ラノベの設定を安価で決めたい - 製作速報VIP（クリエイター） 過去ログ倉庫

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1 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:26:22.82 ID:1QhWA3U0

まずはタイトル>>5

こういうのはvipでなくてこっちでやった方がいい……んですよね？
安価スレできるほど人がいるのか著しく不安だが、とりあえず。

1.5 ：荒巻＠管理人★(お知らせ) [Twitter]： ID:???

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寝こさん若返る ＠ 2024/05/11(土) 00:00:20.70 ID:FqiNtMfxo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715353220/

第五十九回.知ったことのない回２６日１７時 ＠ 2024/05/10(金) 09:18:01.97 ID:r6QKpuBn0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715300281/

ポケモンSS　安価とコンマで目指せポケモンマスター　part13 ＠ 2024/05/09(木) 23:08:00.49 ID:0uP1dlMh0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1715263679/

今際の際際で踊りましょう ＠ 2024/05/09(木) 22:47:24.61 ID:wmUrmXhL0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aaorz/1715262444/

誰かの体温と同じになりたかったんです ＠ 2024/05/09(木) 21:39:23.50 ID:3e68qZdU0
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715258363/

A Day in the Life of Mika １ ＠ 2024/05/09(木) 00:00:13.38 ID:/ef1g8CWO
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715180413/

真神煉獄刹 ＠ 2024/05/08(水) 10:15:05.75 ID:3H4k6c/jo
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715130904/

愛が一層メロウ ＠ 2024/05/08(水) 03:54:20.22 ID:g+5icL7To
　　http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1715108060/

2 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:30:55.04 ID:1QhWA3U0

やはり人はそこまでいないのでしょうか。
それともあまりに魅力の無いスレタイだったのでしょうか。

とりあえず自己加速です。

3 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:34:17.22 ID:ThEwzCc0

加速ー

まぁタイトルぐらいは自分で決めた方がいいかも。
後どんな作品にする、とか。
安価じゃなくて、小説合同制作みたいな感じで

4 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:35:45.02 ID:1QhWA3U0

>>4
なるほど。
でもできれば方向性も全て安価任せにしたいんですよ。
もし安価だった場合は↓

5 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:36:29.69 ID:.SN8bcDO

VIPでやれ

6 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:36:56.46 ID:BBzZQ5g0

VIPの方が良かったと思う
ここはそんなに人いないし
まあVIPだと安価に>>1000とか書かれるかもしれんが

7 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:39:37.75 ID:1QhWA3U0

今私のパソコンも携帯も規制に巻き込まれてvipに書き込めないんですよ。
立てた以上最後までやらせて下さい。
安価は近めで行きます。

タイトル：vipでやれ

主人公の名前>>8 主人公の特徴>>10

8 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:41:58.72 ID:ThEwzCc0

まぁ、乗りかかった船だし。

名前 富永(とみなが) 紹也(しょうや)

9 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:42:47.82 ID:/GknJU.0

かそく

10 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:45:44.65 ID:.SN8bcDO

最後までやりきらない

11 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:45:44.70 ID:ThEwzCc0

髪が茶髪。
運動能力まじ異常。
勉強、下の中。
なんか気っぽいのが使える。

12 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:47:53.75 ID:zaePLwo0

まずジャンルというか方向性を固めるべきだと思うな
安価なら、ＭＩＢみたいな格好をしている

13 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:48:31.89 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。

次はヒロインですね。
ヒロインの名前>>13ヒロインの特徴>>15

一応安価がでそろったらこのスレに書いていきますんで。

14 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:49:52.90 ID:1QhWA3U0

>>13　自己安価してしまいました。これはナシでお願いします。

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。

次はヒロインですね。
ヒロインの名前>>16ヒロインの特徴>>19

一応安価がでそろったらこのスレに書いていきますんで。

15 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:52:40.39 ID:B5l8Erc0

かそく

16 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 22:55:42.78 ID:B5l8Erc0

夏風(なつかぜ) 風華(ふうか)

