?」

だが、羽はびくともしない。

「だめだな。そんなレベルじゃどう足掻いても話にならねえ」

目を見開く吹寄。
正体不明の爆発が、吹寄を襲う。

「きゃ、あぁあああああ!」

爆煙が立ち昇る。
その時には既に、垣根の羽は沙耶に向かって伸びていた。

「くっ、っとと」

沙耶は霞の手を操作し、その指を広げる。

ギイイン!!

重力を真横に発生させ、それで防ぐ。

「重力とはいわば重さを生み出す力よ。それが操れる私は擬似的に第一位に近い力を操れるわけ」

これで、垣根を倒せる。

「様々な力を操れる私と、存在しない物質を操れるあなた。どっちがつよ――」

そこで沙耶の言葉は止まった。
垣根の様子がおかしい。
怒り、怒り、怒り。
それが如実に現れていた。
二枚の羽はピリピリと震え、黒い地面を抉る。

「あぁ…もうい、てめえは黙ってろ…殺してやる殺してやる殺してやる」

静かな怒り。
二枚の羽は千切れそうなほど振動し、

背中からさらに二枚の羽が飛び出した。
616 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/06/30(水) 19:23:57.76 ID:e6.ubGco
「ちょ、っとマズイかも…」

冷や汗をかくも、垣根の成長にレベル6の可能性を知る沙耶。
シュッ、と空気を切る音がする。
暗部のテレポーターの少年と精神操作の少年と赤いドレスの少女だ。

「……メジャーハート?てめえ?」

垣根が赤いドレスの少女、メジャーハートを睨む。
メジャーハートはその視線に嘆息し、恨めしげに沙耶を見つめる。
沙耶は「あはは…」と引きつった笑顔を浮かべる。すると嫌そうな顔でメジャーハートは垣根に向かう。

「ええ、そうよ。あなたの暴走を止めに来たの」

「てめぇ!!」

ガキン!!

「残念ね。これで終わりよ。今あなたの攻撃が向かう人間は全て、大切な幻想殺しと同じ尺度にあるわ」

「くっそが!!邪魔をしてどうなるかわかってんだろうなぁ!?」

「あなたに歯向かうつもりはない。話を聞いて、今は静まって。お願い」

「チッ!」

苛立たしげに背中の四枚の羽をしまう垣根。
その様子にメジャーハートはほっと胸をなでおろす。

「ありがと〜助かったよぉ〜」

沙耶はメジャーハートに抱きつこうとするが、軽くかわされてしまう。

「私にそっちの気はないって言ってるでしょ」

「むぅ」

沙耶は霞の手と黒い絨毯を消し、精神操作系の少年に後処理を頼む。
テレポーターの少年と一緒に、黒いヒールの少女へと駆け寄る。
酷い状態だった。もはや虫の息である。

「…大丈夫…よ。私が、いい病院を知っている…」

爆発させられた少女、吹寄がこちらに歩いてくる。
その体はあちこちに傷や火傷があるも、サイコキネシスの応用で身を守ったのだろう。
吹寄は黒いヒールの少女を優しく抱き上げ言った。

「“先生”なら治してくれるから、一緒に来なさい…」


617 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 19:27:51.67 ID:e6.ubGco

さて、Rewriteプレイに戻るか
618 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/06/30(水) 20:10:58.42 ID:jeM/fuwo
乙なんだよ!
619 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 00:27:52.47 ID:39KywNo0
まさかの吹寄
おデコが今日もかわいいです
620 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/01(木) 00:47:25.55 ID:x0mmZF20
超乙と言わざるをえませんね

超期待です
621 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/03(土) 02:10:09.45 ID:EJg/HRU0
制理ktkr

622 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 02:12:02.53 ID:rcogvsEo
しかし「せいり」って女子につける名前じゃないだろ…
623 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 20:16:04.87 ID:BwrxFS20
>>622
今まで何も思わなかったけど、その指摘で初めて気付いたわ
何でだろ?やっぱ女として見てなゴキュ
624 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 21:32:05.96 ID:9gQcsSYo
スレタイになるのが楽しみでしかたないけどインなんたらさんのくだりは正直いらないよな……
625 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/03(土) 21:44:52.79 ID:vTxV53c0
>>624
安心したまえ
誰がなんと言おうが、俺にとってインデックスはステイルのヒロイン
だってステイル可愛そうじゃん!漫画版で過去編見たらもうステイルラブだよ?ステイルSS大好きだよ?14歳ハァハァだよ?

え?そういうことでない?
626 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/07/03(土) 22:25:25.27 ID:vTxV53co
「上っ条ぉおおおおおおお!」

病院を出た上条の眼前に、羽ばたく人間が飛び込んできた。

「ぎゃぁあああっ」

思わず避け、それが垣根だと気付く。

「ごはぁっ!が、ぐぁ、げあっ」

垣根はそのまま勢いを殺せずに花壇にぶつかり、何バウンドもして壁に激突した。

「お、おい。大丈夫か!?垣根!」

「が、がが。…ふ、さすが上条だぜ。荒んだ気持ちな俺の飛び込みすらかわしておきながら、地に伏す俺に手を差し出すとはな」

フッ、とキザっぽく笑う垣根。

「いや悪い、反射的に体が避けてた。つか、なんであんな派手に転がって怪我してねえんだよ、お前」

「ま、レベル5ってのはハリウッド並に迫力があるってことだ。ほら、敵とかでさ、いるだろ?能力以外も理由なしに強ええやつ。カァンケイねェェんだよォォォ!とか言ってな」

「いや、わからんが」

「そうか?ま、いいや。とっころで上条、随分と明るい顔になったじゃねえか」

「ん。悪いな、心配かけて」

「ハッ!んなこと全く気にする必要ねえな!」

「お前は優しいな。ホント、悪かった。自分を見失ってた。情けねえよな、心理掌握とかにさ、好き勝手言っておいてこんなザマじゃ」

「何言ってんだ」

垣根が真顔でそう言う。
え?と上条が驚くと、垣根が当たり前のように言った。

「お前はただの人間だろ?この世に理想で塗り固められるほど完璧な人間なんざいねえよ。どうしてお前が全て正しくし、全て背負って、全てにおいて泣き事を言っちゃいけねえんだよ?そうじゃなきゃ人に言葉を投げかける資格もないって言うやつがいたら、そんなクソ野郎の言うことを聞く必要はねえよ」

「そっか、そうだな…」

「おう。とりあえずここにいるってことは、クラスのやつと話せたんだろ?」

「ああ」

「そいつは何て言ってたよ?いや、恥ずかしくて言えねえか。でもきっと、ウチのクラスのやつならお前を認めてくれてたんだろ?」

「ああ、そうだったよ」
627 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/07/03(土) 22:50:02.65 ID:vTxV53co

――麦野沈利編――

「にゃー、そんなことがあったなんて知らなかったぜよ」

「全く、このロリコン野郎はてんで情けねえなっ。上条の大ピンチだったんだぞ!」

「まぁまぁ、秘蔵のロリ本今度貸してやるから機嫌直すんだぜい、垣根」

「いや俺はそんな特殊性癖ねえし……はっ、いや違うぞ上条!決して上条のことを馬鹿にしたわけではないからな!」

「って!なんで俺が公式(21)設定受けてんの!?違うからね!?上条さんは普通に年上のお姉さんが好きだからな!」

「にゃははーツンデレツンデレ(笑)、全く萌えないにゃー」

「どっこがツンデレだこの見た目ヤンキー!」

「いやいやカミやん、オレはこの格好に特別な意味を持ってるんだぜ」

「なんだよカミやんって」

「あだ名だぜい」

「あだ名、だと…?友達っぽくていいな」

一人、垣根が羨ましげに土御門を見る。

「で、なんだよ意味って」

垣根は放置して上条は話を続ける。

「フッ、聞いてくれカミやん!実はな、なんか不良っぽいほうが女の子にモテそうだと思ったからだにゃー!!」

「って、全然大したことねえじゃねえか!言っておくがな、そんなド金髪でアロハ上半身露出に声かけてくる女の子なんていないからね!?」

「にゃー!そんなことないんだぜい!今はムサい男しか声かけて来ないが、そのうち街を歩けばきっと声をかけられるんだぜい!」

「それ違う方向にモテてるから!お前の筋肉にソッチの人達が寄って来てるだけだから!」

「にゃにぃ!?オレにショタ属性はないぜよ?」

「もう駄目だこいつ」

上条は土御門の思考回路の酷さに落胆する。
ふと、帰り道で一人の後ろ姿を見かける。

「お、心理掌握じゃねえか。おーい!」

金色の綺麗な髪をなびかせ歩く心理掌握の少女に、上条は手を振って声をかけた。
628 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/03(土) 23:00:51.48 ID:vTxV53c0
風呂
629 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 23:04:05.16 ID:jAYFJgoo
背中流してやるよ
630 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/03(土) 23:05:06.51 ID:mZCw.gAO
此処のていとくんは可愛いから困るwww
631 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 00:30:51.48 ID:Hs54jE20
ていとくんいいヒトだなぁ。。。
あ、上ヤンと遊べなくなって
さみしくなっちゃったから
メンヘラが加速したのか
632 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 04:39:55.51 ID:9NaBc5s0
あんなにイケメンでこんなに強くてしかも良い奴って、非の打ち所がないな
強いて言うなら…どことなくアッー気がありそうなことぐらいか…
633 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 06:26:39.30 ID:iraNyQDO
風呂で溺れてたりしないよな……?
634 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 06:39:46.78 ID:pTp5Cuco
>風呂

は、確か今日は此処まで的な意味合いだったキガス
635 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 08:37:21.08 ID:iraNyQDO
なるほど
いらん心配だったな
636 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/04(日) 10:25:25.35 ID:/9EYgfwo
>>631
ていとくんがアレイスターとの直接交渉権に拘ったのは、きっと上条さんのクラスメイトに
してくれって交渉する為だったんだよ。
637 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/08(木) 14:17:17.50 ID:4zNQFEg0
>風呂

これで締めるってことは風呂で寝てるってことか?
つまり>>1は上条か
638 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/11(日) 21:37:29.63 ID:/yPjOzU0
まだかなー
639 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/07/12(月) 01:13:18.84 ID:B3WR9Iko
「あ、上条先輩」

心理掌握は探し物を見つけた子供のように、顔を輝かせた。

「よっ、今帰り?」

「はい。上条先輩もですか?」

「まぁそんなとこ」

「にゃー、この美少女誰ぜよ?」

土御門が首を傾げる。

「心理掌握だよ、俺と同じレベル5」

そう言ったのは垣根だった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


麦野沈利は一つの椅子に座っていた。
椅子は部屋の中央に位置し、部屋自体は洋風の造りで日の光を取り込んでいる。

「……」

彼女が手に持つのは一枚の紙。
そこにはこう記載されていた。

第一位、一方通行
第二位、未元物質
第三位、未知源発
第四位、原子崩し
第五位、心理掌握
第六位、最大原石

「第五位が死んで、繰り上げか…」

AIM保護は、厄介な能力だった。
麦野は正直、苦戦する相手だと思っていた。
だが、そのAIM保護が死んだ。

「あとは、計画の要である幻想殺しと心理掌握。こいつらを殺せば、アレイスターに…」

ギリッ、と奥歯を噛み締める。

「絶対にぶっ殺してやる…そうして、私は…ッ!」

手に持つ紙を、握りつぶした。
640 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/07/12(月) 01:24:20.94 ID:B3WR9Iko
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「そんなことが…?」

「ああ、まぁこの通り、もう安心していいがな」

心理掌握の私は、垣根帝督から上条先輩の話を聞いた。
そして、垣根がその仕返しに第三位と一戦交えたことを。
私たちは公園にいた。
上条先輩と土御門は、自動販売機に行っている。

「でも、よく私のところに来なかったわね」

「あん?なんでだよ?」

「だって、一番怪しいのは私じゃない。精神の総てを操れる能力なのよ?真っ先に疑うべきなんじゃないの?」

「はっ、バーカ」

垣根が心底馬鹿にしたような顔をする。
ムカつく。

「な、何よ」

「お前が上条をどうこうなんてする訳ないだろうが」

「…それって信用してくれてるってこと?」

「上条に関してはな」

「……」

「俺たちは、上条の仲間だ」

「……仲間?」

「そうだ。上条を中心にした一つのグループ、それが俺たちだ。俺、お前、フレンダ、とな」

「以外ね、上条先輩以外なんて人間として扱わないと思ってたのに」

「俺がそんな奴に見えてたのか?」

「そうとしか見えなかったわよ」

「ふ、そうか…得てして他人の心の中なんてわからないものなんだな」

「あ、ツンデレってやつだったの?」

「……そうかもな」
641 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 10:33:14.53 ID:xTPtj2g0


御坂はレベル4くらいなのかな
642 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 17:07:07.18 ID:h3KcyVo0
レベル1から5になったからなぁ
この話って3年前だっけ?レベル3くらいだと推察する
643 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 19:15:44.84 ID:NJj7qUSO
少なくとも御坂はしばらく出てこないだらう
644 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/12(月) 19:28:21.52 ID:xRzzavAo
十分、他のキャラが立っているからな。
物語の進行上必要だったらそのうち出るでしょう。
645 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/13(火) 01:50:13.07 ID:hkDmmb.0
乙!
続き来てて歓喜!
646 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/14(水) 19:16:29.57 ID:3ziWMfY0
どうでもいいが、いつになったらスレタイまでたどり着くんだ?
647 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/17(土) 21:23:58.69 ID:bW4baQY0
イライライライラ
ないわー
作者間の馴れ合いとかしないで、無言で投下してたのに爆撃とかないわー
温厚な俺でも頭にくるわー
あー苛つく
向こうのスレ完全に目ェ付けられたわ
648 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 21:38:54.20 ID:9gbwBGQo
>>647
無言で投下してても一方スレってだけで投下してくるからな
649 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/17(土) 21:47:53.78 ID:bW4baQY0
>>648
念のために一応、このスレ完全sage進行でみんな頼むな
今続き書かないほうがよさそうだな…
あーこっちでは過去、向こうでは未来の話を書きたかったのに…いや2つは繋がってないけどさ
650 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 21:55:55.74 ID:MEc0xgEo
他にも書いてたのか
知らなかったわ
651 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/17(土) 22:09:18.54 ID:bW4baQY0
>>650
うむ
向こうはしばらく書き込まないでくれると嬉しいかも

一方通行「死んだ世界戦線だァ?」ゆり「ようこそ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1278783619/
652 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 22:14:23.07 ID:.w81OIs0
名前とかで薄々気付いてはいたがやっぱりお前さんだったのか
爆撃はほんと腹立つよな。でも潰されなかったマシだ。俺は投下しようと思ったら潰されてたし
653 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/17(土) 22:44:08.06 ID:bW4baQY0
>>652
そりゃ酷いな
向こうじゃ一切コメントしないからこっちを総合と思っててくれ。質問なんかもこっちで受け付ける
654 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/17(土) 22:53:03.57 ID:Bpu33vIo
>>651
それも俺読んでるぜ
コテが似てるとおもったら同一人物でしたか

なんにせよ、がんばって
655 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 08:38:04.32 ID:mrkda6E0
グダグダ文句つける前に黙って投下しろ
656 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/18(日) 23:01:19.16 ID:72.ln6DO
>>1
あっちも一気に読んできた

期待してるんだぜ
657 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 01:45:13.80 ID:c0OEjiI0
クロス系のスレは読まないけど
こっちはちゃんと読んでるぞ
頑張れ
658 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/19(月) 21:26:29.91 ID:6m2qY8o0
頑張って続きを書いてください
659 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 21:47:51.30 ID:l2eZQEo0
>>658
ageないでお願いだから。
660 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 22:13:08.81 ID:8dGnDF.0
一発であんな上がるのかww
661 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/19(月) 23:22:36.40 ID:acvAMyco
そりゃ当たり前だ
662 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 18:15:45.48 ID:RSRi1Tg0
>>1です
長い間、スレを放置してしまい申し訳ありませんでした。
諸事情で時間に余裕がなくなってしまったため、続ける事が困難になってしまいました。
大変残念ですが、ここで打ち切りという形にさせて頂きます。
スレ見ていただいた方どうもありがとうございました。
663 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 18:18:42.55 ID:DH9yBp6o
ワロタ
664 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/20(火) 18:58:40.06 ID:da2Scak0
>>662
^^
665 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/20(火) 19:29:36.26 ID:d0At29Eo
>>664
マルチにわざわざ反応すんなww
666 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 01:42:29.64 ID:IcCNfoDO
こういう荒らし耐性ゼロな>>1は見ててイライラする
667 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 17:16:55.30 ID:sOEE3jM0
あっちも読んでるよ
>>1の話はちゃんと細部まで考えられてて良いな
こっちの続きも待ってる
668 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 17:53:34.03 ID:sN6o7gDO
今のSSの中で一番好きなんで待ってるんだけど>>1はもう飽きた?投下の数も少ないし頻度も……

飽きたんなら言ってくれもう期待しないから。続けるならせめていつ頃書くかだけでも教えてくれると助かる
669 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 18:12:30.74 ID:sLvt5awo
続きが思いつくまで別のやるって別のやってるよ

まぁ今まで色々なスレ見てきたけど、大体このパターンって両方共>>1が来なくなって終わり
670 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/24(土) 20:03:09.37 ID:8LhpKcAO
>>669
そげぶ
671 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 19:13:45.14 ID:kv0ut3s0
製作全体が過疎ってきたな
つかお客様思想のやつは消えろ、金でも払ってるつもりか
672 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/26(月) 20:09:37.04 ID:yVyY0Ooo
お客様思想のやつは消えろ(キリッ
見てるやつがいるんだから書くのやめたら文句言われるのは当たり前だろ
673 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/07/26(月) 23:56:33.00 ID:SyvESqM0
ただいまっ

グダグダ言うより投稿したほうがいいんだろうが説明しとく
明日から心理掌握続き書きます
八月中に完結を目指す(キリッwwwww予定
最後までのプロットはできてる
原作一巻以降は、暗部側で書く話があるところだけ書いてドンドン進め、原作20の戦争終了まで一気に飛んでラストエピソードを書く予定
まあ予定だから八月中に終わるかはわからないwwww

一方×AngelはiPodで暇なときピコピコ書くから、長々と続く。これは元々コメディというかゆりっぺルートで書きたかったので、だらだらと続く。一応、何々編とかで区切るけど

質問あったら答えます
続きは書くから、こういうの書くのは許してくり
674 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 04:21:50.21 ID:WaaStuE0
おkまってるぜ
675 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 10:55:36.15 ID:sjNMdbA0
がんばれ
676 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 19:38:10.81 ID:P3w.iS6o
垣根サイド――

心理掌握は言った。

「上条先輩に纏わりつく何かが……日に日に肥大化している気がする」

それは、垣根帝督には見えない物だった。

「どういうもん何だ?」

「不幸を表すような、どんよりした感じで…」

「右手が発生源か?」

「おそらく、ね」

取り除くことはできないのだろう。
上条は言っていた。
この右手の力は、生まれつき持っていたものだと。
ならば仕方ないのか。
だが、

――上条を苦しめている元凶が、より濃くなっていくのは何故だ?

垣根にはそれがわからなかった。
どうしてこのタイミングなのか。
そして、何が起ころうとしているのか。
時は流れて行く。
垣根、心理掌握、フレンダ、上条、そして土御門。
彼らの日常は平穏に過ぎ、
夏休みがやってきた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上条サイド――

始まりは、唐突だった。

「なっ!?」

一つの建物が、燃えていた。
全焼確実であろう。
二階建ての洋館らしき建物だ。
火は建物を包むように唸る。

「何が起こってんだ…?」

上条はその様子を群衆の中から見ていた。
偶然通りかかったストリート。
消防は未だ到着しない。
677 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 19:48:50.36 ID:P3w.iS6o
「きゃあっ」

少女の悲鳴が聞こえた。

――中にまだ人がいるのか!?

消防は未だ到着しない。
それどころか警備員も未だ。

――なんでだよ!?これだけ火が回ってんだぞ?なのに何故到着しない。

上条は珍しく一人だった。
垣根は用事があるらしく、ここにはいない。
帰り道だったので、護衛のほうは大丈夫だろうと。

「フレンダー!いるか!?」

上条は声を張り上げた。
騒ぎを聞きつけた人々の中で、その声はあまり響かない。

「っ、お、おいあんた!」

「な、なんだよ」

「消防と警備員呼んでくれ」

上条は近くにいた男子中学生に言った。

「はっ、何言ってるんだか。もうとっくに連絡したさ!」

――連絡した?確かにこれだけの人がいれば、誰かしら通報するはず。

だが、風紀委員すらいない。

「なん、で。誰も来ないんだよ…」

「知るかよっ」

風で炎が揺れた。

「くっそがっ」

上条は居てもたってもいられず、炎の洋館に向かって走り出した。

「お、おいあんた!」

誰かが止めようとした。
だが上条は止まらない。
建物はもはや火の海だった。
上条はそこに身一つで突っ込んだ。
678 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 19:57:54.95 ID:P3w.iS6o
フレンダは上条の監視役だ。
そのフレンダすらいなかった。

――何故だ?

垣根は用事でいない。
フレンダは何故かいない。
警備員は、消防は、救急車は、風紀委員は、そのどれもは、何故来ない?

「くっそが!」

炎に躊躇している暇はない。
こんな火の海に、取り残された子がいるのだ。

「っつぁあ!」

焼け焦げた入り口。
扉を蹴り飛ばして建物に侵入する。
熱気が上条の肌を焼いた。

「ぐ、ぁああ」

息も吐かせぬほどの、灼熱地獄。

――こんな中に人がいるのか!?

その様子を想像し、背筋が凍った。
喉が干上がるなんてレベルではない。
炎に触れていなくても、火傷になりそうだ。
煙は立ち込むし、それを吸ったら一大事だ。
だが、姿勢を低くしても床からも火が立っている。

「く、あぁあ――」

パキン!

「えっ――」

暴れる炎が、上条の右手をかすった。
それで、

炎が消し飛んだ。

「これは…能力者ってことか?」

試しに他も触れてみる。
どの炎も呆気なく、消し飛ぶ。
つまりは、

――人為的な火事ってことかよ!
679 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 20:10:06.61 ID:P3w.iS6o
それはもしかしたら、一つのダンジョンにも思えたかもしれない。
進んでは炎を消し、洋館を進んだ。

「ゴホッ…!おほっ、が、はぁ…・はぁ…」

煙を思わず吸ってしまい、何度もむせた。
上条は煙を自分から吸おうとする喫煙者が理解できないと思った。

「ゴホッ…おっほ…はぁ…階段か…」

一階の部屋という部屋は探したが、誰もいなかった。
煙で失神していたり、声が出せなかったら困るので全ての部屋を隈なく探したのだが、誰ひとりいなかった。

――そういやあの悲鳴は二階から聞こえたな。

メラメラと燃え盛る階段。
上条は一つ一つ、火を消しながら進む。
焼け焦げた木製の階段は、場所によっては一段消し炭になっていたりする。

「おわぁっ!」

不幸な上条はそのせいで、三度ほど躓いてしまった。
二階に上がると、そこはもう部屋が視えなかった。

「くぁっ…!」

視界一面に映えるのは、灼熱の炎。

「邪魔だ!」

パキン、と音を立てて炎が消し飛ぶ。
そこにいたのは、


「はっあーい幻想殺し、元気ー?」


一つの椅子に悠々と座る、麦野沈利。


「ふん、やはり来たか」


この前の襲撃の時の、レベル4相当のパイロキネシスト。

そして、

「うぁ、あぁぁあ…」

柱に縛りつけられた、一人の少女――吹寄制理だった。
680 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 20:41:52.32 ID:P3w.iS6o
吹寄制理と上条は、特別仲が良いわけではなかった。
風紀を順守しようとする吹寄と、風紀など気にかけない上条。
あまり他人と関わらないようにしていた上条も、吹寄制理のことは知っていた。

『また貴様か』

ちょっとした事故で上条が学校のガラスを割った時、吹寄はため息を吐いた。

『へーへー、すみませんねえ。危ないからとっとと行けよ』

上条はガラス片を片づけながら言った。

『ふん、貴様に命令される覚えなどないわよ』

そう言って吹寄は自分のクラスに入って行った。
やれやれ、と上条が肩を下ろすと、

『上条当麻』

戻って来た吹寄が相変わらずの不機嫌そうな顔で声をかけてきた。

『ほら、それじゃ手が危ない。これ使いなさいよ』

教室から取って来たのは、チリトリと小さなほうき。
吹寄はその場にしゃがみ込むと、ガラス片を集め出した。

『わ、悪い』

『全くだ。こんな状態にしていたら、誰か怪我してしまうかもしれないじゃない』

『そうだな…』

『……ねぇ』

『んだよ』

『なんでガラス割ったの…?』

『はぁ…なんですか、吹寄センセーは俺がわざと割ったとでも?』

『あ、あたしは…別に…』

吹寄があの日、何を言いたかったのかなんて上条にはわからなかった。
だが、それでも吹寄と仲が良いとは思えなかった。
それどころか、自分は嫌われていると上条は確信していた。
でもそれも、関係なかった。

「おい、てめぇら!吹寄に何してやがるんだ!」

一人の少女を、助けようとすることに――何の関係もなかった。
681 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/27(火) 20:50:06.75 ID:P3w.iS6o
飯食ってくる
後に再開
682 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 20:51:02.39 ID:P3w.iS6o
やべ!上げちゃった…
683 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 20:54:37.46 ID:D8BjmMAO
ていとくんまだー?
684 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 21:03:44.99 ID:0FT1oJg0
久々に来たら速さがすげぇ事になってますな。
激しく期待してまする。
685 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 22:48:48.06 ID:CqOy6oSO
期待
686 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 23:06:56.95 ID:P3w.iS6o
「別に、大した理由じゃないわよ」

麦野が脚を組みなおして笑った。
にっこりと、笑った。


「あんたを殺したいだけ、よ。幻想殺し」


その言葉だけでわかった。

「そんなことの為に、吹寄を人質に取ったのか…?」

「うーん?ちょっと目障りな連中だったてのもあるんだけど」

「目障り?」

「はっ、これから死ぬあんたに教える必要なんかねえわよ」

上条は柱に縛られている吹寄を見遣る。
所々服は焼け焦げていて、健康的な肌には傷が走り、血が滴っている。

「…なによその眼は。随分と気に入らなそうね」

「当たり前だろ」

麦野を上条は睨んだ。

「なんでコイツなんだよ!関係ねえだろ!?」

「はっ、別に誰だっていいのよ。あんたさえ来れば」

「だったら俺を直接呼び出せよ、直接俺に向かって来いよ」

「はぁ?それができたらしてるっつーの」

「……垣根か」

「正ー解っ」

「あいつには勝てないからか、あいつが…俺の護衛をやっているから、だから」

「おっと」

麦野の目が細くなる。

ガンッ、とヒールで床を叩いた。


「あんま調子こいたこと言わないでよ?てめぇはこれから私に黙って殺されてりゃいいんだから」
687 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/27(火) 23:08:28.23 ID:s5705a60
きてるぅ!
688 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 23:24:00.82 ID:P3w.iS6o
「くっ……」

縛られている吹寄が呻いた。
思わず膝を動かす上条。

「おっと、動くんじゃないわよ?こいつが人質でもあるってこと、まさか分からない訳じゃないわよね?」

「っ、くっそが!」

「さってと、これからあんた殺すから。あ、もしもその右手で防御したら――こいつ殺すからね」

「ざけんな!」

「黙って殺されてくれればいいのよ」

「…お前らが約束を守るとは思えない」

「約束?…あっははっ!約束じゃないわよ。これは命令。わかるかしら?あんたが私の攻撃を受けなければこの女を痛めつける。それが嫌なら、死ね。けどあんたが死んでもこいつを逃がすわけでもない。どの道あんたに選択肢はないの」

「……」

グッ、と上条は右拳を握り締める。

「あっはは!イイ眼してるわね。ざまぁないわ!悔しいでしょう?悔しいだろぉ?でも死んじまうんだからよっ!」

「……お前、無抵抗の人間を殺して恥ずかしくねえのか?」

「ハズカシイ?はぁ?なぁーに言ってんのよバァーカ!あんたには何が何でも死んでもらわなきゃ困るのよ!今さら正々堂々としろってか!?」

「……はっ、それでレベル5ねえ」

「あん?」

「俺なんかただのレベル0だぜ?精々この右手で防御することしかできない…だが、てめえはレベル5じゃねえか!そんな力を持っておきながら、てめえに超能力者としてのプライドはないのかよ!」

「…ナメたこと言うんじゃねえわよ」

「ナメられるような行動取ってるお前が何言ってんだ」


「ああ!?てめぇ調子こいてんじゃねえぞ!!まるで私があんた相手にビビってるみたいじゃねえか!!レベル0如きが図に乗んじゃねええぞォ!!」


「だったら、一対一で、かかって来いよ」

上条は人差し指を揺らして挑発する。
大きく息を吸い込み、宣言する。


「人質取ってなぶることしかできねえ三下が!人質取らなきゃレベル0一人殺せねえってのか!?ザコ野郎が!!」
689 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 23:38:55.88 ID:P3w.iS6o
「……」

それは、麦野を挑発するにはもってこいのセリフだった。

「……イマ、ナンテ言ッタ?」

「人質取らなきゃレベル0一人殺せねえのかって言ったんだよ!!」

「……」

「てめえの実力が足らねえ、ザコが!三下ってな!!」

「……」

「……」

「…オーケィ、わかったわかった。…あー、ゴメン私キレちゃったわ。もうプツンてね。……悪いわね、あんたその女には手ぇ出さないでね」

「わかった」

麦野の後ろに控える男が、了解した。
男は吹寄から離れるように部屋の端に移動する。

「……」

「……やッすい挑発だってわかってんだけどさぁー、んじゃあんた」

ガンッ!と椅子から飛び降りる麦野。

ニィタァア、と化物のように口を裂けて嗤い、


「ブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い・ね」


ゾクッ!!