17 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 22:59:56.00 ID:1QhWA3U0

ええい、自己加速

18 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:04:39.50 ID:1QhWA3U0

さらに自己加速　もし安価なら↓

19 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:06:33.58 ID:.SN8bcDO

実在しない

20 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:10:04.62 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない

さて次は脇役です。ハルヒでも古泉や長門や朝倉のような名脇役が周囲を盛りたてますね。
とりあえず脇役の名前を二人分安価します
脇役Ａの名前>>21
脇役Ｂの名前>>22

21 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:10:47.28 ID:EjOsK2M0

いやいや、実在しないはヤバイでしょ！

主人公の特徴を知ってるからドロップキックを食らわして最後までやらせるとか？

22 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:13:42.87 ID:kvM7iAAO

エレキング

23 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:13:57.45 ID:EjOsK2M0

>>21 の名前、 寺崎(てらざき)薫(かおる)

>>22 の名前、 野々宮(ののみや)隆明(りゅうめい)

24 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:14:38.76 ID:qWMT6lM0

暁暁（あかつき　さとる）

25 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:16:01.98 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない

さて次は脇役です。ハルヒでも古泉や長門や朝倉のような名脇役が周囲を盛りたてますね。
とりあえず脇役の名前を二人分安価します
脇役Ｂの名前エレキング

多分>>21さんは名前としてレスしたのではないだろう、ということで再安価>>26

26 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:17:10.75 ID:cLgYa9w0

有坂　ヤイバ

27 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:17:56.23 ID:EjOsK2M0

ミスったんだよー！


寺崎(てらざき)薫(かおる)

28 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:19:40.78 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない

さて次は脇役です。ハルヒでも古泉や長門や朝倉のような名脇役が周囲を盛りたてますね。
とりあえず脇役の名前を二人分安価します
脇役Ａの名前：有坂ヤイバ
脇役Ｂの名前：エレキング

有坂ヤイバの特徴>>29 エレキングの特徴>>30

>>27 すんません。安価は絶対、ということで。

29 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:20:41.31 ID:EjOsK2M0

加速なんだよ！次の安価はとってみせる！

30 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:21:28.68 ID:EjOsK2M0

なんか氣っぽいのが使える

31 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:21:40.19 ID:cLgYa9w0

頭に角はえてて黄色。黒い水玉のワンポイントがおちゃめ
テールが長い。地味

32 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:23:29.24 ID:EjOsK2M0

>>29 ごめん。なんかミスった。>>30の内容を>>29にしてくれない？
>>30は電気が使えるで

33 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:23:37.42 ID:cLgYa9w0

29って加速できるって意味なんだ？

34 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:25:41.80 ID:EjOsK2M0

>>33 ミスったの。次の安価が30ですって見えちゃったの！
うん、ごめん。

35 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:27:36.59 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない
脇役Ａの名前：有坂ヤイバ　特徴：加速できる
脇役Ｂの名前：エレキング　特徴：氣っぽいのが使える

>>33説を採用します。

次に敵、もしくはライバルです　まずはライバルの名前>>37

36 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:32:12.12 ID:1QhWA3U0

おなじみ自己加速　安価なら↓

37 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:32:31.49 ID:cLgYa9w0

城山珠代
EjOsK2M0ェ･･････。ｶﾞﾝﾊﾞﾚよ！

38 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:32:55.05 ID:EZQ4eZw0

この流れだと、存在しないはずのために人生で始めて最後までがんばる、とかいったストーリーになりそう。
安価なら 由神(よしかみ)直木(なおき)

39 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:34:04.95 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない
脇役Ａの名前：有坂ヤイバ　特徴：加速できる
脇役Ｂの名前：エレキング　特徴：氣っぽいのが使える
ライバル、敵の名前：城山珠代　

ライバル、敵の特徴>>40

40 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:35:04.37 ID:kvM7iAAO

黄色地に黒模様の体色､長大な尾と本来の動物なら眼があるであろう場所にある回転する三日月形の角が特徴
身長：0.3〜85ﾒｰﾄﾙ（尾を含めた全長｡
頭頂高53ﾒｰﾄﾙ）
･体重：50ｸﾞﾗﾑ〜2万5千ﾄﾝ
･ｽｰﾂｱｸﾀｰ：西京利彦
ﾋﾟｯﾄ星人が操る生物兵器であり､木曽谷の吾妻湖にてﾋﾟｯﾄ星人に育てられ､ﾋﾟｯﾄ星人の危機に巨大化

41 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:35:53.01 ID:EZQ4eZw0

時を止める。
制限あり。

42 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:36:41.07 ID:cLgYa9w0

>>40
www

43 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:38:12.33 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない
脇役Ａの名前：有坂ヤイバ　特徴：加速できる
脇役Ｂの名前：エレキング　特徴：氣っぽいのが使える
ライバル、敵の名前：城山珠代　
ライバル、敵の特徴：>>40

他に何か安価すべきものありますか？

44 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:39:11.66 ID:cLgYa9w0

ストーリーの進み方とか主題とかは？

45 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:41:39.64 ID:EZQ4eZw0

いやいや待って。
見た目とか、プロフィールと特徴は違うと思うんだよ。
つーか、生物兵器がどうやってライバルに！？中の人がライバルになるんじゃないの！？
まぁ、作者さんがいいって言うのなら別にいいけど

46 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:44:16.32 ID:qWMT6lM0

まず存在しないヒロインとライバルをどうにかしないとｗｗｗｗ

47 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:45:52.84 ID:cLgYa9w0

提供は円谷ぷｒだろうな。

48 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:45:53.50 ID:1QhWA3U0

タイトル：vipでやれ
主人公：富永紹也
主人公の特徴：最後までやりきらない。
ヒロイン：夏風風華
ヒロインの特徴：実在しない
脇役Ａの名前：有坂ヤイバ　特徴：加速できる
脇役Ｂの名前：エレキング　特徴：氣っぽいのが使える
ライバル、敵の名前：城山珠代　
ライバル、敵の特徴：エレキングっぽい

ストーリーに関しては自分で決めたいので、そこは安価無しでお願いします。
じゃあ、良いですかね？　ストーリーを決めてしまうようなものでなければ何でもいいですけど。

なさそうだったら書き始めます。

49 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/04(火) 23:48:28.82 ID:EZQ4eZw0

まぁ、存在しないヒロインを存在できるようにするためにがんばる主人公、でよくない？
頑張って！

50 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:49:58.06 ID:ie..2UDO

存在しない＝妄想かと思ってた

51 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:51:22.17 ID:qWMT6lM0

あれは？作者のＰＮっつーのかな。

52 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/04(火) 23:59:05.23 ID:1QhWA3U0

くそったれ。富永紹也は心の中で悪態を吐いた。
今日も朝早くから目覚しにたたき起こされている
2081年製の、古びた時計。脳に電流を起こして覚醒させる、古典的なあの目覚し時計。
「くそ。今や音波で優しく起きる時代だぞ」
不必要に目が覚めてしまった頭を忌々しく思いながら、紹也はスイッチを押して電流を止めた。

「あー、今日もやらなきゃなんねえのか」
寝ぐせをついた頭を直そうともせず、紹也は仕事場である自身の書斎へと向かった。

53 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:01:18.18 ID:5c7h50w0

トリップつけてみました。
ちなみに>>52からスタートです

54 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/05(水) 00:09:26.48 ID:y1f.b420

乙。未来設定か。期待支援

55 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:11:27.02 ID:5c7h50w0

紹也は書斎の中心に鎮座する巨大なコンピューターの前に座った。
散らばったプラグを掻き集め、被ったヘルメット状の機器に挿していった。
右耳のスピーカーから電子音が聞こえる。
『ピーピーピピピーピー』
これは単なる電子音では無い。
要約すれば『セキュリティーコードを告げよ』という意味になる電子的言語だ。
やれやれ。今日もこの音を聞かなきゃならんのか。
紹也はうんざりしながら、電子言語が言い終える前に、マイクにむかって強い語気で言った。
「セキュリティーコード、mpoapgbsokifsas」
もう暗記してしまった、支給されたコード。
そう言い終えた瞬間、紹也は電子世界に落ちていった。