上条は今度こそ、心臓が止まるかと思った。
それほどまでの、恐怖。

「ッッ!…あぁいいぜ、かかって来いよ」

精一杯の挑発をかける。
喉が涸れる。それほどまでのプレッシャーが上条を襲う。

「レベル5の原子崩しをナメてんじゃねぇぇぞォォ!!家畜がァアア!!」

「……ッ!」

原子崩しが、動いた。
690 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 23:56:13.69 ID:P3w.iS6o
麦野サイド――

少女は何でも手に入った。
幼少から、お嬢様として育てられた彼女に、手に入らない物などなかった。
ぬいぐるみでも、可愛いお洋服でも、なんでも。
彼女は恵まれていた。
それは財力だけではない。
才能。
勉学、スポーツ、その他なんでも、彼女は他人より優れていた。

「お前は天才だな」

父はいつでもそう言って笑った。
笑って、彼女の頭を撫でた。
でも彼女は知っていた。
ピアノで少しでも失敗した時、赤くなるほど手を叩かれたことを。
あの優しい顔を、鬼のように変えて自分を叱る事を。
だから彼女はいつだって全力を尽くした。
いつだって、全ての一番に君臨した。

「沈利ちゃんと仲良くしたいなって」

一人、また一人と彼女の周りに集まった。
彼女はそいつらを、群がるハエだと心の底で笑った。
名家の一人娘に近づこうとしている、意地汚い奴らだと。

「お前は他の人間を見下すべきなんだよ――」

父はそう言って笑い掛けてきた。

「――私がそうするようにな?」

化物のような、邪悪な笑顔で父は彼女に嗤い掛けた。
それが、彼女の道標で。
彼女の全てで。
だから、その少女と出会っても、彼女は心を許したりなどしなかった。

「おっはよう麦野!」

学園都市に入った後の話だ。
馴れ馴れしくひっついて来た少女がいた。

名前は、フレンダ。

「うっざいわね。くっ付かないでよ暑苦しい」

「えー、麦野ったら冷たいなぁー」

フレンダと出会ったのは、一つのファンシーショップ。
彼女――麦野沈利と、少女――フレンダは、それ以来よく一緒にいるようになった。
691 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/27(火) 23:59:50.86 ID:P3w.iS6o
風呂
692 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/28(水) 00:04:54.68 ID:PdOE/Dwo

熱い展開を期待
693 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/07/28(水) 23:23:56.00 ID:KOzrtwSO
のんびり待つ
694 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 00:14:14.95 ID:TJXyx9.0
まだかな?
まぁゆっくりでも構いませんが

695 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sase]:2010/07/30(金) 01:41:53.85 ID:nFNfocco
「麦野ってさ、ぬいぐるみ抱いてる時可愛いよね」

「なっ」

ふとフレンダがそんなことを言った。

「なぁに生意気言ってんのよ」

「あ、お世辞とかじゃない訳よ?」

「ふん、どうだか」

出会いがファンシーショップだったため、二人は今日も一緒にファンシーショップにいた。
初めて会った後、他の店でも何度かばったり遭遇し、今では一緒に出かけるようになっていた。

――ま、学校の連中と違って媚び売って来ないから楽でいいけどね。

んっ、と麦野は伸びをする。
ぺた、とフレンダが麦野の胸をタッチした。

「……なに堂々と痴漢してんのよ」

「いや、隙ありだったから」

ゴンッ、と麦野の拳がフレンダの頭を叩いた。

「いたぁっ!…うぅ…縮む…」

「縮め縮め、蟻みたいに這いつくばれバァーカ」

「縮む……麦野の胸みたいにぺったんこに…」

ゴンッ、ゴンッ。

「がきゃっ!」

「なぁーにか言ったかしらー?」

「い、いえ!何でもないです!」

「私はこれから伸びるんだっつの!まだまだ成長期なんだからね!?」

「……結局、思いっきり聞こえてた訳ね…」

「……ったく」

麦野はぺたぺたと自分の胸に触れてみる。

――うーむ、ちょっと不満。でもま、高校生くらいには大きくなってるでしょ。
696 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/07/30(金) 02:01:11.60 ID:nFNfocco
学校では退屈に過ごし、休日にはフレンダと二人でショッピング。
口では何だかんだと言いつつも、麦野はそれを楽しんでいた。
こんな日々も悪くないと、少しだけ思っていた。

けれどそれは、突然起こった。

「父が……死んだ?」

その知らせを聞いたのは、学校の寮だった。
時刻は夜で、突然の来訪者を寮監が通したことに驚いた。

「嘘でしょ…」

信じられなかった。
あの父親が死ぬなんて。
いつだって不敵に笑っていて、
いつだって命令してきて、

「残念ながら…」

麦野は茫然とした。
頭の中が真っ白になった。
自分が何のために生まれて来たのか、
これからどう生きて行くべきなのか、
何一つ分からなくなった。

そこで彼女は、麦野は、気付いた。

――あぁ、そっか。

――父は私にとって全てだったんだ。

自分に命令してきた父。
何をするにも、全て父が決めていた。
だから、麦野にとって全ての道標は父によって敷かれるもので、
それが当たり前だった。
その父親が、死んだのだ。
それも、

「昨夜、お父上は学園都市のあるホテルに泊まっていたんですが――」

病気や自殺ではなくて、

「窓の外から狙撃されまして…先ほどまで、病院で治療を受けていたのですが、残念ながら…」

それを聞き、麦野の眼に力が戻った。
強い意志が生まれた。
為すべきことが決まったのだ。
だがそれは、
自ら深い闇に向かう、始まりでしかなかった。
697 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sase]:2010/07/30(金) 02:24:25.90 ID:nFNfocco
「はぁ……はぁ…」

肩で息をする麦野の周りには、多くの死体が転がっていた。

「はぁ…はぁ……ふ」

あるビルの最上階。
父の死を聞いた麦野は、すぐに暗部の存在を調べ上げた。
大したことはなかった。
レベル5の彼女は、大胆にも統括理事会の一人を襲ったのだ。
半殺しにして、父の死についての情報を聞いた。
すると、暗部の存在を説明された。

『ぅっ…はぁ……あの人は……暗部を操る人間だった。…統括理事会にも干渉できる立場だからな…』

統括理事会のその男は麦野の父をそう、語った。

『だが、あの人と対立する者がいた……くっ……そいつが、暗部を雇った…』

名を聞き出した。
雇われた暗部の潜伏場所を聞き出した。
その後、統括理事会のその男は殺した。

そして、現在。

「はぁ……ふ、ふふふふふふふふふふふ」

麦野は雇われた暗部の潜伏場所を探り、
そのビルにて彼らを虐殺した。

「あっははははははははははははははは!」

手に付着した血を払い、麦野は狂ったように笑った。

「さぁーて次はてめぇだぞ!あはははははははは!」

暗部を操っていた男の正体は聞いた。
あとは、そこに向かうだけだ。

ドタバタと足音がした。

「あん?」

麦野は最上階の部屋の、入り口の扉を向いた。
暗部の応援だろう。
だが、誰が来ようと、殺すだけだ。
そう思ってニタニタ笑っていた麦野。
やって来たのは、一人の少女。

フレンダだった。
698 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 02:27:16.83 ID:nFNfocco
こんな時間に起きてリアルタイムで見てる悪い子はいないと思うが、一応今日はここまでと言っておく
短いけどすぐに続き書くから


なんか、製作も過疎ってきたな。夏休みで盛り上がるかと思ったがサビシス
699 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 02:29:09.36 ID:2fC9/t2o
見てるよ
夏休みとか都市伝説だろ?
700 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 02:30:07.74 ID:nFNfocco
そういや荒らしさんいなくなったようだな
あと過疎ってきたし
もうsageなくてもよろし?投下中は上げるのが好きなんじゃが
701 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 05:55:44.31 ID:WY0Ip.Io
麦のんって対上条だと実は科学サイドで最強じゃね?とか思ってたりする
能力無しのガチンコステゴロだと第一位じゃねww
702 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/30(金) 06:30:32.43 ID:7V7NGISO
その気になれば美琴だって簡単に上条さん殺れるけどね

>>700
熱膨ty…油断大敵って知ってるか?
まあこのスレが標的になるとは思わんからいいかな
703 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/07/31(土) 12:31:39.68 ID:6zcLEQc0
ageんのはやめといたほうかいいとおもうけどなあ
いつまた再発するかわからんし
704 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/08/03(火) 20:04:33.20 ID:HJXwDeA0
訂正
>>695
>「私はこれから伸びるんだっつの!まだまだ成長期なんだからね!?」

>>695
「私はこれからだっつの!まだまだ成長期なんだからね!?」


それはそうと、向こうのスレ。書きたいシーン書き終えて満足ホクホクwww
沙耶と一方通行の幻想シーン書けてもう…成仏してもいいwww
705 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 20:13:29.86 ID:ppTXBJI0
>>702
いや簡単にとか絶対無理だろ
上条さんは20巻であんだけの強さを見せてるんだぞ?

ここのフレンダ可愛すぎて15巻が辛い
706 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/03(火) 20:15:26.30 ID:evLx4EIo
>>704
完結させてから成仏してくれwwww
707 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/08/03(火) 20:37:29.55 ID:HJXwDeA0
心理掌握は明日から再開でよろしくです
小出しするより一気に書いたほうがいいべ

>>705
15巻に繋がるように書いてるから安心してね☆
そのおかげで、超パンツちゃんはこのスレで出せないんだがなwww垣根ェ…
708 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/04(水) 21:26:54.55 ID:x9OnAPYo
――あ、そのテディベア可愛い。

初めての出逢いは、ファンシーショップで。

――おっはよう麦野!

何度か声をかけられて。

――麦野ってさ、ぬいぐるみ抱いてる時可愛いよね。

いつの間にか、一緒に週末を過ごしてて。

麦野は、いつからか。

本当に、いつの間にか。

――楽しい……。

なんて、

思ってしまっていて、

フレンダに気付かれないように、

ふふ、と嬉しさを堪え切れずに笑っていたのに。

それなのに――


「なんで…………」


麦野の口から漏れたのは、疑問だった。
709 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 21:30:33.12 ID:x9OnAPYo

罵倒でも、

怒りでも、

何でもなく、


「なん……で……アンタが、ここに来るのよ……?」


麦野の表情からは、

驚きと、

悲しみが、


「どうしてよ……?」


一筋の涙と共に浮かんでいた。


「……やっぱり、麦野だったんだ」


フレンダが、ぽつりと零した。


「私は、麦野がレベル5だとかどうでもよかったのに……」


ただ、一人の友達だと思ってたのに。

友達で、それで良かったのに。

そう、フレンダが呟いた。


「どういう事、よ……フレンダ……アンタ、アンタは私の敵なの……?」


麦野は、震えていた。

震える声で、尋ねた。

決して良い答えなど返って来ないのに。

訊かずにはいられなかった。
710 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 22:03:52.52 ID:x9OnAPYo
「どうなんだろう」

フレンダは続ける。

「今日ここに来たのは、暗部組織から依頼を受けたからなんだけど…」

続ける。

「結局、私は麦野と敵対したい訳じゃないし…」


「え……暗部…?」


麦野は初め、フレンダが何を言っているのか分からなかった。

いや、分かりたくなかった。

――あぁ、そういうことか。

でも、分かってしまった。

「いつから、暗部にいたの?」

この少女は、フレンダは闇の世界にいたのだ。

元から、


「物心付いた頃から」


そう、

一人の研究者が、

自分の娘を、

生まれたばかりの娘を、

暗部に売り渡した。

「麦野はさー、知らないかも知れないけど」

フレンダは、気軽に話す。

「結局、それだけの話って訳よ」

フレンダという少女は、暗部しか、世界を知らない――それだけの話だった。
711 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 22:14:49.43 ID:x9OnAPYo
たぶん、イギリス人だった。

物心付いた頃。

フレンダが「パパとママはどこ?」と訊いた時、

奴らはそう言った。

たぶん、確か、そういえば、

お前を捨てたのは――イギリス人の研究者だった。

だから、フレンダにとって親はいなかった。

フレンダの世界は、暗部しかなかった。

能力開発では、珍しいテレポート系を得るために通常とは異なるカリキュラムを組まれた。

幻想殺しの監視役として、幼馴染となり。

そして、暗部では血生臭い世界を生きた。


「こんなとこかなー」


話し終えたフレンダ。

どこかさっぱりしたようで。

どこか悲しそうな顔をしている。

麦野はしばらく言葉を失った。

自身の手に付着した血も振り払わず。


「麦野は、なんでここに来ちゃったの?その様子だと暗部にいたようには見えない訳なんだけど」


麦野は、


「私は…ただ復讐がしたくて」


その言葉を、フレンダは否定する。


「こんな世界に来ても、痛みが増えるだけなんだけどなぁ」
712 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 22:24:14.13 ID:x9OnAPYo
「それでも!だからって黙ってられるわけないでしょ!」

麦野が声を荒げる。

「うん。そうだね」

フレンダは肯定する。

「でも――来たら後悔するのよ」

暗部で生きて来たフレンダは知っている。

自ら入って来て、泥沼から出られなくなって、それでも今ももがいている人達を。


「あっれー?まだ侵入者片付けてないの?」


いきなり、場違いな陽気な声が響いた。

「!?」

フレンダの後ろから、ツカツカと一人の少女が歩いてくる。

コスプレのような制服姿の少女が。


「侵入者確認。やっぱり原子崩しだったかぁ」


ニヤリと少女は笑う。


「――ようこそ、裏側の世界へ」


麦野は黙っていた。

黙って、その能力を放った。

白い光線が少女に向かう。

「無駄無駄」

少女の周りの空気が凝縮し、一つの大きな手≠作りだす。

白い光線がそれにぶつかる。

シュッ、という音とともに光線が消し飛んだ。
713 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 22:33:28.06 ID:x9OnAPYo
「私の、原子崩しを消した…?」

「その能力では、絶対に勝てない――」

少女のセリフを遮り、麦野は白い光線を幾つも飛ばす。

手が指を開き、光線を掴み取るようにして消し飛ばす。

「だから無駄だってぇ」

「ふざけんな!」

叫ぶ麦野を、少女は笑った。


「井の中の蛙ってね。なんちゃって、あはは」


ブチブチと、麦野の中の怒りがこみ上げて来た。

父が死んだ。

だから、復讐をした。

でも、結局その命令を出した奴は突きとめられず。


「テメェなんかに邪魔されたくねええんだよぉぉー!!」


怒りをぶつけるように、

光線を放ち続ける。

その視界の端で、フレンダが背中を見せた。

「え……」

はっとした麦野を、コスプレの少女がニヤリと意地悪く見遣る。

「フレンダ……?」

フレンダが、去っていく。

「ちょっと待って……!」

思わず駆け寄ろうとする麦野を、コスプレの少女が邪魔する。


「行かせないよー?あなたはこっちに落ちて来てもらうんだから」
714 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 22:41:25.52 ID:x9OnAPYo
「ざっけんな!どけ!」

「えー、無理だって。これだけの事を起こしたんだもん。落ちて来てくれなきゃ済まないよ?」

「黙れ!邪魔すんなぶち殺すわよ!」

原子崩しを放つ。

でもそれも防がれてしまう。

「んーちょっと動き止めとくかな」

コスプレの少女の影が、動いた。

ガクン、と麦野の体が崩れた。

「は……?」

そのまま、地に伏せてしまう。

「筋肉に電気を走らせただけだよ。ちょっと身動きを抑えさせ」


「うっさい!!――フレンダ!待って!」


フレンダが、その場を離れて行く。

そして、開け放たれたドアを出て行き、

エレベーターを開いた。


「麦野」


そこで、フレンダは振り返った。


「残念だけど、もう会えないや。――じゃあね」


悲しそうな顔で、そう言って、


「あ、あぁああ…あぁぁあああああああああー!!」


麦野の前から――姿を消した。
715 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 22:55:54.16 ID:x9OnAPYo
「あの子は賢い選択をしたんだよ」

コスプレの少女が、そう言った。

「今の私は、あなたを殺せるの。簡単に。呆気なく」

そう、説明した。

「交換条件みたいなものかな。フレンダは私たちに逆らえない。そして、フレンダは麦野を死なせたくない」

ニヤリと人の悪い笑みを浮かべる。

「――だから、あなたはこっちに落ちてくるしか選択肢がない」

麦野は、落ちて行く。

「ほら、こっちの水は美味いぞーってあるよね」

悪魔の囁きとともに。


「いつか、お父さんの敵も取れて――フレンダとも会えるかも知れないよー?」


そんな希望を、麦野は与えられ――堕ちて行った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
麦野サイド――

――だから……。

――だから……!


「お前さえ……!幻想殺し…!テメェさえ死ねば全て解決するんだよぉーー!!」


上条当麻を前にして、麦野が動いた。

「ッッ!?」

右腕を振るう麦野に、上条が右手で防御の構えを取る。


「見え見えなんだってーの!」


それはフェイント。

原子崩しを放つと見せかけて麦野は、その拳を上条のこめかみに叩きつけた。
716 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/04(水) 23:11:34.42 ID:x9OnAPYo
「がっ…!」

上条はそのまま後方に転がる。
転がって、壁にぶち当たる。

ビッ、と光った。

「ッッ!」

上条は目の端で捉えた光に、即座に反応した。
右手をかざす。
白色の光線が鈍い音を立てて消し飛ぶ。

「テメェさえ……!いなければ……!」

その様子を見て、麦野は声を荒げる。
麦野は、一気に上条との距離を縮める。
上条が弾かれるように床を転がって逃げる。

「おっせえんだよォォ!」

ヒールを履いている麦野の脚が、上条の腹を蹴り上げる。

「ごぁっ…!がぁあっ!」

上条はひっくり返り、呻く。

「はぁ……!テメェさえ…!テメェさえ殺せば……!」

麦野は怒りを落ちつけるように、肩で息をする。
けど収まらない。
高ぶった気持ちは全く静まってはくれない。

「くっそが…!」

上条が立ちあがり、拳を握る。
右拳を振りかぶって、麦野に向かう。

「うおおおぉっ!」

麦野は対し、やはり右拳を構えた。
そして、上条の顔面を狙う。

「うぁあああっ!」

二人の拳が、交差し、すり抜けた。

「ごぱぁッッ!」

麦野のクロスカウンターが、上条の顔面を殴り飛ばした。
717 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:16:06.46 ID:x9OnAPYo
誰もいないし風呂入ろっと
718 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:17:04.38 ID:XwHLG72o
読んでました、お疲れ様dす
719 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:19:07.55 ID:t0zPFHY0
ここにもいたぜ!
乙 相変わらず面白いよ
720 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:22:23.88 ID:2Qi9ODEo
ここにいるぞー!
721 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:34:43.62 ID:rtwFR9go
投下乙〜
722 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/04(水) 23:44:41.22 ID:x9OnAPY0
なんか皆黙ってたのか?
投下中に喋ってくれていいんだぜ
むしろ投下中に素の感想貰えたほうがモチベーションが上がるといいますか…
いやすまん
723 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 00:31:16.38 ID:qOuiOFso
投下中は静かにした方がいいのかとなんとなく思っている

乙なんだよ!
724 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 09:28:29.07 ID:ULqv6HE0
映画を見てるときに感想をいうやつはいないだろ⁇
つまりそういうことだ
725 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/05(木) 12:57:09.40 ID:J4tfLZwo
固唾をのんだり、笑っちゃうことはあるけどな
乙です
726 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/06(金) 20:03:35.24 ID:kX3jpL.o
上条サイド――

「がっ…!」

上条はそのまま床に転がり、階段の手前で止まった。

「ッッ!?」

眼前に、麦野の脚が迫っていた。
堅いヒールの爪先が、上条の右頬を蹴り飛ばした。

「がぁっ…!」

口内が切れた。歯にぐらぐらする嫌な感覚を覚えるとともに、血の味が広がる。
頬に裂傷が走った。あとわずかでも上なら、瞼を削られていたかもしれない。
そして、怯む上条の腹を麦野が蹴り上げる。
それは、物を持ち上げるように。
缶蹴りのように。
上条の体が、浮いた。

「ごふぉッッ……!」

同時、呻いた上条の口から鮮血が唾液と共に吐き出された。
上条はそのまま抵抗できず、階段に落とされる。

「がっ!……ぐぁっ!」

まず、背中を打った。
鉄板で叩かれたような痛みが、背中から四肢に伝わる。
腕や足を打たなかったのは、腹を蹴られて猫背になっていたからか。
痛みが走り、頭がグラついた。
さらに浮遊感で吐き気がした。
バウンドしたのだ。
小さなバウンド。
それは体を回転させる程度。
上条は目を見開いた。
そのまま、雪玉のように勢い良く転がっていく。

「がぁああアアっ!」

転がれば転がる程、勢いは増す。
腕や脚、体全体を余すところなくぶつけていく。
回転する視界に吐き気が収まらない。
首も捻りそうで、必死に後頭部を打たないように意識を集中させた。
ふわっと浮いた。

「がはァああッッ!」

そして、一階に落ちた。
最後の段から落ちただけなのに、ぶつけた肩に酷い痛みが走り、上条は奥歯を噛み締める。
727 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/06(金) 20:19:59.75 ID:kX3jpL.o
「つッッ…!ぐっ…!」

ふらつく脚に力を込め、立ち上がる。
口の中の血が気持ち悪くて、唾飛ばしのように吐き出す。

「うっ、く……はぁ……」

それでも、上条の闘志は消えない。
ギラリとその眼が輝く。

「あっはは!バァーカが落っこちてやがる!」

閃光が迸った。
眩しさに思わず瞼が下がる上条。
必死に右手を眼前に突き出す。
だが、やって来たのは攻撃ではなかった。
木材が砕ける音がした。
後から、焼ける臭いと煙が立つ。

「なぁーにかなーん?攻撃だと思ったの?アハハッ!」

やって来たのは、攻撃ではなく麦野自身。
目を開いた上条の前に、麦野沈利が姿を現した。
彼女は、脚の下から原子崩しを放出しながら二階から飛び降りたのだ。
砕けた、消し飛んだ、のは木製の階段のほう。
だが完璧な着地とは行かなかったのか、麦野は脚を動かそうとして少しだけ眉を寄せた。

「チッ、やっぱ着地が上手くいかないか」

わずかな不満を露わにする。
そこからは余裕が見て取れた。

「うぉおおおおっ!」

上条は動いた。
狙うは麦野の顎。
顎は、一つの急所である。
上手く当てれば相手を一撃で沈黙させられる。

「あひゃっ!イイわねェ!」

体勢を低くする上条に対し、麦野は右脚でキュッ、と音を鳴らした。
半回転。
そこから繰り出すのは、左脚による回し蹴り。

「くたばれやァアアア!」

麦野の蹴りが、上条の腰骨に炸裂した。
同時、
上条の拳が麦野の顎を弾き上げた。
728 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/06(金) 20:37:31.47 ID:kX3jpL.o
「ごッ……!」

上条の腰骨から、電気が流れたかのような感覚がした。
そのまま、上条の体は廊下の壁にぶち当たる。

「がはァ…っ!」

背中をぶつけ、肺が圧迫された。
酸素を欲し、せき込む。

「ごほっ…はっ……」

対し、麦野は。

「…………」

沈んでいた。
舌を噛むことなく、顎に上条の全力を喰らったのだ。
上条は安堵からその場に崩れ落ちる。

「はぁ……助かった……」

その時、動けたのは類稀なる反射神経のおかげか。
それとも、殺されかけた緊張感がまだ敏感になっていて体が反応したのか。

上条の目先に迫った光線を、右手が真横から伸びて打ち消せたのは――奇跡に近かった。

「は……アハハハハハハハハハハハハハッッッ!ヒャハハハハハハハハッッ!」

沈黙していたはずの、麦野が起き上がっていた。

「ざッけんじゃねェェエエエぞォォォオオオオオオ!調子に乗ってんじゃねエエよォォクソガキがァァアアアア!」

血走った眼の、怪物が吠えた。
五つの光線が、麦野の前から放出される。

「うあぁぁぁあああああああああ!」

上条は右手を構えなかった。
間に合わないし、防ぎきれない。
上条は階段に転がっているのだ。
上条の体で、動かしたのは両脚だった。
プールで折り返し地点を蹴るように、両脚で思い切り階段を蹴り飛ばした。
自身の体を、後方に飛ばす。
ダンッ、と音を鳴らし、上条は斜め下に転がり落ちて行く。

瞼の上を、光線が通り抜けた。

チリ、と髪の一部が消し飛んだかもしれない。
上条はギリギリで避け、頭から階下に落ちた。
729 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga sage]:2010/08/06(金) 20:50:55.58 ID:kX3jpL.o

後頭部に走った衝撃と共に――上条の意識が飛んだ。

――――――
――――
――

「ッッ……くっ…」

ズキズキと痛む頭を押さえ、上条が再び瞼を開いた。
場所は、変わらない。

そして、眼前には麦野がいた。

「なっ……!」

麦野は、階段に腰掛けてこちらを見ていた。
そして、起きた上条を見てニタァアアと嗤った。

「なん…!で……!」

どれだけの間、気を失っていたのかはわからない。
だが、数秒でもあれば、麦野は上条を殺せたはずだ。
目を覚ました上条が初めに思い描いたのは、「助かったのか!?」というありえない奇跡だった。
あの状況で、都合良く誰かが助けに来てくれるはずがない。
でも、もしも目を覚ませたなら、そこはここではなくて、戦いは終わっているのだと、上条はそう思っていた。

けれど、麦野はいた。

気を失う前と変わらず。
決して戦意を無くしている訳でもなく。

「さて、第二ラウンドね?」

戦いを、
上条を、
自分の力で倒すことを、
待ち望んでいる眼をしている。

――そういうことか。

上条は気付いた。
麦野は、上条を憎んでいる。
上条が死ななければならないと、何度も言っていた。
そして、その上条に挑発をかけられた。
憎い相手に――ザコが、三下が、と言われた。
だから麦野は、自分の力で正々堂々と殺しにかかった。
そして、だからこそ、
麦野沈利は場にそぐわない、ボクシングルール(スポーツマンシップ)に則った。
それほどまでに、上条を一人の宿敵(対戦相手)とみなしていた。
730 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/06(金) 21:09:49.88 ID:kX3jpL.o
上条は、そんな麦野に親近感が湧いた。
異常なほどに、麦野に敬意を覚えた。