56 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:19:40.76 ID:5c7h50w0

「よう、遅いぜ」
「また寝坊してたのか？」
いつも通り、予定時間の十分遅れで現れた紹也に、二人の男が話しかけた。
「うるせえよヤイバ。お前だって別に早く来たわけじゃねえだろ」
「ふふん。ところがどっこい。俺は今日は時間前に来て、早くも一体処理しちまったんだ。
　お陰で褒められちゃったもんね」
そう自慢げに鼻をならせる小男は、有坂ヤイバ。
こいつは一度自慢話を始めると長い。どうせ尾ひれ三百％増しで武勇伝を語り始めることだろう。
紹也はヤイバの言葉をさえぎるように、もう一人の大男に話しかけた。
「ふん、エレキング。お前はどうせ一番にきたんだろうな」
「その通り。模範的な生活リズムが模範的な人生を形成するのさ」
そのエレキングと呼ばれる男は金髪をなびかせた。

「やれやれ、じゃ、はじめるか」

57 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/05(水) 00:21:04.91 ID:y1f.b420

エレキングの存在感がｗｗｗｗｗｗ

58 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:25:04.33 ID:5c7h50w0

時は、2100年。
結局人類は、環境問題も民族紛争も解決することはできなかった。
増え続ける混沌を処理しきれなくなった人類、特に富裕層は、新たな逃げ場を探した。

それが、ネットだった。

富裕層は体に栄養を送るチューブをつなぎ、脳内情報だけをこの電子世界に送り込み、
理想の肉体を得て、理想の世界で暮らしている。

翔也達三人は、この金持ち連中のための虚像の世界の『掃除人』を担っていた。

59 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/05(水) 00:27:33.12 ID:y1f.b420

おお！面白そう！

60 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:32:57.07 ID:5c7h50w0

電脳世界の住人達は、要塞のような施設の中で、巨大なコンピューターと脳をつないで、甘美な眠りを享受している。
そのコンピューターに生まれてしまったバグを除去するのが、彼らの仕事だ。

この『掃除人』という仕事は、最下層の仕事に位置する。
ネット世界につながるというのは手厚く保護された富裕層の為の道楽であって
貧乏人がやるものではない。
なぜなら、ネットとつながっている間は本当の体がまったく無防備になってしまって危険だからだ。
こんな仕事をしているのは、職に困った貧困層か、金に執着する高校生くらいだ。
紹也達三人は、後者に属する。

61 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:41:55.74 ID:5c7h50w0

「どーすんだ紹也？　今日はどのあたり行く？」
「別にどこでもいいだろ？　監視役に見つからない所でブラブラしてよーぜ」
三人はネットの世界を適当にぶらついていた。
ネットの世界、と言っても特に現実世界と変わらない。
違うのは、汚れた空気も灰色の空も地面に転がる数え切れないゴミも、無いということだけだ。
だが富裕層にとっては、それはずいぶん違うことらしかった。
金持ち共が子供だった頃の２０２０〜２０４０年代は、
まだそういう光景が残っていて、こういう景色が彼らの郷愁心を刺激するのだ。
だが生まれたころから空が濁っていた紹也達には、別にどうという世界ではない。

62 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 00:52:46.86 ID:5c7h50w0

「あそこらへんはまだ行ったことないだろ。行ってみようぜ」
紹也は街のはずれにある細い道を指差した。
「おお、いーじゃんいーじゃん。ああいう薄暗い所にゃ監視員もこねーだろーしなー」
「だろ？　今日のパトロール先はあそこに決定な」
紹也とヤイバは重たい身体を引きずりながら、そのレンガ造りの建物に挟まれた小道へ向かった。