そして、瞳孔が開くほどに――闘気が湧き上がった。

全身から、指先一本残らず。
自らの体を完全に支配下に置いている感覚がする。
火事場の馬鹿力にも似た、異様なほど集中力が増す。

「お前、最高だな」

殺されようとしているのに、上条は笑っていた。
筋肉の解れる笑いではない、みなぎる闘気から自然と生まれる――笑いだ。

「アンタこそ、最高にイイ顔をしてるわよ」

対する麦野も、笑っていた。
嘲笑いではない。
上条と同じだ。
一人の敵に、敬意を感じていた。

「アンタみたいなのと…!殺し合いができるなんて最高よォォオオオオ!!」

「俺もだァァァアアアァァァアアアアアア!!」

二人が、動いた。

床が軋んだ。
上条は跳ね上がるように、麦野に向かった。
麦野は、階段を蹴り壊すように、宙に跳び出した。
二人の顔には、笑顔しかない。

「うおぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「うあああぁぁぁあぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

だが、そこには、

第三者が見たら震えあがるほどの気力が流れていた。

上条の拳が、麦野の肩を捉える。
グリィィイイ、と拳がめり込む。
麦野の半身が後方に下がる。
それは、もう半身が前のめりになることを意味する。
麦野が面を持ち上げた。
上条の拳の力のベクトルには逆らわず、力を流す。
そうして、斜めから、上条に頭突きを喰らわせた。
二人が、弾けた。
上条は、うめき声と共に後方に転がり落ちる。
麦野も、やはり歓喜にも似たうめき声と共に、階段にぶち当たった。
731 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 21:11:01.62 ID:c8E5ARMo
なんという熱いBattle!
732 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [コーヒーうめえええええええええええええええええ]:2010/08/06(金) 21:12:42.75 ID:kX3jpL.o
サビシス

風呂入って来る…たぶんまだ書くと思う
733 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 21:13:36.58 ID:rqz.fm6o
笑うという行為は本来攻撃的なものであり
獣が牙をむく行為が原点である

続き楽しみにしてる
734 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 21:13:56.67 ID:Y0Xp6/o0
いいよいいよ〜
面白いよ〜
735 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 21:28:36.92 ID:Qi.l4J2o
見てるぜい

投下中だと書き込みづらいんだww
736 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 22:02:59.90 ID:8eT9az6o
wwktk
737 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 22:12:31.28 ID:Prldhd20
流石麦のん強ェェェェェェェ!!
738 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/06(金) 23:03:59.06 ID:kX3jpL.o
風呂&飯食って来た
再開
739 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 23:08:16.89 ID:Qi.l4J2o
待ってました!
740 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 23:13:17.85 ID:yaSqhKk0
見てるよー
741 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/06(金) 23:18:49.85 ID:kX3jpL.o
「ぐぁっ…!……はは!」

「いっつぁ!……あっはは!」

二人して、笑う。
再び階下に落ちた上条。
上条より先に、麦野が動いた。
脚の下から白い光線を撒き散らす。
ジェット機のように放出しながら上条に飛びかかる。

「喰らェェえええええええ!!」

上条に覆い被さるように、麦野は飛ぶ。
そして、右手を上条に構えた。
白い光線が発射される。

「ッッ!オォォオオオオオ!!」

上条は、右手を構えなかった。
この状況で、ガードなど意味を為さない。
上条は光線を避け、自分から麦野に向かう。
床を蹴り、斜め上から迫る麦野に向かってジャンプする。

「なにッ!?」

驚いたのは麦野。
上条は麦野の胸元に迫る。
そして、麦野の突き出した右腕を奪う。

「ウォォオオオオオオオ!!」

上条は、体全体を使って力を込める。
斜め下に向かう麦野。
その勢いに乗せて、上条は麦野の腕を背負い上げる。

麦野の脚が、天井を向いた。

驚愕に眼を見開く麦野。
上条は、そのまま後方に向かって、麦野を投げ飛ばす。

「おらァァアアアアアアア!!」

麦野の体は、空中で一回転した。
回転は殺せず、着地と同時に床をしばらく転がる。

「がッ、がはぁッッ!…ぐぁ…!……っ」

麦野は体を何度も打ち、一階の床に倒れた。
742 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 23:22:10.13 ID:s8Wg2AMo
帰宅したら始まってた
期待
743 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/06(金) 23:27:55.49 ID:kX3jpL.o
だが、麦野はまだ終わらない。

「まだまだァアアアア!全ッッ然これからなんだよォォオオオオオ!!」

麦野は吠える。
だが、ダメージは確かにある。
今度は、上条が先に動いた。
右腕を振り上げて、麦野に向かう。

「オォォォォォォオオオオオオオオオオオオ!!」

「来いやァァアアアアアアアアアア!!」

麦野が、立ち上がる。
立ちあがると、上条に光線を三本放つ。
上条の脚が床を叩いた。
わずかに跳び上がり、一本をかわす。
二本目を打ち消す。
そして、三本目を空中で体を曲げて避ける。

「がぁッッ!まだまだァァ!!」

上条はバランスを崩して転がった。
だが、即座に立ちあがる。
右拳を握り締める。

眼前に、麦野が迫っていた。

「オラァァアアアア!!」

麦野の拳が、上条の腹を突いた。
殴りではなく、勢いを込めた突き。

「ごふぉ…ッッ!」

上条の視界が点滅した。

「がはっ!」

上条は、後方に崩れる。

「まだ終わりじゃねェェぞォォオオオオオ!!」

麦野が跳び上がった。
純粋に脚力で。
跳び上がった麦野は、右脚を振り上げる。
そして、上条の左肩にそれを振り下ろした。

麦野の、かかと落としが決まった。
744 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 23:32:51.80 ID:Qi.l4J2o
打撃戦をここまで描写した禁書SS初めて見たwwww
745 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/06(金) 23:38:24.19 ID:c8E5ARMo
マジかっけぇ!かっけぇよ…
746 :pasuta ◆AJEh89g1vE [saga]:2010/08/06(金) 23:39:26.56 ID:kX3jpL.o
「がぁぁあああああああああああああああああ……ッッ!!」

上条は絶叫した。
肩が、外れたかもしれない。
左腕に力が入らない。
骨にヒビも入っているかも知れない。
上条は感じた。

「決着を付けるぞォォオオオオオオ!!」

「イイネ!イイネェ!イイネェェエエエエエ!!」

麦野は笑う。
麦野が、迫った。

「おらぁぁあああああああああああああああ!!」

麦野の前から五つの光が現れる。
あれが、光線として発射されるのだろう。

「させっかよぉぉオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

上条は、右腕を伸ばした。
そして、麦野の腕を右手で掴む。

五つの光が、消し飛んだ。

――やっぱり!

空中から飛び出してくる光線。
それは、麦野の体を包む薄い膜から飛び出すと上条は考えていた。
だからこそ、背中だろうが、死角からだろうが、麦野は光線を出せていた。
ならば、麦野の体に触れていれば。
その膜は構成できない。

「うッッ、オ!オォォオォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

力を振り絞った。
ぶちぶちと、血管が裂けるほどに。
筋肉のあちこちが悲鳴を上げるほどに。

「オオォォォオオオオオオォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

上条は、右腕一本で、麦野を宙に振り回す。

「ッッッ!?」

麦野は、原子崩しを発動できない。
上条は、自身を軸として麦野を振り回す。
そして、宙に放った。
747 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/06(金) 23:51:30.56 ID:kX3jpL.o
「終わりだァァアアアアアアアアアアアアアアア!!」

麦野が、宙に舞う。

「上条当麻ァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「麦野沈利ィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

両者は吠える。
麦野は、即座に原子崩しを発動させようとする。

「テメェの幻想をォォォォオオオオオオオオオオオオオ――」

上条が、右拳を振るう。

麦野に向かって。

「――ぶち殺すッッッ!!」

右手は、光線を消し飛ばし――、

――麦野の顔面を殴り飛ばした。

―――――――――――――――――――――――――
――麦野サイド

――私はッッ!上条を殺す!

「終わりだァァアアアアアアアアアアアアアアア!!」

上条の声が響く。

――アレイスターの計画を壊して!もう一度!もう一度フレンダに会いたいんだッッ!

――諦められる訳ねェェだろうがァァァアアアアアアアアアア!

「上条当麻ァァアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

麦野は、吠える。

――お前さえッッ!お前さえ倒せば私はッッ!

「麦野沈利ィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!」

そんな、麦野沈利の 目標(幻想) を。

「テメェの 幻想(目標) をォォォォオオオオオオオオオオオオオ――ぶち殺すッッッ!!」

右拳が炸裂すると同時――長いこと彼女を苦しめた幻想が――壊れた。
748 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 00:03:33.16 ID:LQEq3Kwo
麦野沈利は、涙を流しながら――意識を失った。

「…てめ……俺だって……んだよ……」

「…たく……条は……なんだから……」

――なんだろう?

――とても、懐かしい声が聞こえた。

――あぁ、なんだか。

――温かい。

温かい、まどろみの中で。
麦野沈利は笑った。
天使のような、見る者全てを惚れさせるような笑顔で。

――なんでだろう?

何故か。
上条当麻の拳が、突き刺さったと同時。
決着が着いたと同時。
麦野沈利の心の中の様々な感情が――きれいに透き通っていた。

――今、とっても気持が良いな。

「あ、今笑ったわよ」

「うぉっ、マジだ」

「なぁーにバ上条は見とれてんのよ」

二人の声。

――うそ……。

麦野は、驚きとともに眼を開いた。
頬を赤らめる上条がいた。
そして、フレンダがいた。
麦野を優しく抱きかかえるフレンダが、麦野に微笑んだ。

「久しぶり、麦野」

ポロポロと、麦野の両目から涙が零れた。

「久しぶり、フレンダ」


【麦野編――END――】
749 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:15:43.47 ID:H4aNqpQo
乙!

そういやていとくんは今どこにいるんだ?
750 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 00:17:00.09 ID:LQEq3Kwo
麦野編――裏エピローグ――

「よお、暗部の精神操作系能力」

精神操作の能力者の少年の前に――土御門元春が現れた。

「殺されに来たのか?バカが」

嘲笑う少年に対し、土御門元春が口を開いた。

「魔術における人払いのルーン≠ンたいなものか。お前がこの地域一帯に発動させている能力は」

なっ、と少年が目を見開く。
魔術の意味は知らないだろうが、自分の能力が見破られたことに驚く。
少年が手を土御門元春に構える。

「無駄だ。そこにいるのは俺の式神だ。壊せばお前は呪い≠受けて死ぬぞ。そして説明を続けよう。お前の発動させている物は、『この火事の中に入ろうとする者に、そのことを忘れさせる能力』だ。
警備員も風紀委員も、救急車も消防車も何もかも来れなくする。だからこそ、野次馬は来られる。まぁ、幻想殺しには効かないからこそ、この方法を取ったのだろうな。――お前が、麦野沈利に脅され
てこんな手伝いをしていることは、上から知らされた。だが、俺も近づけばそのことを忘れてしまうのでな。故に式神を使わせてもらった」

「くそっ」

少年が逃げ出す。

「式神は、お前をどこまでも追跡するぞ」

少年は逃げ続ける。

――――――――――――――――――――――――――

「なんてな」

ウソツキ≠ナある土御門元春は、通話でスナイパーに合図する。

「殺せ」

と。今まで建物の陰に隠れていた少年が、焦って出て来たところを遠くから撃ち殺させた。

「ご苦労」

式神に呪いの力も追跡能力もない。
そんなくだらない嘘に騙された少年が、死んだところを遠くから眺める。

「もしもし。俺だ。フレンダ、今精神汚染は解いた。――幻想殺しの保護に向かえ」

そう指示する。

これは、フレンダが麦野のところに駆け付けたところまでの経緯。

知る必要のない、裏側の話――。
751 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:24:31.57 ID:LQEq3Kwo

以上!
35レスに渡る【麦野編】でした。
リアルタイムで見てくれたみんな、ありがとう!

実は、麦野編はやるかやらないか、かなり悩みました。
それで二週間近く(?)姿を消してたわけなんだよ。
まあ言い訳をするつもりはないんだけど。
麦野編は、納得がいく物が思い付かず、何度も書き直しました。
でも今日まで、書いてる自分はかなり楽しかった!だからみんな、ありがとう!

垣根と心理掌握は、次の話から動き始めます!
もちろんすぐに続きを書き始めます!
752 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/07(土) 00:28:22.47 ID:9pAIoI20
よっしゃーーー!!

乙、とても楽しみ
753 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:28:32.71 ID:H4aNqpQo
面白かったよ!次の話も楽しみにしてます。
754 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:28:49.43 ID:hB7hc0s0
755 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:29:00.91 ID:GoOQl7co
とりあえず乙
もちろん続きも期待してるんだよ!
756 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:31:32.00 ID:kONokfko
白熱するバトルは読んでてグッと来たよ、お疲れ様なんだよ
757 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:32:48.50 ID:2/E9rYYo
結局、楽しみな訳よ
758 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 00:50:23.99 ID:XM2wK8I0
乙!面白かった。
次も楽しみにしてます!
759 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 04:10:18.27 ID:NcY50SMo
激熱だった
760 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 21:18:14.38 ID:vv9mCp20
やぁっと追いついたぜ
オリキャラモノはずっと避けてたけど銀髪→青ピの下りで完全に飲みこまれたわ
完結まで頑張ってくれ

あとシリアスでレス挟む勇気のあるやつはなかなかいないぞ。
ギャグとかラブコメならまだしも
761 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 21:21:42.25 ID:r22r3wU0
とりあえず乙
いやぁすごく面白い
762 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 21:54:06.50 ID:LQEq3Kwo
ここから日常編に入ります
とは言っても、最終決戦(三年前の話で)前の、話なのでシリアスやバトルはその後にすぐ入ります
しばらくは彼らの日常で書くべき話をチョビチョビ書いて投下します
一気に書き上げる事は、シリアスやバトルまでないから失速に見えたらすまんです

>>760
なるほど、納得。
んじゃシリアスの時以外はパーッと気にせずレスしてくれていいぜ
このスレのみんなは空気の読みっぷりが凄いなwww裏エピローグ書く前に「風紀委員や警備員が誰も来ないとかありえねえww」なんてツッコミが来ちゃうかと思ったけど、そんなことはなかったぜ!
763 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 21:58:48.38 ID:ke9ul6Uo
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
764 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 22:12:29.41 ID:bnbQcpco
きたあああああ
普通にクオリティ高いからびっくりなんだぜ
765 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 22:53:33.28 ID:LQEq3Kwo
【ドキ☆怒気?デート編】

「…………」

「…………なぁ、かみじょ」

「言うなぁぁーーっ!ええそうですよ!このざまなんですよバカですみません!」

「……いや、気にすんなよ」

テーブルの上には、一枚の成績表。
そこには一学期の各教科が5段階評価をされている。
上条と垣根は、上条の部屋でそれを前にしていた。
夏休みに入って一週間経った。
なのにどうして今さら、成績表で一喜一憂しているのか、

「不幸だぁぁあああああああああああ!」

その理由は、その成績表にあった。
いつもお世辞にも良い成績とは言えない評価ではあるが、上条は気にしない。
5段階評価で、1が付いていなければいいのだ。
1の評価は、夏休み補習を意味する血のような赤い烙印を押される。
上条は受け取った際に、即座に「赤赤赤赤赤」と目を血走らせて確認した。

「で、1は付いていなかった。……そう思っていたんだな」

赤は、なかった。

「普通気付くと思うんだがなぁ……なんで各教科の成績をちゃんと確認しないのか――あ、そんな落ち込むなって上条!」

だが、1は付いていた。

何故か、黒色で。

「……はは」

「お、おーい上条ー?ダイジョブかー?」

「ねぇよ!なんで黒色なんだよ!ブラッティジャッジ(血ぬられた判決)はどうした!」

「ブラッティメアリー(血ぬられた英女王)みたいな名前だな」

先ほど、担任のハゲ山(子萌先生からハゲ山に戻ってしまった現実が悲しかった)から電話があった。

『補習…来てくれるかな?』

「いいともー……って言うかバカ野郎!!」

上条は理不尽に不幸を叫んだ。
そんな様子を、垣根は優しげな目で見ていた。
766 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 23:07:56.19 ID:LQEq3Kwo
「あー、不幸だ不幸」

「まだ言ってんのか。元気出せよ」

「いやね、終業式の日に気付いてたらここまでならないんだけどさ。もう夏休みでパーッと遊ぼうと思ってたわけですよ」

「おう!俺もそう思ってたぜ!」

「そこにきてこれだよ…」

「あ、そうだ上条海行こうぜ海!」

「海ぃ?あの、ね?上条さんは補習があるんですけど」

「あれだろ?数日参加すんのは義務だけど、あとはテストを受けて一定以上の点数を取れば良いんじゃなかったか?」

「85点なんて赤点取る人にとっちゃ地獄ですよ?そんな補習が嫌なら点数を取ればいいじゃない、みたいなこと言わないでくれよ!」

「……ところどころ世界史ネタが入るのは何なんだ、上条」

「あー、ふっこうだなぁ」

「なら海行こうぜ、う・み☆」

「あー……プールで良くね?」

「どうせなら海行って、ナンパしようぜ!ナ・ン・パ☆」

「…そのいかにもなギャルゲテンプレ友人キャラは何なんだ」

「そうか?ギャルゲなんてしたことないからわかんねえや。メジャーハートのやつならよくやってるみたいだが」

――――――――――――――――――――――――――――――――――

「んじゃー、そこらで暇潰してっからガンバれよ〜!」

「おう!サンキューな垣根。昼飯は一緒に食いに行こうぜ」

「……!おう!」

「さーて頑張りますよ、上条さんは」

――――――――――――――――――――――――――――――――――
――垣根サイド

「ふ、ははは。上条にランチに誘われちまったぜ!」

ちなみにいつも一緒に食べているが、誘われたということ自体が垣根にとっては嬉しかった。

「さて、いつものようにメジャーハートのやつに自慢しよっと。メルメル」
767 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 23:09:02.48 ID:LQEq3Kwo
あ、ブラッディと書いたつもりが、ブラッティになってた。
まいっか
768 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/07(土) 23:10:20.44 ID:FARbEwDO
今更だが、もしかしてていと君ってモーホーなのか?
769 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 23:21:59.68 ID:LQEq3Kwo
「……暇だ」

メジャーハートにメールしたものの返信がない。
昼まで待つ4時間は、結構長いようだ。

「あんにゃろがメール返さないんが悪いんだよな、うん」

バサバサと、羽を羽ばたかせる。

「メジャーハートん所にからかいに行ってやろっと」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――垣根到着

「……何か言う事は?」

「喉乾いた!なんかくれ!」

「…………」

「あるだろ友人宅Aみたいな「サイダー飲むか―?」とか「麦茶飲むかー?」的なやつがさ!」

「……そんなワクワク顔で自分が送りたかった子供の頃の青春的な要求をされても」

「……とか言って出してくるところが可愛いよな、お前」

「そんなツンデレみたいに言わないでよ」

「これ何茶?」

「ご所望の麦茶よ。飲んだこともないのに麦茶って言ってたのね……」

「おっ、サンキュ一度飲んでみたかったんだ」

ゴクゴクと透明なグラスに入った麦茶を飲む垣根。

「うめめええええええーっ!青春の味がする!」

「どんな味よ」

「麦茶ってさ、コンビニとかに置いてないじゃん?飲んでみたかったんだよなー」

「今は美味しいペットボトルのが売ってるわよ。これは水出しして作ったやつだけどね――それこそご所望通りのやつね」

「案外家庭的なんだな」

と笑う垣根。
対し、こめかみをピクリと引きつらせるメジャーハートの少女は、高級マンションである自室の――ベランダを指さす。

「それより、何か言う事は?――窓ガラス割って入って来ておいて」
770 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 23:34:22.69 ID:LQEq3Kwo
「あー、わり」

「普通に下のエントランスから呼んでよ。そしたら鍵開けたのに」

「面倒じゃん」

「窓ガラス割られるほうがよっぽど面倒」

「お、お前なんかお母さんみたいな怒り方だな!」

「知るかっ!」

「まぁぶっちゃけノリだ。ノリでやってきました、ハイ」

「請求先はあなたにしておくからね」

ふん、と首を振る少女。
自室だからか夏だからか、彼女はワンピースタイプのキャミソール姿である。

「いつものドレスじゃねえんだな」

「暑いからね」

「そのほうが年相応でいいんじゃねえの」

と、そこで垣根は薄いキャミソールを見ていて首を傾げる。

「それってブラ付けねえの?」

「なっ!」

「いや見えてるわけじゃねえけど、横から見えるっつーか……何て言うんだっけ?土御門が言ってた……あぁ、『横乳』だ」

「ド直球でセクハラ発言しないでよ!?」

顔を真っ赤にして垣根から後ずさるメジャーハートの少女。

「ポロリはしてないからセーフじゃね?」

「なんであなたがセーフかアウトを決めるのよ!」

「俺は気にしないからいいじゃねえか」

「わ・た・し、が!気にするのよ!なんで平然とした顔でそう言う事言うの!?」

「はっは、お前も可愛いとこあんだな……まあ上条には及ばないがな!」

「男に負けたぁぁーっ!女としてのプライドがぁぁ!なんでだろう、とっても悔しい!」

メジャーハートの少女は、両腕で自分の体を抱いて顔を真っ赤にし、涙目になっていた。
771 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/07(土) 23:57:46.51 ID:LQEq3Kwo
「……PC付いてんな、何やってたんだ?」

「見ればわかるでしょ」

「おー、これがギャルゲか。絵と文章が映ってら」

物珍しそうに、垣根はパソコンに繋がっているピンクのヘッドフォンを取って装着する。

「あっ、ちょっと」

「少しぐらいいいだろ」

「まぁ二周目だからネタばれにならないし、いいけど」

「えーと『お兄ちゃん!私仕事に行くからね』ってなんだこの娘、ガキのくせに仕事してんのか」

「その娘(こ)は高校生よ。学生生活とグラビア活動してるの」

「グラビアだぁ?……おお、確かに胸でけえメロンみたい」

「ふ、それでこんな可愛くて背が小さくて世話焼きなのよ、そそるでしょ」

「…なんで我が娘を褒めるみたいな顔してんだよ。でもま、あれだろこれって。ロリ巨乳ってやつだな」

「最近の若い連中には良さがわからないみたいだけどね」

「リアルでロリッ娘の歳なお前が何言ってんだ」

しばらくカチカチと文章を読み進める。

「あー……」

「へー、こいつ神様なんだ……」

「……また巨乳だなこいつも。巫女って設定がエロい」

「…お、巨乳じゃないやつ出て来た――ってなんだこの変態キャラ」

カチカチ。

「うん――――で?いつになったら話が進むんだ?」

「何言ってるのよ、この日常を楽しむのよ」

「はぁ!?なんだそれ!意味わかんね!」

「一応ルート毎にちゃんと話はあるけど、このゲームの醍醐味は田舎の島での楽しい日常よ!――あぁ、いいなぁこんな生活」

うっとりした顔をするメジャーハートの少女。
彼女ももしかすると、垣根みたいに友人≠竍仲間≠ニいうものに憧れを抱いているのかもしれない。
772 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 00:09:47.79 ID:1c904bUo
心理定規濃いなぁwwww可愛いwwww
773 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/08(日) 00:14:14.96 ID:uB3.LSIo
「あー、飽きた」

垣根はヘッドフォンを外して清潔感のある床に転がる。
室内はエアコンと加湿機が稼働している。

「失礼ね」

「ま、ギャルゲがどういうもんかわかった。ギャルゲってPCでやるもんなんだな」

「え、ええそうね。こういうのがギャルゲよ」

微妙に目を逸らすメジャーハートの少女。

――まるでギャルゲじゃないみたいな挙動だな。まいっか。

「つうかアレだ。窓ガラスはこの前の仕返しだな」

「確か六日くらい前に呼び出したこと?」

「そうそ。俺が上条から離れてる間に、麦野のやつが上条を殺そうとしたんだよ」

「でも結局なんとかなったんでしょ」

「当たり前だ!さすが上条と言うべきか、上条だから当たり前と言うべきか、レベル5を一人で倒しやがったからな!」

「ま、凄いわよね」

「そうだそうだ……って話を逸らすな。元々お前に呼び出されてなけりゃこんな事は起こらなかったんだよ」

「チッ、気付いたか」

「おいコラ」

「四日ぐらいで怪我も全部治ったんだからいいじゃない」

「へぇ?なんでそんな隠したがるんだかなぁ」

「な、何のことかしら」

「お前が『今ピンチ!あなたが来てくれないと私殺される!』なんて言って呼びだしたから言ったが、あの程度、俺じゃなくても良かったよなぁ?」

「……ええまぁ。白状すると麦野から脅され――」

ゴツッ、とメジャーハートの少女に垣根がチョップを喰らわせた。

「いったぁ…もう、だから言いたく無かったのに」

垣根は自分でも気付いていない。
上条の護衛を外れても、この少女を助けに行ったことに。
それだけでなく、麦野に脅されたとはいえ上条が襲われた原因を作ったこの少女に――特に怒りを覚えていないことに。
774 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 00:19:46.01 ID:uB3.LSIo
>「お前が『今ピンチ!あなたが来てくれないと私殺される!』なんて言って呼びだしたから言ったが、あの程度、俺じゃなくても良かったよなぁ?」

「お前が『今ピンチ!あなたが来てくれないと私殺される!』なんて言って呼びだしたから行ったが、あの程度、俺じゃなくても良かったよなぁ?」

訂正。ただの誤字だが、意味取り間違えちゃいそうだから一応。
そして今日はここまでなんだすまん。
775 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 00:22:01.61 ID:oTskGgAO
なんで原作者は垣根を冷凍庫にしたんだろう

776 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 00:56:31.54 ID:1c904bUo
乙ー
だからていとくんが来れなかったんだな
777 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/08(日) 05:42:45.74 ID:KncnYYAO
>>1の文が立て逃げ臭かったんで今まで読んでなかったんだけど、巧くて面白い。
濃いけど可愛いなメジャーハートwwww

>>775
一応書いとくと「ネバネバした液体の入った容器に、三つに分かれた脳をそれぞれ収めたり、潰れた内臓一つを補うために冷蔵庫よりもデカい機材を腹の横に直接取り付けたり、そんな状態だとさ。もうほとんど超能力を吐き出すだけの塊になってるらしい」
ってのが原作(19巻)での描写の全てだぜ。
知ってて書いたんならすまんな
778 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/08(日) 19:47:55.49 ID:UiH99fs0
なにこれ面白いwwwwwwww
779 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 07:27:44.02 ID:dIb9dOIo
おいついたー、仕事中なのにずっと読んでたじゃねーか
残業確定だorz
780 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 10:46:06.66 ID:o.Zb6YM0
仕事せいやwwww
781 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 12:50:23.67 ID:8EyH4e20
おい>>1>>779が残業までして見たのにお前はなんだ?
頼みますから早く書いてくださいお願いします
782 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 14:35:54.77 ID:y21LOEg0
朝に読んで残業確定なのかwwwwww
がんばれwwwwww
783 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 17:24:06.04 ID:SK7wcCEo
――上条サイド

「お、ベル鳴りましたよ先生!これで終わりですねはい起立礼さよーならー!」

昼を知らせるチャイムに野生動物のように即座に反応した上条。
上条は一人で席を立って礼をすると鞄を持って教室を飛び出す。

「おい上条!明日はテストをするからな!こんなんじゃ何日あっても85点に届かないぞ!」

「へいへーい!」

たった一人の補習生徒である上条に、担任教師は声をかけた。
上条は走りながら生返事をすると、階段を一段飛ばしで駆け下りる。

「わきゃっ」

「っと」

階段を降りたところで、一人の女子生徒にぶつかりそうになる。

「悪ぃ……って吹寄か」

「何だ、あたしとぶつかりかけるのが不満なのか上条当麻」

私今不機嫌です、とでも言いたげなムッとした表情の吹寄。
上条は思わず苦笑する。

「んなこと言ってねえだろ。それより、何で学校来てるんだ?」

「べ、別に貴様に関係ないでしょ!」

――相変わらずだなぁ。

あんな事があった後でも、変わらない吹寄を見れて上条は少し安堵する。

「…何をニヤニヤしてる」

「やだなぁ吹寄サン。カミジョーさんはいつだってこんな顔ですよ」

「フン、不幸不幸っていつも頭抱えてる癖に」

「はいはいネガティブキャラですいませんねぇ!」

やれやれ、と上条は汗でべたつくシャツをバタバタとさせる。

「……この間のこと」

今まで一生懸命言いだそうとしたが、言いだせなかったかのように、吹寄は恐る恐る口を開いた。

「あたしが、何で捕まってたか聞かないの?」
784 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 17:29:48.84 ID:H0F3wqMo
きたー。マジ頑張ってください
785 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 17:36:40.25 ID:SK7wcCEo
「聞いて欲しいのか?」

「え…」

上条は肩を竦める。

「聞いて欲しけりゃいつでも話せばいいさ。だが無理に何でも聞きたいとも――聞き出そうとも俺は思わない」

そう言って、上条は吹寄の横を通り過ぎて行く。

「俺達は、それでいいんじゃねの?」

「……そう」

上条は「んじゃな」と言い、その場を後にする。

「あ、待って」

「ん?」

「一応言っておいてあげるわ、間抜け面」

「……去り際に一応悪口を言っておいてやると?吹寄さんやい」

「違うわよ!い、今のはその、枕詞のような何て言うか」

「俺に話しかけるにはまず悪口を言わないと話しかけられないと?」

「あぁーもうっ!いいから聞きなさい!」

顔を真っ赤にし、吹寄は上条を指さして言う。


「助けてくれてありがとう!」


その言葉に、しばらく上条は固まった。
何故なら、吹寄がそんな言葉を自分に投げかけることは一生ないと思っていたからだ。

「あー…えっと…」

何て返せばいいのか、上条は逡巡した。
どういたしまして、なんて言い慣れている日本人はそう多くないと上条はこの時思った。

――だってめっちゃ恥ずかしいもん。つか、あー、もうっ。お礼とかされたいと思ってたわけじゃないし期待してなかったからどう返事していいかわかんねえ!

とりあえず、上条はいつも通りの返事をすることにした。
顔を赤くする吹寄に。

「気にすんなよ。また明日な!」
786 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 17:49:15.91 ID:SK7wcCEo
「あちぃ…」

玄関では、垣根帝督がだるそうに待っていた。

「よぉ垣根」

「おっ、上条!早かったな!」

「まぁな。午前だけだってのも学食が動いていないからなんだろ」

「あーなるほどな。昼飯買いに外に行くのはダメなんだっけ」

そうそう、と相槌を打ちながら上条は靴を履き替える。

「どこ食いに行く?」

「暑いし、さっぱりとした寿司でも食うか?」

「……財布の中身がさっぱりしそうだから無理だ」

「そうか。んじゃ上条が決めてくれよ」

「んー、適当にファミレスでも行くか?」

―――――――――――――――――――――――――――――――
――ファミレス

「……」

「……」

「お客様二名様でよろしいですか?」

店員の声にはっとする上条と垣根。

「え、ええ」

しどろもどろに答えると、こちらのお席にどうぞと通される。
そこには、上条と垣根が無言になった理由がいた。


「結局、学園都市でやるアウトレットセールじゃ掘り出し物見つからない訳よ。――やっぱサバ缶は美味いっ」

「んー、まぁそうね。午後は他の学区回って見る?――あれれー?今日のシャケ弁は昨日のと違うようなぁ。あれれー?」


非常識過ぎる二人が、いた。
ファミレス内で堂々とシャケ弁や缶詰を広げている。
周りの視線――というか店員の視線が気にならないのだろうか。
彼女らの前の席に案内された上条と垣根は、彼女らに気付かれないようにしようと、目で合図した。
787 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 18:11:30.47 ID:SK7wcCEo
「あ、上条」

「早くもバレた!?」

フレンダがこっちに気付く。
すると麦野がバッとこちらを振り向いた。

「アハハー麦野サン奇遇デスネー」

前回の戦闘の恐怖から、カチコチになる上条。
その様子を見て麦野は不満そうな顔をする。

「何オドオドしてんのよ幻想殺し」

――おや?

と上条は麦野から受ける視線に違和感を感じた。

「えぇっとぉ…」

「ったく。もう殺そうとしたりなんかしないわよ。それと――」

グイッと麦野が上条に顔を寄せる。
思わず顔を赤くする上条。

「――私を倒したアンタが、そんな弱いフリするんじゃないわよ」

はぁ、としか上条は答えられなかった。

――俺に対する、強い憎しみが感じられない…?

フレンダの説明によると、麦野はフレンダと過去に離れ離れになったという。
そして、フレンダが上条の監視役をしていると聞いた。
上条はアレイスター・クロウリーという理事長の計画に組まれているとも、聞いた。
だから、上条を襲いに来た。
だが一度目は垣根という護衛がいた。
麦野達に狙われているからこそ、垣根という護衛を上条に付けたのだろう。
その後、完璧な状態で上条を殺しにかかった。
結果的にフレンダと会えたが、麦野がそれで上条に対する憎しみが消えたのか――上条にはわからない。

「俺のこと、憎んでいないのか?」

と、上条は尋ねた。
上条は思う。
自分さえいなければ――麦野とフレンダは離れ離れにならないで済んだのではないか、と。
だが、そう思っていた上条を、麦野は笑った。

「フフ、バカね。むしろアンタには感謝してるわよ」

と、美しい少女――麦野沈利は笑いかけた。
788 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 18:28:39.26 ID:SK7wcCEo
上条には理解できないだろう。
ずっと、闇の中を走って来た麦野の気持ちは。
麦野は、出口の見えないトンネルをずっと走って来た。
必死に、息を切らして。
その手を赤く染めて。
でも、出口なんてなかった。
そこに、救いなんてなかった。
上条は――そんなトンネルを強引に壊したのだ。
どんどん、自分が自分でなくなっていく恐怖。
化物になってしまいそうになる――その一歩手前で。
上条は、そんな麦野を打ち負かした。
逆上されるかと、上条は思ったかもしれない。
だが違った。
麦野は、そんな世界から抜けだしたかった。
麦野は、そんな自分をぶち殺したかった。
完璧に、こてんぱんに打ち負かして欲しかった。
上条は、麦野にやり直すきっかけを与えたのだ。

「アンタさあ、覚えてないの?」

と麦野が上条に確認する。
戦いの後に――上条が言った言葉を。

――もしもこの先、お前を再び連れ戻そうと暗部が動いたら、俺が助けてやる――

上条は、麦野にそう言った。

もう、薄汚れた私なんかが戻って来ていいわけがない、と泣きだした麦野に。

フレンダと出会えても、もう私に幸福になる権利なんかない。と自己嫌悪する麦野に。

――もう、お前はそんな戦いをする必要はねえんだ。お前だって、こんなに頑張って来たんだろ?――

――確かに、お前は罪を犯した。許されることじゃないってのもわかってる――

――だがよ。そこで終わりにしていいのか?――

――せっかく、戻って来れたんだろ?――

――なら、もうやめようぜ。もう、負の連鎖を作るのはやめようぜ――

――間違っても間違っても、人間はやり直せるんだ。そうだろ?――


――俺達は、お前の味方だ。だから、お前はもう孤独な戦いなんてする必要はねえよ――


その言葉で、麦野は変わった。
麦野はもう二度と、人を殺さないと誓った。
もう二度と――道を踏み外さないと……。
789 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 19:18:48.65 ID:SK7wcCEo
「これからどうする?」

「ショッピング続けたいなぁ」

「アンタらは?」

「上条どうする?」

「勉強シマス」

その後。
結局四人で昼飯を食べた後、上条と垣根は学生寮に帰ることにした。

そこで――。


「あ、上条先輩っ」


心理掌握の少女と出会った。

――――――――――――――――――――――――――――――――

「ですからXの値を求めるにはですね」

公園の一角。
木陰にて上条は心理掌握に勉強を見てもらっていた。

「あぁー…えっと…」

「わかりませんか?――なら、こっちに代入する方法もありますよ」

「おぉっ、これならわかった!」

「ふふ、良かったです」

ノートに計算を書いていく上条。

「はい、正解です。ではこの公式も覚えておきましょう」

「うえぇ。また公式…」

「良い覚え方がありますよ。実はですね――」

心理掌握の少女の教え方は上手かった。
とにかく解り易く、理解できそうもなければ別の解答方法を示す。
上条はどんどん理解していった。
ちなみに垣根は「私が上条先輩に教えるから、あなたは飲み物でも買って来てね」と心理掌握にパシられていた。
心理掌握の少女が言うには、垣根は生まれながらの天才肌だから、人に教えるのは上手くいかないらしい。
だからこそ、上条に勉強を教えると心理掌握が言うと――垣根は引き下がったのだ。
790 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 19:31:20.23 ID:Zt.ZKTY0
心理掌握キターーー!!
791 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 19:34:44.79 ID:SK7wcCEo
「ほらよ」

垣根が器用に三つのジュースを運んで来た。

「私の頼んだトロピカルジュースは?」

「ほら。――ったく、このジュース大人気で売り切れてたんだぞ。とっととミキサーにかけないとお前をミキサーにかけるぞって脅したらすぐに作りだしたが」

「野蛮ね、最低。――あっ、やっぱり美味しい」

「てめっ!買ってきてもらっておいて何て事言いやがる。つか美味いなら文句言うな」

「えーでもこういう乱暴な男は嫌いですよねー上条先輩」

「何!?マジか上条!今からあのハゲ店主に土下座して来ようか!?」

垣根は極端だな、と上条は苦笑いした。

「いや、そこまでしなくてもいいだろ。で?俺にはなに買って来たんだ?」

「おう!季節限定夕張メロンジュースだ!」

サンキュ、と礼を言い、上条はメロンジュースを飲む。

「お、美味いな」

「あっ、いいなぁ私もそれが良かった」

と心理掌握。

「俺が苦労してトロピカルジュースを買って来たってのにかコラ。つか上条みたいに礼の一つくらい言えや」

と空いた椅子に座りながらパインジュースを飲む垣根。
そんな垣根は完全無視で、心理掌握の少女はジー、と上条を見た。
上条は整った心理掌握の可愛らしい顔に微妙に頬が赤くなる。

「上条先輩、飲み比べしませんか?」

「へ?」

「ほら、こっちも美味しいですよどーぞっ」

とストローごと上条の口に押しつける。

「…ん。まぁ美味いな。ほら、こっちも飲んでみろよ」

「ありがとうございますっ。んー美味しいです」

あれ?何このラブラブ空間…と垣根が引いていることに上条は首を傾げた。
一方、心理掌握の少女はとても楽しげだった。
792 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 19:47:28.17 ID:SK7wcCEo
夕方になり、勉強会は終わった。

「んー、サンキューな。これなら明日で補習を終わりに出来るかも知れない」

「いえ、上条先輩が頑張ったからですよ。それに上条先輩はやればちゃんとできる子です」

「できる子って、俺のほうが甘えてる感じだな」

と笑う上条。
でもそんな母性ある年下の少女は、上条から見て好印象だった。

――ん?これって土御門に言わせるとロリコンってことに…。

――いや違うぞ違うぞ!俺はそんな目でこいつを見ない!

「何かお礼するよ。…まぁ高い物は買ってやれないが」

「本当ですかっ?物はいいです。前にゲコ太もらいましたしね」

パァ、と瞳を輝かせる心理掌握の少女。

――うん、可愛いな。妹みたいなモンだろ。

「そっかぁ、じゃあ何かして欲しいこととあれば…」

と言っても上条は思い付かない。
考えてみれば、今まで女の子とこうして多く関わることが少なかった。

――まぁフレンダは幼馴染だから別としてだが。

こうして、女の子から別枠に分類されてしまうフレンダ。
本人が聞いたら憤慨するだろう。

「じゃぁ、先輩――」

心理掌握は、夕日を背景に頬を染めて言った。


「私と――デートしてください♪」



【ドキ☆怒気?デート編】

――後編に続く
793 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 19:51:23.02 ID:SK7wcCEo
風呂なんだよ!
21巻で久々のステイルのカラーイラストが見れて嬉しいんだよ!
次の表紙はヨハネモードのインデックスとステイルだと期待してるんだよ!
794 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 19:54:00.41 ID:eKNxksDO
乙!
今日はもう終わりかな?
795 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 19:55:34.87 ID:JSauxcAo
ニヤニヤが止まらん
796 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 19:57:12.08 ID://2gxTQo

何このかわいい生き物
797 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 20:00:59.64 ID:Boczptco
乙! なんですよ
心理掌握かわえぇ
798 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 20:08:25.50 ID:Zt.ZKTY0
後編!後編はまだか!!
799 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/10(火) 23:31:11.37 ID:W8CO32SO
デートは手を繋げよ!
ラブい繋ぎ方で!
800 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/10(火) 23:42:49.82 ID:SK7wcCE0
次スレに移った時のために、このスレのSSをpixivに保存してます
最初は適当にホムペでも作ろうかと思ったけど面倒だなぁ何て思ってた
そしたらpixivで二次創作のSSもできるようになったと最近聞いたわけで
書き直しというわけじゃないけど、文体を統一しておかしい部分を修正しています。
そのpixivのURLを貼っときます

http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=24273

まぁ興味ない人はスルーでいいよ
一応、pixivに保存してありますよ。というどうでもいい報告
801 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 04:07:54.67 ID:sk/gnfY0
【ドキ☆怒気?デート編】というからにやっかいな御坂の予感・・・?
802 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 11:38:03.38 ID:CZP30IDO
御坂は出ないんじゃないのこのSSは

てか原作に繋がるように話進めてるんだよねこれ?
最高におもしろいわww
803 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 15:52:22.70 ID:rYRLKKE0
このスレから原作につながるとフレ/ンダが最高に泣ける・・・
804 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 20:42:18.95 ID:VxPDQnY0
御坂は>>171の時点で相当後に出ると言ってたな
805 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/11(水) 22:40:16.23 ID:a32861k0
御坂はいらないけどね・・・
806 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/11(水) 23:32:40.91 ID:ERUL.o.0
>>803
最後ってこっじゃん?
807 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 00:57:02.34 ID:XfZnQQAO
この上条さん、ひそかに麦のんにもフラグ立ててないか?




原作に繋がるなら。
第一位
第二位
第三位
第四位
第五位

にフラグ立てることになるじゃないか…
808 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 08:23:48.93 ID:iwFEy.Mo
いざとなったらギアス2期よろしく記憶を全消去
809 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 14:26:10.12 ID:eDIE2y60
>>802
そういや本編の昔の話だったな、忘却してた。

>>806
上条当麻争奪戦が余計に激しくなるな…
810 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/12(木) 22:14:41.21 ID:QjaTbMko
上条サイド――

心理掌握の少女からそのメールを受け取ったのは、補習が終了した旨を伝えた翌日のことだ。
上条は心理掌握に教わったおかげで、その翌日の補習では90点を取った。
これには流石に教師も疑いを持ってしまい、不幸なことにそのまた翌日に再テストとされた。
さらに不幸なことに傾向の変わった問題が増え、81点を取ってしまう。
結局、補習を終えられたのは心理掌握との勉強会から一週間後のことだった。
補習としては通常と変わらない期間だったんじゃないか、と上条は思う。

「でもまぁ、無事に終えられてよかったよ……っと」

「何してんだ?」

とカップ麺を啜る垣根。

「いや、無事に補習が終わったってアイツに報告してんだ」

「ふーん。……そういや最近、やたらと心理掌握とメールしてね?」

「へ?そ、そんなことねーよ」

意表を突かれ、動転する上条。

「ま、いいけどさ」

ズズズー、と垣根は汁を飲み干した。



翌日――


届いたメールには、デートの予定が書かれていた。

「なぁなぁ、見せてくれよぉ」

「だぁーから、これはデートなんだ。絶対に冷やかしに来るんじゃねえぞっ」

ベタベタと
ひっついてくる垣根を振り払う上条。

「だって俺、上条の護衛だぞ?」

「うっ……じゃあもしものことがあったら、すぐに呼び出すからさ」

「それじゃ警備員と変わらねえじゃん!俺護衛だぞ、護衛。これマジ重要。どれくらい重要かって言うとだなぁ……いやアレイスターの計画なんざ袋綴じグラビア程も興味無いが……えぇっとアレだ、また麦野のやつみたいなんが襲ってくるかもだぞ!?」

――確かにそれは恐いが……。でも心理掌握のやつからはメールに『垣根とフレンダの護衛監視二人は絶対に連れて来ないでくださいね?』とあったしなぁ……。

「ま、上条なら誰が来ても大丈夫だろうがな!ははっ!レベル5なんて第何位が来ようが第一位が来ようが余裕だろ!――――はっ!アレ?俺いらなくね!?」
811 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:17:43.46 ID:PfQ9ycAO
キター
812 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 22:24:42.82 ID:C5XZysM0
待ってた
813 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/12(木) 22:32:09.61 ID:QjaTbMko
「とにかく、絶対来るなよ?」

と上条は念を押す。

「えぇー……ん?あぁ!わ、わかったぜ!」

「こら、いきなり瞳をキラキラさせるなっ。フリじゃないからな!?違うからな!?『押すなよ?絶対押すなよ?』っていうフリじゃないからな!?」

「わかってるってぇ〜」

「ダメだこいつ!絶対フリだと思ってやがる!」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
デート当日――

「はぁ……!はぁ……!」

炎天下の中、上条は疲れ切った状態で待ち合わせ場所に到着した。
待ち合わせの9時は過ぎ、時刻は10時を回っていた。

「か、上条先輩!?」

可愛らしくもどこか品のある美しさが漂うワンピース姿の心理掌握が、上条を見つけて目を見開く。

「ど、どうしたんですかっ?疲れているみたいですけど……」

「はぁ……!……はは、悪いな待ち合わせに遅れちまって」

「い、いえ!私は別に……とりあえず先輩、日陰に入って下さい」

白く細い腕が、上条を日陰のベンチにやる。
日射病になるといけないと、心理掌握がアクエリアスを買って来る。
溺れるように上条はそれを飲み、しばらく休む。

「実はさ、」

と上条はいつもの不幸話を話す。
というよりは、巻き込まれた話だが。
夏休みということもあり、強引なナンパをしている連中がいて助けに入った上条。
結果として、女子たちは逃げられたものの上条はナンパ連中に怒りを買ってしまい、1時間近く追いかけ回された。
そこで今度は日射病で倒れている女性を発見し、病院まで運んで来たところだった。

「ってわけなんだ。スマン!」

実は初デートということもあり、上条は待ち合わせよりかなり早い、8時30分には着いていようと思っていた。
年上としての余裕を見せたかったのだ。
恥ずかしい話だが、それだけ浮ついて早く来ようとしなければ、もっと遅刻するハメになったかもしれない。
心理掌握の少女は、上条の言い訳を聞いて嬉しそうに微笑んだ。

「やっぱり、上条先輩は素敵な人です」
814 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:36:57.50 ID:QjaTbMko
?
ハートの記号って反映されないのか?
向こうのスレでちょい自信失ったからしばらくこっちを頑張る

とは言っても今日はこれだけなんだwwwwww明日の朝早起きして一気に書くわwwww
このデートで以外過ぎる人物を出す予定。当てられたら凄い
815 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:38:01.58 ID:QjaTbMko
あ、「ハート」の記号は「?」になっちまうのか

あと以外、じゃなくて意外だったな
816 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:38:16.16 ID:1VBnN2Eo

?
817 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:39:08.21 ID:1VBnN2Eo
& #9829; ←の特殊記号でやればなんとか出るみたいだよ
818 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:40:27.90 ID:QjaTbMko
>>817
サンクスです



てす
819 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:42:38.95 ID:1VBnN2Eo
毎回楽しみにしてますんで続き頑張ってくださいね
820 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/12(木) 22:53:21.04 ID:C5XZysM0
削板出るな
821 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/12(木) 22:54:10.49 ID:uEkVIQAO
意外な人物…

そう言えば、■■はいつ頃から学園都市に居るんだろ?
822 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 00:38:11.42 ID:lbnWbj.o
へた錬と組んだのは結構昔っぽいが
学園都市に来たのは禁書が来る前後くらいじゃね?
あ、でも学校に在籍してたみたいだし
そこらへんどうなんだろうな?
原石として呼ばれたときには
もうへた錬と組んでたのかな?
823 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 20:40:49.27 ID:Dwl3Snso
【ドキ☆怒気?デート編】後編


予定では、午前中は水族館に行くはずだった。
その後、館内のレストランで食事を摂り、食後には美術館を周ることになっていた。
なんでも、お嬢様らしく招待券を貰ったそうで、あと一名までなら一緒にどうぞとあったらしい。
科学万能の学園都市にも芸術を愛でる場はある。
上条には芸術など解らないが、今日(こんにち)では特別展示がされているらしい。

「着きましたよ、先輩」

バスが静かに停車する。
駅から出たバスは二十分程で目的地に着いた。
上条が遅れたことで予定を変更し、先に美術館に赴いた。

「ここか……」

何とも形容しがたい。
白い建物だった。
この前の麦野と戦った洋館にも似ている。
後から聞いた話によると、あの洋館は麦野の所有するアトリエだったそうだ。

――それを燃やすっていうのもなぁ。ん?この場合って放火の罪にならないのか?

などと上条は疑問を抱く。
その間にも心理掌握の少女はバスを降りる。
上条も慌てて後を追う。
ピッ、とICカードを鳴らす。
バス賃が支払われ、駅の改札口のような柵が開く。
上条が出ると再び閉まり、それを背に上条はコンクリートの地面に降り立った。

「……はー」

バスから降りるとやはり、日射がキツイ。
急に眩しいところに出たため、しばらく目が慣れない。
美術館は白く丸い形状だった。
二階建ての上に丸い三階らしき小さな部屋が乗っている。
あれは屋根裏部屋みたいなものなのだろう。
俗に言う、絵直しに使われるのだろうか。
丸い部屋はドーム式で展望のようだ。
全体的に丸い印象のある建物は、不謹慎だが広島の原爆ドームに似ている。

――いや、わざと似せてるのか?

戦争へのメッセージ的なものなのだろうか。
建物の周りに茂る緑溢れる木々は、原爆ドームの表す『戦争』と緑の『命』を彷彿とさせた。



824 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 21:02:59.23 ID:Dwl3Snso
館内はしんと静まっていた。
それは沈黙とは違った。
ストーンサークルのような、言い様のない未知さが漂っている。

――な、何が何だかわかんねえ。

これが上条の感想。
人の顔なのか二つの卵で作った目玉焼きなのかわからない絵画。
何人もの人々が重なり合って十字架にすがる名画。
確かに実写かと思うものもあり、素直にすごいなーとは思うものの、上条に芸術を理解する術はない。

「これ、いいですね……」

と心理掌握。
天使だろうか、翼を生やした女性が天から見下ろしている。
天を見上げ、手を伸ばす人々。
描写されているものは、そんな一場面だった。

「天使なのか?」

「ええ」

小さく答えた心理掌握。
美術館に入ってから彼女は口数が減っていた。
だがしかし、退屈している訳ではない。
心理掌握は、うっとりとその世界に見入っていた。


「失礼」


誰かと肩がぶつかった。
そこで、低く重い謝罪の声が聞こえた。
上条は振り返る。
するとやはり、老人がいた。
まず、驚いたのはその服装。
仰々しく、派手なのだ。
どこかで見たことのある服だな、と上条は考えるも答えが出ることはなかった。

「ロ、ローマ教皇ですか!?」

と目を見開いた心理掌握が答えを出したからだ。

「ははっ、学園都市のガキでもわかるのか」

頷く老人の隣にいた、赤く長い髪の中性的な男性が小さく笑った。
その後ろには、緑色の髪の緑色の礼服を着た男性。
緑一色の男性は、上条を見て言った。

「んー、これが幻想殺しで間違いないようですねー。――あぁ申し遅れました、私の名前は『左方のテッラ』です」
825 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 21:07:37.86 ID:QjobfsAO
なる程、これで原作の記憶喪失バレ会話に繋がると。

にしても、このタイミングでテッラとかマジ誰得だよwww
826 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 21:20:00.14 ID:Dwl3Snso
唐突だった。
左方だとか、ローマ正教だとか、上条には理解できなかった。
だが、

「幻想殺しを……知っているのですか?」

心理掌握の少女がそう訊いた通り、何故かこの人達は幻想殺しを知っているのだ。
学園都市外の人間が。
驚く上条と心理掌握。
ローマ教皇は、そんな二人を鋭い眼差しで見遣ると、赤い髪の男とテッラを「少し席を外してくれ」と遠ざけた。



「それは、神浄であろう」

しばらくして、ローマ教皇はそう言った。
心理掌握は慎重に、尋ねる。

「神、ですか?」

「そうだ。神の奇跡ですら打ち消す。――それはそういったモノだ」

「奇跡……?」

当人の上条は何も言えない。
心理掌握が、続いて訊く。

「あの、私には上条先輩の周りに蠢いている物が視えるのですが」

「私にも見える。拡大しているようだな」

「っ!そ、そうなんですっ。ここのところ、急速に上条先輩に纏わり付く何かが大きくなっていて……」

――マジで?俺初耳なんだが。

と上条は置いてけぼり。

「幻想殺しが、その真価を発揮しようとしているのだ。恐らく――アレイスターの計画の影響か、この時期ならばだが」

「不幸の塊のような物が、幻想殺しの正体なのですか……?」

「違う」

と断言する老人。

「その程度のモノではない。それは、幻想殺しの覚醒段階により生み出されている副産物に過ぎない」

ローマ教皇は、上条の右手を指さした。
827 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 21:34:07.55 ID:JhScmewo
フィアンマとテッラと教皇とか俺得wwwwww
いいぞもっとやれwwwwww
828 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 21:38:19.44 ID:Dwl3Snso
「不幸、と言ったな」

強い眼光が心理掌握を射抜く。

「はい。上条先輩は異常な不幸を抱いています」

「だろうな。――何故だと思う?」

「何故、ですか……私は科学的には証明できないと思います」

「言い方が違うな。科学とは別次元に思える、のではないか?お嬢さん」

「……えぇ。学園都市の者としてあまり認めたくないのですが……」

「理解はしている。否、可能性は認めているといったところか」

「仰る通りです」

「ふむ……」

ローマ教皇は顎に手をやって考える素振りをする。
まるで、とあるワードを使わずにどう説明するべきか考えているかのように。
科学とは別の方式を知っていて、それを言わずにどう説明するか考えているように。

「主の恩恵、と言ってわかるか?東洋の者よ」

「……私は無宗教者ですが、十字についてなら知識としてのみ存じています」

「我々は主に感謝し、祈り、支えられて日々生きている」

「はい」

「全てを主に感謝し、時には奇跡すら見せられる。――そして、主より幸運を恵まれている」

ビクッ、と上条は震えた。
それを心理掌握が心配気に一瞥する。

「語弊を承知で言わせてもらいますと……我々は主から幸運を与えられていると?」

「そうだ。だから――」

ローマ教皇は上条を見据える。

「神浄であるほどの幻想殺しは――そんな主の恵みを打ち消している。すなわち、人に平等に訪れるであろう不幸と幸運の内、主より授かる幸運を打ち消しているのだ」

ローマ教皇の言葉が、上条と心理掌握の胸を抉った。
その後、心理掌握はいくつかの質問をしていた。
ありがとうございました、と心理掌握が綺麗に頭を下げるとローマ教皇はその場を去った。
今まで気付かなかったがテッラという人は、近くでこちらを終始観察していた。
相当重要な用があって学園都市に来たらしい。ローマ教皇含む三人はすぐに上条達の前から姿を消した。
829 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 22:01:42.36 ID:Dwl3Snso
「上条先輩、見て下さい」

心理掌握が指さす。
二階の特別展示スペース。

「これは……?」

「古代エジプトの『死者の書』です」

本物じゃないんですけどね、と心理掌握は苦笑する。

「さっき、主……つまりキリストの話がありましたね」

「あぁ。つっても俺は世界史に詳しくないから、あんまわからなかったが」

「そうですか。でも、これは知ってますよね。キリスト誕生で、紀元が変わった事」

そして、と死者の書のレプリカに目を向ける。

「それより前――古代エジプトで有名な死者の書」

心理掌握は説明を続ける。

「あれが『オシリス』。冥界の王です。彼の斜め上の文字は神聖文字で、死者の生前の善行や再生復活のための呪文が記されています」

指が横にずれる。

「そしてオシリスの前に『アメミト』と呼ばれる『心臓を食べる怪物』がいますね」

指がさらに横に。

「死んだ者はここにやって来て、判決を待ちます。これは知恵の神『トト』といいまして、その記録をしています」

その横に。
今度は大きな秤がある。
秤の両側に、また二つの生き物だろうかがいる。

「この秤で、『アヌビス』の方には『羽根』を。ホルスの方には『心臓』をかけます。それで天秤が傾けば告白を偽りとし、怪物に飲み込まれてしまいます。そして――無実となれば人間として再生できます」

天秤からさらに横にずれると、『マート』、そしてその向こう、一番端で死者は判決を待っている様子だ。

「あぁ、上に42人の裁判官がいましたね。……つまりですね」

くすっと心理掌握は上条に笑いかける。


「実際、そんなものなんですよ。科学と違って、それぞれをかけ合わせたら矛盾やらが起こってしまう。何でもありの――たかが人間の考えた事≠ネんです」


だから、気にする必要ないですよ。と心理掌握は上条に微笑んだ。
830 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 22:16:35.39 ID:Dwl3Snso
その後、美術館を出た。

「もういいのか?」

「ええ、楽しめました」

「そっか……ありがとな」

「え?」

「さっきの死者の書のくだり、俺を励ましてくれたんだろ?でも大丈夫だって。やっぱ俺って不幸なんだなぁって思っただけだからさ」

と上条は明るく笑う。
心理掌握もほっとしたようだ。

「ふふ、そうですね。上条先輩はもう、大丈夫です」

「おうっ」

二人連れだってバスに乗る。

「では次は水族館に行きましょう、上条先輩っ」





水族館に着いた。
時刻はちょうど昼時。
並ばずに入れたのは都合が良かった。
チケットを買い、中に入る。

「ささっ、行きましょー上条先輩♥」

心理掌握が上条の腕に、細い腕をからませてくる。

「うぉっ?」

思わず赤面する上条。

「えへへー」

嬉しそうに上条の腕に抱きつく心理掌握。

「こ、これはそのええっと俗に言う恋人つなぎじゃないですか!?と上条さんは疑問に思ったりします!」

「ふふ、上条先輩?顔真っ赤です、可愛い♪」

うひゃぁっ!と上条は謎の奇声を上げて悶える。
その上目づかいは卑怯だぞ!ていうかお前も顔赤いよ可愛いな畜生!と心の中で上条は精一杯ツッコミを入れた。
831 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 22:17:28.24 ID:79jF4H6o
見ていて顔がにやけてくる/////
832 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 22:18:30.20 ID:Cjrzm/M0
それがそうでもないんだなぁ…
833 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 22:25:57.08 ID:Dwl3Snso
そんな二人を、彼らは見ていた。

「……」

「……」

「……」

沈黙。

「……あ、上条動いt」

ビクッ、と即座に尾行する。

「……」

「……」


「……なぁ、お前ら。いい加減、やめね?」


と、垣根は麦野とフレンダに声をかけた。

「はぁ?何言ってんのよこんな楽しいこと放っとけないでしょ!」

と麦野。

「そうよそうよ!そ、それに私には結局上条の監視という任務がある訳なんだから!」

とフレンダ。

「そう、か」

男一人、垣根は野次馬根性丸出しの二人に「やれやれ」と肩を竦ませる。

「なぁによ、アンタ。一番乗り気だったんじゃないの?」

「そうだけどさぁ。なんつーか見てても仕方なくね?」

――ていうか麦野は上条のことが気になってんのか?