「待ちたまえよ」
やたら重々しい声で呼びとめたのは、エレキングだった。
「我々の職務はバグの処理だ。時間をつぶすことを考えていてどうする」
「けっ、おいまたエレキング様がなんか言ってるぞ」
「ま、ほっときゃいーって」

エレキングは、この三人の中でリーダーでありたい、という願望が見え隠れする男だった。
一人だけ本名を隠して『キング』なんて単語の入った名を名乗っている時点で、そういう性質が現れているのだろう。
紹也とヤイバの二人はエレキングのそんな性格にもう飽き飽きしていて、もはや無視に近い。

「さ、行くぞヤイバ」
「おうよ〜」
「こ、こら。私の話を聞かんか」
三人は結局、その薄暗い道へと入っていった。

63 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 01:05:58.07 ID:5c7h50w0

「ん？なんだありゃ」
道の先に、おかしなものが見えた。
もやもやとした、青白い塊。

「なんだお前、そんなことも知らんのか」
エレキングがえらく胸を張って、二人の間に割って入った。
「あれはネット世界に生じたズレだ。あの空間と別の空間が不当にリンクしてしまっているのだ」
「ふーん、ってこたあ、あの先はまた別の場所とつながってるんだな」
ヤイバは楽しそうに笑った。
「ほう。そりゃ興味深いな」
翔也もうむ、と深くうなずいた。

「というわけでだ。あれはバグの一種なわけだな。我々としてはキチンと処理して――」
「おい、エレキングがなんかしゃべってるぞ」
「ほっとけ。何の役にも立たん」
目をつぶって気持ちよさそうにしゃべるエレキングをおいて、ヤイバと紹也は、その異空間のズレに足を突っ込んでいた。
「お、おい馬鹿もの。何をしている。おいったら」
慌てたエレキングも、二人を追いかけようとその中に飛び込んだ。

64 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 01:17:59.59 ID:5c7h50w0

「お？　ここはどこだ？」
「こりゃ変な場所に来ちまったな」
バグの先にあったのは、真っ白な空間だった。

「お、おいお前ら。私を置いていくな」
「それよりエレキングよ。ここはどこか分かるか？」
「うん？　ここは……、ここは、どこだ？」
紹也は肩をすくめた。
「駄目だ。どこかわかんねえよ」
ヤイバは笑って答える。
「逆に考えろ。こりゃなかなか楽しい状況だぜ。探検してみよう」
「なるほど」
紹也も感心したように目を大きく広げた。
「探検な。こんな真っ白な場所にも何かあるかもしれねえ」
そう言ってぐるりと周囲を見渡しても、何もない。
ただ一面が純白なのだ。
足元を見ても影ができていない。地面すら真っ白なのだ。

65 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 01:24:02.98 ID:5c7h50w0

「元の場所に戻って、さっきのズレを上司に報告するべきだ」
そう主張するエレキングを置いて、二人はずんずん進んでいった。

「おや？」
この真っ白な空間に、はじめて一点の黒点を見つけた。
それは近付くにつれ、点から徐々に形を形成していった。

「女の子……か……？」
紹也は目を疑った。だが、何度見ても同じことだった。
真っ白の謎の空間に浮かぶように、黒髪をなびかせる少女が、にっこりとこちらに笑いかけているのだ。

「あらあ？　どなたあ？」
天使の羽のように柔らかな声が紹也の耳を優しく撫でた。
紹也は、一瞬で心を奪われた。

66 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/05(水) 01:27:42.49 ID:y1f.b420

おお、存在しないって設定がこうなるのか

67 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 01:46:10.73 ID:5c7h50w0

「あ、いや、その、別に」
紹也はすっかり狼狽し、耳まで顔を赤くしてあたふたと答えた。
「お、俺達は、なんかよく分かんないんだけど、ここに来ちゃって」
少女はその様子を見て面白そうにクスクス笑いだす。
「変わった人ね」
「よ、よく言われるよ」

68 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 01:58:36.91 ID:5c7h50w0

「あなた達は一体どこからきたのお？」
少女はかわいらしく小首を傾げ、上目遣いで紹也達を見た。
「あ、あの、俺達はクリーナーのアルバイトをしていて、で、ちなみに俺の名前は紹也っていうんだ」
負けじとヤイバも声を張り上げる。
「俺はヤイバ！　有坂ヤイバ！　かっこいい名前だろ？　これは親父が元々武士に憧れてて……」
ヤイバの声をさえぎるようにエレキングも続いた。
「わ、私はエレキングだ。バグをクリーンする時に電気のようなエネルギーを発生させる機械を使うからなんだ。
い、一度是非あなたの前で凶悪なバグを翻弄する姿をお見せしたい」
「ふざけんな。それなら俺の目にもとまらないスピードだって」
「お、俺の銃さばきだって大したもんだ」
「ふん、紹也。お前はいっつもダラダラやっててバグなんてほとんど倒さねえじゃねえか。
　『やめたいやめたい』ってグズるばっかでよ」
ヤイバのその言葉に、紹也はふん、と鼻を鳴らしてふてくされた。
その通りだったからだ。

69 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 02:06:22.43 ID:5c7h50w0

ね☆む☆い

会話文が増えたのはそのためです。
まあ２ちゃんで見る分にはその方がテンポ的にもいいかもしれませんが。

というわけで、ちょっと休みます。たぶんこの板なら落ちる心配はそこまで無いと思うので。
もしこんな時間帯まで読んで下さる方がいたのなら、
本当にありがとうございます＆すみません、です。

70 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/05(水) 03:01:09.49 ID:JrfxTU20

おお…なんだこれ普通におもろい…
期待！

71 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 12:59:52.42 ID:5c7h50w0

「あ、あなたの名前は？」
紹也は顔をずいと伸ばして、その少女に近づけた。
少女は少し考えるような様子を見せて、ぽつりと答えた。
「夏風……風華」
「ふう……か……」
それは高原の香りのする、彼女に良く似合った名前に思えた。

72 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/05(水) 13:42:49.83 ID:5c7h50w0

「どこに住んでいるんですか？　風華さん！」
次に顔を突き出したのはヤイバだった。
その顔は若干赤らんでいて、その語気もまるで弾むようなものだった。
「どこに住む……？」
風華は小さく首をかしげた。
「ここよ。私はずっとここに住んでいるの」
「ここ？」
ヤイバと紹也は同時に疑問の声をあげた。
少し考える様子を見せたヤイバが、
「あ、そうか。もうほとんど現実世界には戻られないってことですね。
　すげえなあ、本物のＶＩＰだ。ずっとこの電脳世界で暮らしてらっしゃるんだ」
風華はまた首をかしげる。
「現実世界？　よくわからないわ」

73 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/05/05(水) 17:05:08.30 ID:F9WP9cMo

無茶苦茶すぎる設定だと思ったが案外ちゃんとしてて吃驚

74 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/06(木) 03:19:19.03 ID:JrHRD4Q0

「よくわからない？　すげえな、噂にゃ聞いてたけど本当にいるんだな。
　赤ん坊のころから電脳世界の住民なんだぜ」
ヤイバがすっかり興奮した様子で紹也の袖を引っ張る。
「やっぱ育ちの良さが出るんだな。俺、こんな優しげな人見たことねえ」
紹也はこの風華に出会ってからというもの、片時も彼女の顔から眼を離していない。
いや、離そうにも離せないというべきかもしれない。
「そんなあ、あんまり褒めないでぇ」
頬を染めて笑う風華の笑顔は、満開の桜のように美しく、柔らかく、暖かだった。
風香の顔を見ているだけで、紹也は幸せな気分でいっぱいになった。

「もう、あんまりジロジロ見ないで」
風華はさらに照れるような顔で笑う。
紹也とヤイバはますます顔をだらしなくさせる。
しかし、その時、風華の顔が、まるでテレビの画質が乱れた時のように揺れたのに気がついたのはエレキングだけであった。

75 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/07(金) 02:09:18.62 ID:KSzoFwg0

まだかね

76 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/07(金) 19:18:28.42 ID:8L3hshQ0