――はっ、まさか上条ハーレム建築!?

「ほら、二人とも上条達が動いた訳よ!追う追う!」

「もっちろんよ!」

ハイテンションの二人と対照的に、垣根は嫌な予感しかしなかった。
そう、もしも心理掌握にバレたら……と考え第二位は頬を引きつらせた。
834 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/13(金) 22:41:23.92 ID:Dwl3Snso
一方、上条と心理掌握はまずレストランに向かった。
レストランで軽食を取り、食後のコーヒーを飲みながら談笑する。
それからガラス張りの水族館を見て回ることにする。

「壮大ですね」

「そうだなぁ。でも横や天井だけじゃなく、下まで水槽だと割れたら怖いなんて思っちゃうな」

「あははっ、それは実際に起きたら大変ですよ。それに、水圧にも耐えらているんですから簡単には割れませんよ」

「それもそうだな……っと」

人込みになっていた。
思わず二人は繋いでいた腕を離してしまう。

「あっ……」

それでもバラバラになるわけではない。
恋人同士でもないのに、この繋ぎ方をしていることは上条にとって少し恥ずかしかった。
だからしばらく上条の手は宙を泳いだ。


一瞬、心理掌握が悲しげな顔をした。


そんな、気がした。
一瞬だったから、見間違いだったかもしれない。

「あははー……混んで来ましたね、先輩」

でも、上条にはそう見えた。

「上条先輩?」


それが、上条の胸を締め付けた。


――あれ……?


「上条せんぱ――きゃっ」

上条は心理掌握の手を取った。
そして、右手でしっかりと握り締める。
驚き顔を真っ赤にして縮こまる少女。
だが上条は、それ以上に驚いていた。
前々から、少しづつ気になり始めていた――。

――もしかして俺、こいつのことが……好きになっているのかもしれない……。
835 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 22:42:28.65 ID:Dwl3Snso
休憩と言う名のにゅうよーく
836 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 23:02:58.21 ID:Y4K942AO
一瞬なんでセロリがいるのか分からなかった
837 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 23:04:50.29 ID:UUwbGrM0
今からスレタイの場面を考えると胸が熱くなるな
今現在が幸せ絶頂っぽいからなおさら
838 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/13(金) 23:06:06.39 ID:x20zeXkP
セロリって何処だ?
839 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 00:57:58.97 ID:15IUTMAo
禁書U期PVキターーーー!wwwwwww
冒頭の上条さんカッコよすぎて十回ぐらいループしてたわwww
さーて続き書くかぁ
840 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 01:03:41.11 ID:t3ml1.Y0
上条さンカッコよすぎて濡れた

支援
841 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 01:13:13.80 ID:15IUTMAo
夕方――

「夕方からのチケットは安いからいいよなー」

上条と心理掌握は、学園都市内にある観覧車の有名なテーマパークに来ていた。


「……はぅ……」


――ん?

何か変な声を聞いた気がする上条。

「とりあえず景気付けにジェットコースターでも乗りますか!なーんてな!」

「……はぅぅ……ゲコ太……」

「……」

どうやら聞き間違いではなかったらしい。

「えっと……それ、気になるの?」

「ひぇっ!?べ、別に気になってないですよ上条先輩!」

「そ、そうか。じゃぁあのアトラクションから行きま―――――ねえ気になってるよね!?めっちゃ気にしてるよね!?だってさっきからずっとゲコ太のポスター見てるもん!俺の話聞いてないもん!」

「そんなことないですっ、さっ、行きましょう上条先輩!」

「……」

「……」

「と、とりあえずアトラクション周りながらやるか?――そのゲコ太スタンプラリー」

「……はい」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
垣根サイド――

「麦野!心理掌握と上条がアトラクションに向かう訳よ」

「ふっふーん。まっかせなさーい。見ろ!これで変装すれば同じアトラクションに乗ってもバレないわよ!」

麦野が買って来たキャラクター物の帽子とサングラスを広げる。

「入ってすぐみやげ物屋に行くなんて常識が通用しねえな、原子崩し」

「どうでもいいから行くわよ!ホラ、第二位はこの緑の帽子――こら逃げてんじゃないわよ!」
842 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 01:28:06.70 ID:15IUTMAo
「はぁ……はぁ……」

「さーて次は、Bブロックのゴールデンリバーのところですね。行きましょう上条先輩!」

「はぁ……あ、あのさ」

「はい?」

「さっきからスタンプラリーがメインになってない?」

「そうですか?」

「うん。だってアトラクション二つしか乗ってないのに園内はもう三周してるもん!」

さすがは学園都市。
スタンプラリーのほとんどは、周って行けば集められる。
のだが、

「なんでスタンプが移動すんだよ……」

ゴーイングマイウェイ、などというふざけた名前の自立歩行ロボットが最後の二つのスタンプを持っていて、園内を逃げ回るのだ。
それを追って、最後の二つを押さないとスタンプラリーは終わらない。
ロボットは園内の所々にある園内案内電子ボードに、赤い点で示される。
現在上条達がいるのはCブロック。
Eブロックにいるやつを追うより、Bブロックにいるやつを追うことにする。

「あ、でも待てよ」

「はい?」

上条は思い付いた。
今まで三周も追いかけ回して捕まらなかった。
ロボットは不規則に色んなブロックを転々とする。

「なら、一つのブロック内で待ってた方がいいんじゃないか?」

「あ……そうでした」

こんな子供騙しに引っかかっていたのだ。
そう、元々ゲコ太は子供向け。
だからこそちょっと頭を使えば動かないでいれば会える、と気付ける様にされていた。
だが心理掌握はゲコ太に必死になりすぎて、上条を引っ張って走り回っていた。

「急がば回れ、だな」

と、上条が言う。
ふと心理掌握が隣にあるジェットコースターを見つめている。
そして、不思議そうに言った。

「上条先輩――今垣根の声が聞こえたような」
843 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 01:47:02.48 ID:15IUTMAo
垣根サイド――

「ふー、いやぁ最高だったな!」

ジェットコースターから降りて来た垣根は晴れ晴れとした顔をした。
一方。

「おぇ、気持ち悪い……」

「うぷっ……無理、マジ無理。……畜生ォォ!こんなジェットコースターなんざぶっ壊してやる!」

「んだよだらしねえなぁ」

同意を得られず、垣根はつまらなそうに階段を降りる。

「あ?」

ウィーウィーン、とわざとらしいロボット特有の機械音を出しているロボットを発見。

「常識が通用しねえ……」

メタリックなそのフォルム。
野球ボールみたいな瞳。
動く度に鳴る機械音。

――か、かっけえじゃねえか。

垣根の頭に『捕獲』の二文字が浮かんだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「いいぜ!てめえがスタンプ集めたがる女の子から逃げるってんならまずはその幻想を――」

――いた!

上条はメリーゴーランドの柵を駆ける。

「――ぶち殺す!」

予想外の位置から迫る上条に、ロボットは対応できない。

「もらったぁぁぁ!」


「俺の未元物質から逃げられると思うなよォォ!」


「ってえぇえええ!?垣根!?」「か、上条!?」

二人は勢いを止められず、そのまま羽を生やした垣根を――上条の拳が撃ち抜いた――。
844 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 02:02:17.06 ID:15IUTMAo
「いやぁ、スマンスマン!俺は一応尾行なんてやめようと言ったんだぜ?」

「まぁいいけどさ」

上条は垣根と合流し、心理掌握の待つ電子ボード前に向かう。
ロボットは垣根が引きずっている。

「お、いたいt……」

「ん?あれh……」

心理掌握がいた。

その眼前に――

麦野とフレンダが土下座させられていた――。


「え、えぇっとぉ……何があったんですか?と上条さんは状況が理解できないのですが」

「あ♥上条先輩♪」

――その笑顔がこええよ!なんだよ!なんであの麦野が土下座してんの!?

「あ、あのね上条私たち脅さr」

オドオドと上条に救いを求めようとするフレンダ――が、心理掌握の二コリという笑顔で固まる。

「お、おい麦野?」

とフレンダはいつもあんなキャラなのでスルーする上条。

「言わないで言わないで言わないで言わないで言わないで言わないで言わないで言わないで言わないで」

「怖っ!なんか麦野さんが大変なことになっているんですが!?お前本当に何したんだよ!」

「やだなぁ上条先輩。――デートを尾行されて頭にきたので、ちょっと二人の心の中を上条先輩に教えてあげようかなーって言っただけなんですよ?」

その言葉に麦野とフレンダがビクッ!?と反応する。

――あぁ、なるほど。

と上条は納得した。
心理掌握は自動的に半径5メートル以内の人の思考が読み取れる。
大抵上条と一緒にいるため、上条の右手でその領域が消されてたが、上条と離れればそれが復活するのだ。
誰しも心の中は暴露されたくないだろう。

「さて上条先輩、二人で観覧車に乗りましょー♪残りのスタンプはこの二人が集めてくれるので♥――ね?」

笑顔の心理掌握に、麦野とフレンダはこくこくと頷いていた。
845 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:04:05.84 ID:KH.HWl.o
しんりかわいすぎてやばいおれのよめ
846 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:14:24.56 ID:yE.Y1Pc0
俺の嫁がかわいすぎる
847 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 02:16:37.23 ID:15IUTMAo
夜――

ライトアップされた学園都市を一望できる観覧車。
夏休みということもあり、大勢のカップルがいる。
長い間並んで、ようやく上条と心理掌握は観覧車に乗れた。

「わぁっー。きれいですねぇ上条先輩」

「おぉ……凄いなこの景色は」

色んな事があった。
嫌なことも、辛いことも、悲しいことも。
そんな学園都市だが。
それ以上に――楽しかった。

「俺、この街に来て良かったよ……」

「ふふ、そうですね。私も来て良かったです……か、上条先輩と、そのぉ……出会えて」

――ッッ!

薄暗い一室。
ライトアップされた景色。
恥ずかしげに頬を染める心理掌握の少女。
たった二人だけの密室。
上条の心臓がバクバクと鳴り響く。

「……いいシチュエーションですよね。私が、その……子供っぽい夢見ちゃってるからなのかな。あはっ」

「こ、こういうシチュエーションが……か?」

「はい……」

しんと静まる。
でもお互い、顔を真っ赤にして胸を高鳴らせていた。
花火が上がる。
同時――。


「上条先輩……!わ、私!先輩のことがずっと好きでした!大好きです!私と……!」


言い終える前に――上条が心理掌握を抱き寄せる。

そして――キスをした。

「俺も――お前のことが好きだ。――ずっと一緒にいてくれ」

大きな花火が、夜空に咲いた。
永遠にこの時が続けばいいのに――二人はそう思った。
848 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:17:36.53 ID:l04xuEko
心理さんまじパネエww
849 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/14(土) 02:30:55.19 ID:15IUTMAo
その後、出口では麦野とフレンダと垣根が待っていた。

「ほら集めて来たわよ!これでチャラ!」

そう言って麦野は、心理掌握にスタンプカードを渡した。

「あ♪」

嬉しげにそれを見る心理掌握。
周りで警備員がドタバタと走り回り、「ロボットが下半身と上半身真っ二つにされてるじゃん!犯人を追うじゃん!」と息巻いているのは無関係だと――上条は思い込むことにした。

「とりあえず上条よぉ」

垣根がニヤニヤしている。

「な、なんでせうか」

――ば、バレてる!?さっきの観覧車の一件を垣根は知っているのか!?

だが知っているのかは垣根ははぐらかし、

「みんなでもう一回観覧車乗ろうぜ!」

と上条、心理掌握、麦野、フレンダ、垣根は一室にギュウギュウ詰めで乗ることにした。


「ギャー!垣根私の服踏んでる!」

「あん?んなこと知らねえよ!うっわ高けえ!写メってメジャーハートに送ってやろっと!」

「きゃっ」

「おっと。大丈夫か?俺に捕まっとけ」

「はい……上条先輩」

「てめェェらイチャついてんじゃねえぞォォォ!」

「ギャー!麦野暴れないでぇー!」

「バッカやろ!原子崩し!常識が通用しねえようだな!ん?なんかミシミシいってね?」

「キャー!ホントに落ちる!上条先輩助けて!」

「バッカ辞めろ!麦野!と垣根も同調すんな!」

その後、五人は警備員に怒られたとさ。
それから五人で食事をして買い物をして、デートは終わった。

【ドキ☆怒気?デート編――終了――】
850 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:36:27.50 ID:15IUTMAo
や、やりきった…書くべき伏線は書ききったぞこんちくしょー
後はどんどん進めて行くだけだ

次からは、三年前の話の最終決戦【神の奇跡編】を書いて行きますー
851 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:38:05.49 ID:7UAwypIo
おお乙
852 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:43:20.52 ID:kDNp4E.0
乙です
次の投下も楽しみにしています
853 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 02:47:10.64 ID:zZtLS4o0
乙!!頑張ってください。面白すぎです
854 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 03:48:17.76 ID:GxG/zgDO
一方通行にとって上条当麻は初めて負けた最弱(ヒーロー)

未元物質にとって上条当麻は初めて出来た護衛相手(ともだち)

超電磁砲にとって上条当麻は初めて自分を普通の女の子として扱ってくれた恩人(好きなひと)

原子崩しにとって上条当麻は初めて幻想を壊してくれた宿敵(ライバル)

心理掌握にとって上条当麻は初めてプライドの塊である自分が、お父様以外の人を尊敬した人間(こいびと)

こうやって上条さんは皆の初めてを奪っていくのか……と思ったwwww
麦のんだけ適当だけど
855 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 07:05:06.82 ID:ahoULQAO
追い付いた…
目がしぱしぱする…
856 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/14(土) 09:55:17.35 ID:eylCJxM0
続きが気になるにゃ〜
857 :pasmo ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/08/14(土) 10:56:42.20 ID:15IUTMAo
今気付いた
小学5年生にキスする上条さんパネエっす

pixivにデート編までアップしたよーまとめブログ停滞してるから、見直すならこっち見るヨロシ
んじゃ今日もできたら書く

>>854
むしろ麦野のが1番上手いと感じた。
858 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 12:10:46.23 ID:GxG/zgDO
あれ小5だったんだ
ずっと小6だと思ってた
859 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/14(土) 13:27:17.82 ID:32MK8.AO
>>854
青髪ピアスにとって上条当麻は初めて大切な「彼女」を賭けて殴り合った邪魔者(しんゆう)

この先、削板軍覇は上条当麻にどんな「初めて」を奪われるのか。(そもそも登場するかどうか(ry)
860 :戦闘のアマだぜ! [sage]:2010/08/16(月) 00:06:29.97 ID:Y8FbeKA0
みんなスレがうまらないように気遣っているな。
861 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/08/16(月) 22:30:49.02 ID:SUwoI2so
>>860
人がいないだけかとオモタ
んじゃ一応言っておく。
麦野編が35レスだったから、【神の奇跡編】は次スレ誘導含めて90レスくらいあればいいかな
埋めないように気を使ってくれんのは嬉しいけど、俺のモチベーションはみんなの感想から来るんだぜ(キリッ  マジでね
感想があれば完走ってな
862 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/16(月) 22:52:05.46 ID:SUwoI2so
【神の奇跡編】

青髪サイド――

青髪ピアスの少年は、夜道を歩いていた。

「最近のアニメはオーディオコメンタリ―が多いなぁ」

街中から外れ、暗く狭い道を通る。

「いや、悪い事やねえへんけどな?」

一人、腕を頭の後ろに組んで独り言を言い続ける。

「あのアニメだって有名声優起用してるだけやん、ていうかにゃーにゃー言ってる事に萌えるしかないってどーいうことや。なーんて思ってたんやけど」

細い目をカッ、と開く。
鷹のような、鋭い眼光が夜闇に光る。

「正直、オーディオコメンタリ―が一番おもろかったわ」

断言すると目をまた元に戻す。
歩きながら、足元に転がった石を蹴る。

「いやね、このヒロインの口癖はないわーと思うとったんやけど」

蹴る。
石は何バウンドかすると、路地に転がった鉄パイプにぶつかって音を響かせる。
静かだった夜に、しばらく音が反響した。

「ん?いやいや何ゆうてんねんボクぁ!アカンアカン!あの主人公が消えた回!そう、あれ!あの回は何気に良回やなかったか?」

音が鳴ったことなど気に留めず、青髪は頭を抱えて悶える。

「そうや!帰ったらまた見よう!――さーてとそうと決まったらとっとと終わらせますかぁ」

ドタバタと足音が聞こえる。
青髪ピアスは、ある倉庫の前で立ち止まる。
倉庫の中からは無数の足音と、少年らの声。
青髪ピアスは「OP感染者やでー」とケタケタ笑い、


そして、その扉を思い切り蹴り飛ばした。


「「「ッッ!?」」」

扉は内側に砕け、そのまま倉庫内を転がる。
青髪ピアスの少年は、ニタァァアアと笑いながら倉庫内に入って行く。
その瞳を光らせながら。
863 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 22:57:35.06 ID:JAbMhrwo
山田君
864 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 22:58:58.94 ID:KRztZZYo
座布団一枚持ってって
865 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 23:02:24.22 ID:9zmHSjco
>>863-864
なんかワラタwwww
866 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/16(月) 23:13:14.82 ID:SUwoI2so
「なんだテメェは!」

一人の少年が怒鳴る。
青髪は倉庫内を見回した。
五人の少年。
いずれもあまり素行の良さそうな見た目ではない。

「対暗部――雨蛙や。潰しに来たで?暗部組織スクエア=v

青髪の言葉に動揺が走る。
少年ら――暗部組織スクエアの顔付きが、変わった。

「対暗部だと……!どうしてここがわかった!」

狼狽する少年。
それに青髪は答えない。
答える義理もない。

――まぁこっちにも情報通がいるってことや

「金持ちからの依頼で、恨みやら復讐の手助け――まぁ簡単に言えば殺し屋ってとこかいな」

彼らの行いを口走る青髪。

「――お?」

そんな青髪を、彼らは囲んだ。

「どんな能力者か知らねえが、一人でやって来たのは間違いだったな!」

一人の少年が手の平をかざした。
炎が噴射した。
青髪に一直線に火炎が迫る。
対し、青髪は、


「ふぁああ……」


何をするでもなく、欠伸をした。
それだけで、

「ぎゃぁああああっ!!」

火炎は、方向を変え――他の少年の腕を焼いた。
青髪はリミッターを解除していない。
この状態は、レベル3のAIM抵抗(AIMレジスト)である。
それは、自動でAIMを掻き乱したりできる。
青髪ピアスの本気は、こんな少年らが束になっても敵わない。
867 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/16(月) 23:27:56.47 ID:SUwoI2so
「あははー演算止めればええ、なーんて思うたか?」

青髪がクイッ、と人差し指を動かす。


同時、青髪を囲む五人の少年全員に向けて――大きな炎が噴出した。


「がぁああああっ」

「ぎゃあぁぁ!」

「あ、熱ちぃいいっ、し、死ぬぅぅうう!」

青髪は「あはははははー」と笑いながら、炎を消す。
少年らは火傷に悶え、床を転がる。
空気が変わった。

「ほぉ?念動力か」

青髪を飛ばそうとしたのだろう。
青髪には効かないが、何をしたのかは空気の流れで分かった。
脚に火傷を負いながらも念動力を放った少年。
青髪は彼に手の平を向ける。
少年も青髪に対抗しようと手の平を向けた。

「ごばァッッ……!」

直後。
その少年は吹き飛び、倉庫内のドラム缶にぶつかってドラム缶を凹ませる。
少年は気を失い、ぐだりと手足を床に下ろして停止した。

――この程度かぁ。つまらんなー

リミッターを解除するまでもない。

青髪ピアスは、残り四人をどう料理するか考え――ニタァァアアと笑った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
沙耶――

雨蛙の本拠地。
とある病院に、沙耶はやって来た。
時刻は深夜1時。
能力を発動させ、3階の病室まで上昇する。
窓枠に乗ると、能力で磁力操作し、窓の鍵を開ける。
そして――その部屋に侵入した。

アヤ≠フ眠る部屋に。
868 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/16(月) 23:34:45.09 ID:9zmHSjco
やばい青ピがかっこいい惚れる
あと一方さんを彷彿とさせる
869 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/16(月) 23:39:28.36 ID:SUwoI2so
「動かないで」

突然聞こえたその声に、沙耶はビクリと腰を浮かす。
声の主は、ベッドの隣に位置する椅子に座っていた。
ベッドの上では、アヤが寝息を立てている。

「……ビックリしたなぁ。どうしたの?」

沙耶は馴れ馴れしくその人物に話しかける。
黒いヒールの少女――テレポーターに。

「この子を攫いに来たの……?」

やや緊張した面持ちで、黒いヒールの少女が訊く。
彼女の体は、あちこちに包帯が巻かれている。

「そうだよ。あと、」

ニコリ、と沙耶が笑う。


「生きてたんなら、あなたも回収にね?」


ゾクッ、と黒いヒールの少女は震え――ボタンを押した。

「ん?」

ピッ、という小さな音。
それは、少女の持つ小さな機械から鳴った。

「今、何をしたの?」

黒いヒールの少女は答えない。
やがて、足音が響いた。
誰かが病院の廊下を走って来る。

――ちっ、面倒な。

沙耶は影を展開させる。
病室内の床を、黒一色にする。
黒いヒールの少女が慌てて脚を持ち上げる。
これで、誰が入って来ても、入って来た瞬間に意識を飛ばせる。
ガラッ、と扉が開いた。

――え?

ひとりでに。
それは念動力。
わずかに浮きながら、病室に入って来たのは――吹寄制理だった。
870 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/16(月) 23:51:57.35 ID:SUwoI2so
ガラスが破裂した。

「なっ!?」

吹寄は病室に入った直後、室内のガラスが一斉に割れたことに驚く。
窓際のガラスが全て砕けた。
そして、外に落ちた。
突然の騒音。
警備員などがすぐに駆け付けるだろう。
バチン、と紫電が弾けた。

「あぅっ……!」

黒いヒールの少女は、電気ショックで意識を失った。
そして、それらを起こした沙耶はケタケタと笑った。

「どいつもこいつも裏切ってくれちゃってさぁー」

身構える吹寄。

「麦野もこの子もさぁ、私の物にならないなら――壊しちゃうよ?」

吹寄は表情を変えない。
沙耶を睨む。

――戦ってる暇はなさそうだね。

沙耶は黒いヒールの少女と、アヤを抱える。

「んしょっ」

そして――窓から飛び降りた。

「っ!」

突然の行動に吹寄が一瞬遅れる。
沙耶は空中で手≠生み出す。
そして重力操作を行う。
二人を抱えた沙耶は、ゆっくりと地面に着地する。

「待て貴様!」

ズドン、と大きな音がした。
吹寄が飛び降りたのだ。
骨折一つなく、その能力でコンクリートの地面を抉り――吹寄は着地した。
沙耶はアヤを肩に担ぎ、片手を吹寄に向ける。

「あんまり、暗部を舐めないでよ」

そして、能力を放った。
871 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/17(火) 00:02:57.89 ID:Z2H3CFwo
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
とある実験施設――

「はぁ……疲れた。アレイスター、連れて来たよ?」

沙耶は実験施設内の通信で、アレイスターに連絡を取る。

『ふむ。では始めようか――天使≠フ出現を』

アレイスターは無機質な声だが、どこか楽しげに思えた。

「任せといてー。アヤ≠ノ、こいつを入力すればいいんでしょ?」

ケタケタ笑い、沙耶はアヤに学習装置を取り付けた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
吹寄サイド――

「はぁ……!ごほッ……!」

吹寄は、地面に倒れながら携帯電話を取り出す。
コールするのは青髪ピアスの少年。

『……はーい何か用かいなー?吹寄ちゃん』

能天気な声がする。
いつもなら「もっとシャキッとしなさい馬鹿!」と怒鳴るが、こんな状況ではその声は吹寄を安心させた。

「……はぁ……!ごめ、ん……」

『……吹寄ちゃん?どないしたん?』

青髪の声からふざけの色が消える。


「ごめん……!アヤが――暗部に連れ去られた!あたし……!守れなかった!」


涙が零れる。
悔しくて悔しくて、吹寄は拳を握り締める。
しばらく沈黙し、

『……吹寄ちゃんはよく頑張ったで?――後はボクらに任せてくれや』

青髪ピアスの力強い言葉が返って来た。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
872 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/17(火) 00:16:57.77 ID:Z2H3CFwo
ジジッ、

ジジジジジジッ、

ジジジジジジジッジジジジジジジジジジジジジジッ、

それが――姿を現し――浸食を開始する――。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
窓のないビル――

『ついに天使の出現かぁー』

通話。
アレイスターと通話するのはレベル6。

『そういえばアレイスター、天使ってどんなんだぁ?』

「……」

アレイスターは答えない。

『……ん?おいアレイスター。なんか来たんだが』

アレイスターは答えず、

『な、なぁんでこの時空にやって来れるんだぁ?これは何だ?』

ただ、笑った。

『お、おいアレイスター!なんだこの黒い、データの集合体みたいなやつはぁ!?』

答えない。

『て、てめえ!まさかこの俺をぉぉ!?レベル6であるこの俺を裏切るのかぁぁぁ!?アレイスター!!』

プランの進行に、アレイスターは笑った。

『や、やめろぉぉぉぉ!!――ぎゃぁぁっぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』

――レベル6を、天使が喰らったか。

――予定通り。私はね、貴重な物を手元には置かない主義なのだよ。

――手元に、籠に入れて大事に取って置くのは――より貴重な物への餌≠セけだ。

――さぁ、始めようか。

アレイスターは、培養器の中で――薄く笑った。
駒は揃った――。
873 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:17:52.72 ID:Z2H3CFwo
今日はここまでなんだよ!
寝るんだよ
おやすみなんだよ
874 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:20:51.52 ID:pX/mXxgo
乙!!

ずっと見させてもらってたけど、心理掌握の描き方や展開の持って行き方が非常に
上手すぐる。こんな風に書いてみてぇ
875 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 00:22:49.94 ID:hasl/VYP
心理掌握といえばエロパロ保管庫にあった奴も面白かったな、小ネタどまりだったが
876 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 01:23:45.56 ID:iSrQ2Ec0
乙!最後まで頑張ってください。
877 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 01:44:53.14 ID:3jVv2MDO
乙!
青ピかっけーなあ
もうね、毎日続きが楽しみなんだよ俺は
878 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 02:12:27.93 ID:d9jDeAAO
作者自爆で能力バレしたlevel6こと「時間操作(?)能力者」はコレで出番終了…

すごく…かませ犬です…
879 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 02:18:49.76 ID:5L/UJ8Mo
乙です!

>>878そんなこともあったな。懐かしく感じるぜ
880 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 06:41:47.68 ID:Q4hfvyIo
レベル6で時間操作なら死んだらその直前の自分の状態に戻るとかっていう事くらいやってほしかった……すごく……カマセです…
881 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 10:15:36.61 ID:QwnUvaso
そんなことすら許さないのが天使だろ
何せあの一方さンを叩き潰すようなやつだからなァ
882 :戦闘のアマだぜ! [sage]:2010/08/17(火) 10:55:51.20 ID:E./Ayt20
さすがアレイスター、非道!


>>881
一方さん、乙!
883 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 19:17:40.60 ID:r0TLRDoo
大丈夫、わたしはそんなレベル6を応援してる
884 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 22:24:14.54 ID:Z2H3CFwo
はやく美琴と心理掌握の会話を書きたいなぁwww
885 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/17(火) 22:25:16.09 ID:Z2H3CFwo
ジジジッ、

「sdfghji9876542wse358ujhbfd78ijhgfdew7uikjfde567ude」

ジジッジジジジジジジジジジッジ、

「e4567890pol46kmn4bvfdsw23456y6yuw5877jry57itgfdsw21qasdhy789okm」

黒いデータの集合体が、学園都市に姿を現す。

午前1時42分。

多くの学生が、眠りについている。

または、眠りにつこうとしている。

レム睡眠、ノンレム睡眠。

彼ら彼女の夢の中が、

AIM拡散力場が、

学園都市に現れた黒いデータの集合体天使≠フ元に集まる。

データが集まる。

「1357896136805685782705787-068058701701856917687106169-16791-671-568-957-24578-54927891750176028-681-861-9861-67143768918375014957301957096816710」

だが、まだ足りない。

自意識が沈んでいる状態では足りない。

それでは、天使にとって足りない。

現在起きている学生は、約31%。

まだ足りない。

もっと、人の意識が必要だ。

それは――いつになったら手に入る。

朝だ――日が昇れば学生らは目覚める――。

ならば――と天使はデータ採集を中断し――スリープ状態になる――。

朝を――待とう。

886 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/17(火) 22:36:20.76 ID:Z2H3CFwo
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
沙耶サイド――

「およ…?天使消えちゃったよ?」

『構わない。一時的なスリープ状態になっただけだ』

「そうなの?それじゃー今日はすることないか」

沙耶は研究所のソファに腰を下ろす。

『……また連絡する』

「あいさー」

沙耶が適当に返事をすると、アレイスターからの通信が切れた。

「……」

「そんな警戒しなくてもいいよ。別に取って食おうって腹じゃないからさ」

黒いヒールの少女に、笑いかける。
黒いヒールの少女は、一つの椅子に座ったままこちらを警戒している。

「私を、連れ戻したのはなんで……?」

「必要だから。結構人手不足なんだよねー」

「そう……」

「それだけじゃないけど」

「?」

沙耶はそのまま横になり、眠りの姿勢に入る。


「こっち側(暗部側) にいないと――死んじゃうからね」


見捨てたくないしねー、と呟くと、沙耶は眠りに落ちた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
青髪サイド――

道端に落ちいていた機械を拾い上げる。
黒いヒールの少女に持たせておいた物だ。
ご丁寧にも、それとは別に服や靴に付けておいた発信機まで落とされている。
青髪ピアスの少年は、それを手近なゴミ箱に放る。
そして――とある少女に電話をかけた。
887 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/17(火) 23:03:32.93 ID:Z2H3CFwo
『――今何時だと思っているんだ?』

少しムッとした少女の声。
対し、アレイスターは何をしているのか、と青髪ピアスは訊く。

『私の第一声は無視か。まぁお前の気持ちはわかるけど?』

知っていることを話してくれ、と言う。

『私が知っている事を全て話すには時間がかかり過ぎるけど?というか全てを話すつもりなんてないけど』

雨蛙の協力者なんだろう?

『面白いことになっているからね。目に付いた馬に馬券を賭けるようなものさ。都合の良い情報屋になったつもりはないけど?』

アヤが連れ去られた。

『ふむ。始まったようだな』

何がだ。

『アレイスターの計画の一つ。レベル6と天使、あとは幻想殺しといったところか』

何!?

『安心したまえ。夜中にやっても意味がない。恐らく、今は準備段階を終えた所。夜中でもなければ病院に侵入できなかったというのが理由だと思うけど』

……その通りだろうな。

『ではおやすみ。――始まるなら、明日だよ』


そう言って、雲川芹亜は通話を切った。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アレイスターサイド――

数日前の事だ。
ローマ教皇が、神の右席二人を引き連れてやって来た。
もちろんアレイスターが招いた。

「私には少し先が見えている。――君らの出番はまだ先だ」

アレイスターは、彼らにそう言い放った。
そして、彼らを国に返した。
案ずるな、魔術サイドに影響は出さない、と。
これからアレイスターが行うことは、あくまで学園都市内で納めると。
そんな数日前の出来事を思い返し――そして、天使の出現から日が昇るまでを静かに待った。
888 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/17(火) 23:20:25.83 ID:Z2H3CFwo
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
翌日――
上条サイド――

「ふぁぁ……眠ぃ」

歩きながら垣根が欠伸をする。

「そんなんで映画なんか見れんのか?」

上条は少し呆れる。

「つか、俺が寝た後何時までゲームしてたんだよ」

「んー、上条が寝たのって何時だっけ?」

「確か、12時くらいだったか」

「あーすると5時までだから、ちょうど5時間ぐらい」

「どんだけ起きてんだよ!」

「大ー丈夫だって」とヘラヘラする垣根に上条は嘆息する。
夏休みということもあり、二人は私服だ。
数日前の心理掌握とのデートの日。
みんなで帰り道、今度全員で遊びに行こうと話した。
心理掌握は学園都市外にある海辺の別荘を提案。
それは外出許可など面倒なので保留。
そして麦野は、学園都市にある巨大室内プールを提案した。

「ウォータースライダー面白かったよなぁ」

そして、先日行って来た。

「上条は心理掌握のやつとイチャイチャしてたしなぁ?」

ニヤニヤと垣根が笑う。
上条は少し赤くなりつつも、反撃。

「か、垣根だって女の子連れて来たじゃねえか!なんか凄い仲良さそうに見えましたよーワタクシには!」

「バッ、あ、あいつはそんなんじゃねーよ!メジャーハートはよ、なんか暇だ暇だうるさいから連れて来ただけだって!」

あーそうかいそうですねー、と上条は適当に流す。
ふざけて言ってみただけだが、もしかすると本当にそういう関係なのか?と上条は疑問に思った。
もちろん口には出さない。だって垣根はツンデレなのだ。
上条と垣根はバスに乗り、映画館の方向に向かう。
今日は――心理掌握、上条、垣根、フレンダ、麦野、の5人で映画を見ることになっている。
夏休みの昼間は、学生で賑わっていた。
889 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 23:22:43.74 ID:Z2H3CFwo
プール編は尺の問題でカットしましたwwwwww後で回想にして入れようかなぁwwww
とりあえずニューヨーク行って来る!
まだ続き書くよ
890 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 23:28:28.25 ID:a0jnOIAo
ハイジャックのレポートも頼むよ
891 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 23:33:51.98 ID:5L/UJ8Mo
>>889ニューヨークという単語を見て思わず、え? と言ってしまった。
ニューヨークでn……か。
取り敢えず乙です! 続きを楽しみにしてる
892 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/17(火) 23:37:26.18 ID:iSrQ2Ec0
乙!!上条さんと心理掌握のいちゃいちゃを描いてくだせえ
893 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/18(水) 00:55:49.01 ID:FVqnDnEo
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
黒いヒールの少女――

冗談じゃない、と少女は思った。
沙耶からの命令はこう、

『心理掌握を連れて来て。テレポートすれば楽だよね?』

そして、黒いヒールの少女は現在――心理掌握を追っていた。

――どうやって連れて行くのよ。

心理掌握の能力については、ある程度知っている。
半径5メートル以内に近づけば、即座に考えていることがばれてしまう。
それだけでない。
操るには、特殊な光みたいなものを当てるか、手で触れないといけないようだが、単純な命令≠ネらば5メートル以内に入れば行使できるのだ。

――地面に伏せ!なんて言われたらその場でアウトよ……。

隙がないのだ。

――遠距離から攻撃するしか……ん?あれは麦野ッ!?で、あ、なんかもう一人合流した!?

ひとまず攻撃は中断。
しばらく離れた位置から後を追う。

そして、心理掌握たちが、幻想殺しと第二位と合流した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上条サイド――

「おーう早かったなぁ」

上条は心理掌握たちに手を振る。
心理掌握の顔がパァと明るくなる。

「なぁ垣根――」

ふと、上条の視界から垣根が消えた。

――お?

直後。

「がはぁっ!?」

黒いヒールの少女が、ゴミ箱に激突した。
スタッ、とその少女を蹴飛ばした張本人――垣根が上条の隣に舞い戻る。
上空から上条に迫った少女を、脚力だけでジャンプして蹴り飛ばしたのだ――。
894 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/18(水) 01:13:52.38 ID:FVqnDnEo
「ぐっ……!」

黒いヒールの少女がフラフラしながら起き上がる。
垣根だけでなく、上条も警戒する。

――つってもあの包帯姿、痛々しいな……。

心理掌握とフレンダも警戒を。
麦野も元仲間だからか、嫌そうな顔をする。

「来て、もらうわよ……心理掌握」

呟くと、黒いヒールの少女の姿が消えた。
心理掌握の背後に回る。

「跪け=I」

ビクッ、と気配に即座に反応した心理掌握。
骨の折れる嫌な音とともに、黒いヒールの少女が地面に伏せた。

「ッッ!ぐぁっ!」

突然の命令を神経回路に通され、腕が折れまがった状態で地面に伏せてしまう。
だが、それでも、黒いヒールの少女はニタァアと笑った。

「気を付けろッ!」

上条は慌てて心理掌握に駆け寄る。
だが遅い。
黒いヒールの少女は、心理掌握に触れただけ。
それだけで――その場から消えた。


ズダダダダッッ、とマシンガンのような騒音が響いた。
垣根が4枚の羽を展開している。
そして、そこから小さな羽根の礫を弾丸のように発射した。
ビルの一角に。
上条は目でそこを追う。
そこには心理掌握をかかえた黒いヒールの少女。
垣根の羽根が届く前に少女は心理掌握を抱えて姿を消す。
そして、隣のビルに。
今度は心理掌握の姿がない。

――やられた!別の場所にテレポートさせやがった!

改めて黒いヒールの少女が上条達から少し離れた地面に姿を現す。
再び、姿を消す。
今度は――麦野の背後に回った。
ヒュッ、という音とともに麦野の姿が消える。
黒いヒールの少女は、邪魔者を消しているのだ。
895 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/18(水) 01:27:55.44 ID:FVqnDnEo
「上じょ――」

言いかけたフレンダも、消されてしまう。

「テメェ!」

上条が黒いヒールの少女を睨む。
黒いヒールの少女は、体のあちこちを壊している。
それでも、冷や汗をかきながら――ニタァアアと笑った。
垣根と上条を見遣る。

「これで、駒は揃ったわ……!」

「あいつらをッ!どこにやりやがった!?」

「ふん、少し離れた場所よ。殺す気なんかないわ……しばらく離れててもらうだけ」

そう言うと、黒いヒールの少女が姿を消した。

「くそっ!あいつどこに!」

「落ちつけ上条!今、調べる」

垣根が取りだしたのは一つのデバイス。

「AIMキャプチャーだ。これで、心理掌握の能力を検索すれば……」

「そうか!心理掌握が必要なら心理掌握と一緒にいるってk――」

言いかけた上条。
そして、垣根。
それだけでなく、上条達の騒ぎを遠巻きに見てた学生たち。


全員が――上空を見上げた。


そこには、巨大な――黒いデータの集合体がいた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
心理掌握サイド――

ここは……研究所?
なんでこんな場所に私が――って拘束されてる!?
様々な機器が取り付けられていて、私の周りには誰もいない。
当たり前だ。近くに誰かいれば操れるもの。
そして、私は辺りを見回し、

アヤを発見した――。
896 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/18(水) 01:42:23.19 ID:FVqnDnEo
「な……!なんでアヤがここに!?」

くっ、動けない!
アヤは頭に装置を付けられ簡易ベッドの上に寝かされている。

「誰が、こんなことを……!アヤを離しなさい!」

いた。
私を拘束する機器から、恐らく7メートルほど離れた位置に。
ソファに悠々と座る少女。

「こんにちは、心理掌握さん。私は第三位の未知源発――あなたのこと、ずっと探してたんだぁー」

ニタニタと笑う。
そして、リモコンのような機械をこちらに向けた。


「そして――さようなら」


ピッ、と小さな機械音がした。
そして、私の視界をヘルメットのような機械が覆った。


「ッッッッッ!?がッアアぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


学園都市の全ての――――声が頭に飛び込んできた。

『あっちぃ……』『バイト辞めたいなー』『ていうかぁ、あいつ最近付き合い悪いっつーの』『ア、アイス……』『だりぃ……』『やばっ!一一一かっこいいー!』
『結局こいつと別れよう、とか思ってたけど別れないなぁ。やっぱメンドーなんだよな、別れ話とかさ。あーあーつっまんねー。つか、こいつは俺のことどう思ってんだろ』
『新しい男に乗り変えようかなー、なんて思ってたけど何故かこいつと一緒にいる私。もういっかなー新しい関係築くのも大変だし』『よーし勉強頑張るぞー!』
『能力上がんねーなー』『あの教師マジむかつく!なんであたしだけ補習なのよ!絶対あたし目当てだろエロ教師死ね!』『図書室で勉強しようかなぁ』『殺した跡は灰にすればいいんだ』
『ゲコ太!?ふ、ふっふふー。私としたことが見逃しそうになったわ。えーとガチャガチャするには小銭あったかなー?』『あぁっ!クッソうぜえ!なんで研究費カットなんだよ死ねや老いぼれ!』
『スキルアウトのリーダーっていつからいるんだろ』『ひぃぃっ!なんでこの僕がカツアゲされんだよぉぉ!くそっ、役に立たない風紀委員め!』『あー!彼女欲しい!』
『だぁー!この店品揃え悪ぃな!他の店でタバコ買わなきゃじゃねえか!』『補習マジしんどいー早くおわれー』『お昼は冷やし中華でも買ってくるかな』『暑いですの……』
『あの野郎!逃がさねえ!』『うっわ、あれレベル4相当じゃねえか!こんな街中で能力使ってんじゃねえよ!』『理事会の他の連中がどう動くかによるな』『演算パターンを応用すれば……』
『お、新しいスレ発見。――ん?レベル3だけど質問ある?……だと?ナメてんのかコラ。レベル4のフリして書き込んでやろ。俺、無能力者だけど』『暗部組織の相次ぐ壊滅か、厄介だ』
『ふっーいい汗かいたじゃん。ったく、あいつらこのくらいでバテてやがる。まだサボりにサボりやがった体育の授業の補習はこれからじゃん』『やべ!合併号また買っちまった!』
『この服可愛いー……どぅええっ。高っ』『あ、このクレープ美味しいっ。アイス入りってのも結構イケるね』『今日は調理実習が多い日なんだなー。面白い料理覚えたら兄貴に作ってやろー』
『うー早く次のシステムスキャン来ないかなぁ。せめてレベル2にはなりたいよぉ』『全く!超駄作でした!あれでB級映画なぞ名乗らないで欲しいですね!やるならもっと超弾けて欲しいものです』
『学園都市でライブやるってマジなんだー、あー、恵美子も誘おっかなー』『あ、切れた。――そろそろコイツも寿命かなぁ、新しいギター欲しい』『プレ4の新作ゲーム発売かぁ。金が……』

声、声、声、声、声、st;hjりjちはhてほkphてほえあkh@てhけあ@hけた@hけt@thけth@えhか@phgぁ@phぁphぁ@えhlたp@hぁ@pgkておhこhけあhこてp@へk@えhこえあ。

学園都市の全てが――心理掌握に注ぎ込まれる。

そして――それらが天使≠フ元へと送られる――。

学園都市を――巨大な闇が覆った――。
897 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 01:43:21.33 ID:FVqnDnEo
今日はここまで
結構順調に進んでるな
898 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 01:45:21.88 ID:0na8uyUo
をんちゅ
899 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 01:50:38.05 ID:AueGCN60
楽しみ。頑張って
900 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 03:14:01.74 ID:JyU.Gyo0
上条先輩生きてたんですかどころか心理掌握生き残れんのかってレベルだな
乙々
901 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 09:46:19.57 ID:YOzQm5go
>>896
この中のどれだけが作者の思ってることなのよ
902 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/18(水) 21:14:02.97 ID:LofrcPU0
>>896ゲコ太って言ってるのは御坂?
903 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/18(水) 21:51:21.14 ID:MgCNLYDO
>>896
介旅らしき奴もいるわけよ!
904 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 07:26:32.27 ID:mVfVckAO
>>896
プレ4…だと…(°д°;)
PS4 どんなスゲェ性能なんだ
超欲しいじぇい
905 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 10:51:11.54 ID:M5Av4qEo
学園都市だともはやディスクがなさそうだなwwww
906 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 10:51:35.00 ID:5f.nMJs0
絹旗らしき人もいた
907 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/19(木) 13:09:33.03 ID:yP1uz2I0
『結局こいつと別れよう、とか思ってたけど別れないなぁ。やっぱメンドーなんだよな、別れ話とかさ。あーあーつっまんねー。つか、こいつは俺のことどう思ってんだろ』
『新しい男に乗り変えようかなー、なんて思ってたけど何故かこいつと一緒にいる私。もういっかなー新しい関係築くのも大変だし』

よく分からないがこれが倦怠期か?
908 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 19:19:26.52 ID:7NiFSoSO
>>1は素晴らしい
909 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 22:07:42.85 ID:G7G.5hYo
上条サイド――

「な……なんだよアレ…」

上条はしばらく、開いた口が塞がらなかった。
上空に何かいるのではない。
空が、黒いのだ。
雲も、青い空も、強い日差しも、何も見えない。
あるのは黒い霞。
漆黒というわけではなく、電流で砂鉄を集めたかのような集合体。
その大きさは計り知れない。
少なくとも目の届く範囲は全て、これに覆われている。
一学区丸ごとどころか、もしかしたら学園都市の全てを覆っているのではないかと思える。
それが、黒い霞に見えるのは上条の視界が真っ暗でないからだ。
黒い霞には、夜空に浮かぶ星々のような小さな光が浮かんでいる。
それがまばらに点々とあり、輝き、パチパチと電気のように光る。
いや、恐らく電流であっている。
何故ならそれは、この黒い霞はデータの集合体を思わせるからだ。
黒い霞に覆われていても、小さな光が上条らを照らす。
だからこそ上条は辺りの状況が目に見えた。
昼間でも、店などの電子看板は光を発している。
上条の近くに位置するコンビニや、ファミレス、駅などのそういった部位が黒い世界で怪しく光る。

「うあぁぁ」

「な、何が起こってんだよぉ……!」

「に、日食か!?それにしてもあの光は、一体……」

学生らは、コンビニや駅に逃げて行く。
まるで空襲が始まった最中、防空壕に逃げるように。
建物の中に避難していく。

――くそっ、何が起こってやがる。

上条はようやく、ピンと張っていた脚を動かせた。
ジャリ、と地面を擦る音が鳴り、その音でより現実感を取り戻せた。

「上条、大丈夫か?」

垣根がこちらに走って来た。

「ん、ああ。なんなんだアレは。日食ってわけでもなさそうだが……」

「日食ってのは太陽と月が重なるから起こる。だが見てみろ上条、見えるか?あの光と黒い霞、隙間があるだろ」

「……わっかんねえ」

「そうか。あの向こうに、わずかながら光が見える。てことはこれは日食でも雲でもない」
910 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 22:23:45.20 ID:G7G.5hYo
「だったらアレは何なんだ?」

「わっかんねえ。――だが、タイミングが合っているな」

「タイミング?」

「心理掌握のやつを連れて行かれたのと、だ。もしかしたら、これが心理掌握を『レベル6の鍵を握っている』と言わせるものなのか……」

「レベル6!?」

とんでもないことを聞いた。

――あ、そういえばレベル6を目指すために能力開発ってされてるんだっけか。

「つか、レベル6云々って本当に目指してたんだな」

「ん?まァな。俺だってスペアプランなんて言われてるし。レベル6になれる、な」

「と、いうことは心理掌握のやつはレベル6候補じゃないのか?」

「そうだな。――あぁーっとこれは上条の護衛に付く前のことなんだがな」

と、垣根は石ころを蹴飛ばして話す。

「上条。つまりは幻想殺し、そして心理掌握。この二人がレベル6の鍵なんだとよ」

「えぇええ!?俺が!?」

――なんで!?ただのレベル0だぞ!?

「詳しく話すにも時間はねえし……それに俺だってアレイスターの全てを知ってるわけじゃねえからなぁ」

垣根は髪をかきむしる。

「――つまりだ。今回のコレは、心理掌握を利用して行(おこな)ってんだろうな」

「レベル6の鍵である、心理掌握を……ん?ということは奴らの狙いは……!」

垣根がニッ、と上条に笑いかける。

「おぅ、俺か第一位だろうな」

「ったく、とんでもないな。理事長は」

「俺たちはもっととんでもないことをするがな」

垣根が人の悪い顔をする。
そして、上条に当たり前のことを確認した。

「俺達はこれから学園都市統括理事長に逆らうんだからよ。――そうだろ、上条?心理掌握の奴を助けにさ」
911 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 22:39:00.88 ID:G7G.5hYo
「あぁ、もちろんだ!」

「んじゃ、行くぜ!」

垣根が再び四枚の羽を展開する。
そして上条に手を差し伸べる。

「あのぉ……上条さんにはこの右手があるのですが」

「それなら俺の脚に掴まってるか?そうすりゃ羽に右手が触れるこたぁねえだろ」

「めっちゃ脚痛くなるぞ?」

「はッ、天下のレベル5にとっちゃ余裕だ」

ということで。
垣根が羽を羽ばたかせる様子を上条は見ていた。
やがて、ヘリコプターが真上に飛ぶように飛び上がる垣根。
しばらく低空飛行を続ける。
それに向かって上条が走りだす。

「行くぞッ」

ダンッ、と地面を蹴る。
低空飛行する垣根の脚を掴む。
ぐら、と少し垣根の体が傾く。
垣根はそれに合わせて調節するように、羽の羽ばたきを強める。
しばらく、上条のスニーカーが地面を擦った。
そして、飛行機のように上条の脚が地面から離れた。
そのまま垣根は上条に掴まれながら飛び上がる。

「うっひゃぁ!最高だな上条!」

「こえぇぇぇええええええ!ちょっ、マジ怖い!死ぬ死ぬ死ぬ!」

「あれー?上条ってば高い所苦手?」

「そう言う問題じゃねええ!なんだこれ!速度凄いから顔面に風当たって目が開かねえし!脚ぶらぶらして超こええし!ていうか脚ずっと掴んでるとかよく考えたら俺の握力死ぬ!!」

「あーなるほどなー」

「なんでそんな涼しい顔してんだよ!」

「とりあえず、落ちそうなら俺の膝辺りまで登って上半身で抱きついとけ」

「ぐぅ……!こ、このままじゃ落ちる…!そ、そうする」

「おう。てことで倍速ぅー」

「ぎゃぁーーッ!」
912 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 22:54:04.97 ID:G7G.5hYo
「む、麦野やフレンダはどうするんだ!?」

上条は目を瞑って唇を震わせながら大声で尋ねる。
振動が強い。
上条のトレードマークのツンツン頭も後ろになびいている。

「そうだなー!あいつらなら放っておいても大丈夫だろー!」

風が強いなかで垣根も大声で返答する。

「そうかぁ!そうだな……!」

「おーう!それに上条は!……おっと……上条は麦野にもう人殺しさせたくねえんだろ!?」

垣根が途中で方向転換する。

「できれば……!俺は!お前にもそうして欲しい!」

「…………」

しばらく、垣根が押し黙った。

「勝手なことを言っているのはわかってる!何も知らないくせに!俺のエゴを押しつけているのも分かってる!」

「…………」

「でも!お前にそうして欲しい!」

「な……ぜだ……」

小さな、垣根の声がした。
わずかだが、そう聞こえた。
バタバタと上条の服がはためく。
そんな中で、上条は大声を上げる。
垣根にちゃんと、聞こえるように。


「友達だからに、決まってんだろぉぉぉ!!――お前が!俺の…!大切な友達だから!だから!勝手なエゴでも!なんでも!」


上条は思いっきり、叫ぶ。
喉が潰れそうになるほど。

「お前と……!!ずっと一緒にバカやって笑っていたいんだよ……ッッ!!……なぁ垣根!!」

「……ッッ!…………ッッ!」

垣根は、言葉を返せない。
ただ、嗚咽を漏らした。
垣根から自然と流れた大量の涙が――上条の頬にかかった。
913 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 23:05:44.12 ID:G7G.5hYo
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――麦野サイド

「ここは……」

どこか、と思ったらセブンスミストの前だ。

――ということは、上条たちと一緒にいた場所からそんなに離れていないか。

空を見上げる。
黒い霞の空。
わずかな光。

「嫌な空ね」

次に辺りを見回す。
たくさんの学生。
大人もいる。
彼ら彼女らは、慌てふためき建物の中に逃げ込んでいく。
麦野の横を通り過ぎ、多くの人間がセブンスミストの中に入って行った。