その後、彼らはその空間で、風華と楽しいひと時を過ごした。
特に紹也にとっては、ここまで時間が早く過ぎて行ったのは初めてだった。
ひとえに風香の笑顔と柔らかな笑い声のおかげだった。
彼女が微笑んでくれるなら、それで良いとさえ思えた。
処理速度を早めれば、短い現実時間の中でもっとたくさんの会話はできたろうが、彼らにはそれを申請する権利も金もなかった。

「じゃあ、また遊びに来てねえ」
仕事の終わる寸前になってようやく、彼らはそこを離れた。
ひらひら揺れる白い手のひらが、高原に咲く花に見えた。
「絶対またくるよ」
「待っててな」
ヤイバと紹也はそれに答え、数時間前にくぐった時空のズレの中へ体を沈めていった。

77 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします ：2010/05/08(土) 12:05:57.54 ID:dsIZrSc0

風華かわいいなｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

78 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/09(日) 09:13:12.09 ID:Sah1JMc0

ネカフェで書きこもうと思ったら公開プロキシだった。びっくりした。
会員制だしいけると思ったんだけど……

79 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/09(日) 15:52:55.94 ID:Sah1JMc0

「わあ。綺麗なお花ぁ。どうしたの？　そんな綺麗なお花、どこに咲いてたのぉ？」
「電子マイエンフェルトの高原さ。あそこにはこういう花がいっぱい咲いてる」
「わあ、素敵。本当に綺麗。私、その場所に行ってみたいなぁ」
「風華くらいのお嬢様なら申請しただけで行けると思うよ。俺たちなんてパトロールの一環でようやく移動許可がおりるくらいだけどさ」
「あらぁ、私、そんなんじゃないわよぉ」
「またまた謙遜しちゃって」

紹也達は仕事の度に風華のもとを訪れるようになっていた。
前半は真面目にパトロールをして、そこで風華へのお土産を手に入れ、彼女に会いに行くのだ。

「うふふ、ありがとうね。紹也達が来てくれるようになってから、私凄く楽しいの。幸せ」
『紹也達』。自分の名前を挙げてくれたことにはしゃぎそうになる喜びを我慢しながら、
「そ、そうかい。それはマジで俺も嬉しいよ。俺も君に会えるようになってから――」
ヤイバが不機嫌そうな顔で紹也を押しのける。
「俺も凄い幸せだよ。君と出会ってから毎日が楽しいんだ」
「お、おい、俺がまだしゃべってたろ！」
「うるせーな。デレデレしてんじゃねーよ」
「お前だってだろ！」
「うるせー！」
言い合いが始まったが、彼らの顔は笑顔だ。それを見つめる風華も笑顔。
ただ一人、それを暗澹の顔で見る男があったが、誰もそれに気付かなかった。

80 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/09(日) 16:28:42.19 ID:Sah1JMc0

朝だ。
まだだんまり状態の目覚しのボタンを叩き、頭につないだコードを引き抜く。
「さて、仕事すっか」
今日もいい目ざめだ。
風華と出会ってからというもの、仕事が楽しくてたまらない。
日々に潤いが出ると、生活習慣まで改善されてくる。
「今日はどんなお土産持っていこうかな……」
風華が物珍しそうに目を見開き、心の芯から楽しそうにほほ笑む姿が思い浮かぶ。
「セキュリティーコード、mpoapgbsokifsas」
電子の海が、紹也の脳に流れ込んできた。

81 ：vipでやれ ◆NbsQaUQMfw ：2010/05/12(水) 23:43:56.90 ID:boKXjyQ0

「あれ？」
集合場所に着いた紹也は目を丸くした。
「あいつは？」
「いねえんだよ」
ヤイバは肩をひょいとすくめてみせた。
時刻はすでに予定時間の二分前。
「あいつはいっつも十分前には来てるんだけどなぁ……」

エレキングが、いなかったのだ。

82 ：VIPにかわりましてGEPPERがお送りします [sage]：2010/07/07(水) 23:27:01.11 ID:/yAQg1co

て