「……痛っ」

だれかが麦野の脚を蹴った。
これだけの混雑だ。有り得ないことではない。
ムカッとした麦野はすぐにその人物を発見し、ヒールでその少年のスニーカーを踏む。

「ぎゃぁっ!いってええ!」

フン、と麦野は興味をなくしてその場を去る。
昼間っから電気を使いまくって明るい店内へ、ではない。

「とりあえず、上条達のいたところに行くか」

歩き出した麦野。
突然、様子が変わった。
上空を見上げている連中の。

――あん?何にビビってんのよ。

麦野もそれにならって空を見上げた。
どうせさっきと同じでしょ、と口にしながら。

「なっ……!?」

黒い霞が、降って来た。
雨のように、雪のように。
バチバチと電流が流れているかのような、黒い霞が街中に降って来た。
人にはぶつからず、地面に付くと他の霞と引き付け合い――大きな塊になっていく。
その大きさは人間一人分くらいだ。
914 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 23:15:33.89 ID:G7G.5hYo
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フレンダサイド――

黒い雨が降り出した。

「なんなのコレ!?」

フレンダは取り壊し中のビルにいた。
テレポートされた場所がここなのだ。
そこに、つい先ほどから黒い霞が上空から降って来るのだ。
いや、違う。
見渡す限りの黒い空。
ここから見える限り、学園都市全体にその霞が降って来ている。

「な、何が起こってる訳?」

地面に落ちた霞。
バチバチと青い電流を弾かせ、霞同士が引き寄せ合う。
やがて人間大の大きさになると、他の霞とは引き寄せ合わなくなる。
それぞれ、別の霞も、人間大の大きさを目指している。

「こ、こわぁー」

それが段々とフレンダに近づいてくる。

「きゃあぁぁーーー!マジ怖い怖い!」

逃げるも、反対方向から、人間大の霞がやって来る。

「な、ななな何なのよぉー!結局どうなってる訳ー!?」

一つの霞が、フレンダの前で止まった。
そして、バチバチと鳴らしながら形を変えていく。
粘土のように、ぐにゃぐにゃと。
やがて、人間の体付きになっていく。
頭、肩、腕、腰、脚、と徐々に人間の形を作る。
さらにはフレンダと同じ身の丈にまでなる。

「――――ッ!?」

黒い霞が、輝いた。
霞のあちこちで輝く、光が。
霞はさながら宇宙のように見えた。
光は星々。
その光が、フラッシュのようにフレンダの視界を光で照らす。
目を開けると、

「な、なんで……!?」

邪悪に笑む自分自身――もう一人のフレンダがフレンダの眼前にいた。
915 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/20(金) 23:32:32.68 ID:G7G.5hYo
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
沙耶サイド――

「いらっしゃーい。なんちって、あはは」

沙耶は、研究所内でソファに座ったまま笑った。
入り口が吹き飛ばされた。
ガラスも壁も砕かれ、扉という扉をぶち壊された。
機械という機械を砕き、燃やし、粉々にされた。

「ようこそ――第二位垣根帝督」

それを行った人物、垣根帝督が沙耶の元に辿り着いた。

「それと、幻想殺し」

幻想殺し、上条当麻もその傍らにいる。
上条当麻は怒りを露わにした。

「あいつは……!心理掌握はどこにいる!」

「よくここがわかったねえ」

温度差があった。
沙耶はそんな上条に対し、飄々としている。

「俺がAIMキャプチャーを持っていることを忘れたわけではないだろ、第三位」

垣根が手近にあった机を蹴り飛ばす。
机は一つの大きなマシンにぶつかり、マシンを凹ませた。
バチリ、と紫電が弾けた。コードがむき出しになっているのだ。
何千万するかわからない機械を、また壊された。
それでも沙耶は笑むを崩さない。
何故なら、

「わかってんだよ第三位。テメェ、俺と上条を呼び寄せたかったんだろ?だから麦野たちをどかした」

予定通り、第二位と幻想殺しをここに連れて来られたから。

「なんでアレイスターに従ってんだ!お前だって学生なんだろ!?こんなことして、お前に何の得があんだよ!」

上条が牙をむき出しにする野生動物のように、吠えた。

「そりゃ得があるからだよー。ていうか、私はアレイスターの駒として作られた。――だから垣根みたいな超能力者とは訳が違うの。故に自分勝手に行動したりしないってこと」

パチン、と沙耶が指を鳴らした。
それを合図に、研究所内の奥から暗部の面々が姿を現す。
上条と垣根を相手に、沙耶たちは薄く笑んだ。

「さぁ、始めようか?」
916 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [アーたん可愛いよ]:2010/08/20(金) 23:35:23.73 ID:G7G.5hYo
次回に続く!次号、ついにあの二人がぶつかる!?


なぁーんてジャンプ的な予告で締めてみるんだよ!
少年漫画感覚で読んでくれると嬉しいな
てことでおやすみー
917 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 23:38:34.58 ID:GDwHGzMo
乙乙乙!
918 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/20(金) 23:57:36.08 ID:MrxJINo0
乙乙乙乙乙!
919 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 00:08:56.00 ID:lwpKXQDO
乙!
心理掌握が心配だわわ
920 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 07:01:52.75 ID:EbwHyIc0
だめだ乙しか頭に浮かばない
921 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/21(土) 11:23:31.60 ID:ZBCEEz6o
乙の21乗
922 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 05:22:05.43 ID:yfCv38E0
乙を二乗化することで通常の乙より多く乙をする、ツイン乙システム。


 乙
  乙

とりあえず乙、最初の説明に意味はない。
923 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 22:09:55.43 ID:7rjfB2.0
>>875
あれ続けてほしいな
誰か頼むよ…
924 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:20:41.46 ID:6t0a5kk0
>>923
今読んできたあれ面白いな
925 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/22(日) 23:26:43.31 ID:fN6Yx/.o
気になって確認してきたわ、心理掌握可愛いよちゅっちゅ
ところで心理掌握の外見ってどんな想像してる?
926 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 01:10:37.91 ID:8pEj4zEo
なんとなくぬらりの羽衣狐
927 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 13:54:58.92 ID:zXFefP.0
>>1のせいで金髪碧眼しか思い浮かべられんww
928 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/23(月) 20:14:59.62 ID:Cff6LkYo
戯言の萩原子荻
929 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 00:46:35.55 ID:Yj1CPuAo
上条サイド――

「心理掌握のやつはどこだ」

垣根が沙耶に尋ねた。
沙耶はニタニタと笑うだけで答えない。

「……上条」

「わかった。そいつはお前に任せる」

「大丈夫か?上条一人で二人を相手してもらうことになるが」

「心配すんなって。あいつらは計画とやらに俺が必要なんだろ?なら殺せないはずだ」

上条が拳を握り締める。
よし、と垣根は一息吐くと沙耶に目線を固定した。
垣根の背から四枚の羽が飛び出す。

「いいよ、私を倒せたら教えてあげる――」

沙耶が手≠研究所の天井に向ける。
ギィン、と低音が響く。
重力を操り内側から天井を弾き飛ばした。
ガラスの破片が黒い空に散る。
パラパラと光を浴びたそれが幻想的に輝く。
その元で、沙耶が飛び上がった。

「――心理掌握とアヤの居場所をね。来なよ未元物質、私たちの戦場にするにはここは狭すぎる」

手≠ェ沙耶の体を掴んだ。
握り締め、上昇。
研究所内を突風が襲う。
垣根は黙って。
黙って、そのまま飛翔。

「あっはは!幻想殺しは任せたよ!」

沙耶と垣根の姿が暗闇の外に消えて行く。
違う、消えない。
彼らの存在はあまりにも大き過ぎる。
バチッ、バチッと二つの力がぶつかっていた。

「よそ見もそれくらいにするんだな?」

「ッ!が、はッッ!」

暗部の連中から目を逸らした上条。
突き刺すような強い蹴りが、上条の腹を抉った。
そのまま後方の機器にぶつかって、上条は呻く。
930 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 01:13:53.36 ID:Yj1CPuAo
「うぐぁっ……!ぐ、が……」

激痛で、上条はしばらく動けなかった。
今までにこんな強い蹴りを喰らったことがあったろうか?
それほどまでに、鋭い蹴り。

「あ……・んた……何者、だ……?」

上条は腹を押さえ、ふらふらと立ち上がる。
対し、その男は冷静。
サングラスをしたスーツの男だ。
歳は二十代後半から三十代といったところか。

「甲賀だよ、甲賀の末裔さ」

ギュッ、とグローブを付けた拳を握り締める。

「私の名前は杉谷。正義を行う者だ」

「せい、ぎ……だと……?」

「そうだ」

杉谷はカツカツと足音を立てて近付く。

「おい」

その後ろからもう一人の暗部が声をかけた。
パイロキネシストの大男だ。

「なんだ」

極めて冷静に、どうでもよさそうに杉谷が振り返る。

「幻想殺しは俺にやらせろ」

「くだらんな。お前は一度裏切りをしている。幻想殺しの重要性も知らずに殺そうとしただろう?そんなお前に任せられるか」

「な、ならなんで俺をここに連れて来た!」

「人手不足、と聞かなかったか?それと――」

杉谷がスーツのポケットに手を入れた。
取りだしたのは拳銃。

「てめっ……!」

「生きているなら回収。――お前には他の裏切り者の排除をさせたからな。喜べ、お前の役目は今、終わった」

パイロキネシストが能力を使うより先に、杉谷の拳銃が火を噴き――大男の眉間をぶち抜いた。
931 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 01:30:51.03 ID:ZL0TRz.0
支援
932 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 01:31:23.90 ID:Yj1CPuAo
「なっ!?仲間を、殺しやがったのか!?テメェ!!」

激昂する上条。
対し、杉谷は涼しい表情で拳銃を上条に向けた。

「仲間?あれはただのクズだ。あんな悪人が存在を許される必要がどこにある」

「お前にそれを決める権利があんのかよ!テメェが悪としたら、そいつは生きてちゃいけねえのか!?」

「奴は悪だ。悪が存在して良い理由など、この世のどこにも存在しない」


「そんなことねえよッッ!!そんなこと、絶対にねえんだよ……!!」


上条が拳をモニターに叩きつけた。
モニターは画面が割れ、大きな音を立てて床に落ちた。


「なんでだよ……!なんで、なんでテメェらはいつもそうなんだ……!」


「何が言いたい」


「悪だとか……、罪だとか……、罰だとか……、どうして、どうしてそんなにルールを敷きたがるんだ!?なんでそんなに厳しいんだよ!!」


上条のそれは、怒りだけではなかった。
そこには、悔しさと悲しさが。


「俺にはわかんねえよ……。どうして、そんなに悪だ正義だと主張したがる……!?俺たちは物語の主人公じゃねえんだよ……!どんなに間違っても、やり直していいだろ……?それが人生だろ!?わけわかんねえよ……」


「それはお前が暗部を知らないからだ。罪を知らないから。人を殺したことのないお前が、何を知れると言う?」


冷笑を浮かべる杉谷。


「ふん、笑わせるな。誰だってそうだ。死刑制度を撤廃しろと言うやつがいるだろ?それを見てどう思う?俺にはエゴの押しつけにしか思えんね。カワイソウ、なんて言って見下せる自分が堪らなく心地よい立場なんだろう」


上条に、口を挟ませない。


「卑屈だとでも言うか?それもいい。だがな、幻想殺し。人を殺した事のない人間に、人を殺した人間の気持ちなど理解できない。お前がどんなに吠えようと、それは大きなエゴ、偽善の押しつけ、罪と罰も理解できぬお前にこの世界に首を突っ込む権利はない」
933 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 01:48:32.88 ID:Yj1CPuAo
「権利なんて関係ねえよ……」

「そうか」

「お前は……!権利が無いと誰かに言わて、諦めんのか!?テメェの大切なモンを奪われて、それを取り返そうとして、そこに権利だ悪だ罪だなんてゴチャゴチャ言われて……引き下がれんのか……!?」

「さて、どうかな。私には大切なモノなど己の信念しかない」

「信念、だと……?」

「そうさ、正義を行うことだ」

ギリッ、と上条が奥歯を噛み締めた。
拳を握り締める。

「俺には、正義なんて理解できねえ……」

「お前は正義ではないからな。お前は、ただのヒーローだ」

「うるせぇ……!俺はそんな肩書いらねえ!」

「いいや、教えてやろう。正義とはな、悪を罰することのできる者だ」

杉谷が拳を構える。
上条は床を蹴り、杉谷に向かう。
杉谷が上条に向けて、拳を繰り出した。
拳が、三つに分身したかと思えた。
防げた分身は一つ。
だがそれは上条の腕に触れる前に姿を消す。
残りの二つ。
どちらが来るか、わからない。

――くぁっ!?

一つは、上条の眼球の直前までやって来た。
思わず目を閉じてしまう。


「ごふぉッ!?」


そして、怯んだ上条の腹に正拳突きが炸裂した。
吐き気を通り越して頭痛すらした。
そのまま床に転がってジタバタと脚のもがれた昆虫のように呻く。

「悪を許した時点で、お前は正義を気取ることはできない。悪を罰する覚悟もなしに、正義は語れない。お前は、誰かれ構わず目に入った者を独善で助ける――その場限りのヒーローに過ぎない」

静かな杉谷の声が響く。
そこには、感情の高まりが垣間見えた。
上条は痛みに苦しみながらも――拳を強く握る。
934 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 02:00:26.56 ID:Yj1CPuAo
「ごほっ……!ぐ、がぁああっ……!」

立ち上がるのも、辛い。

「……わからんな」

そんな上条を見て一言。

「どうしてヒーローになどなりたがる?お前が仲間と豪語する連中は、揃いもそろってクズばかりだ」

その一言が、上条の胸を抉る。
どんな否定の言葉よりも。

「クズなんかじゃ……ねえ……」

フラフラとしながらも、その脚は前へ。

「アイツらは……!俺の大切な友達だ!それを助けるのに、理由なんかあんのかよ」

「友達?はっ、笑わせるな。違う、それは間違っている。お前のその眼」

上条の眼を指さす。

「そんな眼をしたヒーローに、あいつらは相応しくない。お前とあいつらは、相容れない。お前には、もっと光ある世界の人間が相応しい」

「知るかよ……」

「いつか絶対に破滅の時が来る。ヒーローと悪が、手を繋いでハッピーエンドなんて幻想はありない」

「幻想なんかじゃ、ねえ……!」

「そして後悔する。お前は、そしてアイツらは、絶対に後悔する」

「しねえよ……」

「出会わなければ良かったと、な――!」

上条に拳が向かう。
上条はその拳を避けられないと知った。
だから、上条は脚の力を抜く。
驚いた顔をする杉谷。
拳は空振り。
上条を踏みつけようとした杉谷。

「これ、なんだと思う?」

上条が手にしたのはバチバチと電気を弾かせる、ケーブルの束。
上条がモニターを壊した際、床に転がった物。
杉谷が声をあげるより先に、電流が杉谷に流れた。
935 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 02:18:55.53 ID:Yj1CPuAo
「……それで、勝てるとでも思ったか?」

数秒間電流を浴びるも、即座にその場を離れた杉谷。
大した効果は見られない。

「そんなチンケな電流で、私を倒せるものか」

「……」

上条は無言で立ち上がる。

「やめておけ」

無言で、立ち上がり、思い返す。

銀髪の男は言った――。

――だから俺は――闇に落ちた。

そう、薄く笑って言った。
たくさんの人間を殺して来た彼は、

――……安心しろ幻想殺し、もう俺が他人を殺すことはねえよ。

そう言った。
けれど、最後に見せた表情は、

――あばよ。

その顔は、人生に幕を引こうとしているかのようだった。
これで、終わりだと。

垣根は、いつだって飄々としていた。
彼は、いつだって孤独を感じさせた。
けれど、一体どれだけの人間が垣根の優しい一面を知っているのだろうか?

フレンダは、ずっと寂しそうだった。
そして、罪悪感を感じていた。
上条の監視という立場、麦野との離別。
それらを終わらせて、再び麦野や上条と笑いあえて、フレンダの本当の笑顔を上条は久しぶりに見た。

麦野はフレンダが唯一の支えで。
父を殺され、復讐に身を焦がした。
さらにはフレンダすら奪われ、どうしようもなくて、出口のないトンネルをひたすら走り続けた。
そんな彼女が、もう一度笑っているのだ。
この前なんて転んだ少女に手を貸して、大丈夫?なんて声をかえてあげて。
そんな優しい彼女に、生きてはいけないと言うのか?

上条は、それらを思い返して――やはり拳を握り締める。
正義だ悪だなんて、関係なかった。
936 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 02:29:17.32 ID:Yj1CPuAo
「やっぱり、関係ねえんだよ」

「……」

「俺にとって、あいつらは友達でしかない。確かに、お前の言う通りなのかもしれないな」

上条は、拳を強く握りながらも、笑った。

「あいつらは、間違いを犯した。――その罪は拭えないよ。でもな、アンタも言ったろ?」

上条が、拳を眼前に構える。


「俺は正義なんかじゃないんだってな――テメェの大切な友達が連れ去られるなら意地でも取り返す。そこに正義なんかねえよ」


「……」


「俺は、悪だの正義だのを名乗る誰が相手だろうと、同じことをする。正しいやつが相手だろうと、俺は友達を取り返す。たとえ――」


「……」


「俺が悪者だと、言われようとな」


「……なるほど、良い心がけだ」


「だから、アンタが俺の大切なモンをクズだと言い、殺すのなら――俺は全力で喰いとめる」


そして、


「そして、アイツに……心理掌握のやつに手を出すなら、絶対に許さない」


「ほぉ?目付きが変わったな。そこに何があるのか、聞くのは野暮か?」


「構わねえよ俺はただ、」


上条は、大声で叫ぶ。


「心理掌握のやつのことが好きだぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!だから大切な恋人を、俺はッッ――守るッッ!!」
937 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 02:36:20.16 ID:Yj1CPuAo
「くっくく……」

杉谷が笑い声をあげる。

「くっく、あっはは……!」

清々しそうに、心から楽しそうに。


「素晴らしいよ、幻想殺し。いや、上条当麻と呼ぼうか。私はお前を認めよう。喜べ、私に認められるなんてそうそうないぞ?」


「はっ、おっさんから求愛されても嬉しかねえよ。こちとらめちゃくちゃ可愛い彼女がいるんでね」


「あっはっは!そうかそうか、それは失礼」


だがな、と杉谷は前置きする。


「お前に心理掌握は、守れない」


「……」


「この計画は絶対だ。今回だけは諦めな、お前に彼女は救えない」


「いいぜ」


上条は、ニタリと笑った。
それは了承ではない。


「テメェが俺たちに バッドエンド しかないと言うのなら――」


右手を、大きく振りかぶる。


「まずは――その 幻想(バッドエンド) をぶち殺すッッ!!」
938 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 02:38:36.23 ID:Yj1CPuAo
あ…あれれ?
ぜ、全然進まないぜ?
や、ヤバいかも
今日はここまでだったりするけど……ヤバいヤバい
ネクストプロローグはカットだなこりゃ。あとエピローグもカットかなぁ…
939 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします :2010/08/24(火) 04:10:51.54 ID:DVW51wDO
乙ッッッ

おい誰か作者のためにスレ立てろ
カットとかありえねーし
940 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 06:49:41.23 ID:LcA7skw0
>>1

カットは絶対だめだ
だから誰かスレ立てお願い
941 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 09:01:46.62 ID:9aqNADE0
いや、作者以外が勝手にスレ立ててどうすんだよ。
トラブルの元にしかならんことを喚かんでくれ。
942 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 10:15:50.06 ID:bAhV9kYo
カットなんて悲しいこと言うなよォ
943 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/08/24(火) 11:57:23.81 ID:Yj1CPuAo
スレ立てについては、
>>609参照


944 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 13:36:46.10 ID:fh24zngo
カットなしでお願いします
945 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 13:55:23.98 ID:FepHh5Io
とりあえず完結させて総合あたりにおまけ投下すればいいなじゃない
946 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 13:58:14.12 ID:ZINZup.o
普通に新スレたてて全部終わったらhtml化でいいんじゃないのかい?
947 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [sage]:2010/08/24(火) 16:47:52.15 ID:Yj1CPuAo
>>945
この作品を総合にやるのは誰特だよ(笑)そうとうの知名度なしに総合は無理www
だから総合に行くことは絶対にないです

>>946
パートスレの人はみんな、そうしてるん?

ーーーーーー

あと本日投下and次スレ立てます
カット、というのはカットして次スレに書くという意味ですすみません(できればこのスレ内で三年前の話を終わらせたかったというワガママ)
先に風呂入って来ますキリッ
948 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 16:49:27.74 ID:Q75lCQgP
北石照代
949 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/24(火) 19:20:13.04 ID:4Y/cowQo
たしかにキリが悪いとスレタイの納まりが悪い気がして気持ち悪いよな
特にこういう場面の大きな転換があるとなおさら
950 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 22:03:52.68 ID:Yj1CPuAo
「……」

「……!」

杉谷が、拳銃を構えた。

「どうした?動けないか?」

だが、おかしい。

――杉谷の目線は、俺からずれてる?

そこで上条はようやく、異変に気付く。
沙耶が壊した天井。
そこから黒い霞が降って来ている。
それは研究所内に音もなく落ち、他の霞と融合する。

「これは……」

「言ったろう?私の目的は幻想殺しを殺すことではないと」

「これが、計画とやらなのか?空からこんなもんを降らせることが……」

上条の影が、重なった。
杉谷の持つ拳銃が火を噴く。
轟音。
弾丸は上条の腕と腹の合間をすり抜ける。

「なっ……!」

上条は後ろを振り向き、知った。
背後には――もう一人の上条当麻がいた。
だがそいつは、拳銃で腕を撃ち抜かれていたのに――傷一つない。

「フン、なるほどな……」

杉谷が拳銃をポケットにしまう。
上条はもう一人の自分の後ろの壁に、弾丸が突き刺さっていることに気付く。

「な、なんだよこいつ!」

「触れてみろ、自慢の右手でな」

ニヤッ、と杉谷が笑った。

「言われなくとも!」

音は、した。
けれどそれは、消えない。
もう一人の自分は――打ち消しきれない。
951 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 22:15:33.56 ID:Yj1CPuAo
「な、なんで消えないんだよ!」

「俺もここにいてはマズイな」

杉谷はそう言うと携帯電話を取り出す。
上条の右手は、ずっともう一人の自分を打ち消そうとしている。

――こいつ!背中からひも状に伸ばして天まで届けている!?

もう一人の上条。
それは背中から黒いひもみたいな霞のものを、空高くまで伸ばしているのだ。
有線のラジコンのように。
常に幻想殺しがそれを消そうとしても、そのひもの先の空一面を消しきれないのだ。

「くっそぉぉ!」

「私だ。迎えに来い。座標は今回の研究所のD―3αルームだ」

「おい!逃げる気か!?」

「そんな化け物を相手にするつもりはないのでな」

「くっ」

上条は背中から床に転がり、右手をもう一人の自分から離した。

「はぁ……はぁ……ぐ、ぐぁああっ」

ドクン、と心臓が跳ねた。
何が起こったのか、わからない。
右手に痛みは特にない。
けれど、右手が、震えていた。
麻薬使用者のように、ピクピクと震えている。

「迎えに来たわ」

ヒュンッ、と空気を切る音とともに黒いヒールの少女がやって来た。
テレポートだ。

「見せてみろ、上条当麻。どこまでその信念が通るのか」

杉谷はそう言うと、口元を上げて笑い――女とともに消えた。

「ちっくしょう!なんだってんだよお前!」

霞で出来たもう一人の自分に上条は吠える。
だがソイツは笑うだけ、そして上条に近づいてくる。
上条は飛び退くと、研究所内を走りだした。

「心理掌握のやつは、どこにいるんだ……!」
952 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 22:24:53.37 ID:Yj1CPuAo
「はぁ……はぁ……」

走り回る。
霞のソイツの速度は、あまり速くない。
だが確実に追って来る。
まるで、自身の影のように。

「ここは……!さ、さっき通ったか……!後はどこだよ、もう施設内全部見たぞ!?」

愚痴る間にも、ソイツは追ってくる。
椅子を投げつけてみた。
椅子はソイツをすり抜けて床に落ちる。

「実体が無いってのかよ!」

再び走る。

「どういうことだ……?これだけ見て回っても見つからないなんてまるで……」

垣根のAIMキャプチャーでここに来たのだ、間違いはないはず。
そして、沙耶は垣根と上条を呼び寄せたかった。
それは何故だ?
計画に必要だから。
心理掌握はならどうしている?

「くっそ!わっかんねぇ!」

辺りの機器を蹴り飛ばし、駆け回る。

「ぐぁっ」

何かに躓いて、その場に転んでしまう。
霞のソイツが追ってくる。
立ち上がろうとし、床に触る。

――ん?なんだかここの床、おかしくないか?

広い一面、何もないのだ。
それだけではない。
タイルがずれているのだ。

「ここって……あのソファからしてあいつらと会った場所か」

見上げれば黒い空。
戻って来たのだ。
こちらにやってくる霞のそれを無視し、タイルを取り上げる。
見つけた。

「なるほど、地下への入り口ってわけか」
953 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 22:37:38.25 ID:Yj1CPuAo
鉄製の扉を開き、その中に飛び降りた。

「暗……くないのか。まるで誘導されてるみたいだな」

扉は広く、そして、地下にはレールのような物があった。
もしかしたら研究所内にあった機械ごと心理掌握を連れ去ったのかもしれない。

『追うのかい?』

「ッ!?」

背後に、ソイツがいた。
霞でできたもう一人の自分。
邪悪に笑み、声をかけてきた。

「喋れんのかよ」

『気付かないのかとヒヤヒヤしたよ。あんな研究所内を走り回らなくても、もっと早く扉を見つけられると思ったんだけどね』

「そりゃバカですみませんねー」

――ん?ということはこいつは俺のコピーじゃないのか?

『そう、その通り。俺は幻想殺しと同じ見た目をしているだけの、ただの――天使≠セ』


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
垣根サイド――

羽をマシンガンのように撒き散らす。
上空。
闇に紛れながらも居る、沙耶を発見したのだ。
ギィインと低音が響く。
垣根はその場を離れる。
垣根が放った羽根を含め、先ほどまで垣根がいた場所が歪んだ。

「それが、自慢の擬似第一位の能力ってか?」

「厄介でしょ?君の羽根なんて簡単に消し飛ばせるんだよ」

「ふん、なら接近戦はどうかなァお譲ちゃん!」

羽を後方に向け、羽ばたく。
空気を切り、風を生み出す。
人間大砲のように、垣根は沙耶に一直線に向かう。
まただ。
沙耶を掴む手≠ェ指を開く。
沙耶は指の一本にぶら下がる。
そして、低音が響く。
垣根は急きょ方向転換し、それでも接近を試みる。
954 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 22:46:11.40 ID:Yj1CPuAo
「接近戦なら勝てるって?」

ピンッ、と何かを弾いた音がした。
近づく垣根にはわずかにそれが見えた。
一枚のコインだ。


「ねぇ、超電磁砲(レールガン)≠チて知ってる?」


「う、そ…だろ……?」


弾かれたコインに、電撃が迸る。
飛び出したのは紛れもなく超電磁砲。

「くっ」

羽を二枚、防御に当てる。
残り二枚で飛び続ける。

「はっ、なんだこの程度なのか」

そこまでの脅威ではない。
そう判断した垣根に――二本の超電磁砲が飛び込んで来た。

「効かねえよ!」

羽を回転させ、大きく方向転換。
水中に潜るように降下し、海面に飛び出す魚のように急上昇。

「ちょっとやってみただけなんだよねーまぁオリジナルより先にやってみたかったっていうか?」

バラバラと、沙耶が何かを撒き散らした。

「こんな暗闇で、裁縫針を見切れるかな?」

宙に撒いたのは、何百という裁縫針。
紫電が走る。
宙で停滞させたそれらが、垣根に向かう。
垣根は羽を二枚、前方に向ける。
それだけで全面完全防御だ。


ギィインと、低音が響いた。


「や、っべ!?」

垣根の二枚の羽が、撃ち砕かれた。
955 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 22:56:42.40 ID:Yj1CPuAo
重力をぶつけられ、羽がミシミシと音を立てて潰れた。

「前より威力上がってんじゃねえか」

「前回から随分時間があったからね、誰かさんみたいに遊んでいたわけじゃないし」

垣根は再び上昇。
背中から先ほどやられた二枚を再生。


「消し飛べ、雑魚が」


その全てを、放った。


「なっ……!」


沙耶に向かうのは無数の羽根。
その数はあまりに多い。

「くっ……」

低音が響いた。
沙耶は全てを撃ち落とすことはできない。
一点集中。
自身に迫るものだけに重力を押し当てる。


「ひゃっはぁ!」


そんな沙耶のわき腹に、垣根の蹴りがめり込んだ。


「ごほぉっ!?」


演算が中止される。
手≠ェ消える。
四枚を放ち、即座に羽を再び展開して迂回した垣根。
蹴り飛ばした後――さらにまた四枚の羽全てを放つ。


「ぐ、がぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


垣根の笑い声とともに、上空で大量の鮮血が飛び散った。
沙耶の体はそのまま地上に落ちて行く。
956 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:02:44.34 ID:Yj1CPuAo
「はっはぁ!死なせるかよォォ!」

垣根も沙耶の後を追う。
風を切り、その羽を一直線に伸ばして。



低音が響いた。



「くぁっ……!?」

それは、眼下の沙耶から。
いつの間にか姿を顕わした手=B



垣根の体に、正面からそれは当たった。


「ぐがぁっ!?」


骨がイカレた。
心臓が圧迫され、口から血を噴き出す。


「ごぼっ……!て、めぇ……」


沙耶が両手を広げている。


そこには、無数の針が、紫電を浴びている。



「バカだね、君」


電流を浴びた針の礫が、垣根を撃ち抜いた。


「ぎゃ、ぁああああああああああああああ!!」


羽が消えた。
今度は垣根が降下。
沙耶はニタニタ笑い、さらにコインを弾いた。
957 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:12:05.80 ID:Yj1CPuAo
迫るのは、超電磁砲。


超電磁砲が、垣根の腹を貫いた。



「がぁぁああああああッッ!?」


超電磁砲の攻撃範囲は50メートル。
物理学で分かる通り、コインが溶けてしまうからだ。
その、ギリギリの範囲内。


垣根の背から、四枚の羽が飛び出す。


「はぁ……!はぁ……!んだよ、大したことねえなぁ、レールガンってのもよぉ……」


唾とともに血を吐き捨て、垣根は不敵に笑う。


「だよねぇ!それら含めてイロイロな能力を扱える私、ダークエネルギーには敵わないよね♪」


「はっ、言ってろ雑魚が」


「あれれー?不思議に思わない?どうして超電磁砲の真似事ができるのか、って」


「……それだけじゃねえだろ」


「お?」


「ダークエネルギー、宇宙に存在し、未だ解けない謎の存在。エネルギーなのか物質なのか、それすらわからねえ代物だ」


「うんうん」


「そいつを操るなんて無理だ。――せいぜい学者どもが名付けたのは、幾つもの化学現象を引き起こせる能力って意味だろ」


「そだねー宇宙のそれを操れるってことは――星の力すら使えるってことになっちゃうし――ただの超能力者の私には無理だ、あははー」
958 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:23:49.80 ID:Yj1CPuAo
「ただの、超能力者ねえ」


「うん?」


「それ、言ってしまえば実現不可能と言われた――デュアルスキル、だろ?」



「うん、それが何?」


呆気なく、そう言った。
どうでも良さそうに、そう言った。
垣根は、そんな沙耶を見て、


笑った。



「あっはははははははははははははははは!!そりゃそーだ!!あっはっはあっははあはあはは!!確かに、ただのデュアルスキルに過ぎねえなぁぁああ!!」



「そうだよ、ただのデュアルスキル。――君や第一位みたいな、レベル6の可能性もない、ただの超能力者だよ」



「宇宙の力を、操るねぇ。あっははは!笑わせるよなぁ!それが何だってんだ!エレクトロマスター?シンクロトロン?いくらでも探しゃぁいるよなぁ!!希少価値も飛び抜けた計算能力もねぇ!」


「しかも、実際にはデュアルスキルに分類されてない、ってね♪」


「そうだろーよぉ!だってんなもん、エレクトロマスターが磁力を操れるのと変わらねえ!パイロキネシストでうめえやつが熱を使って風を生み出すようなもんだ!何の不思議もねえ!」


「そうゆーことさ、だから……ただのダークエネルギーなんだよ」


「様々な化学現象を引き起こす力、か。でもまぁダークエネルギーなんだろぉなー、あっはははは!だってよぉそれらを一人で行えるヤツなんざいねえ!確かにお前は超能力者の頂点に立っていい!俺や第一位がおかいしんだ!」


「全くだね。能力の強さ?実験に利益を生み出す云々?そんなものは関係ない!この街はレベル6を生み出すために存在してる!ならこんなたかがダークエネルギー≠ネんて存在しな物質を操れることに比べたら不思議も消し飛ぶよ!」


「解読不能の原石ってぇ訳でもねえしなぁ!いや、そうか!原石という解読に難航する能力があるなら、一人で宇宙に関連する多数の力が操れる程度、本当にただの超能力だなぁ、あっはははははははは!」
959 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:31:25.46 ID:Yj1CPuAo
二人は笑って、能力をぶつけ合った。


超能力者の第二位と第三位は、――未元物質と未知源発は、――――ダークマターとダークエネルギーは、


上空を舞台に、闘っていた。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
青髪サイド――

「平助遅いでぇ!」

「悪い!」

「他の連中は?」

「これだけの騒ぎだ、色々と被害が出ていてな!」

「そかぁ、ならしゃーないな」

青髪は、ビンを取り出す。

「おいそれって、先生に使うなって言われてたやつだろ?」

平助が心配する。
青髪ピアスは笑って誤魔化すと、――白い粉末を飲んだ。


ギラッ、と鋭い両目が夜闇に輝く。


「くっくくぅくくくくく!!こっから近いでぇ平助ェ!!」


「そ、そうか。行こう!」


「まァちょっち待ってぇな」


演算、開始――。


「そこのジョウチャン、能力借りるでぇ?」


テレポートを手に入れ、平助とともに――ある研究所へと飛んだ。
960 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:37:26.30 ID:Yj1CPuAo
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
窓のないビル――

アレイスターは、画面に映る少年を見ていた。

幻想殺し、である。


「さて、本来の力を見せてもらおうか?――幻想殺し」


薄く、笑った。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ある研究所、その地下奥――


「ぐ、ぁあああ……」


心理掌握の少女は、呻いた。

アヤはそれを見て――嗤った。


「どぅ?苦しいぃ?くっきゃきゃきゃ!」


嗤う。


心理掌握の少女は、床に崩れながら、転がり呻く。

「がぁ、あっぁぁあああああ――!」


学園都市の、全てをその頭に。

機械は外した。

それでも、心理掌握の少女には、学園都市の『声』が聞こえてしまう。


「苦しみなよ!もっともっとさぁああ!あひゃひゃっかかっきゃきゃきゃ!」


アヤが、狂ったように嗤う。
心底嬉しそうに、心理掌握を見下して。
961 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:44:12.73 ID:Yj1CPuAo
「どぉしたのぉぉ?くっきゃきゃあっひゃひゃはひゃぁああ!」


狂って、狂って、狂って、嗤う。


「ぐ……な、んでこんな事に……!」


「だぁかぁらー、苦しんでろって!」


アヤが、その場にあったモニターを振りかぶる。


「ッ!?」


その場を転がり、避けた心理掌握の――手をそれが押し潰した。


「がッがぁああああああああああああああああああああああああああッッ!?」


「くっはややはやあひゃひゃひゃ!!」


「い、痛い痛い痛い千切れるぁあああああああ!骨が、ががぁあああああああ」


押し潰れ、血管が千切れ、骨が砕け、血が噴き出す。


心理掌握の少女が、もう片方の手を伸ばす。

アヤは避けない。

その手で――心理掌握の能力では、光を飛ばさなくとも、その手で触れれば記憶の読心・人格の洗脳・想いの消去・意思の増幅・思考の再現・感情の移植、なんでもできてしまう、必殺の手を――アヤは避けない。

そして、


「無駄だよぉ?わかってるくせにぃ♪」


嗤った。
962 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/24(火) 23:52:30.91 ID:Yj1CPuAo

そうだ、無駄なのだ。


第一位や、幻想殺しでもないのに。


電子ロックで脳内の電気信号を制御できる、エレクトロマスターでもないのに。


世界で、一人だけ――アヤには心理掌握の能力の全てが効かない。


心理掌握は、思い出す。

始まりの日曜日、上条とファミレスで話した時の事を。


――それで、例の女の子に心≠入れたのか。

上条が、言った。

心理掌握は、上条に教えた。


――知っていますか?私が半径五メートル以内の人の思考を読み取れること。上条先輩には効きませんけど。


それを、


――私は彼女の心が視えるのが怖かった。だから彼女に心≠入れてアヤ≠生み出した時――、


ただの、怖さからやってしまったことを。


――彼女の思考が私に視えないようプロテクトを構築したんですよ?


そう、ただ一人。


アヤに、心理掌握の能力は効かない。


精神感応系の最強の能力者、心理掌握の能力が生み出した最強のプロテクトを持ってして――。


始まりの日曜日は、アレイスターにとっての――計画の大きなステップだったのだ。
963 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/25(水) 00:02:27.30 ID:LBQE2cQo
「あっひゃはははっひゃぁあ!全ては計画の通り!」


もはや、心理掌握の片手は感覚を失っていた。


その手は、死んでいた。


「あの日、なーぜかあんたはアヤが気に入らなかった!ん?アヤの前の名前、なんだっけ?まぁいいやぁ」


心理掌握の少女は、脳内をスパークする声と、アヤの声に絶望を覚える。


「そして、心を壊した!あっひゃひゃ!なぁーにがレベル5だぁ?全ては計画通り、あの時感情を増幅された事にも!気付いていやしない!」


アヤが、嗤う。


「そして、幻想殺しとの接触。――銀髪のレベル5と接触」


嗤う。


「あいつが心理掌握を殺せる場所の情報を得ただぁ?送ったのは暗部だ!そして、それを幻想殺しが打ち破り、心理掌握とくっつく!全て計画通り!」


それは、アヤなのか?


「幻想殺しと心理掌握の交差は絶対に必要だった。交差しなかったパラレルワールドでは、アレイスターは失敗している!だからやり直した!何度でもやり直せる!あれが!天使アバター≠ェいる限り!」


アヤの中に潜むそれは、なんなのか?


「出来そこないのレベル6、時元転覆を喰らった天使は、その能力を手に入れる!出来そこないの人間がそれを行使しても、脳みそから血ぃ吹いて死にかけるからなぁ!だからレベル6を喰らうのは、計画の内!」


現在、心理掌握の能力をアヤに媒介させ――天使を発生させている。そのアヤは、何が入っている?


「何度もやり直した!幻想殺しが途中で死んだり、右手が覚醒しなかった際!第二位や、第一位が死んでしまったり、となぁ!」


今、ここにいるのは――誰だ?
964 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/25(水) 00:12:30.65 ID:LBQE2cQo
「幻想殺しの覚醒の条件、それはぁ、一定量の幻想を殺し!右手を凌駕する物を打ち消すこと!」


果たして、誰がいる?


「そうして――幻想殺しは真の姿見せる!もうすぐだ!現在、アバターが幻想殺しと衝突している!全ての計画は、回っている!」


アレイスターか?いや違う。


「あとは、上空の第二位が覚醒すれば!計画は順調に進むんだぁぁああああひゃっひゃひゃ!」


「……ねぇ」


ポツリ、と心理掌握が声をかけた。







「床、こんなに黒かったっけ?」



「く、ひゃ……ひゃはっはははあっはははhっははははははっはははははははははははははははははっははっははっははははは気付きやがったかぁああああっはあはhっははっ!!」


アヤを――遠隔操作しているのは、第三位沙耶。

心理掌握の能力を機械を通して自分に強化させ、それを元にアヤを遠隔操作。


「第二位との戦闘なんて片手間で十分なんだよぉおあっはっはっはひゃひゃあっははは!」


けて、と心理掌握が呟いた。

「あぁ?」


「助けてぇええええ上条せんぱーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!」


ドアを蹴散らし、雄たけびを上げて――上条当麻がそこに飛び込んで来た。
965 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:13:40.50 ID:LBQE2cQo
だぁれもいにゃいー疲れたよぉおやすみー
966 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:14:57.19 ID:LBQE2cQo
あ、次スレ立てるか
明日の夜にする?どーするべき?
967 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:16:05.48 ID:UNlhXfAo
いるぜよ(´・ω・`)
968 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:17:03.08 ID:t4snkeco
スレを埋めないように気を使ってたんだよ
言わせんな恥ずかしいwwww

無駄な雑談がなければスレ立ては明日でもいいかと
969 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:19:11.10 ID:Z20.7YEo
おい



970 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:20:07.09 ID:.fYC93oo
面白かった…明日以降に更なる期待をしつつ
お疲れ様でしたと言いたい
971 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:22:25.96 ID:kOGgj.oo
誘導があった方がありがたいから
スレが埋まる前に立ててくれ

とりあえず乙
972 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 00:29:51.52 ID:LBQE2cQo
まぁ明日の夜までに残り数レスでも残してくれりゃあ誘導できるべ

書き忘れたけど、



幻想殺しが、一定量の幻想を殺した→これは心理掌握の領域のことね。
常に自動で発生する領域を、一緒にいる間、ずっと消し続ける。
それだけで計画の速度をかなり短縮できるってわけ



大切な伏線回収の一部分を描き忘れたのが悔しいッ
973 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/25(水) 07:57:47.17 ID:ulTIeASO
974 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 20:37:21.92 ID:1K49SEso
おや、埋まってない
これなら20レスくらい使ってこのスレで終われるかな?三年前エピ
それとも次スレ誘導してこのスレは無難に埋めてもらうか

決めてくれ
975 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 20:39:06.05 ID:eWykq2oo
次スレ
976 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 20:39:34.04 ID:dtzZ44Uo
本編関係ないおまけをどうぞ
本編は次スレ
977 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/26(木) 21:27:40.46 ID:1K49SEso

次スレですよ〜みなさーん


http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282825313/-100


おまけ投下は…考えときます(笑)だからこのスレはもう好きに書きこんじゃっていいんだゼ!というか次スレではもう、書き込み我慢しなくていいからな!ほ、ホントに我慢しないでね!?
978 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:50:50.41 ID:1K49SEso
う、埋めていいんだよ?グリーンだよ?
979 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:56:50.14 ID:.HzjaD.o
んじゃ埋めまし
ていうか>>1の小ネタで埋める事を個人的には希望してるんだぜ?
980 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 22:59:42.32 ID:TKpPBl2o
雑談で埋めていいなら
漫画の超電磁砲のことなんだけど、俺はコミックス派なんだ
コミックス五巻の最後では記憶喪失後の上条さんと美琴が初めて会ってるんだけどコレって続くのか?
漫画の禁書の方はガンガンで連載してたよな?同じ話になるとおもうんだが、どうなの?
981 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:01:50.30 ID:1K49SEso
>>980
に超電磁砲の続きを答えるの禁止!

何故なら俺が途中からコミックス派になったから!
絶対だぞ!フリじゃないからな!
気になるけど…ネタばれは控えてくれると嬉しいかも
982 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:03:44.70 ID:dBGVm0Yo
なんだ禁止なのか あぶねぇあぶねぇ
バレ書くところだったよww
983 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:05:34.37 ID:1ghi/VkP
俺涙目、ググッてみるか
984 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:23:33.77 ID:302C3MAO
>>983
逆に考えるんだ。「バレ」を書こうとした人が居るという事は、少なくとも続きはあるという事だ。
俺もコミックスだから詳しい事は知らんが。
985 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/26(木) 23:29:34.27 ID:TKpPBl2o
こっちでもPは付くんだな、知らなんだ
ググッてみたらあっさりと見つかったわ、六巻は今のペースからすると来年か……
986 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:14:47.13 ID:egEjxcko
とりあえず適当に書いたもんを投下する
本編と特に関係ないよー
ついでにオチもないよー
987 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:16:36.36 ID:egEjxcko
本編関係ないおまけ


【上条さんバイト初体験ですよ】

「エロっ」

「いきなり何ですかフレンダさん」

上条はコンビニのレジに立っていた。
記念すべき客第1号はフレンダ。

「なんか初体験てのがエロいなぁって思った訳よ」

「はぁ、そうかい」

「テンション低いわね、どしたの?」

「暇なんですよ」

「ほぉ、こんな夏休みの昼間なのにねぇ」

「全くだよ、なんで二時間も経って客がお前一人なんだよ」

「まぁまぁ、結局、楽でいいじゃんって思っとけばいい訳よ」

「そーなんだけどさー」

ピッ、とフレンダが持って来たサバ缶をバーコードで読み取る。

「398円になりまーす」

「んー、一万円で」

「メンドくせーなー、一万円お預かりしまーす」

「結局、これも上条にレジの練習をさせる為って訳よ」

「あ、なるほど。サンキューな」


えぇっと、と上条は戸惑う。
レジのボタンをポチポチとパソコン初心者みたいな指付きで叩く。

「ぅおっ、開いた。えーと、千円札が一枚、二枚、三枚」

「……不器用」

「い、言わないで……わかってるから」
988 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:18:04.83 ID:TObYtjYo
おまけリクエストしてよかった
僕の心理掌握ちゃんも出ますよね!!!
989 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:18:05.47 ID:egEjxcko
ありゃっしたー、と適当にフレンダを見送る上条。

「ふぅ、続き読むか」

某水曜日に出る週刊少年漫画誌を開く。
レジに置かれた椅子に腰かけ、パラパラと続きをめくる。

「イギリス編…だと?あー飛行機こうやってパスすんのね、ははっ薬使い過ぎだろ」

パラパラ。

「先生、取材楽しかったんだろうなぁ…いいなぁ海外旅行。フランスにイギリスか、一生のうちに一度行けるかどうか……はは、ただの学生だもん当たり前か」

それからしばらく経って。

「お?本当にバイトしてんのね」

麦野がやって来た。

「ひやかしでも大歓迎ですよー」

「どしたの?客来ないの?」

「うぅーん。なんだかそうみたい」

「ふーん。私はよくここ来るんだけどね」

「へぇ、お嬢様なのに珍しいな」

「まーね……」

麦野はファッション雑誌を手にして弁当コーナーに向かう。

「雑誌なら立ち読みしてていいぞー」

「嫌よ貧乏くさい」

「ですよねーお嬢様ですもんねー」

990 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:20:28.92 ID:egEjxcko

「んー、お、やっぱシャケ弁入荷してる」

「あー、そういやお前って何故かシャケ弁好きだよな」

「この前怒って以来、ここの店員ちゃんと入荷してんのよねー」

「何店員に迷惑かけてんだよ」

「いや、あの日よ、初めて……その、上条と会った日」

「ん?……あーなんか襲いに来たやつな」

「襲っ!?ち、痴女みたいに言わないでよ!」


ホイ、と雑誌と弁当とお茶のペットボトルをレジに置く。
上条は慣れない手つきでバーコードを押していく。

「温めますかー?」

「んー」

「へーい」

「お箸入れましょうかー?」

「んー」

「へーい」

「……」

「……」


「シャケ弁にはね……思い出があるんだ」


唐突に、麦野がそう言った。
俯いたその顔は、どこか悲しげで。
今にも壊れてしまいそうで。
上条は、

「そうか……」

としか言えなかった。

――こいつにも、色々あったんだな……。
991 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:23:21.43 ID:egEjxcko


ピン!


「お、温め終わったわね!んじゃこの話終ー了」


「うぇえええ!?何晴れ晴れとした顔してんの!?こっちはシリアスモード突入準備に入ってましたよ!?」

「ん?続き気になる?今適当にでっちあげたんだけど」

「なんだよ!思いっきり同情してたぞこら!」

「いやー温め終わるまでの沈黙ってなんか嫌じゃない?」

「だったら別の話題振ればいいだろ!」

「いやん、エッチ」

「何が!?」

「全くもぉー年上のお姉さんだからって欲情してー♪」

「何の話!?あ、そういえばお前高校生で数少ない年上キャラだったな!今まで忘れてたわ!」

「ひどい話よねー、せっかく年上キャラで上条を魅了するヒロインの予定だったのに」

「あー、なんかすまん」

「いつの間にか、どっかの小学生に…小学生に取られてるし……」

ワナワナと震えるむぎのん。

「えっと、ムギノさん?」

「有り得なくない!?わ、私のほうがずっと胸でかいのよ!?」

「いきなりどうしたんでせう!?」

「どこがラブコメよ!ラブコメ要素全然ないじゃない!結局心理掌握ルート一本道じゃないのよー!」

「ぐぇ、ガクガク揺らさないで!か、上条さん死んじゃう!」

「うわーーん!」

「泣きたいのはこっちだー!ぐ、ぐぇええ、ちょ、マジ首絞まってる!ふ、不幸だぁああーーー!」
992 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:26:32.04 ID:egEjxcko
さらに数時間後。

「ちぃーす上条遊びに来たぜ」

「こ、こんにちは……」

垣根がやって来た。
隣にはメジャーハートの少女。
赤いドレスに身を包んだ、心理掌握と変わらないであろう年齢。

「おー垣根の彼女」

「かっ、かの…!?」

唐突に赤くなる。

「だから違うって言ってんだろ。んで、どうよ?俺が紹介してやったバイト」

「誰も客が来ねえ」

「はっは、だろうな。なんせここは危ない奴ばかりが寄るってんで有名だ。みんなビビって寄りつかねえよ。シャケ弁ないと光線ぶっ飛ばす!なんてやつもいるって噂だ」

――麦野……お前、噂になってんぞ。

「……納得。垣根の紹介だってことはそうなんだなー」

「他にも裏カジノのディーラーとかのバイト募集あったが……上条って器用?」

「器用じゃねえしそれ以前にディーラーって客と勝負すんだろ?不幸な俺がやったら赤字だって」

「それを逆手に取った八百長なんてのも……」

「上条さんをダークな世界に連れ込まないでください」

「はっは、冗談だって」

「帝督は昔、カジノのディーラーのバイトしたことあったような」

メジャーハートが顎に指を当てて思い出す。


――というか垣根は名前で呼ばれてんのか。結構深い仲?

――ん?待てよ、垣根ってば土御門に俺はそんなシュミねえとか言ってたが。

――心理掌握と変わらない歳なら、こいつも……ロリコン!?


動転した上条は、自分をロリコンに該当させていることに気付かない。
993 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:28:50.70 ID:egEjxcko
「やったなぁ。つってもカード中心だけど」

「私、店内怖いから近付かなかったけど、何かあったのよね?」

「んー、あー……なんかスキルアウトの連中と戦った覚えがある」

「やっぱり揉めて終わったのね……はぁ…」

「あ、そうだ思い出した!あいつらグルでカウンティングしてたんだよ!」

「スキルアウトが…?そんな頭あるの?」

「計算能力の付いた最新技術っぽいコンタクトを入れてやってたんだ」

「すごっ」

「それで俺が、スキルアウトのゴリラかゴルゴみてえなボスっぽいやつと殴り合いになってな」

「あー容易に想像できる」

「忍者っぽいスキルアウトが煙幕投げてボスと逃げやがった」

「逃げられたの?」

「あぁ、ムカついたから暴れたら……」

「建物が崩壊したのね」


――なんだろう、夫婦っぽい。

――それも以心伝心してるっていうか、もう熟年夫婦?

――夫婦かぁ。



――心理掌握と俺もあぁなるのだろうか。

――し、新婚夫婦、とか。



想像してみる。
994 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:30:06.17 ID:egEjxcko
〜〜〜〜〜

「あなた♪起・き・て?」

ゆさゆさ、と心理掌握が上条を揺らす。
ゲコ太のエプロン装備だ。
朝食の準備が終わったのだろう、食欲をそそる香りが寝室まで届く。

「んー、眠い……つか昨日の戦闘で疲れて動けねえ…」

「起きないと遅刻しちゃいますよ?」

今何時―?と布団をかぶったまま上条が訊く。

「えっと、6時30分です」

「まだ寝ててもいいじゃん〜てことでおやすみぃ」

「大事な報告会議があるんじゃなかったんですか?」

「うぉっ、忘れてた!また上司に怒られちまう!」

「ふふ、それじゃ起きて顔洗って来てくださいね?」

「うーい。あーしんどい……昨日の超能力者は厄介だったなぁ」

立ち上がり、ふらっとする。

「だ、大丈夫ですか?」

「あー、大丈夫だって。たぶん、きっと」

「熱は……」

ぴとっと心理掌握が額を上条の額にくっつける。

「ないみたいですけどー、他にどこか辛い場所はありますか?」

「だ、大丈夫だって!今ので元気出た!」

「?」

小首を傾げる心理掌握。

そして、ふふっ、と笑った。

「もう、あなたったら〜♪」

「あ、ははー」
995 :pasuta ◆QXQDE8vvhs [saga]:2010/08/27(金) 00:33:24.24 ID:egEjxcko

「それじゃ、目を覚ましてあげますねっ♥」

「へ?」


そして顔を近づけ……。


「んっ、んふ……んはぁ……」

「……んっ……ぷはぁ……」

「……目、覚めましたか?あなた♪」

自分からやったくせに、顔を赤くする心理掌握。

「はい……」

もちろん上条も顔真っ赤。

〜〜〜〜〜

「なーんてなぁ……あははー、んなわけないってかーでもこの幻想だけは、誰にも壊させたりしないぜキリッ、なんつってなー」

ニヤニヤ、クネクネ。

以上上条の妄想。


「……」

「……」



「はっ!か、垣根!?とメジャーハート!?い、今のは別に何か妄想してたわけじゃないから!違うから!――やめて!そんな憐みの目線を向けないでー!」



【上条さんバイト初体験ですよ】終わり。


心理掌握「うそ…上条先輩私の出番ないんですか!?」

上条「?」

心理掌握「メインヒロインなのに…」
996 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:34:24.63 ID:egEjxcko
悔しいからスレタイのタイトルコールっぽいのしてみたんだよ!
終わりなんだよ!
997 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:34:50.96 ID:GwFaekQo
ニヤニヤが止まらないぜww乙
998 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:35:14.60 ID:TObYtjYo

>>1000への踏み台
999 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:35:35.10 ID:Sr4NdU.o
999
1000 :VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]:2010/08/27(金) 00:37:33.29 ID:6WWPaYSO









1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
   ゝー '_ W   (9)ノ(@)
   「 ̄ ・| 「 ̄ ̄|─-r ヽ
   `、_ノol・__ノ    ノ   【呪いのトンファーパーマン】
   ノ          /     このスレッドは1000を超えました。
   ヽ⌒ー⌒ー⌒ー ノ      このレスを見たら期限内に完成させないと死にます。
    `ー─┬─ l´-、      完成させても死にます。
        /:::::::::::::::::l   /77
       /::::::::::i:i:::::::i,../ / |
       l:::/::::::::i:i:::、:::/ / |
       l;;ノ:::::::::::::::l l;.,.,.!  |
        /::::::::::::::::l/ /  冂
       /:::::::;へ:::::::l~   |ヌ|
      /:::::/´  ヽ:::l   .|ヌ|               製作速報VIP@VipService
      .〔:::::l     l:::l   凵                  http://ex14.vip2ch.com/news4gep/
      ヽ;;;>     \;;>

1002 :最近建ったスレッドのご案内★ :Powered By VIP Service
究極の自動放送を考えるスレ @ 2010/08/27(金) 00:30:20.51 ID:/V3Jse60
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1282836620/

上条「何だこの本? 汚ねえなぁ……」 @ 2010/08/27(金) 00:29:46.34 ID:/SYv0NEo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1282836586/

【夏が過ぎ】ここだけファンタジー世界Part94【風あざみ〜♪】 @ 2010/08/27(金) 00:00:10.12 ID:e/bIrNI0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1282834810/

らき☆すたのオープニングでパンチラしてるよな @ 2010/08/26(木) 23:52:41.79
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4vip/1282834361/

あにゃこにゃ @ 2010/08/26(木) 23:38:49.85 ID:qZG5EgAO
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1282833529/


Powered By VIPService http://vip2ch.com/

468.83 KB   

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)